ブレイクブレイド~荊と壊刃   作:ユーベル

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魔力無者《アン・ソーサラー》1

アリサsid

 

人間何が起こるか解ったもんじゃないね。

 

何せ事故死したと思ったら、机と椅子と筆記用具と何かを書き込む用紙が置いてある真っ白い部屋に居たのだから。

 

ん?

前世の事を覚えているかって?

そりゃ覚えているさ。

ああ、言っとくけど前世は二十代前半の男性自衛官だから。

ま、任期満了で辞めたから()が付くけどな。

まさか離隊した直後に事故死するとは思わなかったけど。

 

え?

用紙には何を書いたかって?

転生先が解らないから

1.アリサ・イリーニチナ・アミエーラの容姿

2.ゴッドイーター及び咎人の身体能力

3.各種戦闘技能

4.各種生産製造系技能

5.異空間収納

て、書いた。

こうしとけば大抵の世界はどうにかなるからね。

容姿に関しては…お気に入りのキャラだから、としか言いようがない。

 

あ?

性別?

普通に女ですけど?

質問の意味が違う?

ああ、性別が変わることに抵抗は有ったのか、ってこと?

別に。

死んじまった時点で輪廻転生するのは確実だからね、気にしていなかったよ。

転生先の両親は考古学者()()()()

 

うん、過去形。

私が五歳の時に遺跡の調査中に起きた落盤によって死んじまったから。

 

それからトゥル将軍に引き取られて孤児院に入って、古代語って呼ばれている日本語と英語を解読したり、ゴゥレムの設計図書いたり、神童って呼ばれたりしたねえ。

で、今じゃあ軍人で

“バルド将軍旗下シギュン直属ガルム試験隊隊長兼副開発主任”

何て肩書きを齢18にて持つようになってしまった。

ま、それは置いといて…

 

「見つかりませんね」

「そうだな」

「本当にこの辺りに居るのですか?」

「ホズル様の話ではな」

「ハァ」

 

ライガット・アローが見つかりません。

この荒野で人一人見つけるのは砂の中から米粒を探すのと同じだし。

ん?

あれは…?

居た!

 

「バルド将軍、見つけました!」

「何処だ」

「一時の方向に人影!」

 

私の声に反応してバルド将軍も同じ方向を見る。

あ、倒れた。

 

―パチン

 

「あれか…!」

「そのようです」

 

さて、回収回収っと。

 

「しかし、このバイクの乗り心地は良いな」

「ありがとうございます。そう言っていただけると作ったかいがありました。偵察部隊向けの試作品ですが」

「長時間使用することを目的としているのか」

「ええ、長時間乗っているとお尻が痛くなりますから。後、ギアの変更により速度を犠牲にした長距離走行と、パーツの磨耗速度が速まりますが追跡を振り切ることを目的とした高速走行が可能です」

「よく思い付いたな」

「古代のバイクの設計図を解読した結果、ギアの変更により走行性能が変わる機構が組み込まれていたので、それを試験的に組み込んでみた結果です」

「成る程」

 

と、話をしてたら到着だ。

 

「ライガット・アローだな?ホズル国王がお召しだ!」

 

さあさあ、主人公ライガット・アロー。

くそったれな戦争へようこそ。

 

「…だ…誰…だ…?…み…水ぅ…」

 

あ、死にかけてた。

 

sid out

 

ライガットsid

 

だ、誰だよ。

それよりも喉が渇いた。

水をくれぇ。

 

「どうぞ」

 

女の声?

でもありがてえ。

三時間前に水筒の中が空になっちまってたからな。

取り合えず水分補給だ。

 

ングング

 

美味ぇ~。

これが五臓六腑に染み渡るってやつか。

 

「本当にこの辺りで倒れているとはな…。ホズル様の仰っていた通りだ」

 

あ、空になっちまった。

 

「…俺は魔動技術で動く乗り物が扱えないからな…。それを計算したんだろ。あいつらしいよ…」

「こちらもどうぞ。塩分補給用に作った飴です」

「お、ありがとな」

 

つか、この優しい姉ちゃんはなんだ?

軍服着てっけど。

 

「…本当にいたのだな…。『魔力を持たない者』…!」

 

このおっさん。

慣れてっけど少しイラッとくるは。

 

「悪かったなぁ~~」

「いや…生まれて初めて会ったのでな…。癇に障ったのなら謝ろう」

 

へえ?

いい人ぽいじゃん。

 

「別に、慣れてるよ。で、あんた誰?」

「クリシュナ王国の将軍――バルドだ。ライガット、君を王都(ビノンテン)に案内する」

「将軍もお一ついかがですか?」

「む、いただこう」

 

げ、マジ!

 

「しょ…将軍?ですか?将軍閣下直々のお出迎えですかぁ?」

「ホズル様のご友人で、直々に喚ばれましたのでほぼ国賓待遇と言っても差し支え有りません」

 

マジかよ。

魔力が使えない以外一般人の俺がそんな待遇で良いのかよ。

 

「あ、申し遅れました。私はアリサ・イリーニチナ・アミエーラ上等重騎士。此度はバルド将軍の護衛として同行して参りました。以後お見知りおきを」

 

へえ、礼儀正しいんだな。

それにしても…

 

―タユン

 

で、でけぇ。

なんつうけしからん体だ。

 

―(¬_¬)ジトー

 

はっ!

 

「人の何処見ているんですか。ドンビキです」

 

ヤベぇ、凝視してた。

 

「はっはっは。アリサ君の胸や体つきは男を虜にしてしまうからな。仕方の無いことだ」

 

あ、おっさんも同意見か。

 

「将軍、セクハラで訴えますよ。若しくは風穴開けます」

 

怖っ。

 

「ハァ…。無駄な時間を取ってしまいました。そろそろ王都へ向かいますのでサイドカーの方に乗ってください」

 

いや、無駄な時間って言ったけどさ。

一つ質問せてくれ。

 

「あんた、歳いくつ?」

「女性に歳を聞かないでください。18ですけど」

 

年下かよ!?

 

sid out

 

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