東方狐答録   作:佐藤秋

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せっかく更新があったのに台本形式かよーって方のために、明後日は普通のを投稿します。




第百四十八話 クイズ 真の100のこと

 

真「……」

 

文「オーライ、オーライ……そこでストップ! はい、そこで大丈夫です。ありがとうございます」

 

真「えーっと……」

 

文「はたてー! そっちはー!? 映像しっかり繋がってるー!? ……ん、よし!」

 

真「おい文」

 

文「では、河童の皆さん、お疲れ様でした。手伝ってくれたお礼はあとでにとりさんを通してお渡しを……」

 

真「文。文ってば」グイッ

 

文「おっとっと。どうされました真さん」

 

真「なんだこのセッティングは……」

 

文「あれ、お話ししていませんでしたっけ?」

 

真「生憎、何も聞かされていない。質問したいことがある、とだけしかな。だから取材の一種だと思っていたんだが……」

 

文「まあ、そう捉えられていただいても構いませんよ。これはですね……」

 

 

 

 ~博麗神社~

 

 

 

霊夢「……『クイズ 真の100のこと』?」

 

レミリア「そう! 今から霊夢たちには、そのゲームで遊んでもらうわ!」

 

霊夢「なんなの急に……咲夜、説明」

 

咲夜「いや、私も何も聞かされずについてくるように言われたから、何も知らないわ。でも……ゲームの名前は聞いたことがあります」

 

レミリア「ふふん、咲夜とは前に紅魔館でやったものね。あのときはフランに関する100のことだったけど」

 

咲夜「そうでしたね。あれ、でも確かあの後に……」

 

レミリア「そう。終わった後、フランが今度は回答者をやりたがって、真に質問に答える役をやってもらったわ。でも……」

 

咲夜「ああ、結局質問が100個用意できなくて中途半端に終わってしまったんでしたね」

 

レミリア「さすがに100個はね……」

 

霊夢「……ねえ、話があんまり見えてこないんだけど。とりあえず、前にやった遊びを、改めてここでやるつもりなの? 紅魔館でやりなさいよ」

 

レミリア「いいじゃない、霊夢も一緒に遊びましょ。それにお土産も持ってきたんだから。咲夜」パチン

 

咲夜「はい。霊夢、これを」

 

霊夢「まったく……お土産程度で私の機嫌がとれると思ったら大間違いなんだからねお茶を持ってきてあげるから待ってなさい」クルッ

 

咲夜「……変わり身が早いわね」

 

レミリア「さて、霊夢がお茶を用意している間に、私たちもゲームの用意をしましょうか。そろそろ集まってくるころでしょうし……あ、来たわね」

 

妹紅「ちわー。霊夢ー、遊びに来たぞー……ってありゃ、いないね」

 

レミリア「はい、一人目」ガシッ

 

妹紅「えっ」

 

レミリア「いや、霊夢もいるから二人目かしら?」

 

妹紅「え? え?」

 

レミリア「そして三人目は……どうせどっかから覗いてるんでしょ? 出てきなさいよ紫」

 

紫「……あら、よくわかったわね」ブゥン

 

妹紅「うわっ」

 

レミリア「ふふん、運命が見える私には造作もないこと。ついでに言うと妹紅、貴女が来ることも分かっていたわ。だからこそ今日を選んだのだけど」

 

妹紅「え、あー、ふーん? ??」

 

紫「いいのかしら、私も参加して」

 

レミリア「ええ。妖怪の賢者の実力をこの目で見たいと思って」

 

紫「そういうことなら、喜んで。面白そうと思って見てたのよね」

 

レミリア「幻想郷には娯楽が少ないからね。退屈しのぎにはいいでしょ」

 

紫「ええ。……それで、私で三人目ですって? 貴女たちは参加しないのかしら」

 

レミリア「私は……見ているだけでいいわ。それでも十分面白そうだもの。あ、咲夜が四人目ね」

 

咲夜「えっ」

 

妹紅「(あ、仲間)」

 

紫「なるほど……。これで全員?」

 

レミリア「あと一人。多分もうすぐ、フランたちと一緒に来るわ」

 

紫「へえ。貴女の妹と一緒にってことは……」

 

咲夜「ということは、今回妹様は参加されないんですね。前回やりたがっていたご様子でしたが」

 

レミリア「今回は、私と一緒に観戦だけね。見ながら参加するつもりよ。こういう楽しみ方もありでしょう?」

 

咲夜「ええ、勿論」

 

レミリア「それに、フランの代わりもいるしね。妹で、スカーレットの名を持つそこの子が」

 

妹紅「……もしかして私のことを言ってるんだろうか……え、そんな理由で私は参加させられるのか? そもそも、まだやるとは言ってな……」

 

咲夜「今回は、私共の戯れに付き合っていただきにありがとうございます、妹紅様」

 

妹紅「やるって言ってないってば!?」

 

咲夜「頑張りましょう」グッ

 

妹紅「……まあ、アンタも巻き込まれた一人っぽいし、やるだけやるか……」

 

レミリア「……あ、来たみたいね」

 

フラン「おーい! お姉さまー、来たよー!」

 

???「どうも、お邪魔します」

 

紫「げっ、こいつは……」

 

霊夢「お茶の準備ができたわ。外で(たむろ)して参拝客の邪魔になるのもなんだから、中で飲みましょ……ってなんか人数増えてるわね……」

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

レミリア「さ、では改めて、参加者の確認と、ルールの説明をしておきましょう」

 

妹紅「ああ、そうしてくれると助かる……」

 

レミリア「こほん。それでは……」スゥー

 

レミリア「まず一人目は、博麗神社の素敵な巫女、博麗霊夢!」

 

妹紅「(なんか始まったぞ)」

 

霊夢「……やるのはいいけど、参加賞と優勝景品は何か無いわけ?」

 

レミリア「次に二人目、スカーレットの証をその名に刻む竹林の不死人、藤原妹紅!」

 

妹紅「と、私か。輝夜以外と遊……勝負するのは久しぶりだな」

 

レミリア「そして三人目、妖怪の賢者でありながらも割と困ったちゃん、八雲紫!」

 

八雲「うふふ……今日はどんな質問だろうと完璧な答えを用意してみせるわ」

 

レミリア「更に四人目、私レミリア・スカーレットの完全なる瀟洒な従者、十六夜咲夜!」

 

咲夜「どうぞよろしくお願いいたします」

 

レミリア「最後五人目、怨霊蔓延る地底の支配者、古明地さとり!」

 

さとり「どうも。と、いうことで五人目は私でした。頑張ります」

 

霊夢「誰に向かって話してんのよ……」

 

レミリア「以上の五人が、『クイズ 真の100のこと』で勝負よ!」

 

フラン「わー、お姉さまかっこいい!」

 

霊夢「……なんなのかしらこのテンション」

 

妹紅「さあ……?」

 

咲夜「静粛に。まだ説明は終わっておりません」

 

レミリア「これからこの五人には、真に質問をしたときにどういう答えが返ってくるのかを考えてもらうわ」

 

妹紅「真に質問したときの……?」

 

霊夢「答えを考える……?」

 

さとり「要は、真さんへの理解度を競うものでしょうか? 真さんの好きな色を答える、といったような」

 

妹紅「ふむ……?」

 

レミリア「間違ってはいないけど、少し違う気もするわね……」

 

さとり「と、言いますと?」

 

レミリア「あくまで考えるのは、『真がどう答えるか』なのよね。だから先ほどの色の例で言うと、『赤』が答えかも知れないし、『白と黒』が答えかも知れないし、『好きな色は無い』が答えかも知れない」

 

さとり「ああなるほど、真さんの答え方にこれといった縛りは設けていないのですね。あれ、だとすると……」

 

霊夢「そうそう、肝心の真がいないじゃない。正誤の判定はどうやってするつもりよ」

 

レミリア「心配ご無用。すでに真には別室で待機してもらっているの。あとはその映像をここに映せば……ちょうどいいわ、あっちの映像を映してみましょうか」ポチッ

 

 

真『ああ、いつぞや紅魔館でやったクイズか。で、今回は俺が質問される側になったんだな』

 

文『そうなります!』

 

 

妹紅「おお、映った。どういう仕組みだこれ?」

 

レミリア「天狗と河童の協力のもと実現したわ」

 

霊夢「む……」

 

レミリア「ちなみに、あの天狗だけだと少し不安だから、見張りとしてパチェも向こうにいるわ。ほらあそこ」

 

 

パチュリー『……』ペラリ

 

 

妹紅「黙々と読書してるな」

 

霊夢「まあ……ならいいわ」

 

さとり「もちろん、こちらの映像は向こうには届いていないんですよね」

 

レミリア「当然。一応パチェにだけ音声は届いているけどね」

 

フラン「ねーねーお姉さま」

 

レミリア「あら、どうしたのフラン」

 

フラン「前やったときは、映像を繋ぐのにパチュリーの魔法を使ったじゃない。なんで今日はそうしなかったの?」

 

レミリア「それはね……今回パチェには見張り以外に、もう一つ仕事を頼んでるからなの。魔法はそれに使ってるのよ」

 

フラン「もう一つ仕事?」

 

