風の復讐譚[更新停止]   作:kuraisu

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すいません。今話からエドムンドさんがしばらく空気です。
では、魔法学院編(原作12巻あたり)開始。


魔法学院編
竜の羽衣


デュライたちは王都トリスタニアの王宮で王太后マリアンヌ、宰相マザリーニと面会した。

 

マリアンヌは数年前に崩御した夫であるヘンリー王の喪に服したままらしく黒色で統一された服装をしているが、それでも見るものをハッとさせるほ美しい容姿の持ち主であった。すでに四十を超えているそうだが、それでももう少し華やかな服装にすれば陰気臭さが抜けて、多くの貴族令嬢を圧倒する美女としてい今でも十分通用するのではないかと思うほどの美女だ。

 

眼前の王太后に関する情報は先々代国王フィリップ三世の愛娘であり、先代国王ヘンリーの妃、現女王アンリエッタの母であること。かつて”烈風”に護衛されていた頃があること。頑なにヘンリーの妃であることにこだわって王座につくことを拒否し続けたこと程度のことしかデュライは知らない。

 

なぜその程度しかわかってないかというと、マリアンヌが公の場で活躍したことがほとんどないからである。かといってどこぞの姫君のように国家の暗部で辣腕を振るっているわけでもなく、ただの神輿でしかないうのが周知のものだからであり、軽く会話をしてその裏付けをしたような気分にしかなからなかった。

 

しかしもう一人の方、マザリーニはやはりというか、ただ者ではなかった。体は哀れなほど痩せ細り、顔に穏やかな笑みを浮かべている、その目の眼光が鷲のように鋭く光る類のものであることが想像でき、国家を背負う者がに相応しい顔つきをしている。誠実かつ友好的に振る舞いながらもこちらから情報をつかもうとあの手この手で探りを入れてくるあたり抜け目がない。

 

しかもその探り方がなかなか気づかないくらいに自然であった。さすがは教皇候補の一人に数えられた聖職者というべきか。相手の警戒心を解きほぐし、真実を探りだす話術に長けていた。油断ならない人物である。

 

会話を続けていたらボロを出してしまいそうだったので、必要事項を告げるだけで会話を続けさせない姿勢をとった。マザリーニもそれがわかったのか、面会を終わらせた。だが諦めてはいなかったらしく、王宮で一泊している間、導隊の隊員の中で一番口が軽そうなマルスから情報を聞き出そうとしていたらしい。

 

そのことを部下から聞かされた時、デュライは思わず人の悪い笑みを浮かべた。マザリーニが矛先に選んだ人物はある意味正解で大ハズレだったからだ。マルスはややぬけてる気性の持ち主だが、いろいろ斜め上すぎて情報を聞き出す対象としては不適当すぎる。

 

そんな一幕があって、正式に水精霊騎士隊(オンディーヌ)の教導隊であることをトリステイン王室から正式に認める書状を手に入れたデュライは、魔法学院長オスマンの差配で敷地内の施設の一角を与えられた。

 

「初めまして水精霊騎士隊の諸君。私はアルビオン王国鉄騎隊(アイアンサイド)百人長、デュライである。アルビオンとトリステインとの間で結ばれた協定によって、私のほか数十人の隊員が教導官として君たちの訓練を指揮することになった。以後よろしく頼む」

 

放課後の訓練時間になってデュライは水精霊騎士隊隊員の前に立つと、デュライは遠慮なく演説を続ける。

 

「君たちはいまだ学生の身である。だが、トリステインの栄光ある部隊の名を預かっている以上、それに所属するに値する実力が必要だ。そしてそのための訓練は非常に過酷なものになるだろう。しかし君たちが栄誉ある近衛隊の一員に名を連ねるには実力不足だという評価がついてしまえば、それは水精霊騎士隊、ひいては君たちの祖国の栄光を汚すことに他ならない。貴族は名誉を重んじる生物であると、私は知っている。そして君ら少年たちも、当然貴族の誇りを持っていよう。ならば過酷な訓練に耐えられるはずである。

