神様死すべし慈悲はない   作:トメィト
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短めですが、第二話投稿します。
フランさんが少しキャラ崩壊していますが、それでも良い方はどうぞ。


第二話

さて、前回知らない間に知らない世界へこんにちはを果たした俺であるが、結局あの後自分が異世界に来たという事以外は全く分からなかった。

周りにいる人に聞いてもその辺のこと全く教えてくれなかったし。話しかけには応じてくれるんだけど誰もかれもが少しおびえた目で俺を見てさっさと会話を打ち切ろうとするんだよね……。べ、別に悲しくねぇし。

 

 

それはともかく、誰ひとりとしてまともに会話してくれないので勝手に今自分がいる施設内を探索してみることにした。

しばらくこの施設内を探索していると何やらカウンターらしきものが見えてきて、そこでは金髪の女の人がカタカタと何かを打ち込んでいた。

彼女にもいろいろ聞いてみるか。

そうして彼女に近づこうとしたとき、向こうも俺に気が付いたようで何かを打ち込んでいた手を止めて綺麗なお辞儀をしてから口を開いた。

 

 

「『ゴッドイーター』並びに『ブラッド』の適合試験お疲れ様でした。私はオペレーターのフランと申します」

 

 

「え、あ、こ、これはご丁寧にどうも。樫原仁慈です」

 

 

うぉ、ビビった。今までにない反応だったから言葉が詰まっちまった。やらかした。

だってフランさん思いっきり肩を震わせてるし、これ絶対笑ってるだろ……。

 

 

「フフッ…まずは業務連絡からです。フフ、適合試験をクリアしたことにより『データベース』の使用権限が与えられmフフフ……」

 

 

「ちょっとばかし笑いすぎじゃありませんかねぇ!?」

 

 

もうやめて!俺の(心の)ライフはとっくにゼロよ!

 

 

「し、失礼しました。ゴホン……と、このように貴方のこれからの神殺しライフのサポートしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします」

 

 

なにその物騒な生活、超怖い。

そしてそれをさらっと言えてしまうフランさんも怖い。どうなってんだ、この世界。

まぁ、いいや。この子はほかの人と違ってあんまり怯えているわけでもないし、神殺しライフのことも含めて色々聞いてみよう。

 

 

「すいません、いくつか質問していいでしょうか?」

 

 

「はい、構いませんよ」

 

 

「ではまず、ゴッドイーターってなんなんですか?」

 

 

「ゴッドイーター、通称『神機使い』は人類を脅かす敵、アラガミに対抗し得る唯一の存在のことです」

 

 

「なら、その人類を脅かす敵であるアラガミというのは一体どういう存在なんですか?」

 

 

「(アラガミを知らない……?いや、アラガミについて詳しく聞きたいだけでしょうか?)アラガミとは2050年ごろに現れたすべてを捕食する性質を持つ細胞である『オラクル細胞』が群体となって作り出す怪物たちの総称です。アラガミは『オラクル細胞』による攻撃しか受け付けないため、『オラクル細胞』を使用している神機を扱う『神機使い』たちが対抗できる唯一の存在といわれています」

 

 

「へぇー、ちなみにここどこですか?」

 

 

「ここは移動要塞フライアのロビーですね」

 

 

「これ移動してんの!?」

 

 

予想外すぎる。探索しているときに、迷子になってしまうんじゃないかと危惧するくらい大きくてしっかりとした内部構造だったのにこれが移動してるって?

どんだけ金を使ったんだか。

 

 

「はぁー……なんかもう色々とすごいですね」

 

 

「お気持ちは分かります。私も初めは驚きましたから」

 

 

くすくすと笑いながら同意してくれるフランさん。

良く笑う子だね、まったく。

 

 

「いろいろ教えていただきありがとうございました」

 

 

「いえ、これが私の仕事ですから。それと、今私が説明したことやほかの情報はここのすぐ左に行ったところにある『ターミナル』という機械の『データベース』でも閲覧することができます。わからないことがあればぜひとも活用してみてください」

 

 

「はい」

 

 

「最後に偏食因子が定着するまで、任務を発行することはできません。それまでは「フライア」のなか……そうですね、庭園でゆっくりされてはいかがでしょうか?」

 

 

「わかりました、それでは」

 

 

フランさんに別れを告げて、俺はすぐに『ターミナル』という機械のもとへ行った。

適合試験を受けたばかりという事は、俺は訓練兵辺りであろう。そんな権限で何処までの情報を見ることができるのかわからないが、できる限りの知識はつけておこう。

 

 

そう思い、俺は使ったことのない機械に向かい合った。

 

 

余談だが、使ったこともない機械が素人の俺に動かせないことは当然の結果であり近くにいたフライア職員に怯えられながら使い方を教わった。

心の中でカッコつけた結果がこれだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、私の言葉を聞いてフライア職員に怯えられながらターミナルの使い方を教わっている新しい神機使い、樫原仁慈さんの様子をチラリと視界に納める。

とてもじゃないが、このフライアで出回っている噂の人物のようには思えませんでした。

 

 

 

 

『樫原仁慈は化物である』

 

 

 

これが、彼が適合試験を受けた直後にフライアの中を駆け巡った噂を簡潔に表したものです。

その理由は彼が受けた適合試験。その時の反応があまりにも常軌を逸脱していたことにあります。

神機は確かにアラガミに対抗できる手段ですが、それはオラクル細胞を用いているためです。そうなれば当然、神機もありとあらゆる物質を捕食する性質を兼ね備えています。つまり、神機の適合試験は神機と試験者の喰らい合いとなるのです。

それがこの試験で試験者たちが苦しむ理由であり、外でほかの神機使いが待機している理由でもあります。神機との喰らい合いに負ければその場でアラガミになってしまいますからね。

 

 

けれども彼は、そんな様子は一切見せず何事もなかったかのように適合試験をクリアしました。

要するに、神機と喰らい合った様子が全く見られなかったのです。そのため彼は、フライア職員の間では『人の皮をかぶったアラガミ』と言われています。

 

 

なので、私に話しかけられた時の返事がとてもおかしく思えてしまいました。

事務的に言葉を掛けただけなのに目を丸くして、言葉に詰まっていましたし。私はそんな反応をする人が化物何て、どうしても思えないのです。

 

 

「説明、ありがとうございました」

 

 

「な、ななな何、気にすることはないよぉ!」

 

 

「いや、無理だろ」

 

 

早歩きで去っていくフライア職員の背中を傷ついた顔で見送る樫原さん。

その様子を見て、私はなるべく彼をフォローしてあげようかと、思いました。

 

 

 








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