レミリア「そう。誰か考えた人はいないかしら? 真にする質問の100個はどうするんだろうって」

 

妹紅「あ、それは思った。100個も質問考えるの大変そうだなって」

 

霊夢「文とレミリアがそれぞれ考えても50個ずつ……それに、文なんかはくだらない質問をたくさんしそうだしね」

 

レミリア「でしょう? だから質問の内容はね、ここにいる全員に考えてもらうことにしたの」

 

さとり「全員に?」

 

レミリア「ええ。パチェの魔法で、ここにいる全員を対象に、真への疑問を思い浮かべると、ランダムで向こうに送ってくれるのよ」

 

妹紅「へー、便利だな」

 

咲夜「それに、訊きたいことも訊けるいい機会にもなりますね。どんなものが好きだとか」

 

霊夢「……!」

 

レミリア「ちなみに真への疑問は回答者の五人以外が考えたものでも拾うからね。だから貴女たちも質問を考えていいのよ?」

 

フラン「「はーい」」

 

レミリア「……と、説明はこれくらいかしら。何か質問は?」

 

紫「はい!」

 

レミリア「はい、紫」

 

霊夢「あ、紫いたのね」

 

妹紅「全然しゃべってなかったな」

 

さとり「どうかされたんでしょうか?」

 

紫「あのねえ……訊きたいのは貴女よ貴女! なんで覚妖怪がここにいるのよ!」

 

さとり「おや」

 

レミリア「なぜって……私が呼んだからだけど」

 

紫「余計なことを……!」

 

霊夢「あれ、紫ってさとりが苦手なんだっけ」

 

紫「だって、心を読むなんて、他人の領域に土足で踏み込むようなものと思わない?」

 

霊夢「スキマ使って人の生活を覗く奴が何を……」

 

妹紅「え、アンタ心読めるの?」

 

さとり「はい」

 

咲夜「幻想郷ですし、そういう妖怪がいてもおかしくないですが……」

 

妹紅「まあ、やましいことがなけりゃあ恐れる妖怪でもないか」

 

咲夜「ですね。他には恥ずかしい隠し事とか……」

 

妹紅「(……あー、そういや昔、輝夜を落とそうと作った落とし穴に人間がハマって、咄嗟にウサギのせいにしたことが……)」

 

咲夜「(……本人にも話したことはないけれど、私の髪型って半分美鈴に憧れて真似したところもあるのよね……)」

 

妹紅・咲夜「「……」」

 

妹紅・咲夜「「!!?」」バッ

 

さとり「身構えないでください、今は読んでませんから。クイズをするのにそんな無粋な真似はしませんよ」

 

妹紅・咲夜「「……」」ホッ

 

紫「ほら、これが普通の反応よ」

 

霊夢「えー? でも前に、普通に話してるとき無かった?」

 

紫「それはあれ、いるって知ってたから覚悟ができてたのよ。まったく、なんだってレミリアはこんな奴を……」

 

フラン「私知ってる! この人はこいしちゃんのおねえさんなの! 地底に行ったら一緒に遊んでくれるのよ! あとお菓子を作るのも上手なの!」

 

こいし「えっへん。私のお姉ちゃんはすごいんだから」

 

さとり「もう、二人とも……」

 

妹紅・咲夜「(……まあ、悪い妖怪ではないみたい(です)ね)」

 

霊夢「(こいしいたの!?)」

 

レミリア「……というわけで、特殊な妹を持つ姉友達よ」

 

紫「いつの間に……」

 

 

真『……なかなか始まらないな。まだなのか?』

 

パチュリー『メンバーが前回と違うからね。説明に時間がかかってるんだと思うわ』

 

真『なるほど……で、メンバーは誰なんだ?』

 

文『あ、私知ってます! でもタダで教えてあげるのもなんですねえ……いくら真さんでもそれなりの誠意を見せていただかなけれ』

 

真『ふむ。霊夢、妹紅、紫、咲夜、さとりか』

 

文『な、何故ぇ!? あ、能力を使いましたね!』

 

真『意外な面子だな……こういう遊びに魔理沙がいないのも珍しい。どうしてまたこんな』

 

パチュリー『真のことを訊くゲームだからよ。まず、幻想郷に来る前の真を知ってる二人。紫と妹紅ね。それと、幻想郷に来てからそれぞれ、地底で一緒に住んでいた相手と地上で一緒に住んでいた相手』

 

真『それがさとりと霊夢か。なるほどなるほど』

 

パチュリー『あと咲夜は前回の優勝者だから』

 

真『咲夜の不利っぷりが半端ないな』

 

 

咲夜「ですよね」

 

レミリア「……さあ、向こうもお待ちかねみたいだから、いい加減始めましょうか! 回答ボードは持ったわね?」

 

霊夢「ふーん。これに書けばいいのね」

 

フラン「咲夜、頑張ってねー」

 

こいし「私はお姉ちゃんを応援しよっと」

 

レミリア「では、開始! まずは第一問!」

 

 

 

 

 第1問 『真って何歳なの?』

 

咲夜「まずは定番の質問からですね」

 

霊夢「定番なの? これ」

 

妹紅「初めてだからそういうのは分からないな」

 

紫「それにこれ、答えも分からないわ。多分本人も知らないんじゃない?」

 

妹紅「アンタが知らないとなると、私たちなんて知りようが無いよな」

 

さとり「そこはほら、真さんがどう答えるかなので」

 

霊夢「ああ、そうか」

 

レミリア「書けたかしら? それでは、回答オープン!」

 

 

霊夢『数えてない』 妹紅『2000より上』 紫『29歳』 咲夜『約5000』 さとり『2000以上』

 

 

霊夢「紫……アンタ当てる気ないでしょ。真より歳が下だからって、そう書いてアンタが若くなるもんじゃないからね?」

 

紫「失礼な。見た目の年齢で答えるかも知れないじゃない」

 

妹紅「お、一緒だな」

 

さとり「ええ。咲夜さんは……」

 

咲夜「私は、他の皆さんに比べて本当に分かりませんから、近似値狙いを……。尻尾が一つ増えるのに平均500年と仮定して、十本あるなら4500……そして真様ならこう答えるのではないかと」

 

妹紅「ほほう」

 

霊夢「尻尾一本で500年って……そんなにかかるものなの?」

 

紫「それは妖怪によりけりね。真は尻尾が増えるのがかなり遅い方みたい」

 

さとり「ですね。ですから咲夜さんの仮定はあながち的外れとは言えないんですよ。正直、一番近い人が正解だとしたら、咲夜さんが正解になると思います」

 

霊夢「そうなんだ」

 

さとり「実のところまだまだ上の可能性もあるんですが……この遊びはあくまで真さんの答えを予想するものなので」

 

妹紅「なるほど……真が答えたことが答えになるってこういうことか。面白いな」

 

紫「……それじゃ、気になる答え合わせと行きましょうか」

 

 

 

 ~別室~

 

文「……あ、質問来ましたね。第1問、ズバリ、『真さんはおいくつでしょうか?』」

 

真「ん。とりあえず2000より上だ。それより上は数えてない」

 

 ピンポーン! 妹紅・さとり 正解!

 

真「こういう答え方でいいんだよな?」

 

パチュリー「ええ。こう答えたほうがいいかも、なんて考える必要はないわね」

 

 

 

霊夢「む……私のはハズレ扱いなのね」

 

咲夜「最初に2000っていう数字を言っているもの」

 

さとり「逆に、私のは正解扱いなんですね。妹紅さんと比べたら少し違ってましたけど」

 

妹紅「大意があってるからいいんだろうな。そうじゃないと正解が少なくなりすぎるんじゃないか?」

 

霊夢「でも妹紅のは完璧だったわね。すごい」

 

妹紅「まあ、一緒に旅してると、真が年齢を答える機会がそれなりにあるからね」

 

紫「言われてみれば……ちぇっ、惜しかったわ~」

 

霊夢「いや全然惜しくないから」

 

 

 

 第3問 『油揚げ以外に好きな食べ物は?』

 

咲夜「おや、私が考えた質問でしょうか?」

 

レミリア「そうかもね。一応誰が考えた質問とか分からないよう口調を変えてるから、もっと変な質問でもいいわよ」

 

霊夢・紫「……」 

 

咲夜「(……あの二人、変な質問考えてるみたいね……)」

 

さとり「油揚げが好きなのは確定なんですね」

 

妹紅「まあ狐だし。もう一人の九尾もそうなんだろ?」

 

さとり「そうなんですけどね。ですが真さんには、狐だから油揚げが好きなのではなくて、油揚げが好きだから狐に産まれた説がありますよ」

 

妹紅「なにそれこわい」

 

紫「まんじゅう怖い」

 

霊夢「おまんじゅう食べたい」

 

咲夜「ちょっと、思考散らかりすぎじゃないですか?」

 

レミリア「はい。じゃあ回答オープン」

 

 

霊夢『おまんじゅう』 妹紅『団子』 紫『お米』 咲夜『お肉』 さとり『甘いもの』

 

 

さとり「……似たような答えですけど、全員違いますね」

 

咲夜「霊夢貴女、さっきの流れで書いたでしょ」

 

