ライメイジャパンの挑戦!〜青き炎・アナザーストーリー〜   作:支倉貢

3 / 6
ミニゲーム開始!

その後、光輝たちはくじ引きをし、8対8のチームを組むことになった。

まず、Aチームのメンバーは光輝、神童、三月、篠原、滝原、灰藤、神谷、陽山。キャプテンは、光輝だ。

次に、Bチームのメンバーは青木、吹野、好瀬、涼野、野々宮、春野、沖野、月星。キャプテンは、青木が務めることとなった。

 

Aチーム、光輝はメンバーを見渡して言った。

 

「よーし、みんな!いっちょやってやろうぜ!」

「「「「おおっ!!」」」」

 

全員が拳を握りしめ、神谷はジャンプする。みんなの気合いを見て取った光輝は、満面の笑顔を浮かべた。

 

一方、Bチーム。青木はキャプテンマークを腕に付けながら、苦い心境だった。これからどうなるのか。果たしてこのメンバーで勝てるのか。青木は不安だった。

いや、そんなことばかり気にしていてはいけない。先のことをずっと考えていては、今のことに集中できない。

やってやる。覚悟を決めた青木は、メンバーに喝を入れた。

 

「行きますよ。ミニゲームとはいえ、この試合、本気を出すつもりで!」

「「「「おお!」」」」

「面白い。久々だ、こんなにゾクゾクするのは」

 

沖野がニヤリと口元に笑みを浮かべる。青木も、気を引き締め直し、キャプテンマークを握った。

 

 

 

 

グラウンドで両チーム並ぶと、青木と光輝は握手を交わした。

 

「いい試合にしような!」

「どうぞ、お手柔らかに」

 

お互い、挑発的な視線を送る。勝負は何事も本気で。それが、彼女らの自分自身のルールだ。

 

 

 

「それでは、始めるわよ!」

 

瞳子監督の声の後に、ホイッスルが鳴る。ボールは、Aチームからだ。陽山が神谷にボールを流すと、神谷はボールをキープしたまま走り出し、それを見た両チームの選手が、ほぼ同時に動き出した。

神谷は小柄な体格を活かし、月星を抜くとすぐに沖野や春野を抜かしていく。小さな隙間なら、どんなところにも入りに行く。

 

(やりづらいわね……。さすがにちょこまか動かれると、難しいわ。なら……)

 

青木はすぐに、行動に出ていた。神谷に向かって走り出すと、彼女の隣を横切った。

 

「What!?」

 

神谷の驚きの声が上がる。なんと、青木は神谷とすれ違った瞬間に、ボールを奪っていったのだ。まるでスリのような素早さだ。青木はボールを足元で一旦落ち着かせると、ボールを奪いに挑んでくる神谷をターンでかわし、パスを出す。その先には、野々宮だ。

 

「カナ、テル!走って!」

 

沖野と春野はその声に頷き、駆け出す。

 

「行かせない!」

 

ドリブルで上がる野々宮を、神童と三月がスライディングして止めに入る。野々宮は空中で1回転して、ボールを3つに増やした!

 

「イリュージョンボール!!」

 

ボールの幻影に惑わされ、神童と三月は抜かれてしまった。野々宮はすかさず、前線を走る沖野と春野にパスを出した。

 

「行くぞ、テル!」

「おっけー!」

 

2人はボールを宙に上げ、まるで第三の目を開眼させるかのように、オーラを解放した。そのオーラは銀河にも似た無限のもので、ゴール前で構える光輝も、ボールをキッと見据える。2人は同時にジャンプし、体を回転させる勢いで、2人同時にボールを蹴った。

 

「「ギャラクシーブレイク!!」」

 

どこまでも広がる銀河のようなエネルギーを(まと)い、ゴールを強襲するシュートに、光輝を気圧されかけた。

 

「すっげえ……なんてパワーだ!でも、俺だって負けねーぞ!!」

 

光輝は片足を後ろに下げ、その足に力を込めた。右手は拳を作り、強く握りしめる。そして、その拳を思いっきりボールに叩きつけた!