念のために言って置くが、訓練に手心を加える気は一切ない。この国の者であるならば、女王陛下の肝いりで作られたこの部隊を指導することに躊躇い、きつく指導したりはしないのかもしれない。だが、私はトリステインの人間ではないよそ者である。そしておそらくはそれを望んだがゆえトリステイン王政府は外国の職業軍人である我らに教導官たるを要請したのだろう。だからこそ、エドムンド・アンリエッタ両陛下のご期待に沿うためにも、私は子ども相手でも容赦しない」

 

決定事項を告げるかのようにそう言い切るデュライに、ふざけるなと学生たちは反発した。鉄騎隊は盗賊まがいの傭兵団が正規軍に転じたものであり、ならず者どもの集まりであるというのが周辺諸国の一般的な評価であり、そんな部隊に所属しているやつらの教えを請いたいとは思わなかったのである。

 

それにデュライ個人に対しても水精霊騎士隊は思うところがあった。デュライはメイジではない平民だからである。彼らはサイトを自分たちの副隊長と認めていたが、それはサイト個人の人望と実績故のことであって、いくら他国の将校であるとはいってもポッと出の平民に大きな顔をされては貴族のおぼっちゃんたちは我慢ならなかったのである。

 

だが、それこそがデュライの狙ったものだった。手っ取り早く反発心ある部下をまとめ上げるには”力”を示すのが一番であると彼は経験から知っていた。特に反感を示す学生を五名選出すると模擬戦を行うと告げた。大戦相手は自分一人であり、魔法を使ってもいいと言われて五名の学生は舐めるなと烈しく憤った。

 

しかし勝負はあっさりとついた。開始の合図早々、デュライが風銃で四人の杖を持っている腕を撃ち抜いた。周りがいきなり倒れて痛みにうめき出したので、残りの一人が状況が理解できず混乱して呆然としているところを、歩いてゆっくりと近づき、顔面をストレートに殴り抜いて気絶させたのであった。

 

「銃がすごいだけじゃねぇか!!」

 

さっきの模擬戦でデュライの実力のほどを知った半数が黙り込んだが、もう半数はまだ納得いかないとばかりにそう喚き立てた。そこで再びデュライはその中から特に反発の強い五名を選出して、武器なし・杖なしの模擬戦を行ったが、当然のごとくデュライの圧勝だった。

 

いくら今の水精霊騎士隊の学生たちがアルビオンとの戦争を経験している者たちで構成されていると言っても、時間の都合で二ヶ月の短期訓練しか受けれなかった上に大部分は後方の補給部隊に配属されていただけの者たちである。幼少期から充実した訓練と豊富な実戦を経験しているデュライに勝てる道理などなかったのであった。

 

こうして訓練指導初日に十名の学生を医務室送りしたデュライだったが、それと引き換えに水精霊騎士隊の者たちに畏怖を持って教導官たることを認めさせ、表向きの仕事である教導隊としての役目を果たせる立場になった。

 

そして裏の仕事、すなわち、タバサ、ルイズ、サイト、ギーシュの監視であるが、これにあまりちゃんと取り組んでいなかった。というのもデュライが自分の監視網を抜け出せるような才覚の持ち主であるとはとても思えなかったからである。

 

仮に彼らが魔法学院からこそこそと逃げ出すような行動をとり始めればまず見抜けるだろうとデュライは思う。なので唯一、自分の目を欺けそうなタバサをアルニカに監視させているのみで、他にはおなざりな監視しか敷いていない。そして万一、他の誰かが逃げ出した場合、タバサを拘束し、戻ってこなければ処刑するとでも大声で主張して回れば、彼らの性格からして自分から出てくるであろう。

 

デュライの慢心を助長したのは魔法学院自体の警備体制の甘さにあった。衛兵が数十名いるだけという、なんともお粗末な警備体制しか敷かれていないのだ。学院の主張によると教師は優秀なメイジであるため、その護りは並の施設よりも強固だから衛兵なんかいらないというのだ。