霊夢「失敬な、ちゃんと考えてるわよ。真が神社でおまんじゅうを食べるのを見たなーって書いたあと思ったわ」

 

さとり「書いた後じゃないですか」

 

霊夢「だから書き直さなかったの」

 

妹紅「でもこれ正直分からないよなー」

 

紫「基本なんでも食べるし、油揚げでも他に食べる人がいれば譲るし、ねえ」

 

咲夜「男性ですし、安直にお肉と書きましたけど……他の回答は甘いものが多いですね?」

 

霊夢「お土産として買ってくることが多いのよ」

 

妹紅「まあそれも、私らが食べるからだろうし……もしくは手軽に食べられるからかも」

 

 

 ~別室~

 

文「次です。第3問、『油揚げ以外で真さんの好きな食べ物はなんですか?』」

 

真「油揚げ以外かあ、どうしよう。そうだな、自分は和食派だから、米にしとくか」

 

 ピンポーン! 紫 正解

 

紫「ふっ」

 

咲夜「なるほど、和食派でしたか……」

 

文『回答には甘味が多かったようですが、真さんは甘いものはどうなんですか?』

 

真『ああ、そういう発想もあったな。つい食事の方の好みを考えてしまったが、甘いのも結構好きだぞ。和菓子洋菓子関係無く。華仙がよくいる甘味処の団子も美味いし、穣子が分けてくれる焼き芋なんかも甘くていい感じだな。あといま思いついたけど、ミスティアの屋台のヤツメウナギも好きだ』

 

妹紅「意外に語るな真! 結構食べるの好きだったのか」

 

霊夢「甘いものを買うのも、好きって一面があったからかしら。ということは、さとりは結構おしかったわね」

 

さとり「ええ、真さんの思考があと少し違っていれば正解できたと思うんですが……。紫さんはお見事でした」

 

紫「でしょう。もっと称えてくれていいのよ」

 

霊夢「駄目よ、褒めたら調子に乗るから」

 

 

 

 第8問 『真の好きなスペルカードは?』

 

紫「スペルカードねえ。これは……」

 

霊夢「スペルカードルールができたのは最近だから、昔の真を知らなくても予想できるわね。もっともさとりは、地上の連中のスペルカードを知らないかもしれないけど」

 

さとり「いえ、私の能力の性質上、ほとんどのスペルカードは知っています。……ですが逆に、真さんがどのスペルカードを知っているかは分からない状態で……」

 

妹紅「それな。というか真は、あんまりスペルカード知らないと思う」

 

咲夜「ですね。弾幕ごっこしてるところは全然見ませんし」

 

妹紅「それに真の奴、人が弾幕ごっこしてるのちゃんと見ないんだ」

 

霊夢「え、そうなんだ……」

 

紫「男向けの勝負じゃないからねえ。弾幕の綺麗さを競う一面なんか特に」

 

レミリア「いいかしら? じゃあ、回答オープン」

 

 

霊夢『スターダストレヴァリエ』 妹紅『金閣寺』 紫『紫の彼岸は遅れて輝く』 咲夜『不夜城レッド』 さとり『秘弾「そして誰もいなくなるか?」』

 

 

紫「まあ、割れるわよね。見事に全員違う答えだわ」

 

妹紅「霊夢のは、魔理沙のスペルカードか」

 

霊夢「ええ。とりあえず真は、私と魔理沙のスペルカードは全部知ってると思うのよね。その中でもこれは星の弾だし、見ていて分かりやすい綺麗さなんじゃない?」

 

咲夜「確かに……魔理沙は大雑把なイメージがあるけど、考えてみたら綺麗な弾幕もあるわね」

 

霊夢「でしょ。で、アンタ達のは……レミリアのスペルカードと、えーっと妹紅のは……」

 

さとり「金閣寺……これは輝夜さんの、金閣寺の一枚天井、ですかね」ウロオボエー

 

妹紅「あー、全然思いつかなくてな……とりあえず私がいいと思うのを書いた。見た目が派手だしな、これ」

 

霊夢「へえ。妹紅が輝夜のスペルカードを褒めるなんて」

 

妹紅「それにこれ、頭上ががら空きで面白いんだ」

 

霊夢「あ、そういうこと」

 

さとり「咲夜さんがレミリアさんのスペルカードを選んだのは、主人だから以外に理由でも?」

 

咲夜「ええ、まあ。真様の感性はお嬢様と似たところがあるんです。無論私がいいと思うものでもありますが」

 

紫「私も、自分がいいと思うのを書いちゃった。幽々子のなんだけど、このスペルカード、私の名前が入ってるの。幽々子もかわいいところあるわよね~♪」

 

さとり「お二人とも、見た目の綺麗さの他に名称も考慮しているようですね。私もどちらかというと、真さんが好みそうな名前のスペルカードを選びました」

 

フラン「私のだー!」

 

さとり「ええ、そうですよ」フフフ

 

妹紅「なるほどスペカの名前か……確かに真はそういうところ気にしそうだ」

 

 

 ~別室~

 

文「第8問、『真さんの好きなスペルカードはなんですか?』」

 

真「スペルカードか……。そうだな、少し違うが、幽々子の蝶を模した弾は、初めて見たとき綺麗だと思ったな」

 

 ピンポーン! 紫 正解

 

紫「あ、当たった」

 

咲夜「正解扱いなんですね。さすがに難しすぎました」

 

霊夢「形か……方向性はあってたぶん悔しいわね」

 

文『あちらですと、スペルカードの名称から予想していた方が結構いたようですが』

 

真『名前か。それだったら妹紅のスペルカードが全体的にいい名前だと思う。フジヤマヴォルケイノとか、鳳翼天翔も』

 

妹紅「おお……そう言われるとなんか照れるな。答え外したけど」

 

真『あとこいしのロールシャッハ』

 

こいし「おー、私のだ」

 

フラン「わ、よかったねこいしちゃん」

 

さとり「ほう……無意識を操るこいしならではの名称の良さを真さんも分かっていましたか。さすがです」

 

紫「……今のセリフ、真を褒めてるのか、妹を褒めてるのか……」

 

レミリア「後者でしょう。ほんと妹が大好きねさとりは。ちょっと姉バカ発言じゃない?」

 

さとり「普通です。レミリアさんには適いません」

 

レミリア「そんな照れることでもないでしょうに」

 

 

 

 第10問 『フランとこいし、どっちがいい子?』

 

こいし「お?」

 

フラン「私たちの名前がある~」

 

レミリア「これは……どっちの妹が優れているかの勝負なのかしらねさとり。……って」

 

さとり「……」サラサラ

 

咲夜「もう書いてらっしゃる……」

 

妹紅「……うーん、二人のことをよく知らないと難しいな。片方に至ってはほとんど見たことも無い」

 

紫「一方は、心を閉ざした覚妖怪。片やもう一方は、力が暴走する吸血鬼。そこだけ聞くと甲乙つけがたいわね」

 

霊夢「真からしたら、どっちも大した要素じゃなさそうだけど」

 

妹紅「真なら、二人ともいい子とか言いそうだな」

 

霊夢「分かる。紫もいい子とか言っちゃうし」

 

妹紅「永遠亭のイタズラウサギもかわいがってるし」

 

咲夜「そういう懐が深いのが真様なのでしょう。そもそも真様が怒っているところなんて、私には想像ができませんし」

 

霊夢「でも天子にはそれなりに怒ってたわよ」

 

妹紅「あと寺子屋の子どもたちにキレてたこともある」

 

咲夜「そ、そうですか……」

 

レミリア「はい、回答オープン」

 

 

霊夢『フラン』 妹紅『どっちも』 紫『私』 咲夜『妹様』 さとり『こいし』

 

 

妹紅「ありゃ、意外とみんなちゃんと答えてるな」

 

咲夜「確かに、妹紅様と同じ回答がいてもおかしくないと思ってましたが」

 

霊夢「……ちゃんと?」

 

紫「……どうして霊夢は私の方を見ているのかしら」

 

さとり「……選択肢に無いものから答えたらそれはそうでしょう」

 

紫「『うーん、俺の中では紫が一番いい子なんだよな』」

 

霊夢「言わない言わない。あと似てない」

 

妹紅「似てないのは言ってやるなよ……」

 

さとり「それより、私以外にこいしと答えた方がいませんね。なぜでしょう?」

 

レミリア「ふふふ、この中では私の妹の方が優勢みたいね。さ、真の中ではどうなのかしら」

 

 

 ~別室~

 

文「第10問、『フランさんとこいしさん、どちらがいい子だと思いますか?』」

 

真「そりゃまあ……フランだろうな」

 

文「ほほう、それまたどうして?」

 

真「断りなく人の部屋に忍び込んだり、いつの間にか人の尻尾に抱き着いて遊ぶ子は、いい子じゃないだろ」

 

文「あー……肝に銘じておきます」

 

 ピンポーン! 霊夢 咲夜 正解

 

フラン「こいしちゃん、そんなことしてたの?」

 

こいし「えへへ、つい無意識で」

 

霊夢「む……勝手に尻尾に抱き着くのは悪い子ね、間違いないわ」

 

妹紅「ああ、悪い子だ」

 

