ハルネギ!   作:東谷左之助

13 / 27
後編です


怪我と功名 後編

一応知ってる天井だ

 

目が覚めると治療室、保健室に寝ていた

横を見ると養護教諭らしき人がいたので挨拶をする

 

「おはようございます」

「…………ひっ!」

教諭は僕が起きていたことに気づかなかったようだ

ビビリ過ぎじゃね?

 

「ここは保健室ですか?」

「は、はい!そうです

倒れていたあなたをココロウァさんが見つけました」

 

あー、アーニャの声が聞こえた辺りから覚えてないな

 

「あのー、僕、気を失ったみたいでそのあとのことがわからないんですが知りませんか?」

「え、えーとですね……」

 

養護教諭によると

アーニャと連れてきた先生が僕を保健室まで運んだ

ネギはアーニャが揺らすと直ぐ気がついたけど怪我をしていたので一緒に保健室で治療を受けたあと、二人は事情を聞くために今は別室に移動した

ということだそうだ

 

「ありがとうございます。それで僕はまだ寝てた方がいいですか?」

「い、いえ、もう治療は終わってます。

ただ、校長からの伝言で、自室で待機だそうです」

「そうですか。わかりました、ありがとうございました」

 

僕は、ベッドからおりてお辞儀をすると、保健室から出て行った

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

自室

僕はベッドの上に寝転がっていた

 

今日はいい事が二つあった

左手の人化ができるようになったこと

ネギに嫌われてはいないらしいことがわかったこと

悪いこともあった

上級生にボロボロにされたこと

そいつらに僕やネギが校則違反していることがばれていたこと

ネギが怪我をしたこと

 

ネギや僕はもう怪我が治ったけど

校則違反のことはどうしようか?

ネギとアーニャが今、事情を聞かれてるみたいだけど、アーニャはともかく、ネギは正直に話しちゃうだろうからなぁ

あいつらが停学になるのはいいけど

あいつらが僕たちの事をはなしたらまずいよな

 

 

そう思っていると後ろから音がするので振り返って見た

 

なんだ?

 

 

そこには背の高い、ローブを着ている、褐色の肌に仙人のような長いヒゲをたくわえた老人が立っていた

父さんの父親で僕たちの祖父、つまりこのメルディアナ魔法学校の校長だ

 

「ハル、怪我の具合はどうじゃ?」

「………治療してもらえたから平気」

「そうか」

 

正直、僕はあまり祖父のことが好きではない

僕の入院の時、事情をあれこれ聞かれたけど、妙に他人行儀な感じだし

そのあと、あまり会わなかったし、

この学校に入学後は全くすれ違うことも無かったからだ

 

「今の、転移魔法?校長だからって生徒のプライベート空間に無断で侵入するのはどうかと思うけど?」

「それは、すまんかった。ただこうするしかお主と1対1で話しが出来んかったから」

「なんで?」

「………教職員にもお主があまり好意的ではないからの

会おうとすれば止めようとする者や護衛などといってついてくる者がいるに決まっておる」

「………そう。……………それで話しって?」

 

「今日、上級生とケンカしたじゃろ?壁を壊れるほどの」

「………何か罰則でも与えるの?一応、正当防衛だし、相手も怪我してないと思うけど?」

「ネギとアーニャから聞いておるが壁が壊れた経緯も相手の怪我の有無もわからんかんのでな」

 

ネギは気絶してたからなぁ

でも相手の怪我ぐらいわかるんじゃないかな?

 

「どういうこと?なんで相手の怪我の有無がわからないの?」

「二人ともは相手が上級生だということしかわからないらしくての

記憶を見るのも最終手段にしておきたいしの」

 

あー、ネギ、かなりテンパってたからな

「それで誰なんじゃ?」

「僕も初めて見た人だからわからない

……………ただ、あの壁は僕が壊した」

「……………詳しく教えるんじゃ」

 

僕は手紙が机にあり、呼び出されたこと

上級生の言い分は僕が悪魔で自分たちは正義の魔法使いだからとういうものだったということ

途中、ネギが入ってきた結果、ネギを攻撃して来たので、脅しで壁を壊したこと

今までの経緯を僕たちの校則違反をふせて話した

 

「ふむ……………そういうことか」

 

校長の顔色が少し悪い

どうしたんだろう?

