神様死すべし慈悲はない   作:トメィト
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遅くなって申し訳ありません。
そして、次回の更新なのですが、今月末から来月の頭にかけて色々とやることが出来てしまいました。
ですので、二月の最初の週が終わるまでは投稿が出来ないことになります。
後もう少しで終わるのに何をしている等のご意見は尤もなのですが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。


Alma Mater

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『フフフ……』

 

 

 アルマ・マータはどこか見覚えのある笑みを浮かべつつ、人型の部分にある人間に近い形状の腕を自分に対して接近を試みようとしている仁慈達に向ける。

 すると、蝶の形をした光が一斉に仁慈たちへと殺到した。

 

 

 「これは……サリエルの攻撃方法に似ているな」

 

 

 仁慈の二歩後ろくらいを追随するジュリウスが自分たちに向かってきた攻撃を冷静に観察しながら呟く。

 先頭を切ってアルマ・マータに向かっている仁慈はジュリウスの口から漏れた言葉に同意するかの如く首を縦に振ると、自分の神機を前に向け、そのまま回転させた。

 アルマ・マータの攻撃は仁慈の神機に弾き返され彼らに届くことなく、霧散していく。しかし攻撃を完全に防がれたアルマ・マータも動揺などは見せず攻撃の量を先程の倍にして放った。

 

 

 ちなみに、どうしてアルマ・マータが動揺しなかったというと、仁慈が攻撃を理解できない、したくもない方法で防ぐことなんてラケルの中にいた時に散々見てきたためである。ブラッド隊と戦う以上、予めこういう事態は念頭に入れていたために動揺することなく追撃することが出来たのであった。

 

 

 追撃の量が多く、自分ひとりでは防ぎきれないと悟った仁慈はジュリウスに自分と同じく攻撃を防いで欲しい旨を伝える。

 

 

 「ジュリウス隊長、ちょっと辛くなってきたので手伝ってもらっていいですか」

 

 

 「まかせろ」

 

 

 仁慈の言葉に短くも自信に満ちた声音で答えたジュリウスは、今までよりも強く地面を蹴り、追随していた仁慈の横に出る。そして、自身の体から紅いオーラを振りまきつつ神機を左下から切り上げた。

 すると、彼の神機が沿った軌道上に幾つもの斬撃が現れ、アルマ・マータからの攻撃を切り捨てていく。本人曰くこのブラッドアーツは、ファ〇ナルファンタジー7をやって思いついたのだとか。元々似たような技を持っているだけあってすぐに習得できると思ったらしい。

 

 

 閑話休題

 

 

 仁慈だけでなく、ジュリウスも先頭に立ち攻撃を防いでいるおかげで彼らとアルマ・マータの距離は五メートルを切った。ここからならブラッドの攻撃も通る。

 アルマ・マータもそのことが分かっているのか、サリエルに似たビーム攻撃をやめて自分を支えている足のひとつを地面にたたきつけた。

 その直後、アルマ・マータの足から仁慈たちが居る場所にかけて地面が黒く染まり、そこから大量の棘が生え始める。

 

 

 「うぇ……!?」

 

 

 「やっかいな!」

 

 

 ビーム攻撃が止んだ為、前に出てアルマ・マータに神機を突き立てようとしていたギルバートとナナが声を上げる。

 棘の大きさは三メートルを超えておりどう考えても飛び越えられるものではない。ジュリウスを含めた三人はすぐさま横に飛び退いた。

 一人だけ横に飛び退かなかった仁慈は、オラクル細胞が作り出した足ということを利用した尋常ならざる脚力で、三メートルを越える棘を飛び越え、尚且つそれらに跳び乗りながらアルマ・マータの本体を目指した。

 

 

 これにはさすがのアルマ・マータも予想外だったのか、横に飛び退いていったジュリウスたちを意識から外して仁慈を見据え、人型部分の両手を使ってシユウのようなエネルギー弾を精製、そのまま彼に発射する。先程の攻撃とは比較にならないくらいの威力があると察した仁慈は神機で応戦することなく、空中で背面跳びのように体を浮かせ回避する。その後、両足を自分の胸の方へと持ち上げ宙返りを決めると、下から生えている棘に着地する。

