東方狐答録   作:佐藤秋

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第四十六話 春雪異変後

 

 異変を解決した次の日の昼には、雪はもう全部溶けていた。朝と夜はまだまだ冷えるが、急に春の気候となり昼の時間は暑いとも思う。長い冬は完全に終わり、季節はもうすっかり春と言える。

 

 さて今日は約束どおり幽々子と妖夢に、リリーに謝罪をさせに行こう。俺だって紅霧異変を起こしたときは人里まで謝りに行ったものだ。霊夢たち異変解決者にとっては異変の後のお礼と宴会がメインイベントかもしれないが、異変を起こした者にとっては謝りに行くことがメインイベントである。

 リリーを白玉楼まで連れて行くのではなく、幽々子と妖夢をリリーの元まで連れて行こう。謝りにいく身分として当然である。俺は白玉楼を目指し雲の中を飛んでいった。

 

 

 

 

「……あったあった、ようやく見つけた冥界の入り口」

 

 雲の中を彷徨うこと三十分、つい白玉楼へと続く石段を見つけた。別に俺は方向音痴ではない、場所が分かりづらいだけなのだ。空に目印など存在しないから、ほんの少しだけ迷ってしまった。 ……最初から能力使ってれば良かったな。

 ともあれ無事に幽々子の屋敷までたどり着く。昔は門番として妖忌が立っていたが、今は誰もいないので勝手に入ろう。知らない仲でもないし別にいいだろ、そう思って門の中に足を踏み入れた。

 

「……覚悟っ!」

「……ん?」

 

 門の中に一歩目を踏み込んだとき、なにやら殺気を感じたのでしゃがんでみる。俺の頭の上を、一本の刀が通り抜けた。

 

「……お見事。ようこそ真さん、幽々子様はこちらに……」

「おいまて妖夢、なに何事も無かったかのように案内始めようとしてるんだ。お前いま俺に向かって思いっきり剣を振ったよな。な?」

 

 門のすぐそこに立っていた妖夢が、刀を鞘に直しながら挨拶してくる。なんでいきなり攻撃されたんだ。そして妖夢はなんで刀を振りぬいてるんだ。避けなかったら切れてたぞ、寸止めしろよ寸止め。

 

「幽々子様からのご命令で、真さんが来るから歓迎しろと」

「……歓迎の仕方おかしくないか?」

「真さんがこの間言ってくれた、『主の命令を聞くだけじゃだめだ』って言葉を思い出しまして、私なりに咀嚼して考えてみたわけです」

「噛み砕きすぎて原形とどめてないだろそれ」

「真さんを出迎えるにあたって、まずは真さんの実力を知っておこうかと」

「なるほど、タチが悪い」

 

 刀だけに、太刀が悪い。

 ……なんて、ボケている場合ではない。妖夢のヤツ意外に天然ボケだ、俺までボケに回ると収拾が付かなくなる。ともかく会話の主導権を妖夢にとられるのは面倒だ、話題を変えよう。

 

「えー……妖夢のその剣術はじいさんに教えてもらったのか?」

「はい。お爺様が私の剣の師匠です」

「そうか、俺も妖忌に少し剣を教えてもらったよ。妖夢のじいさんは強かったなぁ」

「そうなんですか? お爺様は真さんよりも強かったと?」

「ああ。こと剣術においては敵わなかった」

「……あら、見ている分にはどちらも同じくらいに見えたけど」

 

 妖夢と話しながら屋敷の奥に行くと、幽々子のいる部屋にたどり着いた。幽々子が会話に入ってきたが、この話を広げるつもりは無い。

 

「よう、幽々子」

「いらっしゃい真。今日は一体どうしたのかしら」

「……言っただろーが。春を奪った反省として、リリーにはちゃんと謝れって。もう忘れたのか」

「いや幽々子様覚えてましたよね。だから私に出迎えを命令したじゃないですか」

「あ~んやっぱり~。もしかしたらもういいかな~って」

「良くない」

 