咲夜「予想外にまともな理由でしたね」

 

紫「もっとも、地上では真の尻尾で遊ぼうにも物理的に無理だけど。出してないから」

 

さとり「こいし……駄目じゃない」

 

霊夢「そうね、もっとしっかり注意しておきなさい」

 

さとり「やるなら最後までバレないようにしなきゃ」

 

妹紅「違う、そうじゃない」

 

 

 

 第11問 『犬派? 猫派? 曖昧な回答やそれ以外の選択肢は不可』

 

妹紅「お、今度はこの二択か」

 

さとり「今度は完全に二択と言えますね。他の回答は制限されてますから」

 

霊夢「そういうことね。紫、そこのところちゃんと分かってる?」

 

紫「どういうことかしら。ふざけて回答したことなんて一度も無いのだけど」

 

霊夢「一つ前の自分の回答を見てから言いなさい」

 

咲夜「しかし……これは本当に完全な二択ですね。判断する基準がほとんどありません」

 

妹紅「そうか? 結構真は動物と戯れてる気がするけど。永遠亭だと兎とか」

 

さとり「地底でも私のペットたちとよくじゃれ合ってましたね。ですが本人曰く、動物はあまり好きじゃないそうで」

 

霊夢「え、嘘だあ」

 

さとり「本当です。意思疎通できない存在は苦手みたいですね。ですから動物妖怪になるとまた変わってくるようです」

 

紫「意思疎通できない相手が苦手って、幽香の向日葵にも話しかけてるくせによく言うわ……」

 

妹紅「まあ、真の言い分も分からなくもないな」

 

さとり「ええ。私が動物たちが好きなのも、心が読めて相手の気持ちが分かるからですし」

 

咲夜「動物自体が好きではないとなると……なにかしら別の基準で真様は判断されることになりますね」

 

霊夢「ということは……こっちかしら。いやでも、こっちもあり得るし……」

 

紫「決めたわ。私はこっちにしましょう」

 

レミリア「……全員書いたわね? それじゃあ、回答オープン」

 

 

霊夢『ねこ派』 妹紅『犬派』 紫『猫派』 咲夜『犬派』 さとり『猫派』

 

 

咲夜「二対三……猫のほうが多いですね」

 

さとり「真さんは猫姿のお燐がお気に入りですから。そういう判断をなさるかな、と」

 

紫「そうね。もっとも、私が思い浮かべたのは橙の方だけど。こっちの猫はかわいいのよ」

 

さとり「いいですね。ください」

 

紫「あげないわ」

 

さとり「……っ」ガーン

 

紫「本気で言ってたの!?」

 

妹紅「……何やってんだアンタら」

 

霊夢「……橙の扱いはどうでもいいとして、私もその猫二匹を考えて猫にしたわ。響子もいるから一瞬悩んだけど、まあ一匹より二匹よね」

 

咲夜「……なるほど、そういう基準なのね」

 

妹紅「ふむ。私は普通に真が狐だから、狐は犬だし犬派にしたんだが」

 

咲夜「私もです。それに、藍さんも狐ですし」

 

妹紅「だよな!」

 

霊夢「あー、狐は考えてなかったわね……」

 

 

 ~別室~

 

文「第11問。『ズバリ真さんは、犬派? 猫派?』」

 

真「ほう、ありがちなのが来たな。しかし、そもそも俺は動物があまり……」

 

文「あ、それ以外の答えはナシだそうです。犬か猫かでお答えください」

 

真「む。そうなると……どちらかというと犬派、になるのかな」

 

文「おお、やっぱりそっちですか。私もそうじゃないかと思ってたんですよ」

 

真「あー……まあ、文には分かるか」

 

文「ええ、椛がいるからでしょ。真さんのお気に入り」

 

真「いいだろ、椛。文だってお気に入りだろうに」

 

文「そうなんですけど。でもあの子は、犬じゃなくて狼ですからね?」

 

 ピンポーン! 妹紅 咲夜 正解

 

霊夢「椛……。あー椛かあ……」

 

妹紅「なんか霊夢がやけに落ち込んでるんだけど」

 

咲夜「その椛さんとやらの存在を失念していた自分に、少なからずショックを受けてるみたいですね」

 

妹紅「なんだ、霊夢もお気に入りの妖怪だったのかな」

 

咲夜「分かりませんが……格好が似ているぶん仲間意識でもあったのでしょうか?」

 

妹紅「言われてみれば似てるな、二人の格好」

 

紫「そんな……橙の存在を知りながら犬を選ぶなんて……」

 

さとり「へえ、真さんはお燐を考慮しないんですね……」

 

妹紅「そんでこっちはこっちで別のショック受けてるし。身内の子を好きすぎだろ」

 

咲夜「幻想郷(ここ)の人たちは、少なからずそういうところありますよね」

 

 

 

 第20問 『束ねた髪を、サイドや後頭部で一か所に丸くまとめた髪型のことをなんという?』

 

霊夢「丸くまとめた髪型? これって、華仙がいつもしてるあれのこと?」

 

紫「そうみたいね。確かあれは……」

 

咲夜「シニヨン、のことでしょうか。美鈴もお料理のときなどにそういう髪型にすることがありますね」

 

妹紅「あれ、答え言っちゃってるけどよかったのか?」

 

霊夢「ほんとだ。咲夜なにしてるのよ」

 

咲夜「え? いや、これは実際の答えは関係ないですよね? 真様が何を答えるか、なので」

 

さとり「そうですね。真さんが『知らない』と言えばそれが答えですし」

 

咲夜「勘違いして『螺髪(らほつ)』と答えるかも知れませんし」

 

妹紅「螺髪……その発想は無かった」

 

こいし「螺髪ってなーに?」

 

フラン「仏像の頭についてる丸まった髪だったと思うよ」

 

レミリア「(私の妹がなんか賢い……)」

 

紫「……なるほど、真が正しい答えを知っているかどうかって問題なわけね。真は男だし、髪型のことに詳しくないかもしれないわ」

 

さとり「私たちは女性なわけですし、全員シニヨンくらい知っているでしょう? ですから咲夜さんの発言は、何ら問題ない、ということです」

 

霊夢「……まあ、言われてみれば……」

 

妹紅「(え、私知らなかったんだけど)」

 

レミリア「それじゃ、回答オープン」

 

 

霊夢『シニヨン』 妹紅『シニヨン』 紫『お団子』 咲夜『シニヨン』 さとり『お団子』

 

 

さとり「おや。一人くらい『知らない』と答える人がいると思ってましたが」

 

妹紅「確かに言いそうだけど。でも真って、こういう答えが決まってる問題に関しては、何かしら答えを言う奴なんだよ。寺子屋の試験でも、空欄よりかは間違った答えでも書けって言ってるし」

 

紫「幼いときは失敗や間違いを恥ずかしがるのよねー。でも、真の教え方は正しいわ。失敗を恐れて何もしないと、結局成長できないもの」

 

霊夢「紫にしてはいいこと言ってるわね。まあ私は失敗したことないけど」

 

紫「まあ私も、大抵のことは一回やればできるけど」

 

妹紅「……天才たちは言うことが違うな……」

 

咲夜「天才たちはほっとくとして、なるほどお団子ですか。その答えもありましたね」

 

さとり「地底にヤマメさんという方がいまして、その方が後頭部を丸めた髪型なんですよ。で、たしか真さんがそれを、お団子と言ってたんですよね」

 

咲夜「そうでしたか。これは間違えてしまったやもしれません……」

 

霊夢・妹紅「「……」」

 

 

 ~別室~

 

文「第20問。『束ねた髪を、サイドや後頭部で一か所に丸くまとめた髪型のことをなんというでしょう?』」

 

真「華仙みたいなやつのことか? 確かあれは……シニョンとかシニヨンとか言うんだっけ」

 

 ピンポーン! 霊夢 妹紅 咲夜 正解

 

咲夜「あら、真様も意外と詳しいものですね」

 

さとり「む……普段の言動と知識は違うというわけですか……」

 

霊夢「ふふん。真はこういうの、結構詳しいのよ。早苗からも聞いてたし、身をもって体験もしたわ!」

 

妹紅「……土産と称して、外の世界の服を色々着させられたもんな……」

 

紫「そう言えば、そんなこともしてたわね貴女たち」

 

霊夢「……なんで知ってるのよ。さてはまた覗いてたわね」

 

紫「たまたま目に入ったのよ」

 

霊夢「そんな言い訳が通用するか!」

 

妹紅「そもそも、たまたま目に入ること自体がおかしいよな……?」

 

 

 

 第28問 『幻想郷で、一番格好がオシャレなのは誰?』

 

さとり「オシャレですか……皆さん様々な格好をしておられますから、これも難しいですね」

 

咲夜「先ほど真様がその方面にもお詳しいことが分かりましたし、どう答えるのか純粋に気になる質問でもあります」

 

紫「そういえばそうだったわね。となると真がどういう基準で選ぶかはともかく、特定の回答はしてくれるはず」

 

妹紅「少なくとも、分からないって答えじゃないってことか」

 

紫「そういうこと」

 