 

「正拳一閃!!」

 

拳はシュートを貫くように弾かれ、ボールはBチーム陣まで戻っていた。

 

「なっ……!何て力なの!?」

「はははっ!!やるじゃあないか、光輝!」

 

シュートを跳ね返され、驚愕する春野に対し、沖野は悔しがることなく笑顔だ。

ボールは神谷の足元に吸い付き、それを見て取った陽山も走り出す。神谷のマークに、吹野がついた。

 

「ボルケイノカット!!」

「きゃあ!」

 

跳ね飛ばされ、ボールは一瞬フリーになる。吹野が奪い取ろうとしたその瞬間、駆け込んだ陽山がすかさずボールをキープした。そして、ゴールで構える涼野に目を向ける。

 

「アトミックフレア!!」

「っ!あれは……」

 

南雲晴矢の必殺技。青木は瞬時に悟った。彼と戦った時、特にカオス戦は苦戦したと思い返す。

涼野も黙ってゴールを奪われるつもりはなく、人差し指で簡単な氷の結晶を描き、右手の手のひらを勢いよく突き出した。

 

「ブリザードガード!!」

 

氷の結晶から次々と大吹雪が吹き荒れ、炎のシュートは勢いを失い、最終的には涼野の手のひらに収まった。

 

「やりますね」

「負けるわけにはいきませんからね。お願いします、好瀬さん!」

「は、はいっ!」

 

ボールを託された好瀬は、吹野にパスを出す。吹野から野々宮、青木へと渡った。攻めようと、青木が前を向くと、そこにはとんでもない光景が広がっていた。

 

「おおおお!!」

「!?」

 

なんと、光輝がキーパーゾーンから上がってきて、スライディングで青木からボールを奪おうとしたのだ。間一髪青木はかわしたが、光輝は立ち上がってボールを奪おうと仕掛けてくる。

 

「くっ……貴女、一体何を考えているのですか!?」

「何って……ボールを奪うことしか、考えてねーよ!」

「そういう意味ではありません!」

 

ダメだ。会話にならない。ここまでする人物を、青木は円堂以外に初めて見た気がした。内心呆れていると、光輝がダン!とフィールドを蹴りつけた。すると、彼女の足に稲妻が宿った。

 

「!!」

「行くぞっ!うおおおおお!!」

 

まさか、ここからシュートを放つつもりか。悟った青木も、必殺技の体勢に入った。

 

「エレクトリカルバーストッ!!」

「ブレストフェンリルッ!!」

 

2人同時に、必殺技をボールに叩き込んだ。お互いのオーラに負けじと、2人はひたすらボールに力を込めた。

しかし。

 

パァアアン!!

 

「えっ!?」

「なっ!」

 

2人の間にあったボールが、あまりの強力なシュートに耐えかね、破裂してしまった。バランスを崩した光輝を、すぐに体勢を整えた青木が受け止める。

 

「大丈夫ですか?」

「あ、ああ。サンキュな!」

 

光輝をちゃんと立たせると、瞳子監督から制止の声が上がった。

 

「そこまでよ!」

「え!?もう終わりかよ!」

「結局、同点ですか……」

 

溜息をつく青木に、光輝は残念そうな表情をする。が、すぐに太陽のような眩しい笑顔を浮かべた。

 

「しっかしすっげえな、みんな!!俺、このチームならこれから先、勝っていけるって、確信した!みんな、やってやろうぜ!俺たちをなめたらどうなるか、思い知らせてやろうぜ!」

「完全に復讐目的ですか……」

「こんなキャプテンで、これから先が危ういわ……」

「なっ!?」

 

呆れる好瀬と青木に、光輝が食いつく。しかし吹野と野々宮も、彼女らと同じ意見だった。

 

「男子とどこまで張り合えるかは、まだわかんないでしょ?まったく、気が早いんだから」

「早とちりもいいかげんにしなさいよ?怜」

「何だよ2人まで〜!」

 

この状況を見た春野が、ふふ、と笑う。

 

「なんだか、楽しそうなチームね」

「はははっ!面白いチームになりそうだ!」

 

沖野も、彼女の言葉を受け、豪快に笑った。

 

青空の下、ライメイジャパンの心が一つになった瞬間だった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。