 

だがデュライのみるところ、警戒に値する教師は三名しかいなかった。それ以外の教師はなるほど優秀なメイジなのだろうが、戦士として見た場合、体型からしてなってないものが多く、アマチュアならともかくプロフェッショナルを相手にできるとはとても思えない。

 

実際、この前の戦争の時に”白炎”のメンヌヴィル率いる傭兵小隊ひとつに占領の憂き目にあったにも関わらず、それを認めない頑迷さには失笑を禁じ得ない。こともあろうに男性教師が軍人として戦場に出ていてしまってたせいだから、平時なら何の問題もないなどとほざくのだ……

 

そんなこんなで仮に学院が総ぐるみで敵に回ったとしても、タバサの身柄確保は余裕であるという結論を出しており、とてもじゃないが任務の緊張感を継続するのは不可能であった。なので裏の仕事そっちのけで訓練がある放課後までの時間は学院のメイドや衛兵とかと雑談を楽しみつつ、情報収集を行うことにしたのだった。

 

「んで。まさかこんな大物を発見するとはな」

 

その情報収集の結果、ある衛兵から先の戦争で猛威を振るった”竜の羽衣”が、学院の敷地内の小屋に安置されているという情報を入手したのだった。デュライはまさかそんな重要な兵器を教育機関である魔法学院に置いてるわけがないだろうと思っていたのが、念のため確認しにきたところ、まさかの真実であり、疲れたようにため息をついた。

 

「小屋に人気はまったくなく、鍵すらかけてない。なんつう不用心さだ」

 

思わずそんな言葉が口にでてしまい、トリステインの連中の危機管理能力の酷さを自分が気にする必要はない。そう気を取り直したデュライはしげしげと”竜の羽衣”を観察する。アルビオン戦役中、デュライは”竜の羽衣”をこの目で見る機会がなかったので、それが戦闘機であることは想像できても、具体的にどんな機体であるかは推測できなかった。

 

しかしこうして目の前に止まった戦闘機を前にじっくりと観察していると、デュライは脳内に思い当たる機体がひとつあった。彼が生まれた時点ではその機体を使用していた軍も国も過去のものとなっていたが、故国の空軍軍人が見せてくれた資料があった。名前がたしか――

 

「”ゼロセン”だったか」

 

”竜の羽衣”の正体がまさかこんなクレイジーマシンだったとは。ゼロ戦に関して思いっきり偏った知識しか持たないデュライはそう決めつけた。メッサーシュミットとかフォッケウルフ、そうでなくてもTバードとかかもしれないと期待していただけに、けっこう落胆する。

 

だが、耳に足音を捉えたデュライは腰の拳銃に手を伸ばしてゼロ戦の陰に隠れた。こうも不用心な小屋に入り込んでいて誰か気を咎めるやつがいるのかどうか謎であったが、もしこれがなんらかの罠であった場合、軍事機密を盗み見たとか難癖をつけられることを警戒したのである。

 

入ってきたのは禿げ上がった頭に眼鏡をかけた冴えない外見の中年男と赤髪と健康的に日焼けした胸の大きい女子女性の二人組で、衛兵の類ではないことにデュライはひとまず安堵した。

 

「ねぇ、ジャン。この羽衣がすごいものだってのはわかってるけど、”固定化”がかかってるのになんども確認する必要があるの?」

 

「このヒコーキというのは、かなり繊細な作りだからね。定期的に点検していなくては常に良い状態で操縦できないだろう。それにまたいつ何事かあって、サイトくんがこれに乗って戦いに行ってしまうかもしれないと思うと、武装もリニューアルしておいた方がいいだろうし……」

 

そう真面目そうな顔をしてジャンと呼ばれた禿頭は嘯いてみせるが、目が好奇心旺盛な子どものように輝いているのでは色々と台無しである。

 