 そして再びアルマ・マータへの接近を試みる。

 

 

 

 

 「あの接近の仕方はないな」

 

 

 「どう考えてもおかしいよね」

 

 

 「ギル、ナナ。奴が仁慈に気を取られているうちに俺たちも接近するぞ」

 

 

 仁慈の姿を見ていたギルバートとナナは呆れたような顔でそう言い放つ。ジュリウスは今の状況を冷静に見極め二人に声をかけて行動を開始した。

 

 

 

 一方、援護として残ったロミオとシエル。

 シエルは血の力で他のメンバーに状況を随時流し、ロミオは完全に意識を仁慈へと向けているアルマ・マータに向けて特性の爆破バレットを放っていた。爆破バレットは寸分の狂いもなくアルマ・マータへと着弾し、その巨体を僅かに揺らす。

 だが体を揺らしただけで、ダメージはないに等しいらしい。一瞬だけロミオの方を向くがすぐに仁慈へと視線を戻していた。

 

 

 「ビクともしねぇ……あれで本当に弱体化してんのかよ……」

 

 

 「アルマ・マータの言葉に偽りなしですね。確かに、あれくらいなら誤差の範囲と言っていいでしょう」

 

 

 「だよなぁ。すぐに仁慈に視線を戻したし……アイツ仁慈のこと好きすぎるでしょう?」

 

 

 なんて不憫なやつ……とげっそりした表情で呟くロミオ。

 

 

 「………誤射の可能性もありますし、遠距離の援護は有効とはいえませんね。ロミオ、貴方は突っ込んできたらどうです?どうせやることもないでしょうし」

 

 

 「あの集団に入って来いと申すか」

 

 

 仁慈、ジュリウス、ギルバートは言うまでもなく高い身体能力を持っており尚且つ身体の動かし方をよく分かっている。銃形態の性能上、前線で何時も戦っているナナもそれは同様だ。ロミオやシエルも決して弱いというわけではない。唯、ロミオとシエルは突っ込んでいく上記四人のフォローに回ることが多いためにそこまで前線に行くことがなかったのだ。その分の差があるための発言である。

 

 

 「少し近付いて血の力使っていればいいじゃないですか」

 

 

 「やめろー!俺は敵の動きを鈍くする装置じゃないー!」

 

 

 ブンブンと頭を―――正確には耳を抑えてシエルの言葉をシャットアウトするロミオ。そんな彼にシエルは豚を見るような冷ややかな視線を向けていた。

 ロミオもシエルの視線に気が付いたのか、頭が取れるのではないかという勢いで振っていた頭を止め、咳払いをして空気を変えようとした。手遅れだが。

 

 

 「おうぇ……頭振り過ぎた…………、よし復活。装置云々はこの際置いといて、確かに俺も前に出たほうがよさそうだな」

 

 

 爆破バレットを撃ったために銃形態となっていた神機を元の形に戻し、ロミオは駆け出す。シエルはロミオを送り出した後、時々嫌がらせ程度の狙撃を放ちつつ、今までどおり状況の把握に努めるのだった。

 

 

 

 

 

 

             ―――――――――――――――

 

 

 

 同時刻、サカキが予想していた通りアルマ・マータの能力で呼び寄せられたアラガミたちを極東の名だたる神機使いたちは食い止めていた。

 いや、むしろ―――――

 

 

 「グルァァアアアアア!!」

 

 

 「おっ、ヴァジュラだ(ズドン!)。コイツも昔はすっごく強く感じたんだよなぁ……」

 

 

 「コウタ隊長。そんな事ばっかり言ってると早く老けます……よッ!」

 

 

 「おい、そういうこと言うの止めろよ……おっとあぶね(ズドン!)俺まだ二十迎えてないんだからな」

 

 

 「騎士道ォオオオオオオオオ!!!」

 

 

 「エミールうっさい!」

 

 

