Re.ハジマリ/序曲
地中から
人々が物を動かす動力源として「選んだ」のは…
老若男女
誰もが生まれつき微力ながらも特殊な「力」――
石英に誰もが『命令』を与え自由に操る「力」
人々は柔軟性の高い石英を精製し
意のままに伸縮させる事が出来る「靭帯」を作り
カムを動かす動力源となり――
歯車を回転させ
空気を圧縮させるピストンを動かし
弾丸を排出させた
強弱はあるものの
人の手に宿る誰もが石英を使える「力」
人々はそれを
「魔力」と――
――
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―王都ビノンテン ガルム試験小隊執務室―
その日、シギュン直属の開発部隊の執務室に一人の男性の声が響き渡ったのだった。
「アリサ・イリーニチナ・アミエーラ上等重騎士!居るか!?」
「あ、バルド将軍」
声の主はクリシュナ王国の双璧と謳われる二大将軍の一人、バルド・ジ・アラン・アルヴァトロス。
それに対して受け答えしたのはガルム試験隊の清涼剤的存在シリカ・フェザーリ二等重騎士。
とは言っても、このガルム試験小隊の正式名称は「バルド将軍旗下シギュン直属ガルム試験小隊」であるが、隊員は隊長含めて4人しか居ない。
何かあるごとに厄介事が舞い込んで来るのだが今回は少し違うようだ。
「隊長は今、仮眠から起きられてシャワーを浴びておられているので、もうしばらく時間が掛かると思われます」
「む、タイミングが悪かったか…。では、待たせて貰おうか」
「はい。では、此方に。お茶とお茶請けをお持ちいたします」
「うむ」
単純にお茶しに来たのか?
因みに、初めてバルド将軍が訪ねてきたときは約二名かなりパニックになっていたが…。
「「うるさい
地の文に突っ込まないで。
まあ、休憩時間とかかなりの頻度で訪れているようだが。
「バルド将軍、来て要らしてたのですか」
どうやらこの部屋の主が戻ってきたようだ。
「ああ、護衛を頼もうと思ってな」
「護衛……ですか?」
そう聞くと少し考え事をし始めたアリサであった。
「バルド将軍、いくつか質問してもよろしいですか?」
何か気になる事が有るようだ。
「かまわん」
「ではまず、何故私を護衛にするのですか?他にも適任の方がいるはずですが?」
「君も知っての通り、現在アテネスと戦争中だ。しかも少数の部隊が最終防衛ラインを突破している」
「ああ、私の異能を使えばキャリア無しでゴゥレムを運べるからですね」
「そうだ」
「行き先は何処へ?」
「王都から北へ石英バイクで三時間の地点だ」
その返答を聞いてアリサは頭を抱えてしまった。
なぜならその地点は…
「何もない荒野じゃん」
「何もない場所ですね」
「何もない場所だな」
本当オアシスも何もない荒野の真っ直中だった。
「…そんな場所まで何をしに?」
「ホズル様からの命令でな、その辺りで倒れているだろうとの事だ」
―ポク―
―ポク―
―ポク―
―チーン―
「…死体の回収ですか?」
「いや、陛下のご友人だ」
「…粗悪品のバイクでも使っているのかしら」
「徒歩だそうだ」
アリサは本格的に頭を抱えてしまった。
「…どう考えてもその人、一般人ですよね?」
「ああ。それも“
「おいおい、って……ん?」
アリサはソコで何かに気付き、自身の記憶を掘り返すのであった。
(王都から北へ三時間、その地点に行き倒れているであろう陛下のご友人を回収。そのご友人は能無し。陛下のご友人と言うことはシギュン様もよく知るお方)
(……あれ?ホズル様とシギュン様のご友人で能無し?)
(そう言えば一人居ましたね、その条件に該当する人物が)
(
(ライガット・アロー)
「……ハア。状況は理解出来ました。…いつ出発を?」
「準備もあるからな、二時間後だ」
「了解です。足は私が用意しますので正門でお待ちしております」
「うむ、頼んだ」
「(原作の始まり、か)」
アリサが最後に呟いた言葉は誰にも聴かれることもなく虚空へ消えていった
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―王都郊外、石英採掘場/
――接近する生体反応有り
――北約180km地点
――人間と判定
――高速で移動する生体反応を2つ確認
――生体反応1:不明
――生体反応2:Wiil'o反応を確認
――生体反応2:搭乗者00と確認
――行動予測
――2つの反応は人間の元へ行くと推測
――新たな搭乗者となる可能性有り
――言語のサンプリングを開始
――言語照合
――ドイツ語に酷似
――所々に英語的ニュアンスが混入
――ドイツ語を元に修正パッチを製作
――エラー
――エラーの原因:情報不足
――情報収集のため特殊汎用協働者“ヒッター”の起動を実行
――起動完了
――人格01、02消失
――オリジナルの人格にて起動待機
――準備完了
――私は
――貴方を
――お待ちして
――おります