そう思っていると校長は急に頭を下げた

 

「すまんかった」

 

それは深いお辞儀と謝罪を述べた

 

「お主たちが、不自由なく暮らしていけるように事前に教員の皆に通達して、目を光らせていたつもりだった

じゃが、半年なにもなかったから油断していんじゃ

本当に申し訳ない」

 

どうやら、校長は僕たちが通常の学校生活を送れるように下地を作っていたようだ

あんまり意味なかったみたいだけど

 

「もう、いいよ。一応、がんばってたみたいだしまあ、そのために孫に一切会わないのはどうかと思うけどね」

 

「……………これからは定期的に会うことにする……………お主にもネギにも」

 

まあ、仮にも祖父だし

会うぐらいはしてやるか

 

「そろそろ帰るかの。まだ会議の途中での。誰かに気づかれるかもしれんからの」

すると足元の影が一層黒くなり校長がそこに沈み始めた

 

 

「あっ!忘れておった!」

「どうしたの?」

「壁の修理代、お主に請求しようと思ってるんじゃが」

 

 

 

はっ?なにいってんのこの爺さん

 

 

「……………なにいってんの?子供に払えるわけないじゃん」

「夜の出稼ぎでたんまり儲かってるじゃろ?」

 

 

なんで知ってんの!?

 

「知ってたの?」

「言ったじゃろ?目を光らせてるとな。ついでに言えばお主たちの閲覧禁止区域への無断侵入も知っておる」

 

マジかよ

 

「いいの?校長がそんなこと黙っていて」

「いいじゃろ?わしが許可しているようなものじゃ

まあ、他の先生方に知られたらちとまずいがの」

 

麻帆良の学園長もこういうことするみたいだけど

校長もかよ。友達になったぐらいだし気が合うのかもしれないなぁ

 

「そっか。ところで修理代なんだけど、断ったらどうなるの?」

「……心苦しいんじゃが、お主とネギの保護者はネカネとスタン殿になっておる

二人に請求するかもしれんの」

 

いや、そういうのを選択肢がないっていうと思うんだけどね?

 

「.........はぁ。わかったよ、請求書はこの部屋に入れてくれればいいから」

「すまんのぉ、学校の経費で修理したいんじゃが、金が無くての」

 

メルディアナ魔法学校って意外と経営難なんだな

 

「それじゃあ今度こそ帰るからの」

「はいはい、いってらっしゃい」

 

そういって校長は影に吸い込まれて行った

 

 

移動魔法か。便利だな

 

 

 

 

コンコン

 

 

 

今日は先客万来だな

だれだろ?

 

「…………お兄ちゃん、いる?」

 

ネギだ!

 

「........ハル、いるの?」

アーニャもいるみたいだ

 

 

「二人ともどうしたの?」

そういって鍵を開け

ドアを開けようとすると

 

 

 

「「開けちゃダメ!」」

 

二人に止められてしまった

なんなんだ?一体

 

 

「ゴメン、お兄ちゃん。でも開けるのは待って」

 

本当、なんなんだろ?

あんまり廊下に立たせるわけには行かないんだけどな

 

するとそとでゴソゴソしている

そして

 

 

 

「今までごめんなさい!お兄ちゃん!!」

「ゴメンなさい!ハル!!」

 

 

二人の謝罪が聞こえた

 

「あの時、助けてくれたのに。

お礼も言わずに、ただ怖がって。

お兄ちゃんが苦しい思いをしてたのに」

「無視して、避けてた、お兄ちゃんが、ひとりぼっちに、なってるの、知ってたのに

お兄ちゃんが、いなくなる、ほうが、ずっと、嫌なこと、なの、に」

 

「私も、病院であなたの左手を見たら途端に怖くなって

あなたが変わってしまったように感じて」

「家でも学校でも、関わらない、ようにしてた、あなたの、気持ちを、わかってたのに、わからない、フリしてた」

 

二人ともだんだん涙声になりながら今までの気持ちとかを話してくれた

 

「「ごべん''な''ざい''!!」」

 

泣きながらなので濁点だらけの謝罪だけど、二人とも激しく後悔しているようだ

 

「もういいよ二人とも」

「「グスッ、ン、ズルズル」」

 

「確かに二人に無視されるのは辛かったし、悲しかった」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

「でもね?」

「元々、僕は怒ってないんだよ」

「「え''?」」

「いきなり知り合いがとてつもなくすごい力をもったらビビるし、

それが一般的に悪としている力ならなおさらだよ」

「だからね、また、話せるようになれば嬉しいかなぁって思うんだ」

 

 

 

「う、ん、お兄ちゃん、ありがとう」

「ありが、とう、ハル」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ところで、ドア開けちゃだめ?」

 

「.........ごめんなさい、お兄ちゃん

あんなに謝ったけど。やっぱり面と向かい合うのはまだちょっと怖い」

「そっか」

「それじゃあ、チョットずつなれよっか」

「え?」

「二人は見たかもしれないけど実は左手はもう人っぽくできるんだ」

「う、うん」

「え、えぇ、見たわ。最初は驚いたけど」

「それを踏まえて、とりあえず面とむかって話せるようになろうか?」

「う、うん」

「目標は左手を悪魔状態で会話!」

「.........えっ?あっ?えーと、」

「あー、キツイみたいだから、二メートル以内に入ることでいいかな?」

「..................うん、ごめんね。お兄ちゃん」

「べつにいいよ。話せるようになるだけで僕は十分嬉しいから」

「わたしも頑張るわ!」

「うん、アーニャもありがとう」

 

「ところで」

「うん?」

「ネギとハルを襲った人たちはどうするのかしら?」

 

 

あっ!忘れてた!

