あまり人のいるところでは話しにくいことと言って、ティファニアとともに人気のない広場に移って、すでに夜の帳がおりているがハルケギニアの双月が大地を照らしているのでそれほど暗くはなく、見晴らしがよいことを確認するとデュライは口を開いた。
「今回の騒ぎが起きた授業の教壇に立っていたミス・シュヴルーズから聞いたんだが、どうしてエルフの民族衣装を着てでたそうだな。しかも自分からハーフエルフで、母親はエルフだと宣言までやったというじゃないか。どうしてそんなことをした?」
問題になるのはわかりきっていただろうにと言外に含ませた問いに、ティファニアは目を伏せて答えた。
そんなことをした原因は、やはりというべきかベアトリスにあった。ティファニアを敵視ていた彼女は攻撃材料を求めて質問ぜめを浴びせたのだが、ティファニアが自分の身の上のことを話せるわけがなく、内向きであまり社交的とは言えない性格もあってまともな答えを返せなかったのだ。
それに気が立ったベアトリスはまともな返事もできないのかと詰り、親の顔を見てみたいなどと散々言葉攻めにした。ティファニアの心は罪悪感にかられた。ごくありきたりな質問にさえ答えられないのはみんなに嘘をついているからだ。それがとても悪いことのように思えたのである。
だから自分からエルフの血が流れていることを明らかにしたのだった。
「短絡的にもほどがあんだろ。ってか、五年前の粛清でなにが引き金となったかお前は知りすぎるほど知っていたはずだろう」
「そうだけど……。サイトもルイズもギーシュもみんなわたしがハーフエルフでも気にしてないようだったから、トリステインの人たちもそうなんだろうと思ってしまって……。あんな大騒ぎになるなんて考えもしなかったの。うかつだったわ」
「なんとまあ」
あまりに楽観的な思い込みにもう怒りより呆れの感情が湧き起こるデュライであった。
でもティファニアは自分のうかつさを後悔しているのか、顔を赤くして恥じ入っているようであり、それはデュライにとっては少し身に覚えのある態度だった。
「結果論にすぎないが悪くない結末に落ち着いたんだ。いつまでも気に病む必要はねぇだろ。……もう二度とそんな無茶してほしくはないがな」
そう言い捨てると、デュライは天を仰いだ。空には見慣れていまった円形の朱月と蒼月が輝いている。この夜空を見るたびにここは故郷とは違う世界なのだと思い知らされる。彼の故郷において満月は狂気の象徴であり、特に紅月は不吉の前兆とする傾向があった。しかし毎夜毎夜2つの色の満月が浮かぶのがあたりまえなハルケギニアにとっては受け入れられない感覚なのであろう。
少し寂しさを感じた。別にハルケギニアにやってきたことを不幸などと思ってはいない。むしろ幸運だと思っている。なぜなら彼の故郷は息をすることすら苦しいところへと変貌してしまったからだ。だが記憶の中にある輝かしい場所への郷愁を消すことなどとうてい不可能なことであった。
「《たとえ全てが背くとも
我らの忠誠が揺るがぬかぎり
我らが隊旗はとこしえに翻れり……》」
「え?」
いきなり聞きなれない歌を口ずさみ始めたデュライに、ティファニアは目を丸くした。いや、歌と言ってもよいのだろうか。なにかを歌っているのはわかっても、その歌詞は全く理解できなかったからだ。
その奇妙なものをみるような視線に気づき、デュライはバツが悪そうに鼻を鳴らした。
「さっきのは俺が昔、傭兵団で、よく戦友たちとともに歌ってた歌なんだ」
「そうなの。でも、なんて言ってるのか全然わからなかったわ」
「そりゃそうさ。だってハルケギニアの言葉じゃねぇからな」
事もなげに言ってのけるデュライ。
「東の砂漠の向こう側にある世界はハルケギニアと違って国ごとに言葉が違うなんて普通だった。それどころか同じ国でも多数の言葉を使うとこもあったくらいだ。なのにこのハルケギニアじゃどこの国でもたいして変わらない言葉を使ってる。だから最初にここに来た時、国同士で使ってる言葉に差がないもんだから逆に違和感を覚えたくらいだ」