 幽々子の希望的観測を両断する。謝ることは嫌かもしれないが、リリーにはもう謝らせると宣言してあるのだ。その言葉を嘘にはしたくない。

 

「さ、じゃあさっさと謝りにいくぞ」

「え、もう? お昼ご飯食べてから行きましょうよ」

「……まだ昼ご飯には少し早い、さっと謝って戻ってくればいいだろ」

 

 太陽はまだ真上には来ていない。用事といっても謝るだけなのだ、そう時間はかからないだろう。

 

「……え~」

「……え~、じゃない。嫌なことを後に回すとどんどん嫌になるぞ。それに、心から反省してるなら謝りに行くことに抵抗は無いはずだ」

「反省はしてるけど……お腹がもうお昼ご飯を受け入れる準備になってるっていうか……」

「じゃあもっと準備させとけ、空腹は最高の調味料だ。それに、この後謝りに行かないといけないっていう憂鬱な気分で食べる昼食と、全て謝って清清しい気持ちで食べる昼食、どちらが美味しいかは一目瞭然だろ」

「む~……」

「よし、じゃあ行くか」

 

 幽々子が言い返さなくなったので、説得……もとい言いくるめ完了だ。はい究極論破(アルティメットロンパリオン)

 

「幽々子様行きましょう。さ、準備準備」

「……は~い」

 

 幽々子がけだるそうに立ち上がる。さて、今のうちにリリーがどこにいるか、能力で調べておくとしよう。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

 白玉楼から現世まで、幽々子と妖夢をつれて飛んでいく。飛ぶスピードは、幽々子に合わせているためとてもゆっくりだ。まぁこういった風にゆっくり飛ぶのも悪くない……が、ゆっくりすぎるとリリーの位置が変わるので、逐一調べなおさないといけない。

 

「ねぇ~真。あとどのくらいで着くの?」

「あの人里を少し越えた先だ。このスピードだともう少しかかるな」

「遠い~」

 

 幽々子が文句を言う。そんなに遠くないだろう、少なくとも幽々子が霊夢と戦っているときのスピードを出せば、あっという間についてるはずだ。

 

「お腹が空いて力が出ない~」

「はいはい、じゃあ用事が終わったら、あそこの人里で好きなだけ食っていいから」

「! ほんと!? 真のおごり?」

「ああ」

 

 どこかで聞いたことのあるフレーズを言う幽々子に、もう少し頑張れるよう餌を渡す。生憎俺は顔がアンパンでできてるわけでもなければコーンフレークを常備しているわけでもない。まぁ食料なら結構携帯はしているが。

 

「あのう……よろしいんですか真さん? お金とか……」

「ん? ああ大丈夫。こう見えて結構持ってるからさ、少しくらい贅沢してもいいぞ」

 

 俺は自分の胸の辺りをポンポンと叩く。別に沢山稼いでるわけではないが、そもそも使うことが少ないので減らないのだ。自分の為に使うことと言ったら食べ物関係のみ。それ以外は変化で代用できる。

 

 むかし都で陰陽師として稼いだお金が、未だに財布の中に残っているくらいお金はあまり使わない。困っている人がいたら手をさしのべるくらいのことはするが、タダ働きは基本的にしない。もらうものはもらっている。

 

「いえ……そのですね、幽々子様の食事量は……」

「二人とも何してるの! 早く行くわよ~!」

「……ったく、速く飛べるじゃないか。妖夢行こう」

「は、はい!」

 

 あからさまに元気になった幽々子を追って、人里の奥まで飛んでいく。これだとすぐに到着するな。

 ……それにしても、幽々子のヤツそんなにお腹が空いていたのだろうか。まぁ生前の幽々子は少食だったし、食べるようになったのは良いことだ。亡霊に栄養が必要かどうかは知らないが。

 

 

 

 