禿頭の中年男が工具を取り出して装甲板を取り外し、中身を弄り始める。

 

「……相変わらずなにがどうなってるのか。さっぱりわからないわ」

 

「その複雑な構造を理解するのが楽しいんじゃないか。この精密な配線がどのようにしてエンジンとやらの部分につながっているのか、どのような理屈で固定した翼で空を飛ぶことができるのか。それを考えるだけでもわくわくしてこないか?」

 

「……無理ね。頭が痛くなってくるわ」

 

「同じ火系統のミス・ツェルプストーもわかってくれないのか。他の先生たちもあまり理解してくれないし、今のところわかってくれるのはサイトくんだけだなぁ」

 

その様子を見ていてデュライはいろいろと驚いていた。戦闘機の点検をする? ろくな知識を持ってないハルケギニアの人間がか?! 禿頭の中年男、この魔法学院の教師であるジャン・コルベールへの評価をさらにあげた。

 

そして声音でもう一人の女性もこの前、自分が監視していたゲルマニアのキュルケだと察し、デュライは物陰に隠れるのをやめた。教師一人ならいざ知らず、他国の学生にこれを見せることを許すということはトリステインは大してこのゼロ戦を重視していないのだろう。

 

「あんたらは一体何をしているんだ?」

 

足音を殺して彼らの背後に回り、無知を装ってすっ呆けた調子でそう尋ねる。

 

突然の声に二人は驚いた。特にコルベールは内部を弄ってる最中だったためか、いろいろパニクって「しまった! わーわー!」と焦った声を出す。どうやら中の器機を破損してしまったようだ。

 

「あなたがどうしてこんなところに?」

 

「先の戦争でうちの竜騎士を大量に撃墜してくれた化け物……、”竜の羽衣”がここにあると雑談をしていた衛兵から聞いてな。一人の軍人として興味を持ったし、ガキどもが授業している間は暇なので、見物しに来たってわけだ」

 

その答えにキュルケは納得した。あの戦争の経験者が”竜の羽衣”を間近で見れると聞けばやってくるのはごく自然なことのように思えたのであった。

 

「こんな羽つきカヌーのようなものが飛ぶとほんとに思ってるの?」

 

それでも悪戯心から小馬鹿にするように問いかける。それをデュライは鼻で笑い飛ばした。

 

「飛ぶだろうよ。いささか信じがたいが、衛兵以外にもこれが飛んでいるのを目撃したやつがこの学院にはたくさんいるようだからな。この学院の平民貴族が口裏合わせてそんな突拍子もない嘘を本気で語ってると考える方が無理があらあ」

 

飄々としてそう言い返され、キュルケは頬を膨らませた。彼女はデュライが苦手なのである。純粋に相性が悪いのもあるが、ハヴィランド宮殿に囚われていた時、色仕掛けで突破口を見出せないかと期待半分でやってみたところ、全く動揺しない上に冷たすぎる目で睨み返されたのでちょっとした苦手意識を持ってしまったのであった。

 

そんな話をしている間にコルベールはゼロ戦の応急処置が終わったらしく、ひたいの汗を拭うとデュライを省みた。

 

「中をいじっている時に驚かさないでくれ。傷が入ったのがまだ替えがきく部分だったからよかったけど、そうじゃなかったら取り返しのつかないことになるとこだったよ」

 

「たしかに。すまなかった」

 

「それで、きみはサイトくんたちの水精霊騎士隊につくことになった教導隊の隊長だね?」

 

「そうだが」

 

「聞いたよ。訓練初日に十人も生徒を医務室送りにしたと。しかも四人は銃で撃たれたというじゃないか! 優秀な治療士がいたからよかったが、とんでもないことになっていたよ!」

 

「水系統の魔法に長けた治療士を抱えていると知っていたから銃を使ったんだ。もしそうと知らなければもう少し手段を選んださ」

 

「だとしても! もし少しでも狙いがズレたら彼らの命を奪っていたかもしれない! 次からはこのようなことがないように注意して訓練をしてほしい」

 

