ARMORED CORE Blizzsd of Assault   作:粗叢雲

1 / 1
1話:白の世界

 

『ミッションを説明しましょう。 今回の依頼主はオーメルサイエンス社、目的は北極点に新たに建造されたBFF(Bernard and Felix Foundation)の兵器試験所を強襲するミッションプランです。 ここには新型AFを含む多数の試験兵器と通常兵器の山が待ち構えているものと想定されています』

 

「ははっ!なにそれ、無茶苦茶じゃねぇ? 」

正直な所、こんなのは決死隊。 超長距離から接近しようにもBFFの精度の高い遠距離兵装に撃ち落とされ、そこをミサイルの飽和攻撃でプライマルアーマーを削りきりジャンクにされるわけだ

「やっぱ、オーメルの依頼は受けないほうがいいかなぁ……」

 

《なに馬鹿なことを言ってる、ストレイド(独立傭兵)。お前のスポンサーがオーメルなのを忘れたか?》

 

やはり聞いていた口煩いオペレーター(セレン)から通信で横槍を入れられた

 

「はいはい。でもオーメルってイマイチ信用出来ねぇじゃんか? まぁ、インテリオルよりマシだけど」

 

《はぁ……。 とりあえずさっさとブリーフィングを終わらせて格納庫前まで来い。 インテリオルが信用ならないのは同意だが》

 

「ほいほい。 やっぱりそう思ってんのね、元所属リンクスさん。……ふぅ、本当に口煩いんだから」

 

『所詮は旧世代機とはいえ、AFとの飽和攻撃ではネクストであろうと成功率は少ないでしょう。 ですから依頼主からは改良型VOBの使用を御提案頂いています。 このVOBは戦闘機の様な形状へ設計し直し以前より機動性と加速性が従来型より遥かにスペックが上昇しています。 が、それではまだ確実性がない、とオーメル社はデコイ部隊をご用意しました。 これで幾分楽になるのでは? 』

 

 

「へぇ……あのオーメルがここまでしてくれるなんて珍しい」

 

逆に考えればオーメルがここまでして潰したい事がそこにはある、ということ

 

「上手くやりゃあ報酬ぼったくれるな……」

 

『さて、オーメルサイエンス社の思いを良くする話です。そちらにとっても悪い話では無いと思いますが? 』

 

 

 

************

 

 

「さて、ミッションの概要は仲介屋から聞いたな? 改めて確認する」

 

スーツをぴっしりと着こなした長身黒髪のスミカがプロジェクターの前に立つ

 

「ここのネクスト格納庫、及び今居るブリーフィングルームに来るまでに渡り廊下があっただろう? あそこからVOB滑走路が見えたはずだ。 そしてそこに並んでいた飛行型ノーマルが例のデコイ部隊だ」

 

オーメルと結び付きが強いアスピナの独自設計で半永久的な飛行能力を持ち、プライマルアーマーすら貫通するレーザーが持ち味だが如何せん回避能力が低く生存性は低いというレポートを見かけたことがある

 

「へぇ、オーメルはアレすらも無人機にしてたのか」

 

「人件費は高いが、削減しやすいからだろう。 企業の老醜達もお高いクレイドル内でぬるま湯に浸かって余生を過ごしたいのだろう。 アレ(クレイドル)は中々に家賃は高いからな」

 

「まったく醜いねぇ。 散々好き勝手地上を汚染しまくったツケを払わんとは」

 

「まあ、まだそれでもリンクス家業に精を出す社長(有澤)やら陰謀屋(王小龍)よりは役員共の心臓にはやさしいさ。 ……さぁ行って来い。 後30分でミッション開始だ」

 

ブリーフィングルームから出ると、ちょうどノーマル部隊がエンジンから轟音を上げ出撃していた

 

 

****************

 

従来型VOBは背中に背負うだけだったが、この新型は機体前部にも装甲が取り付けられ、まるで本当に戦闘機の様な形状に変更されていてよりシャープだ

 

また自機ネクストは棒立ちではなく、より空気抵抗とGを低減させる為に前のめりに接続されている

 

機体を覆う装甲内には、内蔵型のミサイルサイロや、装甲表面には接続アタッチメントが針の様に盛られてる

 