 ――――――この光景は蹂躙という言葉が相応しいだろう。

 

 

 コウタとエリナは気安い会話をしつつも自身に向かってくるアラガミの攻撃をかわし、流れるような動作でカウンターを決める。騎士道狂い(ジャンキー)のエミールもお決まりの言葉と共にかつて苦しめられていたウコンバサラの顔面を粉砕する。それだけに留まらず、頭の潰れたウコンバサラの屍骸をゴルフよろしく吹っ飛ばして、小型アラガミの集団を押し潰した。

 数こそ圧倒的に劣っているものの実力差は歴然。これこそが、激戦区極東の神機使い。圧倒的な量を個人の質で対抗することが出来る神に仇名す者達だ。

 

 

 何も、コウタたちだけではない。

 

 

 別の場所では防衛班の神機使いたちが、アルマ・マータの居る場所へと殺到しようとするアラガミたちを殲滅していた。

 

 

 「サカキ博士の言った通りになったなぁ。小中大、それに堕天種をはじめとする亜種、挙句の果てには感応種まで混ざって突撃してきやがる。ブラッドアーツ習得してなかったら詰んでたなこりゃ」

 

 

 「確かに。他はともかく感応種には対応できなかっただろう」

 

 

 防衛班の班長であるタツミの言葉にブレンダンが同意の言葉を上げる。例の如くアラガミは殲滅しながらである。

 ブレンダンは武器の特性と己の胆力を最大限に活用した切り払いで大型アラガミと真っ向からぶつかり合い、押し返した後、体を回転させて振り切った勢いと遠心力を加えたなぎ払いで相手をしていたアラガミを両断し、タツミは自身のブラッドアーツで小型アラガミを処理していく。

 防衛班なのに守りに徹しないという暴挙を犯しながらもオウガテイル一匹逃がさない。もちろん、戦っているのは彼ら二人だけではない。

 

 

 「駆逐駆逐駆逐」

 

 

 シュンは次から次へアラガミの背中に現れては、全て首の―――正確にはうなじ位置する場所に神機を振るい、

 

 

 「サカキ博士から報酬ははずむと言われたし、やらないわけにはいかないよな」

 

 

 「こんなに沢山いるなんて……フフフ、やりがいがあって実にいいわ……」

 

 

 ジーナがシュンの隙を狙って攻撃を仕掛けようとするアラガミを正確に撃ち抜き、カレルがジーナを含めた自分達に襲い掛かってこようとするアラガミを倒しつつ、時々大物を狙い撃ちしていた。

 

 

 もちろん、クレイドル組と第四部隊のソーマ、アリサ、ハルオミ、カノンについても同じくアラガミがアルマ・マータの居る場所に行かないように戦っている。

 もっとも―――

 

 

 「アッハッハッハ!!そぉれ、それそれそれ!!早く逃げないと爆発四散しちゃうぞぉ~?ハッハッハッハ!!」

 

 

―――カノン(狂った固定砲台)が周囲のことなど度外視して敵を殲滅しているため、一番防衛しているかどうか首を傾げるが。先の防衛班といい、この元防衛班といい、本当に防衛していたのかと思うくらいの攻撃思考である。

 

 

 「ソーマ、そんなとこで空見上げてどうしたんですか」

 

 

 「いや……。こうしていれば、アイツが狂気の固定砲台(カノン)を止めにきてくれるんじゃないかと思ってな」

 

 

 「馬鹿なこと言ってないで私達も働きますよ。カノンさん、攻撃が豪快すぎて撃ち洩らしが結構ありますしね」

 

 

 「本当に、アレさえなければカノンちゃんは内面もいい、ムーブメントの塊なんだけどなぁ……」

 

 

 どこか諦めたように空を見上げるソーマ、そんなソーマに冷たい視線を向けるアリサ、どんなときでもぶれないハルオミ。

 彼らはアラガミからの攻撃よりも味方からの攻撃のほうが危険という、実に奇妙極まりない戦場で、縦横無尽に駆け巡り次々とアラガミを屠っていく。

 多少の無理はあるものの、戦場では全てが順調だった。

 しかし、皺寄せは必ず来るものである。

 

