東方狐答録   作:佐藤秋

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第五十六話 永夜異変③

 

 幽々子のおかげで、今現在この幻想郷には二つの異変が起きていることが分かっている。一つは、月が偽物の月と入れ替わっていること。もう一つは、幻想郷の夜が止まっていること。どちらの異変も、犯人の目的は疎か誰の仕業かも分かっていない。

 

 今の俺には選択肢がある。どちらの異変を優先して、解決しに行くのかということだ。どちらも平行して解決の糸口を探すという方法も無いことはないが、それでは少し効率が悪い。一つの異変に集中することで、着実に解決していきたいところだ。

 

 では、どちらの異変を選択するのか。仮に今が宵の口なら、俺は月を入れ替えた犯人を探していただろう。朝まで時間がある場合、夜が延びることにそこまでのデメリットは無いからだ。

 しかし今はもう明け方が近い。そうなると先ほどの議論は逆転し、夜を止めている犯人を探すことを優先する必要がある。一度朝が訪れてしまえば、それから夜までの時間は偽物の月によるデメリットが存在しなくなるのだ。

 

 さて、今から俺はどこに行こうか。妖怪の山? 魔法の森? 時間に余裕があるときにはどちらとも回ってみるのも良いのだが、今は少し急いでいるし行くに値する根拠がない。どこに行こうか迷った俺は、能力に頼ることにした。

 

「『夜を止めている犯人のいるところ』……こっちかな? よし、妹紅行こう」

 

 『答えを出す程度の能力』を使い、向かうべき方向のみを理解する。犯人が誰なのか、何人なのか、目的は何か、といったものは調べない。行ってみてからのお楽しみだ。

 

 能力を最初に使えよ、ということは言わないでほしい。それは俺の中では面白くないのだ。

 とはいえ能力を、ここでは絶対に使わないと明確に決めているわけではない。明日の天気とか下らないことに使うときもあるし、ようはその時の俺の気分次第だ。

 異変とは一種の謎解きみたいなものだし、俺は過程も楽しみたい。それに妹紅と二人で一緒に行動する懐かしい機会だったので、今まで能力は温存していたというわけだ。

 

 ちなみに春雪異変のときに、俺のその悪癖のせいで皆を危険な目に合わせてしまったことを、俺は少々反省している。今回の異変で取り返しのつかない事態(例えば慧音が一人で人里に残った結果妖怪に襲われるとか)に陥らないことは、事前に能力で確認済みだ。それでも幽々子が妹紅に能力を使ったときは焦ったが。

 

「こっちの方向にあるものと言えば、迷いの竹林……今から行くのは永遠亭(えいえんてい)か?」

「さあ……もしかしたらそうかもな。とりあえずこっちから怪しい気配がする」

 

 能力を使ったことをぼかしながら、妹紅の問いに適当に答える。能力のことは絶対内緒というわけではないが、進んでバラすことはしない。妹紅の前では何度か使っているのだが、詳しく言及されたことは無かった。

 俺の人生の中で長く一緒にいた時間が長い妹紅でも俺の能力のことは知らないのだ、『答えを知る程度の能力』のことを知っている存在は数えるほどしかいないのではないか。とはいえおしゃべりな天狗が俺の能力を知っているから、隠し通すのは不可能だろう。

 

「永遠亭っていうと、永琳と輝夜が住んでるところだっけ? そういえば行くの忘れてたなー」

 

 妹紅から、永琳と輝夜が幻想郷に来ていることは聞いていたが実はまだ会いに行ってはいなかった。いつでも会えるという状態と、用事が無ければ行きにくいという俺のダメな性格のせいだ。

 

「別に大丈夫じゃない? 輝夜たちは真が幻想郷に来たこと知らないだろうし」

「そうなのか。まぁ輝夜たちが俺に会いたがっているとか自惚れた考えはしてないけどな」

「……(絶対会いたがってる)」

 

 今回の異変が片付いたら会いに行こうかな。いやそれ以前に輝夜と永琳が、今回の異変の関係者である可能性もある。どちらにせよ、それはもうすぐ分かることだ。

 今も遠くに見えている高い竹の集まった場所に向かって、少しスピードを上げて飛んでいく。道中妖怪に襲われることもなく、いたって平和に迷いの竹林までたどり着いた。

 

「……よし、迷いの竹林についたな。こっちだ」

「案内しなくて大丈夫?」

「大丈夫。永遠亭とか決まった場所に行くんじゃなくて、怪しい気配がする方向に向かうんだからな」

「ふーん、そっか」

 

 妹紅は迷いの竹林の地理に詳しいらしいが、今回は俺が先導して先に進む。怪しい気配がする方向というよりも、能力で分かった方向だ。どちらにせよ結果は同じだと思うので詳しい説明はしないでおいた。