霊夢「まあ……スペルカードの質問のときにもいろいろ言ってたしね。幽々子の弾幕が綺麗だったーって」

 

妹紅「ああ、あれか。あれは難しかったな」

 

咲夜「ですが聞いてみたら納得ができる答えだったので、今回も変な答えではないでしょう」

 

霊夢「いや、変な答えってなによ」

 

咲夜「……なんでしょうね?」

 

妹紅「私たちに訊くなよ」

 

さとり「……まあ、納得ができない答え、ということでしょう。ですが納得ができないほどおかしな格好をしているような人なんてそうそういないと思いますが」

 

咲夜「そうですね。特異な格好をしてる輩は多いですけれど、取り立てて変な格好と言えるような方は、よくよく考えてみたら思い浮かびませんでした」

 

紫「いやいや、貴女のところにいっつもパジャマの魔法使いとかいるじゃない」

 

咲夜「あれはパジャマではありません。パチュリー様のお召し物はきっと多分おそらく魔力を高める効果があるとか、そういう感じな魔法使いの由緒正しき正装であるパジャマなんです」

 

パチュリー『パジャマじゃないわよ』

 

レミリア「はーい、パチェはこっちの声に反応しちゃ駄目よ。じゃ、回答オープン」

 

 

霊夢『勇儀』 妹紅『まりさ』 紫『幽香』 咲夜『アリス』 さとり『霊夢さん』

 

 

霊夢「当然だけど、割れたわね。魔理沙、アリス。その二人は私も思い浮かべたわ」

 

咲夜「でしょう。私の中ではアリス以外なかったのだけど、魔理沙もそういえば……」

 

妹紅「魔理沙って結構いろんな格好してるんだよな。見るたびに違う格好をしてるからすごいなーって思ってた」

 

霊夢「ああ見えて寒がりなのよね魔理沙は。服をたくさん着るから、その分色んな格好をしてるってわけ」

 

紫「へえ、霊夢と反対ね。霊夢は冬でも肩丸出しの巫女服だし」

 

霊夢「私だってマフラーくらい巻くんだけど」

 

妹紅「つーか霊夢の名前もあるじゃん。さとりの答え」

 

さとり「霊夢さんは同じ格好のようで季節によって微妙に違う格好なので、なかなかオシャレだと思います」

 

咲夜「よくご存知ですね? あまり会う機会などは無いように思えますが」

 

霊夢「……なんでさとりがそんなのを知ってるのよ」

 

さとり「真さん情報です。主に心の中を通じて教えてもらってます」

 

紫「それ、勝手に心を読んでるだけよね?」

 

さとり「霊夢さんは勇儀さんにしたんですね、答え」

 

紫「(スルー!?)」

 

霊夢「そうよ。あの角は格好いいと思うのよね。星マーク付いてるし」

 

妹紅「ああ、格好って服装以外にもあるからそういう判断もありか……というか霊夢、星が好きだな」

 

紫「ちなみに私が幽香を選んだのも、格好以外にあの日傘がオシャレだと思ったからよ」

 

咲夜「日傘ですか……たしかに、オシャレとして気を配る道具ですよね」

 

 

 ~別室~

 

文「第28問。『幻想郷で一番オシャレな格好をしてるのは誰?』」

 

真「オシャレな格好、ね。なるほど、先ほどパチュリーが向こうツッコミに行ったのはそれでか。大方パジャマみたいとか言われてたんだろ」

 

パチュリー「……」ムスッ

 

文「(なんとなく、読書する様子が少し不機嫌な気がしますね)」

 

真「あれはあれでパチュリーらしくていいと思うけどな」

 

パチュリー「……」フッ

 

文「(あ、少し機嫌がなおったっぽい)」

 

真「さて、俺の答えだが……パッと思いついたのは雛かな。あの格好ができるのはそういないだろう。あと鈴仙。最近思ったんだが、ウサギの耳ってかわいらしいよな」

 

 ブー! 全員不正解

 

さとり「咲夜さんは惜しかったですね。人形みたいな格好という点ではあってたんですが」

 

霊夢「うーん、厄神はいいとして、鈴仙は意外だったわ」

 

紫「動物の耳なんて幻想郷では珍しくもないのにね。真だって生えてるし」

 

咲夜「まあ、耳が特徴的な動物と言えばウサギですから。もしかすると真様は、自分の耳と違うからあれを選んだのかも知れません」

 

妹紅「……思えば鈴仙のスペルカードも、真が好きそうな名前の気がする。侮れないなあのウサギ」

 

さとり「あの読み仮名がないと読めないやつですね。赤眼催眠(マインドシェイカー)とか月兎遠隔催眠術(テレメスメリズム)などでしょうか。確かに真さんが好みそうです」

 

霊夢「影響されて変なスペルカード作りそう」

 

紫「予符『未来知覚(ラプラスブレイン)』とか言い出しそう」

 

レミリア「……」フムフム

 

咲夜「マズい、お嬢様にも影響の余波が」

 

 

 

 第35問 『幻想郷で、一番センスがある人は誰?』

 

 

紫「スペルカード、格好(ファッション)に続いてまた似たような質問が来たわね」

 

霊夢「これ以外にも、○○なのは誰? 系の質問は多い気がするわ」

 

妹紅「このゲームではそういう質問が多くなりがちになるのかも。さて、今回のは……前のと同じようで微妙に違うってのがまた厄介だな。正直前のときに言った答えと別のが思いつかないぞ」

 

さとり「そうですねえ。今回真さんはどんな基準でセンスのあるなしを判断するのか」

 

紫「弾幕ごっこの勝負センスとかなら霊夢あたりになりそうなんだけど」

 

霊夢「ふふん。まあそれほどでもあるわね」

 

咲夜「しかし今回はどちらかというと、ファッションセンスや言葉のセンスなどのほうだと思われます。今までの質問の傾向から察するに、勝負センスは問わないでしょう」

 

妹紅「だな。うーん、さっきのせいで鈴仙しか思い浮かばない」

 

霊夢「別に同じ答えかもしれないしいいじゃない。サクサクいきましょ」

 

 

 ~別室~

 

文「第35問。『幻想郷で、一番センスがある人と言えば?』」

 

真「レミリアかな。咲夜の名前ってレミリアが付けたらしいじゃないか。十六夜咲夜ってセンスの塊だと思う」

 

 ピンポーン! 咲夜 正解

 

妹紅「あー、やっぱ同じ答えじゃダメかー」

 

紫「こっちも幽々子だと思ったんだけど、甘かったわね」

 

霊夢「やるわね咲夜」

 

咲夜「それほどでも。しかし私の名前が基準になるとは思わなかったわ」

 

さとり「基準が咲夜さんの時点で、咲夜さんが正解するのは必然だったのかも知れませんね。レミリアさんのセンスを直接受けて今まで生活していたんですから」

 

咲夜「……恐縮です」

 

咲夜「(お嬢様が期待の目をされていたから思わず書いてしまった答えでしたが……結果オーライですね)」

 

 

 

 第46問 『霊夢を妖怪に例えると?』

 

霊夢「ええ……? なにこの質問、難しいわね」

 

紫「ほら、早く書きなさい。まだ書いてないの貴女だけよ」

 

霊夢「嘘、早っ! もうちょっと待って」

 

さとり「質問の感じが変わってきましたね」

 

妹紅「ああ。こういう質問のほうが考えやすくて楽しいな」

 

霊夢「全然考えやすくないんだけど!」

 

レミリア「はい、回答オープンするわよー」

 

霊夢「早いって!」

 

 

霊夢『雪女』 妹紅『ざしきわらし』 紫『貧乏神』 咲夜『ぬらりひょん』 さとり『狐妖怪』

 

 

紫「……ちょっと! ここは霊夢以外の答えがそろって、霊夢が『なんでよ!』って言う流れでしょ!」

 

霊夢「そんな流れないわよ! そんでアンタの答えなによ貧乏神って! あと咲夜も!」

 

咲夜「だって、人の家に勝手に上り込んでご飯を一緒に食べていく妖怪らしいし……そっくりじゃない」

 

紫「神社に参拝客全然来ないし……ピッタリじゃない?」

 

霊夢「そっくりじゃないし、ピッタリじゃない! ……妹紅の座敷童とかいいわね。見習いなさい」

 

紫「真逆じゃない……」

 

妹紅「性質はともかく、見た目はそれっぽくないか? 女の子だぞ」

 

紫「女の子の貧乏神だっているわよ? 大抵の妖怪は少女の姿をしてるもの」

 

咲夜「そう言えばそうですね。何か理由でもあるのでしょうか?」

 

さとり「妖怪は精神的恐怖が具現化した存在ですからね。肉体以外の面なら女性のほうが優れていますし、子どもの無邪気さはある意味残酷とも言えるでしょう? ですから少女の姿をした妖怪が多いんです」

 

咲夜「確かに……夜道で遭遇するなら、屈強な男よりも髪の長い女や赤ん坊の泣き声のほうが怖そうです」

 

さとり「そういうことですね」

 

霊夢「……そういうことはどうでもいいの! 妖怪に女の子が多かろうが、ぬらりひょんに女の子のイメージは無いでしょってことよ! イメージが大事なの!」

 