「おーい! リリー!」

「春ですよー! ……あー真さーん!」

 

 人里の近くの上空でリリーを見つける。『春ですよー!』と大声で叫んでいたため見つけやすい。春告精のフレーズなのだろうか。

 

「あの後春の欠片が空一杯に降ってきましてー、真さんがやってくれたんだなーと思いましたよー」

「はは……まぁ主に働いたのは博麗の巫女なんだが」

「それでもーありがとうございましたー」

 

 リリーがペコリと頭を下げる。見た目が幼い少女なだけに、キチンとお礼を言えるだけですごいと思ってしまう。こういうしっかりした子は好きだ。

 

「その……リリーさん?でしたか」

「貴女は確か……春を奪った犯人の……」

 

 妖夢がリリーの横に行く。春を奪った犯人ということもありリリーは少し眉を顰めたが、幽々子がすぐに次の言葉を言ったので顰めた眉は元に戻った。

 

「貴女が春の妖精かしら。ごめんなさいね、大事な春を奪っちゃって。その子は私のためにやってくれたことなの、あまり怒らないであげてちょうだい?」

「へ? あ、あのー」

 

 幽々子が流れるような動作で謝罪する。白玉楼でグズっていた姿はどこにもなく、そこにいるのは一人の優雅な少女だった。妖夢も少し驚いていたが、ハッと息を吸って続けて言う。

 

「い、いえ! 今回の件は全て私が勝手実行したこと、非は幽々子様よりも私にあります! リリーさん本当にすいませんでした!」

「……まったく、そんな感じで二人に謝られたら、許さないとこっちが悪者みたいじゃないですかー」

 

 ……確かに。いやいやいや、見ているのは俺だけだから、もっと存分に怒ってくれていいんだが。ほら、迷惑をかけられた人里の人間の分もどうぞ怒ってやってくれ。

 

「そ、それは……」

「……冗談です。春を独り占めする理由があったみたいですし、そこまで春が好きだった……と思うことにします。でももう二度としたらだめですよー。春は皆の物なんですから」

「は、はい! 勿論です!」

「本当にごめんなさいね~」

 

 リリーが理性的で助かった、どうやら平和に終わったようだ。 ……紫が、本格的に春になると春告精は攻撃的になるとかいうから実は少し身構えていたのだが、杞憂に終わったみたいでホッとする。リリーの表情は、この春の陽気のように穏やかだ。

 

「許してくれてありがとな。今日はこれだけだ」

「はいー。真さん律儀ですねー、わざわざ謝らせに連れてくるなんて」

「……え、普通だろ?」

「ふふ、そういうことにしておきますかー」

 

 リリーが笑顔で、この場をくるくると回りだす。春のリリーは、攻撃的というよりテンションが高い。

 

「……そういえば春を奪った理由って、冥界にある咲かない桜を咲かせようとしてたんでしたっけ? 私が行けばもしかしたら……その桜も元気になるかもしれませんよー」

「それは勘弁してくれ」

「それは勘弁して下さい」

「それは勘弁してちょうだい」

「?」

 

 三人同時に同じことを言い、リリーの頭にクエスチョンマークが浮かぶ。こんな短い期間でまたあの妖怪桜の相手はやりたくない。

 

「……まぁ気にしないでくれ。冥界にもちゃんと程よく春が来てるから大丈夫だ」

「そうですかー。それでは私は他の場所にも、春を伝えに行きますねー」

「ああ、またな」

「さようなら」

「ばいば~い」

 

 妖怪の山の方向に飛んでいくリリーを、俺たちは手を振って見送った。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

 幽々子と妖夢を引き連れて人里へと舞い降りる。俺は例え外より妖怪が受け入れられている幻想郷の人里でも、あまり目立つことはしたくない。基本的に尻尾は隠している。なので幽々子がふわふわと移動するのは少し目立ってしまって嫌なのだが、それ以前に二人は目立つ髪の色をしているし、妖夢など堂々と背中に刀を背負っているのだ。もはやきちんと歩いたところで、目立つことは避けられなかった。