 

「……あれ、なんかいつもと違うような……」

「どうした?」

「いや、何でもない」

 

 竹林に足を踏み入れる際に妹紅が少し首をかしげているようだったが、特に気にすることもなく進むことにする。一度足を踏み入れたら、よほど運が良くないと出られないという迷いの竹林。そんな場所に深夜やってくるなんて、考えてみたら正気の沙汰じゃないなと思った。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

「あれだよな、迷いの竹林っつっても上に飛べば抜け出せるよな」

「と、思うだろ? そううまくいかないんだ。理由はよく分からないが、霧も出ていて飛べるヤツも迷うらしい」

「そうなのか? ……お」

 

 特に緊張感もなく妹紅と共に竹林の中を進んでいくと、少し広い場所に出る。別にここが目的地ではなく単なる通り道なのだが、人が住んでいるような小屋が一件建っている。どうしてこんなところに家が建っているのだろうか。もし人間が住んでいるなら、そいつは相当な変わり者だ。どんなヤツだか一度顔を見てみたい。

 

「あ、私の家だ」

「お前のかよ」

 

 目的の顔は、隣を見るだけで簡単に見れた。なんで妹紅は人里じゃなくてこんなところに住んでいるんだ。

 

「意外といい場所なんだよ、たけのこが取れたりするし。 ……あとは、姿が変わらないから人里に住みづらくて……」

「そんなもんか。確かに他にも、ここで人間が迷ったりしたときに妹紅がいれば安心だよな」

「……人間がこんなところに来るかなぁ?」

「ん? ……ってことは、なんで夜中の人里に妹紅はいたんだ?」

 

 慧音と一緒に人里を守ろうとしていたみたいだが、ここに住んでいるなら妹紅一人では月の異変に気付かない。夜中に人里で慧音から異変について教えられたというのが最もそれらしいが、妹紅は夜中に人里まで何しに行ったのだろう。俺と同じで、急にラーメンでも食べたくなったのだろうか。

 

「それは……その、慧音に夜食を届けに行ってて……」

「通い妻かよ」

「違う! いつも慧音が私にご飯作ったりしてくれるから、満月で忙しい日くらいは私が作ってあげようと……」

「仲良しだな」

 

 妹紅が少し恥ずかしそうに言うので少々からかってしまったが、なんとも微笑ましいことじゃないか。妹紅と仲良くしてくれている慧音に心の中で感謝する。ただ仮に慧音が男だったなら心の中で殴っていたかもしれない。俺の妹紅を(たぶら)かすな的な。

 ……もし将来妹紅が「私この人と結婚するわ」って男を連れてきたら俺はどういう反応をするだろうか。どんなに誠実そうな男を連れてきても複雑な気持ちになるなぁ…… 別に俺がとやかく言う筋合いは無いんだけど、妹紅は儂が育てた的な部分があるから……

 

「おい、真? なんだ急に深刻そうな顔になって」

「いや……少し考え事をしてただけだ」

「そう? 一体何を考えてたんだか」

「慧音が女で良かったなって」

「ほんとに何を考えてたんだ!?」

 

 妹紅のことを考えていたと本人に言うのは恥ずかしい。俺は適当に誤魔化しながらも、竹林の先へと進んでいった。

 

 

 

 

「……やっぱりなんかおかしい。竹林がいつもより複雑になってる。私でも永遠亭までたどり着けないかも……」

「そうなのか? まぁ今の俺たちには関係ないな。近いぞ」

 

 ここに住んでいる妹紅にとって、今の竹林には違和感があるらしい。偽物の月の影響だろうか、なんにせよそれは後回しだ。夜を止めている犯人の、もうすぐそばまで来ている。

 

「近い? 見通しが悪いから誰も見えな……んぐ」

「しっ。誰かの話し声がする」

 

 妹紅の口に手を当てて耳を澄ます。話し声がするということは二人以上、能力もここを示しているのでまず間違いなく犯人だ。

 

「……あーもーまた道が分からなくなった! もう少しで着けたのにあのイタズラ兎のせいで! 探し出してコテンパンにしてやらなくちゃ!」

「……もう少しだったっていう根拠は?」

「勘よ!」

「……そう。でも確かにあの兎を探したほうが、適当に進むよりも早いかもね。こっちかしら?」

 

 話し声がこちらに近付いてくる。俺たちの気配に気付いたのだろうか、真っ直ぐと俺たちの元に向かってきた。

 それにしても女の二人組みたいだが、どちらの声にも聞き覚えがある。

 ……この声はまさか…… こいつらが犯人だとは、正直言って予想外だった。

 

「ここか! ……ってえ?」

「あら?」

「よ、霊夢と紫」

「真? それと妹紅……だっけ? なんで二人がこんなところにいるのよ」

 