「……あなたがそんなことを気にするのか?」

 

心底不思議そうにそう言ってのけるデュライにコルベールはなにを言われたのか理解できなかった。教師である以上、生徒の身を案じるのは当然ではないか。なのになぜそんなに信じがたいというふうな反応をするのか。

 

コルベールの困惑の視線をどのように理解したのか。デュライは疑念を押し殺して朗らかな笑みを顔に浮かべて見せた。

 

「しかし俺はアルビオンとトリステインの両王室から手加減なしに鍛えろと言われている俺の立場もわかってほしいもんだ。生徒の生命は最大限考慮するつもりだが、生傷が絶えない程度は許容してもらいたいな」

 

「……授業に支障がでない程度におさえてほしい」

 

「ああわかった。もともと初日で徹底的に叩き潰したのも、ガキどものくだらんプライドをへし折るためだ。そうなんども繰り返すつもりはない。あんたのような貴族には理解できんかもしれんが、こちとら騎士とはいえ元は流浪の傭兵だ。こっちがどういう流儀が通用しているのか知らんが、舐められたら終わりというのが鉄騎隊の掟に従うまでだ」

 

まだ言いたいことはたくさんあるが、わかったという言質をとったことで引き下がるべきだろうか。少なくとも、前の銃士隊の時みたいに授業の時間まで潰すつもりがないようだし。コルベールはそう思い反論をしなかった。

 

「それで、これはあんたが整備してんのか?」

 

デュライがゼロ戦を指差す。

 

「ああ。こんな素晴らしいものを放っておくなど研究者として絶えられない」

 

「異界の兵器など詳しく知らんものがいじれば普通壊れるだけだと思うんだが……」

 

開けっ放しの配線部分をデュライは覗き込む。戦闘機の内部構造をそれほど知ってるわけではなかったが、パッと見た感じ明らかにおかしい思える場所は皆無だった。

 

「どうもそういうわけじゃないらしい。その道の師でもいたのか?」

 

「ちょっと待ってくれたまえ。どうしてきみがこれが異世界のものと知っているのだね?」

 

「サイトがアルビオンで七万に時間稼ぎをやってのけてからどれだけの時間がたっていると思っている? アルビオンはとうにサイトが東方ではなく異界出身の人物であることを把握している。そして彼が操る兵器もおそらくはそこ由来のものであることもな」

 

コルベールは衝撃を受けた。サイトが故郷に帰るための手段はオスマン学院長が探しているし、アンリエッタ陛下も表立ってではないが秘密裏に行っていると聞いている。それでも手がかりがなにひとつ掴めていないというのに、アルビオンはなにかしら掴んでいるというのだ。

 

キュルケが「エドムンド陛下もそんなこと言っていたわ」というのを聞いて、それがほぼ間違いない事実だと見せつけられるようでコルベールは悔しさを感じた。なぜトリステインはその情報を掴めないのか。欠片でも掴めているならそれを頼りに異世界に身一つで旅立ってやるものを。

 

「そういえばキュルケ。体の方はともかく、おまえ学生だろう。授業はどうした?」

 

デュライがふと気付いたように尋ねる。

 

「あたしトライアングルだから火系統基礎の授業免除されたのよ」

 

その答えにデュライは納得した。彼女のような年齢でトライアングルといったらハルケギニアでは十分エリートとして通用するのである。だって普通ならドット、優秀なものでラインというのが一般的だからだ。

 

ということは監視対象の一人であるタバサも授業を免除されていたりするのだろうか。アルニカにあとでそれとなく確認しておくべきだな。

 

「デュライくん。できればアルビオンが掴んでる情報について教えてもらえないだろうか……」

 

「おまえがアルビオンに亡命でもすれば、可能性はあるんじゃないか?」

 

なにせ優秀な技師でもあるようだし。そう内心で呟くデュライの前でコルベールは切なげなため息をついた。

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