言い訳ですが、とにかく忙しかったのです。
テストに試験、職場体験の打ち合わせに、その他諸々。
まだ、地獄のような日々です。
あいさつに向かう途中に襲撃など色々あったが、案内され船の甲板に出る。
漆黒の海と夜空を背景にして、広大なデッキの隅に立っている一人の男。
純白のコートをまとった美青年。長身。金髪を揺らしながら振り返った青年が蒼い瞳が古城を写した。
刹那、彼の全身が純白の閃光に包まれた。
「──先輩!」
真っ先に動く雪菜。そして、それをかばって動く紗矢華。
だが、それでも純白の閃光は防げない。
コートの青年が放った光の正体は、光り輝く炎の蛇。灼熱の吸血鬼の眷獣だ。
一方の古城は突然の事でまったく反応できてない。
「ぐお...っ...!」
危険を察知したのか、古城の全身が眩い雷光に包まれ放たれた稲妻が炎の蛇を迎え撃つ。
どうやら古城が今現在、従えている唯一の第四真祖の眷獣、“
純白の蛇は消滅すると同時に、稲妻も消える。
「あっぶねぇ! なんだこれっ!?」
攻撃の余波で焼け焦げた甲板。
その事はお構いなしに白いコートの青年は、拍手をしながら喋りかけてくる。
「いやいや、お見事。やはりこの程度の眷獣では、傷つけることもできなかったねェ」
のんびりとした声で男は言う。
古城は低く身構えたまま男を睨む。
他の二人も愕然としたまま動けない。
あれだけの眷獣でもまだ一部でしかない。それをもし完全に解き放っていたら果たして古城は防げていただろうか。
男は古城へと徐々に近づいてくる。
しかし男の次の行動は、誰も予想できなかった。
彼は古城の前で片膝を突き、恭しい貴族の礼をとったのだ。
「御身の武威を検するがごとき非礼な振る舞い、衷心よりお詫び奉る。我が名はディミトリエ・ヴァトラー、我らが真祖“
あまりの見事な彼の口上に、みながその場に立ち尽くす。
「あんたが、ディミトリエ・ヴァトラー...? 俺を呼びつけた張本人?」
かすれた声で古城が訊いた。
ヴァトラーはニヤリと微笑んで顔を上げた。
「初めまして、と言っておこうか、暁古城。いや、“
ヴァトラーは古城を迎え入れるように両腕を広げる。
「...はい?」
言葉の意味が理解できない古城は弱々しく呟きを洩らす。
「そいつの事は気にしないほうがいいぜ。変態だからな」
その古城にアドバイス?をするカルマ。
古城はどこからともなく現れたカルマに驚きつつも、カルマが放った言葉に呆然とする。
「...変態?」
「ああ、そいつはとてつもない変態なんだよ。そして非常識な迷惑野郎」
古城はカルマがここまでサラッと悪口をはく事に驚き、内容に驚き忙しい。
「それは酷いじゃないか。僕たちの仲だろう」
「お前はめんどくさいからな...相手をするのが疲れる」
「相変わらずだね、カルマ」
「お前こそ俺の予想通りの行動をしてるじゃねーの」
「ふふふ、やはり
相変わらずのヴァトラーにため息をはくカルマに、とてもご機嫌なヴァトラーという正反対の反応をする二人に古城達は声をかけれずにいた。
カーテンの切れ間からこぼれる朝日を浴びて、目を覚ましたカルマは昨日の事を思い出しながらぼーっとしていた。
ディミトリエ・ヴァトラーがこの絃神市に来た理由は、第四真祖たる古城に会いに来たといった事もあったが。それだけではやはりなかった。
黒死皇派と呼ばれる過激派のクリストフ・ガルドシュが絃神島で真祖を殺す手段を手に入れ、テロを起こそうとしているらしい。
そこから雪菜が黒死皇派の残党を確保しだすと言い出し、ヴァトラーは古城の伴侶にふさわしいのか見極めさせてもらうよ、と謎のバトルを繰り広げ、古城たちの深夜の会談は終わりを告げた。
咲夜が呼びに来るまでぼーっとして過ごすカルマだった。
他の作品を更新するのはもうしばらくかかると思います。
気を長くして待っていただければ嬉しいです。