 

「さて……二人とも何か食べたいものとかあるか?」

 

 俺は二人にそう尋ねる。おそらく二人は、冥界に住んでいるため人里の地理に詳しくない。行きたい食事処を尋ねたところで困るだろうから、食べたいものを聞いて俺が連れて行くほうがいいと判断した。

 

「い、いえ私は特に……」

「そうか、幽々子は?」

「お肉とお魚とお野菜とご飯。あ、麺類もいいわね~。食後には甘いものが食べたくなるかも」

「……二人ともどこでもいいってことでいいのかな」

「(いえ、幽々子様は言葉通りの意味かと……)」

「ふむ、そうなると近場でいいか。こっちだ」

 

 二人を食事処まで連れて行く。洋食文化も広まってメニューが多い店だと聞くから、そこでゆっくりと選んだらいい。実は俺も、甘味処にはよく行くが食事処にはあまり行かないので楽しみだったりする。

 

 

 

「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞー」

 

 食事処に着き、中に入ると適当な席に案内される。白玉楼を出たときは昼前だったが、少し移動に時間をかけたため既にピークの時間は過ぎ、席はちらほらと空いていた。なかなか丁度いい時間に来たかもしれない。四人がけの席に、幽々子が一人、俺と妖夢が二人で並んで座った。

 

「……う~ん、悩むわね~」

 

 幽々子がメニュー本とにらめっこをしている。意外と種類があって驚きだ、ライスカレーなんてものもある。

 

「……う~ん、食べてみたいのが多すぎるわね~」

「……良かったら、俺の分も選んでいいぞ。んで、少しだけ分けてやる」

「あら、いいの?」

「いいよ」

 

 誰かと飯に行くときは、『一口ちょうだい』は予想しておく事柄だ。別に今日の俺は取り立てて食べたいものがあるわけでもないし、幽々子が少し食べたいと思うものを選べばいい。

 

「妖夢は決まったか?」

「え、ええと私は……この一番安いお茶漬「妖夢はこれにして? そして少し分けてちょうだい」え、ええと……」

「はは、妖夢も遠慮しなくていいぞ」

 

 妖夢がこちらをチラリと見てくる。俺が金を出すから遠慮しているのだろうか、とりあえず笑顔で頷いておこう。

 

「はい……ではそれで……」

「で、真はこれね」

「分かった」

「すいませ~ん!」

 

 幽々子が店員に呼びかける。すぐに店員が俺たちの席までやってきた。

 

「俺はこれ一つ」

「私はこちらを一つ下さい」

「私はこっちのページに載ってる~……」

 

 長ったらしいメニューの名前をいちいち全部言うのは面倒だ。写真が載っているなら、指を指すだけでいいだろう。俺と妖夢は頼み終わり、幽々子が別のページをめくる。

 

「……ものを全部下さい♪」

「「……は?」」

「~!」

 

 店員と全く同じタイミングで同じような声が漏れる。妖夢は妖夢で、右手で両目を覆っていた。少しのあいだ呆けていたが、幽々子の声で目を覚ます。

 

「とりあえず以上で」

「……はっ、はいかしこまりました」

 

 店員がいそいそと下がっていく。店員が裏まで行って見えなくなってから、俺は幽々子に尋ねてみた。

 

「え? このページ全部……え?」

「どうしたの真?」

「いやえっと……食べられるのか全部?」

「ええ」

「そ、そうかそれならいいんだ……」

 

 幽々子が事も無げに頷いた。 ……うん、まぁ別にいいだろう、俺も似たようなことしたことあるし。その時は、一つだけ食べて残りは変化で持って帰った。幽々子が食べ切れなかった分は変化で持って帰ればいい。

 