「そうなの? 東方だと言葉が通じないものなの?」
「ああ。ハルケギニアじゃ相手が亜人でもない限り言葉が通じるのが常識だから理解しにくいだろうがな」
「でもそれならハルケギニアの言葉覚えるのって、大変じゃなかったの?」
エルフもエルフで言語を持っていることを、ティファニアは知っている。興味心で母親にエルフの言葉を教えてとねだってみたことがあるのだが、単語くらいならともかく言葉として使いこなせる気がしなかった。
そんな経験があったからティファニアはさぞ苦労したのではないかと思ったのだ。
「そんなに大変なことじゃない」
だが、デュライは事もなげにそう言った。
「文字を書くとかなら別だが、喋るのを覚えるだけならそう難しいことじゃない。その言葉の国でしばらく暮らせばいい。そうすりゃ自然と違う言葉を喋れるようになる」
「そんな簡単に言葉を覚えられるなんて、信じられないわ」
「信じられないか。まあ言葉は理屈じゃなく感性の世界だ。感性によるものだからこそ個人差も大きい。俺は人並み以上にその感性が強いと思ってくれればそれでいい」
実際、デュライは半年も異言語の地で暮らせば問題なく日常会話できるようになるほどだった。それくらい彼の言語能力の感性は突き抜けていて元の世界ではそれを評価されていたし、言語の壁が殆どないハルケギニアにおいてもオークやコボルトといった亜人の言語を話せるということで、エドムンドに高く評価されている。
「そういやサイトやルイズには少し話したんだが、おまえは俺の親父に関する話を聞いたことがあるか?」
「いいえ」
脈略がない問いかけにティファニアは困惑しながらも、答えた。
「……俺は親父の名前を知らんのだ」
「え?」
「いやそれは少し違うな。親父の名前は知ってる。多くの名前を名乗っていた。どれが本名かわからんというのが正確だ。たぶん仲間内で呼ばれていたゲンハルトって名前が本名なんだろうと俺は思ってるが、親父は俺がその名で呼んでも決して返事はしなかったし、親父が死んだ今となっては確かめようがない」
「どうして」
どうしてそんなに名前を隠そうとしたのか、ティファニアの視線が雄弁に物語っていた。
「俺も小さい頃そう思ったさ。なんだって名前を隠す必要があるんだと。親父が犯罪者とかだったらわからんでもないが、それにしては特に身を隠すような暮らしはしてなかった。それどころか、傭兵として政府に何度も雇われて官僚たちとも悪くない関係を持ってたから、どうしてなのかとても理解できなかった。だが、ある日それがわかった」
デュライは目を細めた。
「あれは十二才の時だったか。親父の紹介で武器会社を経営してる老人と会ったんだ。聞けば昔親父と同じ帝国に仕えた軍人だという。その老人には妙な愛嬌があってな。話も面白ったんで仕事がすんだ後もたびたび顔を出して武器の相談にのってもらったり、老人の若い頃の経験を教えてもらったりしてもらった。
そして三か月たった頃、老人が自分はディレル・リッケルトだと言い出したんだ。今まで老人が自分で名乗ってた名前と全然違ったから俺は驚いて改名でもしたのかと聞いたら、今まの名前が偽名でこれが本名だとぬかしやがる。
加齢で呆けてしまったと思って気にせず流したんだが、それでも気持ち悪さのようなもんが残ってたんだろうな。帰りに寄った酒場で酔っ払ってそのことを言ってしまったらしいんだ。その翌日、もう一度老人に会いに行ったら、会社は派手に荒らされていた。……そして老人の死体がボロ雑巾のようになって室内に転がっていた」
ティファニアは口を手で覆った。いささかバカにした物言いだったが、デュライの口ぶりからそのリッケルトという老人に深い親愛を持っていることが伝わっていたからであり、そんな別れは辛いことがわかったからだ。