 現れたのは霊夢と紫、幻想郷の結界を張っているコンビである。組み合わせはさほど驚くことではないが、この時間にここにいるということが少し俺を驚かせた。

 

「なんでって……異変を解決しに来たんだよ。それよりなんではこっちの台詞だ」

「え、なんで?」

「まさか異変を解決する側だと思ってたお前らが、夜を止めている犯人とはな。恐らく紫の『境界を操る程度の能力』で、夜と朝の境界をいじったんだろ?」

 

 夜を止めている犯人がこの二人なら、方法は一瞬で察しがつく。あとは異変を起こした動機だが、これもこの二人の仕業と分かると少しだけ見当がついてくる。この二人がいたずらに、異変を起こすはずがない。

 

「ええ、夜を止めているのは私の仕業よ。でもそれには理由が有って…… 妖怪である真なら、今起きている異変にも気付いているでしょ?」

「ああ、月が偽物になってることだろ? 大方こっちの異変を解決するために、仕方なく夜を止めたというところか」

「その通り。例え真でも邪魔してくるなら倒すわよ?」

「邪魔しないよ。こりゃあ紫たちに協力して、偽物の月の異変を解決したほうが早そうだ」

 

 起きている異変は二つであるが、一つは紫の仕業であり、もう一つの異変を解決するために起こした異変である。

 偽物の月の異変を解決すれば紫の起こした異変も無くなる。なんとなく二択を外してしまった気分だ。

 

「でもなぁ……月が偽物で、なんのデメリットがあるんだ? 妖怪にとっては大事なんだろうが、朝が来たらもう関係ないだろう」

「……真の言いたいことも分かるわ。でもこの幻想郷は私の国なの、常に最悪の状態を考え避けなければならない。朝が来て、一時的には偽物の月の影響は無くなるでしょう。でも次の夜も、今日と同じような夜だったら?」

「む……それはそうだが、朝のうちに犯人を捜してしまえばいいんじゃないか?」

「朝だと犯人が尻尾を出すか分からない。それに夜ごとに捜すにしても、時間を相手に与えることは対策を与えるも同じこと。今夜解決するのが最善なのよ」

「……なるほどな」

 

 少しだけだが納得できた。夜が延びることで少々現れるデメリットを受け入れてでも、今夜中に異変を解決するほうが得策らしい。失血を止めるために、傷口に火薬を塗って火をつけるような判断だ。俺は紫ほど頭が良くないのでこれでいいのかは分からないが、紫が最善と言うなら最善なのだろう。

 

「……それならさっさと解決するか。紫のことだし、解決の目処は付いているんだろ?」

「勿論よ。異変の首謀者はこの竹林の奥にいるってことは分かったんだけど……方向を惑わす術がこの竹林に掛けられているみたいなのよね。真、なんとかならない?」

「なんとかねぇ……やってみるか」

 

 『答えを出す程度の能力』を使い『進むべき方向』の答えを出す。すると西とか東とかそういった大雑把な方向ではなく、細かい順路が頭の中に現れた。

 この道を進めば迷わず目的地につけるのか、それとも術を解く何かがあるのかは分からない。更に詳しく調べることもできるのだが、進むべき方向が一方向でないのでそれなりに体力を消費する。進むべき方向が既に出ているのだから、とりあえずそれに従えばいいだろう。何があるかはお楽しみだ。

 

「よし、こっちだ」

「流石ね。霊夢たちも行くわよ」

「兎……」

「変なのが二人も増えた……」

「なにブツブツ言ってるの、置いていくわよ。っていうか変なのって何よ」

「おい、迷わないよう俺にちゃんとついてくるんだぞ」

 

 紫と霊夢を加え、四人で先へと進んでいく。犯人が竹林の奥にいるということは、もしかして永琳たちが異変を起こした犯人なのか。俺のことを覚えていてくれたら、素直に事情を教えてくれるかな。いやまだ犯人と決まったわけじゃないけれど。

 なにやら微妙な顔をしている妹紅と霊夢を気にしながらも、俺は先へと進んでいった。

 

 

 

 

「紫は妹紅のことを知ってるんだな」

「ええ。藍が慧音を幻想郷に連れてくるときに一緒についてきたからね、そのときに少し」

「ああそういえば妹紅から聞いたな、この竹林ごと幻想郷まで移動させたって」

 

 俺を先頭に、四人が列になって先を進む。なんだかどこかのRPGみたいだな。俺が一番前だから勇者、次の紫は賢者だとして、霊夢と妹紅はなんだろうか。いまいちしっくりくる職業が思い付かないので、イベントで勝手についてくる町娘とかでいいんじゃないかな。

 