 

 『くっ、この人数を同時にオペレートとは……いつもいつも思いますけど極東は、非戦闘員(私達)にとっても地獄ですね……ッ!』

 

 

 極東の神機使いたちのオペレートを纏めて行っているベテランオペレーターのヒバリこそが、その皺寄せを受けている人物である。

 相変らず常識はずれな行動ばかりしでかす神機使い(馬鹿共)の面倒を見つつ、ぼそりと愚痴をこぼした。

 この作戦が終わったらオペレーターの増員をサカキに申し立てると彼女は密かに決意した。

 

 

 

 

              ―――――――――――――――――――

 

 

 

 『相変らずの化け物っぷりね!仁慈!まさかあの攻撃をあんな風に回避してくるなんて思っても見なかったわ!!』

 

 

 「正真正銘の化け物が何を申すか。俳句を読め。カイシャクしてやる」

 

 

 

 場面は戻り、仁慈とアルマ・マータの戦い。

 仁慈はアルマ・マータが生み出した棘を利用して攻撃を回避しつつ、アルマ・マータの目の前まで距離を詰める事に成功していた。

 その様はアルマ・マータが自分自身のことを棚に上げて化け物といってしまうくらいのものであった。仁慈は失礼ながらも真っ当な台詞に、神機を振るいつつ応える。俳句なんてなかった。

 

 

 一直線に目の前のアルマ・マータ目掛けて振るわれた神機は阻まれることなく、相手の顔面に傷をつけた。

 しかし、アルマ・マータには痛覚がないのか付けられた傷には何の反応も見せず、自身の頭上に浮かぶ光の輪からレーザーを放つ。空中にいる為、自由に動くことの出来ない仁慈にとってそれは回避不能の攻撃であった。

 一か八か、装甲を展開しやり過ごそうとしたところで目の前のレーザーが唐突に爆発する。仁慈もその爆風に煽られ、飛ばされるが先程もやっていたように空中で体勢を立て直すと今度は地面に着地した。

 アルマ・マータが視線を動かすと、そこにはドヤ顔でふんぞり返っているシエルが立っていた。

 

 

 「どやぁ」

 

 

 「ありがとうシエル。助かった」

 

 

 「いえ、あの程度でしたら何の問題もありません。なので、君はもっと攻めても大丈夫ですよ」

 

 

 シエルの能力と狙撃の精度、なにより先程のドヤ顔……どれをとっても厄介だと認識したアルマ・マータはシエルに狙いを定め、今度はピンポイントでシエルの足元に棘を出現させようと自身の足を振り上げる。

 しかし、そんな決定的な隙を彼らが見逃すわけがない。

 

 

 「今だ!」

 

 

 棘の出現する攻撃をよけた際に完全にノーマークとなっていたジュリウスが掛け声を上げる。それに応えるは三人分の声。彼らはジュリウスと共にアルマ・マータの足に一斉攻撃を開始する。

 自身を支えている足を一本振り上げている状態で行われた三人による集中攻撃は、アルマ・マータの態勢を崩すには十分な威力であった。アルマ・マータはその巨体を地面に沈めることとなる。

 

 

 『グッ……!よくも、よくもやってくれたな……ッ!』

 

 

 体勢を崩され地面に倒された怒りから、アルマ・マータの意識はジュリウスたちのほうへと向かう。

 そこへ――――

 

 

 「……警戒するだけ損だったな。いくらラケル博士の中で彼女の知識を吸収したとしても、所詮は元アラガミ。扱いきれないのであれば捨てたほうがいんじゃねえの?宝の持ち腐れだ」

 

 

 ――――ハッ!と、気付いたときにはもう遅い。何故なら、アルマ・マータが最も警戒していた人物……樫原仁慈の声が自分の真横から聞こえてきたためだ。

 だが、アルマ・マータは内心でほくそ笑む。

 

 

 彼が先程顔面に向かって行った斬撃は到底自分を打倒し得る一撃ではなかったためだ。たった数分前の攻撃がそれなのだ。今しようとしている攻撃も自分に届きはしないとたかをくくっていた。それは自分自身の存在が、絶対のものだと思い込んでいるからである。しかし、その思考こそが仁慈のいう宝の持ち腐れなのだとアルマ・マータは気付けない。

 

 

 ―――ビュ!!