紫「はいはい、その点で言うと雪女は確実に女だしね」

 

霊夢「ええ、それに幽霊になって周りの空気がひんやりするようになったしピッタリでしょう」

 

紫「デリケートな部分だからそこには触れないでおいたのに」

 

霊夢「そこに気を使うなら別のところにも気を使いなさいよ。……さとりのはよく分からないから怒りづらいわ」

 

さとり「私のもイメージですよ。世間では、巫女さんは狐妖怪ってイメージする方が一定数いるんです。真さんは別に関係ありません」

 

霊夢「そ、そうなの? でも、真とお揃いってのは悪くないわね……」

 

 

 ~別室~

 

 

文「第46問。『霊夢さんを妖怪に例えたら?』」

 

真「(さとり)妖怪。よく俺の心読むんだ、霊夢は」

 

文「そ、それは真さんが分かりやすすぎるだけでは……?」

 

 ブブー! 全員不正解

 

霊夢「……」

 

さとり「あらら。私とお揃いになりましたね」

 

霊夢「……まあ、そこまで変な妖怪でもないし、いいわ」

 

さとり「変どころか、むしろいい妖怪ですよ覚は。真さんのしたいことがすぐわかりますし、過去を読み取るのは人生を共有するようなものなので、真さんみたいに読まれるのに抵抗の無い相手なら一気に関係が深くなります」

 

紫「……それは自慢なのかしら」

 

さとり「自慢です」

 

霊夢「むう……いいな……」パルパル

 

咲夜「(……橋姫?)」

 

妹紅「(橋姫だったな……)」

 

 

 

 第55問 『最近した一番高い買い物はなに?』

 

妹紅「半分が過ぎて、だんだん質問が雑になってきたような」

 

咲夜「私としましては大助かりです。普通に真様のことを問うものだと、どうしても私が一歩劣ってしまうので」

 

さとり「とか言って、現在の順位は妹紅さんと同点で二位じゃないですか。すごいですね」

 

咲夜「運が良かったみたいです。でも、そう言うさとり様には適いません。単独一位、お見事です」

 

さとり「そこまで点差もありませんけれど。むしろ、心が読める身なのにこの程度と思われそうで、少々恥ずかしいような……」

 

妹紅「いいや、すごかった。真の好きな季節とかならまだ私も正解できてたけど、好きな数字とか知ってるわけないし。よく分かったもんだ」

 

さとり「『冬』と『2357』ですね。あれは何度か真さんが考えたことが……」

 

紫「……上位陣は楽しそうね。霊夢、私たちも負けてられないわ」

 

霊夢「えー? もとから勝てるとは思ってなかったし、ゲームが楽しめるなら私は十分っていうか」

 

紫「貴女ちょっと、『霊夢のどんなところがかわいい?』って質問があったからって満足しすぎでしょ」

 

霊夢「別に満足とかそういうのじゃないわ。……ふふふっ」ニヤニヤ

 

紫「駄目だわ……私が頑張らないと」

 

レミリア「これ、チーム戦の勝負じゃないんだけど……」

 

 

 ~別室~

 

文「第55問。『最近真さんがした買い物の中で、一番高いものはなんでしたか?』」

 

真「買い物……しないなあ。最近は財布の中身も寂しくなったし。団子を買うくらいしか……」

 

文「そうですねー。できるだけ高いものだと皆さん納得できますよ」

 

真「だよな。……そうだな、買い物ではないが、幽々子に飯を奢ったときは高くついたぞ?」

 

文「なるほど」

 

 ピンポーン! 紫 正解

 

紫「よっし!」

 

 

 

 第61問 『しりとりです。続きをどうぞ。〈博麗霊夢〉→』

 

妹紅「うわ、これまたとびっきり特殊な問題だな」

 

咲夜「要は、『む』から始まる単語を言えばいいのでしょう?」

 

さとり「言ってしまえば、そうですね」

 

紫「むー、むー……む?」

 

霊夢「はい、できた」トン

 

 『無理』

 

妹紅「私も」トン

 

 『難しい』

 

さとり「そこはもうちょっと頑張りましょうよ……」

 

咲夜「一応しりとりにしてるところがまた巧妙ですよね」

 

紫「博麗霊夢、から始まってるんだからこうじゃないかしら」トン

 

 『村紗水蜜』

 

咲夜「おお、お見事です」

 

妹紅「なるほど、人名繋がりにしたわけか」

 

咲夜「私は、霊夢のイメージに引っ張られましたね。これです」トン

 

 『無血改革』

 

霊夢「いやどんなイメージよ」

 

咲夜「妖怪との勝負に弾幕ごっこが採用されたのは霊夢がいたからだと聞いているけど?」

 

妹紅「確かに血が流れなくなった改革ではあるな……って、何書いてんの?」

 

紫「……ん? ……ん」クルッ

 

 『村紗水蜜→九十九八橋→射命丸文→八雲紫→リリーホワイト→豊聡耳神子→小悪魔→魔理沙→サニーミルク→蔵馬真』

 

霊夢「なにちょっと楽しくなってきて続けてるのよ」

 

咲夜「ちゃんと『ん』で終わっているのがまたちゃっかりしてますね」

 

紫「魔理沙だけフルネームじゃないのが悔やまれるわ……」

 

妹紅「いやでもすごいなこれ。真もそう答えそうだし、正解でよさそうだけど」

 

さとり「あの……」

 

霊夢「あ、さとりのがまだだったわね。なんて書いたの?」

 

さとり「最初の単語が霊夢さんですし、絶対これだと思ったんですが」トン

 

 『夢想封印』

 

四人「「「「……」」」」

 

四人「「「「ああ!」」」」

 

 ピンポーン! さとり正解

 

 

 

 第78問 『妖精に年齢の概念は存在しないが、チルノはいったいなんさいだろう?』

 

霊夢「いやチルノの歳とか知らないし」

 

咲夜「おそらく真様も知らないと思うわ。見た目でどれくらいか判断しましょう」

 

霊夢「そうね。私の歳よりは確実に下。阿求よりも下だと思うけど、あの子はしっかりしてるから……」

 

咲夜「チルノのあの性格を、幼いと見るか少し成長してると見るか」

 

霊夢「幼い寄りだと思うけど……うーん、どうしましょう」

 

 

 ~別室~

 

文「第78問。『妖精には年齢の概念は存在しませんが、チルノさんはいったいなんさいでしょう?』」

 

真「なんさい? えーっと、チルノはうるさい」

 

 ピンポーン! 妹紅 紫 さとり 正解

 

咲夜「!?」

 

霊夢「なぞなぞだったの!?」

 

紫「いやなぞなぞでしょ…二人で何を話してるのよって思ってたわ」

 

さとり「でも、確かに見た目だと⑨歳かもしれませんね」

 

咲夜「そうフォローされると逆に恥ずかしいです……」

 

霊夢「三人も正解してるし……妹紅もよくわかったわね?」

 

妹紅「真はなぞなぞとか結構好きだから。それに付き合ってたから、ある程度は私もできるようになったかな」

 

霊夢「そうなんだ」

 

 

 

 第82問 『真、の漢字を使った二字熟語といえば?』

 

レミリア「はーい、早速だけど回答オープン」

 

霊夢『真実』 妹紅『真紅』 紫『真実』 咲夜『真紅』 さとり『真心』

 

咲夜「おや、妹紅様と同じですね」

 

紫「私は霊夢と同じ。候補はいろいろあったけど、やっぱこれよね」

 

霊夢「……正直、これ以外に思いつかなかったのよね。時間が少ないわ」

 

妹紅「同じく。真実が思い浮かばなかったってヤバいな私……」

 

紫「平仮名ばっかりつかってるからよ」

 

霊夢「その点さとりは、ちょっとひねった答えね」

 

さとり「はい。しん、と読まないものを真さんなら考えるかなと」

 

紫「分かる! なんか少数派に属したがるところあるわよね、真」

 

妹紅「周りに流されない自分かっこいいってやつ? 寺子屋にいるなそういう男子」

 

霊夢「遅れてきた思春期ね」

 

咲夜「遅れすぎでは?」

 

 

 ~別室~

 

文「第82問。『真、の漢字が入った二字熟語といえば何を思いつきますか?』」

 

真「ほー、面白いな」

 

文「真さん! 写()、がありますよ写真!」

 

真「却下。そうだな、じゃあ『真偽』で」

 

 ブブー! 全員不正解

 

霊夢「真偽。これはさすがに分からないわね……って」

 

紫「あー、そっち系だったか……」

 

さとり「もう少し考えてたら思いついたかもしれませんね……」

 

霊夢「そんな反応なの? え、なんで?」

 

咲夜「さあ……?」

 

妹紅「真偽は、算術にも出てくる単語だからな。この命題は真か偽か、の真偽。寺子屋で算術の授業もしたことある程度には、真は算術好きなんだよ」

 

咲夜「なるほど、そうだったんですね。それは知りませんでした」

 

紫「霊夢は算術に興味ないから知らないわよね」

 

霊夢「知らなくても生きていけるもの」

 

 

 

 第90問 『真がついつい甘やかしすぎてしまう相手といえば?』

 