「親父も深く悲しんで、老人が襲われた理由に心当たりがないか聞いてきた。理由はわからなかったが最後にあった時様子がおかしかったこと、リッケルトだと言い出したことを教えた。すると親父は激怒したが、すぐに悲痛な顔をした。そしてバカがと軽く吐き捨てた。腹がたった俺はボケて自分の名前を間違えるようになったことのなにがおかしいんだと問い詰めたら、それが本当の名前で間違いないと大真面目に返された。
冗談かと疑ったが、親父はまわりに溶け込む道を選べばそうなるのは目に見えていたから一緒に戦おうと誘ったのにと涙を流しながらそう言っていたから、とても冗談には思えなかった。それで俺は思い切って聞いてみたんだ。なんで親父たちはみんな自分の名前を隠すのかと」
すっかり話にのめり込んでいたティファニアは、思わずゴクリと喉を鳴らした。それはこれから先が自分に伝えたい本題なのだろうとなんとなく察していたからかもしれない。
デュライは視線を外し、どこか遠い場所を見るような切なげな目をしながら語り始めた。
「その時の親父の言葉は今でも明瞭に思い出せる。
我らの祖国は偉大だった。マース川からメーメル川に至り、エチュ川からベルト海峡に至るまで我らが帝国の領土だったのだ。いやそれだけにとどまらぬ! さらなる領土を求めて東に向かって拡大を続けていた。歴史を見渡してもあれほど広大な領土を支配した国は数少ない。どうしてそんなに偉大な帝国であったかわかるか?
それはその偉大な帝国を導く、素晴らしい指導者がいたからだ。あのお方が然るべき地位に就いて国家を率いる前、荒くれどもが暇を持て余して乱闘騒ぎを繰り返し、国内はいくつにも分断され、他国にはいいようにいたぶられ譲歩し続ける。そんな腐りきった国だったというのに、それがどうだ? 荒くれどもはきっちりと管理され、国内はひとつに強く団結し、他国に対して断固とした姿勢を示す。そんな誇り高い帝国へと生まれ変わった!それがどれだけ凄まじいことがわかるか。
そんな偉大な指導者に忠誠を誓った我々も、その偉大さの一片を担う存在だった。そしてそれが祖国を物量で押しつぶした諸国には我慢ならんのだろう。かつて我々が象徴し、今もなお象徴している世界に冠たる帝国の偉大さを、この世から消し去りたくてたまらないのだろう。
だからこそ、やつらは我々をまるで悪魔かなにかのように言い立てる。犯罪組織だの、欲望の権化だの、狂人の群れだの、虐殺部隊だの……、とにかくまともな人間の集団ではなかったと民衆に思い込まようと必死なのだ。まったく酷い言いぐさだ。
このまま終わらせるわけにはいかない。やつらの思い上がりをいつか正してやらねばならぬ。我が指導者は仰せになった。一人でも命を吹き込むかぎり、我らは巌のごとくそびえ立つであろうと。その通りだ。今はまだ耐えねばならんが、我らの力が諸国に対抗できるほどまでに成長すれば、どちらが正しいか今度こそ明らかになる」
しばらく沈黙が続いた。ティファニアはデュライの言葉に、その父親が残したという言葉に圧倒される気分を味わっていた。デュライの父の祖国がどのような国だったのか知らないが、少なくとも彼には理想の国であり、その祖国に生まれ育ったことを生涯誇りとしたのだろう。
祖国。ティファニアにとってはよくわからない概念である。生まれた国のことをいうならアルビオンのことなのだろうが、アルビオンの民であるという認識を持ったことはない。エドムンドの計らいによってアルビオンの貴族になったが、やっぱりアルビオンを祖国とは思わなかった。
なら母の故郷である砂漠のエルフの国を祖国ではどうか。いつか行って見たいとは思っているが、一度も行ったことのない国を祖国とは思えない。それどころかアルビオンでもエルフの国でも、祖国と思う資格が自分にあるというのだろうか。こんな中途半端な自分に。
「親父が人間らしい人間だったことはだれよりもこの俺が知っている。親父の戦友たちにしてもそうだ。だが、あの帝国に仕えていた者たちは”悪”と教えられて育った人たちはそれを理解できねぇものらしい。エルフにしても同じことだ」
じろりとデュライは目だけを動かし、ティファニアを見る。
