Abyss Walker In The Magic World 作:城縫威
しかし感想にあったように文章を多く出来ていない…orz
「さてウォーカー君、積もる話しは一旦ここで止めて食事にしようか。君も起きたばかりでお腹がすいているだろ?」
にこやかに言う士郎。どちらかと言えばウォーカーのお腹のことより自分が早く食べたいように見える。
「しかしいいのか?先程も言ったが私は見ず知らずのあやしい者だぞ?」
会って十数分、人を知るには余りにも短い。だというのにこの男はウォーカーと食事を取ろうとしている。生きていた世界が違うウォーカーだがそれでもこの状況がかなり特殊だということはわかる。士郎がなかなかに良い人だというのは分かるのだがウォーカーにとって知り合ったばかりの家族の中で食事を取るというのはとても自分が傲慢なのではないかと思ってしまうのだ。
「なに、いいさ。お互いをより知るため、親睦を深めるためということで。それに桃子さんの料理は絶品だぞ?」
「そうか、ならばご馳走になる。美味しいと言われた食事を断るのは惜しいからな。」
「そうだな、断っていたら俺がぶん殴っているところだな。」
二人の間に笑いが起こる。互いに似たような性格なのか気が合うようだ。士郎は料理が出てくるまでの間ずっと桃子の惚気話を話していく。毎日のように聞いているなのはや恭也、美由紀にとっては聞き飽きたものだがウォーカーにとっては違う。長らく冷たい世界にいた彼にとって士郎の話しはとても暖かく聞いていて飽きないのだ。
「ほぉ、結婚してからもそんなに中のいいものなのか。」
「そうさ、僕たちはずっと愛し合っているんだ。この関係が壊れることなんてありえないね。」
それはもう嬉しそうに話すこと話すこと。料理を作っている桃子にもその話し声は当然入ってくる。少し恥ずかしい話もあるが桃子の顔には自然と暖かな微笑みがうかんでいた。
「士郎さん、あんまり恥ずかしい話しをしないでくださいね。」
桃子が木で作られたボールにサラダを盛り付け運んできた。
「はは、すまないね。少し自重するよ。」
「そうすることです。」
二人いい笑顔で話す。なんとも見ていて微笑ましい。
「ああそうだ、ご馳走させてもらう身だ、運ぶくらいの手伝いはしよう。」
ウォーカーにとって自分は客人のような存在だ。しかも食事をご馳走させてもらうのだからと手伝いを申し出た。彼にとっては親切心、良心から来たものだったがそれを見ていた士郎には何か引っかかるものがあったようで。
「む、ウォーカー君。もしかして桃子さんを手伝うという体で口説こうとしていないか?」
嫉妬心だ。ただの手伝いごときまでに嫉妬を燃やす士郎。
「そんなわけあるわけがないだろう。深く愛しているのは分かるがそこまで考えるのはどうかと思うぞ?」
ほんの少し顔の険しくなった士郎にウォーカーは言う。すると士郎は数秒ウォーカーを見た後、直ぐに顔を笑顔に変える。
「なに、冗談だ。ヒヤッとしたか?」
「全くだ。一度止まった心臓がまた止まるかと思ったぞ。」
険悪な雰囲気などこの場にありはしない。お互い軽口を言い合える仲にあっという間に士郎とウォーカーはなってしまったのだ。それはお互いに人の良い性格のなすものなのだろうか。
「流石に起きて早々の君に手伝わせるわけにはいかないよ。なのは、お母さんを手伝って来なさい。」
浮かべた微笑みをウォーカーの隣に座っていたなのはに向ける。なのははその言葉に満面の笑みで「うん!」と答えてぴょんと椅子から降りて桃子の側へ行った。
「じゃあなのは、お願いね。」
桃子となのははキッチンの方へと行った。
「ふむ、なかなかに良い家族だな、ここは。」
ひしひしと伝わる家族の暖かさにぽつり言葉を漏らす。
「自慢の家族だ、当たり前さ。」
聞き逃さずに士郎は答える。
「ウォーカー君、君もここで暮らすことになるんだ。と言うことは、だ。」
士郎はテーブル越しに手を差し出す。
「これから君は僕達の家族の一員になるんだ。よろしくな。」
ウォーカーは少しだけ顔を驚かせる。だがそれは直ぐに深い微笑みへと変わる。
──暖かいな。この暖かい家族の一員に成れるのか。それはとても…。
その手に応じるウォーカー。
「ああ、よろしく頼むよ。これからな。」
たった今、ウォーカーはこの家族の中に入ることが出来たのだ。
ところで今まで全く会話には入っては来なかった恭也と美由紀だが、どちらも最初の士郎の惚気話が始まってからというもの、なかなか会話に入るタイミングが掴めずただただその状況を見ていることしかしていなかった。美由紀の方は特に来にしていない様な感じなのだが、やはり恭也は全てに納得がいっていないようで、顔に少し皺が寄っていたのだが、それを気にするウォーカーと士郎ではない。話しはトントン拍子に進んでゆきウォーカーは家族に向かい入れられたのだ。
次に更新できるのは何時になるのかなぁ