Abyss Walker In The Magic World 作:城縫威
1 / 13
使命
何時からか、この命を与えられ赴いたこの世界。
全てを黒ペンキで満たしたような世界をずっとずっと歩いてきた。
粘着質の泥のように足には黒が纏わり付いてくる。
身体は既にボロボロで傷のない所などありはしない。
ずっと歩いてきた、救うために闘うために、終わりなど見えないこの世界を歩いてきた。
左腕はもはや使い物にはならない、自らの意志で動かそうとも神経そのものが断ち切られているのだろうか、だらんと身体に着いたおまけかの様にぶら下がっているだけだ。
盾はない。
我が友のために置いて来た。
後悔はしていない、我が友を守るためだ、後悔などするはずがない。
そもそも今の左腕では盾も持つことは出来ない。
もう一人の皮肉を言うのが大好きな友には増援を呼んできてくれと頼んだ。
今は私一人だけだ、身を守る物は殆ど守る力を失った鎧に使いすぎ使い始めた時の鋼の輝きなど見るも無残になくなったこの大剣しかない。
だが身体はまだ動き、私はまだ生きている。
剣を振るう腕もあれば敵に肉薄するための足もある。
ならば終わりなくとも歩き続けよう。
私は王グウィンが騎士、四騎士が一人のアルトリウスだ。