「自分たちの聖地を奪った連中が人とたいして変わらん存在であるなど、ブリミル教の権威を背負うやつらが認められるはずがない。だから”エルフは悪なのだ”と聖職者どもはさかんに宣伝する。そして素朴な民衆はそれを疑わない。だからハルケギニアの民はエルフを憎む。今回はどうにかなったがこれからもそうとは限らん。陛下がなにを考えてお前に貴重なネックレスを与えたのか。よく考えろ」
ティファニアは小さく頷いた。たしかに兄さんが何を思って自分に貴重なマジックアイテムをくれたのか、あまりにも無頓着だった。しかし――
「でも、ちょっと意外だわ」
「意外? なにが?」
怪訝な表情を浮かべるデュライ。
「あなたはもっとエルフを敵視してると思ってたわ」
ハルケギニアにやって来る途中にエルフと戦ってきたという過去や、ロンディニウムに連行されている時にずっと自分に銃をつきつけて警戒しつづけていたことから、てっきりそうなのだと思い込んでいたのだ。
デュライ本人もふりかえってみると、たしかにそういう風に認識されても仕方ないかと思ってしまい、人差し指で自分の頬を掻いた。
「そりゃおめえ。あの時は殆ど敵みたいなもんだったしな。敵に対して警戒を怠るような無能が、現役の戦士としてこんな歳まで生きられるわけねぇだろうが。まあ、いまは敵じゃねぇわけだし、あの時の無礼を謝っておこうか」
デュライはいささか大仰に頭を下げて見せる。ティファニアは気にしてないわと言って微笑むと、デュライは頭をあげてウィンクした。
「とにかく俺としては陛下の御厚意を無駄にしないでほしいってことだ。時間をとらせて悪かったな」
「そんなことないわ。デュライさんってほんとうはやさしいのね」
「ハッ。抜かせ」
戯言を鼻で笑うとデュライは歩き去った。ティファニアは鼻で笑い飛ばされたことが少し不満だったが、これ以上言っても無駄だろうと思ったので、サイトが目を覚ましているかも知れないと水の塔にある医務室へと戻った。
二人が消え去って少ししたとき、広場の隅に生えている木々のひとつが揺れ、そこからなにか人影が落ちた。その人影は学生服を着た蒼い髪の少女で、他の学生と比べても数年年下に思えるほど小さかった。
彼女の名はタバサといい、ガリア王家の血を継ぐ一人であり、トリステインとアルビオンの秘密協定によってアルビオンの監視を受ける四人の内の一人。デュライの方針で現状唯一まともに監視されているのだが、広場の異端審問騒ぎで隊長のデュライが意識を失い、代わってタバサの監視を担当していたアルニカが教導隊の代表として事態の処理をしていたために監視の目が今はザル同然だった。
「お姉さま。どうしたのね?」
タバサの髪色と同じ肌の色をした竜が喋る。この竜はタバサの使い魔で、遠い昔に絶滅したとされていた韻竜のメスであり、エルフに匹敵する先住魔法の適性を持つ古代の種族であった。彼女はイルククゥという韻竜としての名があったのだが、自己紹介をしなかったためにタバサに名前がないと勘違いされ、シルフィードと名付けられていた。
その時この韻竜が自分にはイルククゥという名前があると突っ込めばそんなややこしいことにならずにすんだのだろうが、自分のご主人様が名前を考えてくれたことにいたく感激したため、そのままシルフィードという新しい名前を受け入れてしまったのであった。
さてタバサが盗み聞きをすることになった経緯は単純である。彼女が忠誠を誓うサイトが
その時、下を見ると広場の中央部に近づくデュライとティファニアを発見したのである。怪しさを感じたタバサはシルフィードに隠れるよう命令し、北花壇騎士として任務を重ねるうちに身に付いた隠密能力で広場の端に隠れた。普通なら会話の内容が聞き取れるような距離ではなかったが、タバサはとても優秀な風メイジの感性で二人の会話を聞き取ることができた。
聞き取ることはできたのだが、デュライのことについて疑問が深まるかぎりだった。
(マース川、メーメル川、エチュ川、ベルト海峡……全部聞いたことがない)