 

 

 再び跳びはね、重力をも加算して振るわれた神機は空を裂きながら吸い込まれるようにしてアルマ・マータの顔に向かい、見事に頭上で浮遊している輪ごと両断して見せた。

 このことに驚愕したのはもちろんアルマ・マータである。自身の視界が両断され、まともに周囲の様子を確認できないながらも、叫ぶ。

 

 

 『あ、あぁ……アアアアァァァァアアアアァァ!!??ワタシノわたしのカオがぁぁああァアアァアアアアAAAA!!??』

 

 

 「化けの皮剥がれるの早すぎる……」

 

 

 その叫びように、覚醒したばかりの余裕はなく、仁慈は思わず呆れたように呟いた。

 

 

 「さっきまでの余裕は何処に行ったんだか……」

 

 

 「小物の典型的な反応だな」

 

 

 「格好悪いね」

 

 

 「どうせなら最後まであの余裕を持っていて欲しかったですよね」

 

 

 「シエル……いつの間にこっちに……」

 

 

 「何だロミオ、いたのか」

 

 

 「(この反応が来ることは)知ってた」

 

 

 それにしてもこのブラッド隊余裕である。

 

 

 『ナァゼダァ!!ナゼオマエノ攻撃が効イたんんだァ!!!ジンジィィイイイ!!』

 

 

 「なんで何時も俺なんだよ……。まぁ、いいや。解説は死亡フラグだが、ネタ晴らししてやろう。答えは単純、ジュリウス隊長たちが攻撃したところにロミオ先輩が自分の血の力を込めた一撃を見舞い、お前の中にあるオラクル細胞の働きを緩慢、もしくは停止させたためだよ」

 

 

 外からは効き難くても、中からはさすがに防げないだろうと付け足す仁慈。そう、ジュリウスたちが攻撃を仕掛けるあの瞬間、ロミオも参加していたのだ。そして、ジュリウスたちが付けた傷に自身の血の力をぶつけ、内側から効果を発揮させようと試みたのである。

 

 

 『おの…レ、オノレ、オノレ、オノれ、おノレ、オノレェェエ!!』 

 

 

 「オ・ノーレ」

 

 

 「言ってる場合か!?なんかやばそうだぞ!!」

 

 

 アルマ・マータの叫びにシエルが煽るような言葉を放つ。そんな彼女にツッコミを入れつつロミオはアルマ・マータの変化を指摘した。

 ブラッド隊もアルマ・マータの様子を観察してみると、仁慈が両断した切り口から、樹液のようなものがあふれ出していたのだ。しかもこの樹液、触手のごとくうねうね自由に動き回っている。

 

 

 「……明らかにヤバイだろ、アレ」

 

 

 「そうだな。少なくともいい予感はしない」

 

 

 ジュリウスとギルバートが冷静に感想を述べる。そんな中、彼らの通信機からオペレーターであるフランの声が届いた。

 

 

 『皆さん。悪いニュースがありますが聞きますか?』

 

 

 「悪いニュースは聞きたくありません」

 

 

 『では言い換えましょう。皆さん素敵なニュースです。アルマ・マータの偏食場が変化しました。アレはもうノヴァではなく終末捕食そのものです』

 

 

 「それもうおしまいじゃね?」

 

 

 『えぇ、普通ならばそうでしょう。しかし、あの二人は対策を考えていたようですよ。所謂、プランBです』

 

 

 その言葉に嫌な予感しかしなかったブラッド一同だったが、先程からこちらに向かってくる触手の量が多くなってきたのでおとなしく聞くことにする。

 

 

 『ジュリウス隊長か仁慈さんのどちらかに特異点となってもらい、あれらを相殺する……それが、プランBです』

 

 

 

 

 








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