霊夢「紫でしょ。真が甘やかすからこんな性格になったのよ」

 

紫「霊夢ねこれは。お賽銭はいいとして、毎回額が大きすぎるわ」

 

妹紅「私かなあ……小さいときからいろいろ世話されてんだよなあ……」

 

咲夜「真様は基本子どもに甘いですよね。美鈴と同様に、相手をしてあげてるのをよく見ますし。あ、チルノの扱いは少し雑ですが」

 

妹紅「生意気な子にはそうなるんだよな。つっても、生意気な子より素直な子のほうがかわいく思えるのは普通のことだけど」

 

咲夜「妹様はかなり素直な子でいらっしゃいますし、真さんも大分かわいがっておられますね」

 

フラン「私よりもこいしちゃんじゃないかな~? 勝手に尻尾に抱き着いたりしてるみたいだし!」

 

こいし「フランちゃんは自分から甘えてるじゃない。よく抱っこされてるし」

 

フラン「ん~?」

 

こいし「え~?」

 

フラン「じゃあ間を取ってぬえちゃんにしよう」

 

こいし「そうしよう」

 

さとり「貴女たち……でもそうね、二人よりもお燐やお空のほうが甘えてるかもしれないわ。どちらかというとお燐かしら」

 

レミリア「ちょっとちょっと! 終わりが見えてきたからってだんだん雑になってるわよ! 回答ボードちゃんと使って!」

 

 

 ~別室~

 

文「第90問。『真さんがついつい甘やかしすぎてしまうなーと思う相手は誰でしょう?』」

 

真「んー……」

 

文「おや、対象が多くて悩む感じですか?」

 

真「いいや、少し答えにくくてな。まあもう言ってしまうが、幽々子になる」

 

文「なんと、意外ですね。霊夢さんを初めに、甘やかしてるお子様は多そうでしたが」

 

真「甘やかすってのは、わがままを聞いてやったり、悪いことをしても怒らないってことだ。霊夢とか、紫や妹紅はそもそもわがままをあんまり言わない。そんでこいしや文にはしっかり怒ってる」

 

文「あ、私はその枠なんですね」

 

真「ただ幽々子は、わがまま言ってもついつい聞いてしまうんだよな……。生前してやれなかったから」

 

文「せつない!」

 

 ピンポーン! 紫 正解

 

霊夢「正解してる!? 紫の回答は私じゃなかったの?」

 

紫「あれは雑談でしょ。正直幽々子しかいないと思っていたわ」

 

さとり「紫さん、地味に幽々子さんが答えになる問題強いですね……」

 

妹紅「真の、しっかり怒ってるって絶対嘘だろ」

 

咲夜「わがままの基準もゆるそうですね。本人が苦になってない様子ですからいいですけど」

 

 

 

 第95問 『勇儀、藍のどんなところが好き?』

 

紫「ここに来てまた直球な質問ね」

 

霊夢「これは……どっちとも当たったら正解ってこと? 難しくない?」

 

レミリア「そうね。じゃあそれぞれ、第95、96問目ってことにしましょう。どっちの答えもそれにまとめて書いちゃって」

 

さとり「二問同時にやるんですね。了解です」

 

妹紅「この二人か……あんまり話したことないんだよなあ」

 

霊夢「あら、知ってるには知ってるのね」

 

妹紅「大昔に会ったことがあるんだ。幻想郷に来たのも藍に連れてこられたからだし」

 

霊夢「そうなの?」

 

妹紅「慧音のついでにな。藍は慧音に少し似てる気がする」

 

咲夜「確かに、しゃべり方などは似てますね。藍さんとは宴会の片付けのときなどでよく話します。勇儀さんは……美鈴がたまにお世話になってるみたいですが、私はあまり会う機会がありません」

 

さとり「基本的に地底にいる方ですからね。たまに地上に出ても、用事を終えたらすぐに戻るでしょうし」

 

紫「宴会を開いたら地底の妖怪がしれっと混ざってたりするから、探してみればいいんじゃない?」

 

レミリア「じゃ、回答オープン。左が勇儀で、右が藍ね」

 

 

霊夢『角・尻尾』 妹紅『実力・種族』 紫『味方に優しいところ・面倒見がいいところ』 咲夜『強い面・賢い面』 さとり『乙女なところ・引っ張ってくれるところ』

 

 

紫「見事に霊夢だけ、ザ・見た目、ね」

 

妹紅「目立つし、気持ちは分からなくもないが……」

 

霊夢「なによ、悪い? それにこれが一番ってだけで、私はちゃんと二人とも好きよ」

 

妹紅「そうなのか。なんか霊夢が、妖怪を好きって言うの新鮮だな」

 

紫「小さいころからお世話してた藍はともかく、勇儀はちょっと会っただけでしょうに。相変わらず霊夢は、大きい胸が好きなんだから」

 

霊夢「ちっ違うわよ! そりゃまあその二人に関して言えば無いよりある方がいいけど、それだけじゃなくて!」

 

妹紅「確かにあの二人はでかいよなあ……」

 

さとり「へえ、霊夢さんは豊満な胸に弱い、と。……真さんと一緒ですね」ボソッ

 

咲夜「えっ。……やっぱり真様って、そうなんですか?」ヒソヒソ

 

さとり「ええ、まあ。霊夢さんが言うようにそれにだけ惹かれたわけじゃないでしょうけど、大好きな要素の一つでしょう」ヒソヒソ

 

咲夜「やはり男性ですからね……と、いうことは今回の答えも」ヒソヒソ

 

さとり「いえ、霊夢さんたちがいるので、子どもによくない話はしないはずです」ヒソヒソ

 

咲夜「なるほど……」

 

 

  ~別室~

 

文「第95問。『藍さんと勇儀さんの好きなところをそれぞれ挙げてください』」

 

真「む、その二人か……ちゃんと答えるとなると長くなるぞ」

 

文「いいですよ。編集して短くしときますんで」

 

真「生放送だよなこれ? いやそもそも放送でもないか」

 

文「細かいことはいいんです。さ、思う存分、語っちゃってください」

 

真「じゃあ……いや、やっぱりクイズをしているんだしできるだけ端的に答えたほうがいいだろう。それに、長く語るといらんことも言ってしまいそうだ」

 

文「ええー……むしろそのいらんことが聞きたかったんですけど」チッ

 

真「そうだな……じゃあ藍は、話してて楽しいところ。同じ狐で話も合うし、算術の話もできるしな。勇儀の方は、俺に気を使ってるんじゃないのに、なんつーか俺のことを分かってくれてる、認めてくれてると言うか……そのさっぱりした性格だ」

 

文「ふむふむ……」

 

真「ただ、当然だけどこれは一部であって、俺は二人の、見た目も中身も全部好きだということを改めて言っておく」

 

文「おおー。……ちなみに見た目はどこがいいんですか?」

 

真「最近だと勇儀のひ……って、なにいらんこと言わせようとしてんだこら」

 

文「ちっ!」

 

 ピンポーン! 紫 左正解 妹紅 咲夜 右正解

 

レミリア「とりあえず私の独断で、この三人を正解にしたわ」

 

霊夢「えー。私のは?」

 

紫「いや霊夢は確実に違ったでしょ」

 

霊夢「最後に真が言おうとしてたのって『額の角』でしょ。じゃあいいじゃない」

 

妹紅「あー、『ひ』ってそういう……」

 

咲夜「……ほんとに額の角だったんですかね?」ヒソヒソ 

 

さとり「最近の、と言っていたのでおそらく違いますね。角や尻尾は普段から見えているので、最初から好きだったでしょうから」ヒソヒソ

 

咲夜「そうですか……ならいったい何なんでしょうね? 分かります?」ヒソヒソ

 

さとり「分かりますよ。でもほら、勝手に言うのも真さんに悪いので……」ヒソヒソ

 

咲夜「……ですね、失礼しました」

 

 

 

 第100問 『真がひそかに、これだけは他には負けられないなと思ってることは?』

 

紫「あらもう最後? 100問って少ないのね」

 

さとり「いろんな質問があって意外と飽きませんでしたね」

 

霊夢「ええ……それなりに時間がかかったと思うんだけど、本気で言ってるみたいだわ」

 

咲夜「百年も生きていない私たちとは時間の感覚が違うのよ。だからと言って私はお嬢様を待たせたりしないけど」

 

霊夢「そういうものかしら。妹紅も?」

 

妹紅「早く終わったなあとは思ったけど、私の場合は楽しい時間だからすぐ過ぎたというか……その、霊夢とたくさん話せて楽しかったし……」

 

霊夢「あら」

 

さとり「まあ」

 

咲夜「おや」

 

妹紅「……」///

 

霊夢「(かわいい)」

 

紫「霊夢って、妖怪とか特殊な存在にはやたら好かれるのよねー。無愛想なのに」

 

霊夢「ほっといて」

 

妹紅「そ、それより最後の問題だな。もはやさとりの勝ちは決まってるけど、最後は正解して終わりたい」

 

咲夜「後半も安定して正解を取っておりましたね。お見事でした。特に商品などは用意していないのは申し訳ないですが」

 

さとり「いえ、いいですよ。地上に来たついでに橙さんでも連れて帰りますから」

 