 

「ネギに聞いたんだけど、あいつら私達が図書館の閲覧禁止区域に入ってるのを知ってるのよね?」

「そうだよ。その情報を使って僕をおびきよせたり、無抵抗にしてたから」

「本当、聞いた通り、最低なやつらね!」

「あれ?アーニャあいつらのこと知らないんじゃないの?」

「先生達には知らないって答えたけど、あいつらに罰が下れば、一緒に道連れにしてくるでしょうから、

っていうか、なんで私達が犯人を知らないって答えたこと知ってるの?」

「ああ、さっきまで校長がいたんだよ、転移魔法で帰ったけど」

「おじいさまが!?そう、なら知ってるわね」

「それで、アーニャ、あいつらのこと知ってるんだよね?」

「えぇ、あいつら、一部の生徒ではよく知られてるわ。街で盗みを働いたり、山で小さな動物を魔法でいたぶったり」

「なんで、捕まらないの?」

「証拠が見つからなかったのよ

多分今回みたいに人の弱みを握ったり、証拠を壊したりしてたんだわ。きっと!」

 

なるほどな、狡猾な不良か

かなり嫌いなたぐいの人間だな

 

「どうするの?」

 

無理矢理だけどやるしかないかな?

 

「ねぇ、アーニャ」

「なに?」

 

 

 

「あいつらの部屋番号とか教えて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

夜、アーニャから貰った情報から

クズリーダーの部屋へ侵入することにした

見事に窓が空いていて助かった

 

侵入するとベッドでぐーすか寝ている

どうやら僕と同じで一人部屋のようだ

 

僕はクソリーダーの顔を左手で口を塞ぐように掴むと起きたようだ

 

「!ーーーー!?ーー!」

騒ぎ始めてしまった

 

「…………黙れ、騒ぐな」

 

一言言うと静かになった

 

「次に騒いだら殺す、…………逃げようとしても殺す、…………返事が遅れても殺す」

 

クソは首を縦にふる

 

「まず、今日のことは他人に喋ったか?」

 

横に首をふる

 

「…………他の二人同じか?」

 

縦にふる

 

「じゃあな、僕たちの秘密は他言無用だ」

 

横にふる

 

僕は左手に力を少し込めながら

「じゃあここでお前は潰れたトマトになるんだがいいか?」

「この左手はそこら辺の岩とかクッキーみたいに砕けるんだが」

 

激しく横にふる

 

「じゃあさっきのを了承しろ」

 

縦にふる

 

「よしいいだろう」

「それとな」

 

再び力を込めながら

「今あったことも他言無用、それと僕たちに一切関わるな、一生だ」

「もしお前らの1人でも干渉してきたら、赤いオブジェが三体ほど出来上がるだろうな」

 

涙目になりながら激しく首を縦にふる

 

「…………あぁ、やっぱ、証拠に一体作ろうか?」

 

そういいながら力を徐々に込める

 

クソは顔が青くなるのがみてとれる

 

「ーー!ーーー!?」

恐怖と痛みで暴れ始めた

 

「あー、暴れるなっていったのに、約束破ったから、潰れたトマトね」

 

クソはどんどん青ざめて行き

左手外そうとする

 

だがたかだか12歳の子供に外せるほどデビルブリンガーは甘くない

徐々に力が強まる

クソも死を悟り始め、泣きはじめた

 

 

そこで僕が耳元で

 

「バン!!!」

 

というと()()()()と垂れ流しながら失神してしまった

 

随分、気が小さいな

そう思いながら部屋を後にし他の二人にも似たようなことをしたがこちらは眠りの霧(ネブラ・ヒュプノーテエイカ)を使わせてもらった

 

 

 

二日後

ネギの証言を元に、三人は先生にばれ、停学を食らったらしい

なぜか、証人である僕を呼び出そうとすると涙目になりながら罪を認めたそうだ

とくにリーダー格の取り乱し方は、眠りの霧(ネブラ・ヒュプノーテエイカ)をつかったほどだそうだ

 

 

 

 

ネギはリハビリ?としてとりあえず授業中は僕の反対側の列に座っている

ここから徐々に席を近づけるみたいだ

 

アーニャは学年が違うため

たまに僕の部屋の前に来て少し会話をすることにしたみたいだけど

廊下に突っ立ってると邪魔にならないかな?

 

それを指摘したけど

「大丈夫よ!」

といっていた

何が大丈夫なんだろうか?

 

 

 

こうして僕はかつての生活を少しだけ取り戻せた気がした

 

 

 

 




ありがとうございました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。