タバサは数え切れないほどの本を読んで知識を蓄えてきた自負がある。むろんデュライはハルケギニア出身ではないと公言しているからそれらが東方の地名であるなら自分が知らないのも当然なのだが、そうではないような気がするのだった。
最初にデュライのことが気になったのは、彼が使っている銃である。風銃というものは噂に聞いたことがあるからおそらくはエルフの軍隊が使用している拳銃の一種なのだろうと想像できる。だが、街道で使っていたあの黒光りする拳銃はタバサの知識の中にはないものだった。あの時はもっと強力な風銃なのだろうと思ったが、広場の争いの際にシルフィードが精霊の力を感じないと言っていたのだ。
つまりあの拳銃は風銃とは異なる原理の拳銃なのだ。そしておそらくはハルケギニアの小型拳銃に近い側の。そしてどこまでも異質なもの。それにタバサは心当たりがあった。”竜の羽衣”についていたものとあれはなにか似ているような気がする……
とにかく、サイトにさっきの地名に心当たりがあるかどうか聞いてみよう。もしデュライの拳銃と”竜の羽衣”が出自を同じくしているかもしれないということは彼の故郷の手がかりになるかもしれない。そんなことを考えていると、ガシャーンと窓が割れる音が響いた。
「な、なんなのね!?」
音の発生源に目を向けると、水の塔の三階から窓をぶち破って誰かが飛び出したらしい。飛び出したのは黒髪で少し焼けた肌の少年……
「っ! シルフィード!」
名前を呼ばれただけでシルフィードは命令を察し、タバサが背に跨ると素晴らしいスピードで落下するサイトの近くに近づき、タバサが”
「あ、ありがとうタバサ! じゃ!!」
そういうとサイトはまだ広場の傷が癒えてない体でひょこひょこと歩き出した。しかし水の塔から、どどどどどどど!! と凄まじい音で何かが駆け下りてきくる擬音が響いてくるのを聞くと、サイトは顔を青くして必死に逃げようとする。いったいなにをそんなに必死になっているのかとタバサが首を傾げていると、ルイズが水の塔から現れた。
ルイズは目が怒りと憎悪で塗りつぶされており、数え切れない死地を潜り抜けてきたタバサが思わず恐怖を覚えてしまうほどのどす黒いオーラを発していた。ルイズが杖をふるい、爆発を起こす。爆風で吹っ飛ばされたサイトはなおもほふく前進でにげようとしていたが、ルイズに足を捕まれて至近距離から再び杖を振るって爆発を起こした。
完全に意識が飛んだサイトの足を掴んで、ルイズは彼を引きずっていく。自分の英雄が悲惨な目にあっているから助けるべきなのかもしれないが、ルイズの普段とは比べ物にならない怒りを見る限り、どうも尋常なことでないように思えたのでだれかに事情を伺えないかとあたりを見回した。
サイトが飛び出してきた窓からティファニアが心配そうな顔で状況を見守っていた。彼女なら事情を知っているかもしれないが個人的にちょっとわだかまりがあったので、尋ねづらかった。
ルイズの次に水の塔から出てきたシエスタというメイドに話を聞いてみた。彼女はルイズやサイトと仲が良かったから事情を知っているかもと思ったのだ。
「サイトさんがティファニアさんの胸を触ってたんです」
やれやれというふうな声でそう言われて、タバサは衝撃を受けた。まったく広場での一件といい、あの人はいろいろともやもやとしたものを感じさせてくれると思い、それをまたすぐ恥じるのであった。
デュライの父親の祖国。はっきり名指ししてないけどいつの時代のどこの国かもうわかりますよね?
イデオロギー対立の時代の人の信奉者ぶりって書くの辛いなと思わされました。
ちなみにデュライの生まれ故郷はヨーロッパではありません。父親がヨーロッパにいられなくなってからできた子なんで。
あとデュライさんはサイトみたいに翻訳機能きいてません。素でハルケギニアの言語マスターしました。
まあ、デュライがハルケギニアきてから二十年弱経過してますので、生きることができたなら凡人でも話せるようになってるかもしれませんが。