紫「あげないんだけど!? まだ狙ってたの!?」

 

さとり「冗談です」

 

霊夢「まあ、商品が何かしらあったなら私ももう少し本気でやってたわよ」

 

さとり「そうですね。真さんに、私が一番できました、と報告することくらいしかできません」

 

霊夢「……!」ハッ

 

紫「……よーし、それじゃあ最後の問題だけ、できたら35億点にしましょう」

 

妹紅「高っ! いままでのはなんだったんだ」

 

霊夢「いいんじゃない。それでやる気が出るんなら」

 

咲夜「……よろしいのですか?」

 

さとり「いいですよ」

 

レミリア「さあて、最後の回答オープン!」

 

 

霊夢『尻尾のもふもふ度』 妹紅『算術』 紫『愛』 咲夜『経験値』 さとり『器用さ』

 

 

霊夢「藍という強力なライバルがいるからね……負けてられないでしょ」

 

さとり「私たちから見ると長所なのは間違いないですけど、真さんが自分でそれを長所だとは思っていない気がします」

 

紫「どちらかと言うと、そう思ってるのは藍のほうな気がするわ」

 

霊夢「そう?」

 

妹紅「私のは、普通に真の得意分野かな。長く生きてるぶん単純な知識量もあるけど、そういうのは慧音とか永琳のほうがすごそう」

 

咲夜「逆に私は、知識などを含めての全ての経験値にしました。冗談っぽく、生きてる年数ならそうそう負けない、なんて言いそうじゃありません?」

 

さとり「真さんは才能よりも努力を信じる方ですしありえますね。ただ、手先などの器用さという才能は誇っていたはずです。片手で折り紙ができるんですよ。というわけで私は器用さです」

 

妹紅「あー、やってたやってた」

 

咲夜「ふむ。どちらもそれらしい答えに見えますね」

 

霊夢「それで……一応訊くけど、紫、アンタのそれは何」

 

紫「当然、私への愛の大きさ……」

 

霊夢「はい、じゃあ答え合わせと行きましょう」

 

紫「待って待って! 確かにそのつもりで書いたのもあるけど、全部ひっくるめての愛だから! 真が大切に想うすべての人に対する愛。私だけじゃなくて、霊夢、貴女を大切に思う気持ちもよ」

 

霊夢「……」

 

さとり「すごいですね。少々ふざけつつもこうしてまとめてくるなんて」

 

霊夢「……まあ、ならいいわ」

 

 

 ~別室~

 

文「いよいよ最後の質問です! 『真さんがひそかに、これだけは他には負けられないなと思ってることは?』

 

真「ほう。()()()()思ってることなのに、ここで言わされてしまうのか」

 

文「あ、そうなっちゃいますねえ。でも大丈夫ですよ! 私の中の理想の上司ランキングでは断トツで一位ですから!」

 

真「別に『理想の上司ランキング』で負けられないなとは思ってないが」

 

文「またまた~、そんなに照れなくてもいいのに」

 

パチュリー「真、無視していいわ。答え」

 

真「そうだな。じゃあ答えるが……」

 

 

 ~博麗神社~

 

紫「さあて、真はどう答えるのかしら」

 

真『俺はな、尻尾を全部出して全力を出せば、誰にも負けないと思うんだ。勇儀にもな』

 

霊夢「! 尻尾!」

 

さとり「しっ」

 

真『でもそれは、俺が強いってことじゃない。今まで長く生きてきたから、それだけの実力と、それだけの妖力を身につけられたってだけの話だ。だから俺と同じくらい生きている奴がいたら、きっとそいつに俺は勝てない』

 

文『それでも、勇儀さんに勝てると言えるのはすごいことだと思いますが……』

 

真『……しかし、俺と同じかそれ以上に生きている妖怪なんて存在しない。だから俺は経験と言う点ではだれにも負けない。ということで俺の答えは、俺が生きてきた年月、だ』

 

 ピンポーン! 咲夜 正解

 

咲夜「あ、当たった!?」

 

妹紅「へえ。最初の質問が年齢で、最後の答えが年月か。ちょっとシャレてるな」

 

さとり「終わり方としてはなかなか綺麗だったのではないでしょうか」

 

咲夜「と言うか……真様はそれほど長く生きた大妖怪だったのですね。かなりの年長者だというイメージはあったのですが、それ以上とは……」

 

紫「ま、この私を子ども扱いする唯一の存在だもの。このくらい言ってもらわないと困るわ」

 

文『いやー、最後にふさわしい、いい答えを言いましたね真さん。それにしても、俺より長く生きている妖怪はいない、とは大きく出ましたね。真さんにしては珍しい』

 

真『まあ、事実だしな。一度地上の妖怪がすべて滅んで、唯一の生き残りは俺だけだった。そこからまた新しく妖怪が出てくるのに最低千年はかかってるし……あ、最低千年って言ったのは、妖怪がほろんだ際に俺もかなり長い間眠ってたからだ』

 

文『……へ?』

 

霊夢「……え?」

 

「「「「えええええっ!?」」」」

 

文『……よ、妖怪がすべて滅んだ? もしかしてそれって伝説とも言われている人妖大戦……あれは実際にあったことなんですか!?』

 

真『大戦って大袈裟だな。あれは人間たちが俺たち妖怪を殲滅しようと、一方的にすごい爆弾みたいなのを落としてきただけなんだが』

 

文『いやいやいや、なにさらっと言ってるんですか! こんなお遊びの場で語られる事実じゃないでしょう!』

 

真『だって質問が、()()()()思ってることだったし。それなりに内緒にしてたんだぞ?』

 

文『内緒の度合いがでかすぎるんですよ……』

 

「「「「……」」」」

 

妹紅「真、マジか……」

 

紫「全然自分の話をしないから知らなかったわ……」

 

咲夜「スケールが大きすぎてなにがなにやら……」

 

真『あ、あと負けられないと思ってることもう一つあった。俺、手先が結構器用みたいだから、それもだな』

 

文『そっちを言っててくださいよ……』

 

 ピンポーン! さとり 正解

 

さとり「あ、私も正解ですね。やったあ」

 

紫「やったあじゃないのよ……なんで貴女は落ち着いてられるのよ」

 

さとり「だって私は知ってましたから。心読めますし」

 

紫「そうだった……」

 

霊夢「……っていうか一緒になって驚いてたけど、私も真から聞いたことあったわ」ダイロクジュウヨンワー

 

妹紅「マジか……。さっきからマジかしか言ってないぞ私」

 

咲夜「えーっと、このゲームの最初の答えってなんでしたっけ。年齢の質問」

 

さとり「2000より上。それより後は数えてない」

 

咲夜「そりゃあ数えてないわけですよ……」

 

こいし「お姉ちゃんが勝った~」

 

フラン「咲夜が二位だー!」

 

こいし「35億点差~」

 

フラン「離れすぎー!」

 

レミリア「この子たちは……まあいいわ。じゃあ優勝はさとり! おめでとう! やるわね」

 

さとり「ありがとうございます。勝ちました」

 

レミリア「強かったわ。ちょっとは手加減しなさいよ」

 

さとり「妹に応援されてるので無理ですね」

 

レミリア「やっぱり妹大好きじゃない……。咲夜もお疲れ。惜しかったわよ、2位」

 

咲夜「はい。この結果で2位と言っていいのでしょうか……」

 

紫「なんか驚いてる間に負けてる……悔しいわ!」

 

霊夢「普通に悔しがるのね。結構ふざけた回答してたのに」

 

紫「それはそれで楽しかったわ」

 

フラン「楽しかったねー」

 

レミリア「それならよかった。用意も大変だったからね。パチェもお疲れ」

 

パチュリー「お疲れ様」スタッ

 

レミリア「おかえり。早いわね」

 

パチュリー「ただいま。自称幻想郷最速さんと、自称幻想郷最古さんの二人に連れてきてもらったからね」

 

真「ただいまー。お、優勝はさとりだったのか」

 

文「……なんか点数おかしくありません?」

 

フラン「お姉ちゃんっ!」ダキッ

 

文「あややっ!?」

 

フラン「ねーねー、次は何して遊ぶ? 霊夢と妹紅も一緒に遊ぼう!」

 

霊夢「まだ遊ぶの? そうねえ……」

 

妹紅「わ、私もか? ……うわっ」

 

フラン「そーだよ!」ギュー

 

霊夢「相変わらず人懐っこいわね。文はお姉ちゃんなのに、なんで私たちは呼び捨てなのかしら」

 

こいし「さーねー?」

 

霊夢「……そんでアンタは、なんでいつの間に私の頭に乗ってるのかしら」

 

こいし「……? ……! ほんとだいつの間に!」

 

 ワーワー! ギャーギャー!

 

真「……賑やかだな」

 

紫「そうねえ」

 

真「じゃ、俺は沢山質問されて疲れたから休もうかね」

 

紫「私もー」

 

真「それにしても……なに負けてんだー紫」

 

紫「だって真、自分の話しないんだものー。なぐさめてー」

 

真「はいはい。向こうに帰った後でな」

 

紫「やった!」

 

 

 

 

         ~おしまい~

 

 

 


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