「……あのー真さん」

「な、なんだ妖夢」

「……良かったら代金はこちらで……」

「ば、馬鹿言うなよ。変なこと気にするな」

「……分かりました。ですがいつでも撤回は受け付けますから」

 

 隣に座ってる妖夢がこそこそと話しかけてきた。俺は約束を破るのは大嫌いだ、俺が出すって言ったのだから俺が出す。少し意表は突かれたが、何も心配することは無い。

 ご機嫌に料理を待っている幽々子と、申し訳無さそうにする妖夢が、見事なコントラストを描いていた。

 

 

 

 

「……驚いた。いつの間に幽々子はこんなに健啖家になったんだ」

 

 幽々子は、運ばれてきた料理を見事全部食べきった。というか追加注文までやってのけた。空になった皿が、テーブルの上に所狭しと積み上げられる。うう……まさかこんな形で目立つことになろうとは……

 

「幽々子様はその……普段から食事はこんな感じで……」

「そうなのか……?」

 

 幽々子の生前からは考えられない、見事な食べっぷりを見せられた。以前は食べないよりかは食べたほうがいいと思っていたが、久々に長年生きてきて凝り固まった考えが覆されたような感じだ。ほどほどが丁度いい。

 そのくせ幽々子は特に太っているとは言いがたく、むしろスレンダーであると言っていい。ゆったりとした服を着ているので良く分からないが。

 幽々子の食事風景は、見ているこっちがお腹一杯になるようなものだった。美味しそうに物を食べる女性は謎の魅力を感じるが、量が量なので魅力以外にも感じるものがある。

 ……先ほどから俺はなにを考えてるんだろう。いやすまん、まだ頭が少し混乱しているようだ。

 

「普段の料理は妖夢が全部?」

「はい……」

「そうか……大変だな」

「はい……」

 

 白玉楼のエンゲル係数はどうなっているんだろう。100だったら笑う。

 

「ねぇ真」

「なんだ?」

「デザートも頼んでいい?」

「ああ頼め頼め。俺も団子一つ頼む。妖夢もどうだ?」

「……なんかもうヤケになってないですか?」

「なってない」

 

 さらに幽々子が注文する。もはや何も思わない。甘いものは別腹というが、幽々子の場合は別腹なんて準備しなくて十分だ、どうせ全部入る。

 

 ……次から幽々子に飯をおごるときは何かしら作戦を立てておこう。そう決意して会計まで歩いていった。

 

 

 

 

「……合計、4円4銭562文です」

「……5円62文で」

 

 会計を済ませて外に出る。外はまだまだ明るいが、今日はもう神社に帰りたい。

 

「真、ごちそうさま」

「真さん、今日はありがとうございました……本当に」

 

 おかしい、俺はリリーに謝らせるために二人を連れ出したのになぜ今お礼を言われてるんだ。

 

「おかしい、俺はリリーに謝らせるために二人を連れ出したのになぜ今お礼を言われてるんだ」

「あ、あはは……」

 

 声に出てた。妖夢が少し苦笑いをする。違う、責めているわけではない。これは『あれ、なんでこの話になったんだっけ?』みたいな純粋な疑問だ。

 

 この後俺は二人を白玉楼まで送っていったが、最後まで妖夢は申し訳無さそうな顔をしていた。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

「……ただいま」

「お帰り真。今日は早いわね」

「ああ……お茶注いでくれ」

「出涸らしでいい?」

「いいよ」

 

 博麗神社に戻った俺は、霊夢に頼んでお茶を一杯注いでもらう。一口啜って一息ついた。

 

「霊夢は、ちゃんと節約した生活をして偉いなぁ」

「……どうしたの急に?」

「……なんでもない」

 

 初めてこんなに食べ物で大量の出費をした。俺はあまり金に頓着が無いほうだと思っていたが、意外と貧乏性らしい。こんな俺には、神社の生活は性にあっている気がしてきた。

 今度は霊夢と一緒に、どこかに食べに行こうかな、と思った。

 

 


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