『N-VOB接続完了。アイドリング開始まであと2分』

 

『ネクスト側からのOSマッチングクリア。コジマタンクの破損確認できず』

 

『了解。オペレーション開始まで2分を切りました。地上作業員は総員退避』

 

『了解。AMSとのN-VOBマッチング確認……クリア』

 

『リンクス、AMS接続開始してください』

 

「了解、ッ……」

 

機体のAMSコネクタを接続

 

すると、世界が歪み、目眩、吐き気、無気力が体にぶち込まれた

 

「あ゙あ……慣れねぇな……」

 

宙ぶらりんの独り言を吐き出す

 

『いつも言ってるがリンクスな以上避けられないことだ。諦めろ』

 

律儀にもスミカが返してくるが正直、返す気力が沸かない

 

「ミッション開始まであと何分だ……?」

 

『時間にして後1分半か。そろそろメンタルを落ち着かせろ』

 

「……了解」

 

いつも出撃する前にするように眼を瞑り、『リンクスの思考』に切り替えて行く

 

「OK、システム面のチェック、各神経のファイバー移行を行う」

 

『了解、無茶はしすぎるなよ? お前のような逸材は中々に希少なのだからな』

 

「わーってる」

 

ミッション開始まで、後1分

 

 

****************

 

 

『リンクスの精神、身体状態共にクリア』

 

『N-VOB最終接続確認完了。脚部フックにカタパルト側フック固定完了。 また機体各部へのロック正常』

 

『了解。聞こえますか? リンクス、出撃前チェックはオールグリーン』

 

「了解、カタパルト射出願います」

 

『了解。カタパルト射出と同時にブースターに点火します』

 

『カタパルト射出まで秒読みカウント。 10秒……9……8……7……6……5……4……3……2……1。 グッドラック、リンクス』

 

その声が途切れるや否や、前からの背後からの轟音と共にやって来たGによりシートに猛烈なエネルギーがのしかかる

 

対G機能を備えたパイロットスーツが作用し、負荷が低減されるが万全とは言わず、身体の節々に痛みが走る

 

『ミッション目標の試験場はこのまま真っ直ぐ5000km。それまで身体と頭を休めておくといい。1時間以上はこのままだ』

 

「……ああ、そうする」

 

 

****************

 

『前方約300kmに飛行型ノーマル部隊を確認。 接近し、追い越せ……まあ、この速度なら一瞬だな』

 

ノーマルの真横を衝撃波を撒き散らす

 

「……! セレン! 敵の砲撃!? 来るぞ!! 」

 

ほぼ真横にクイックブースト、瞬時に元居た空間に極大の砲弾が摩擦熱で激しく光りながら通り抜けた

 

『何ッ!? この距離で狙える兵装だと!? 』

 

減速した時、背後のノーマル部隊が爆散し、雪の大地に赤い花火が生まれた

 

「セレン! ノーマルの動き制御しろ! このままだと全機 鴨撃ちになるぞ! 」

 

『わ、分かった! 速度を上げ、回避優先にロジックパターンを変更させる! 』

 

「! 」

 

またもや後ろの見て右端のノーマルがまたもや飛んできた砲弾に掠り機体のパーツを吹き飛ばし爆散する

 

「クソが! 」

 

N-VOBのコジマタンクの残量を気にしつつ、爆風から避けるためにメインブースターの片方のみ噴かし、自機とN-VOBの悲鳴を無視しバレルロールを行う

 

「……ッッッ!」

 

とんでもない、強烈なGが掛かるがこれも無視しクイックブーストを噴かし更に加速する

 

『無茶をするなと言っている! 敵の想定最終防衛ラインまで250km! このままなら2分後には到達できる! 』

 

「了解ッ! キッついな! おい! 」

 

目の前にミサイルの山が迫る、が機体のミサイルが蓋を弾き飛ばしミサイルを相殺してくれる

 

「イイコだねぇ! その調子その調子! 」

 

『こちら管制センター。 第一ミサイルサイロ、残弾数0パージしますか? 』

 

「よろしく頼む! こっちは回避で手が回らん! 」

 

『了解しました。 グッドラック、リンクス』

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。