「ということは紫は永琳と輝夜も知ってるのか」

「ええ。正直なところ九割以上その二人が犯人じゃないかと思っているわ。まだそうと決まったわけじゃないから油断はできないけれど」

「ふぅん。 ……さて次は……上?」

「あー! さっきの兎!」

 

 『進むべき方向』が上を指す。見上げてみると、沢山伸びている竹の一本に何者かがくっついていた。それを見た途端、霊夢がそいつを指差して叫ぶ。

 

「ありゃ、さっきの人間妖怪コンビじゃないか、よくここまで来れたねぇ」

「ここで会ったが百年目、人間様をからかうとどうなるかその身に教えてあげるから!」

「あっはっは、捕まえられるもんなら捕まえてみなよー。少し人数が増えたからってなんとかなると思ったら大間違……ん? おお! あいつはもしかして…… ほっ」

「……え? うわっ」

 

 急に竹から手を離し俺の元に落ちてきたそいつを、俺は慌てて受け止めた。子どもみたいな見た目に頭に生えている兎の耳……昔ここと同じ竹林で、俺はこいつに会ったことがある。

 

「真じゃん! 久しぶりだね元気してた? ……っていうか私のこと覚えてる?」

「おおてゐか? 懐かしいな、勿論覚えてるよ。てゐこそよく俺のこと覚えてたな」

「まぁね~」

 

 俺の腕の中で、てゐが誇らしそうな顔をする。別にお世辞で言ったのではない。たった一日会っただけのヤツをよく覚えていられるものだと本当に感心したのである。

 俺だって覚えているから同じだろうと思うかもしれないが、俺が覚えているのにはしっかりとした理由があった。実は俺の生きてきた日々の記録を、日記のように残しているのだ。珍しいことがあったときにキーワードを箇条書きにして残すという簡素なもので、見られて困るものでもない。断片的にその時のことが思い出せれば十分といった代物だ。少しだけでも思い出せれば、あとは『答えを出す程度の能力』でその時の全ての記憶が甦る。たまにこうして昔を思い出すのも、俺の楽しみの一つなのだ。

 そんなわけでてゐと会ったのは一日だけだが、何度か思い出したことのある俺は、てゐのことを覚えていたのである。

 

「えへへ~懐かしいウサ~」

「変わってないなぁてゐは」

 

 急に落ちてくるなど相変わらずのイタズラ好きで、触れるのを気にしないほど人懐っこい。てゐは俺の腕から器用に抜け出すと、後ろに回り込んで両腕を首に回して背中にぶら下がってきた。

 

「……真、その兎と知り合いかしら。どっちでもいいわ、とりあえずその兎を寄越しなさい」

「……え?」

「断るウサ。きゃー助けて真、この人間がいじめてくるよー」

「……あー……」

 

 霊夢が殺気を出しててゐを睨み、てゐはそれから隠れるように強く俺にしがみついてきた。大方てゐが何かしたんだろうが、このまま素直に渡すのもどうだろうか。

 

「! ちょっとなに真にくっついてるのよ、離れなさい!」

「いやだ~」

「ん~! くっつきすぎ!」

「ん~! 放さないウサ~!」

 

 てゐが俺にしがみついて、霊夢がてゐを引っ張って、なんだこの大きなかぶ状態。痛いんだけど。

 紫も妹紅も、何を黙ってこの光景を見てるんだ。霊夢を止めるなりして異変解決を再開しようとは思わないのか。

 

「いいの妹紅? 貴女はあれに参加しなくて」

「いいよ、真の子ども好きは今に始まったことじゃないし」

「あー確かに」

 

 二人のほうをチラリと見たが、なにやら話をしているみたいで役に立たない。霊夢がてゐに何をされて怒っているのか分からないため仲裁に入りづらいのだが、変に俺も巻き込まれている以上、黙っておくのもこれはこれで面倒だ。

 

「霊夢、痛い」

「え、あ、ごめん……って悪いのは手を離さないそこの兎で……」

「てゐへの折檻は後回しな。この兎には竹林の道案内をしてもらう。多分てゐがいないとこの先進めない」

「……えー……」

 

 俺の能力で進んだ先にてゐがいたということは、つまりそういうことなのだろう。ここでてゐに逃げられたらまた捜し直しになってしまう。今てゐが俺の身体に引っ付いていることはある意味都合がいい。逃げられないようしっかり確保をしておこう。

 

「そういうわけでてゐ、竹林の奥に案内してもらおう。てゐも異変の立役者の一人なのか?」

「ウサ。夜中の間は誰も通すなって言われてるんだけど、なんか夜延びてるし、真なら通していいんじゃないかな」

「俺なら? そりゃありがたいな、じゃあ早速案内してくれ」

「いいよ。私が一緒なら適当に進んでも目的地までたどり着けるから、このまま出発しようか。よし、進めー!」

 

 てゐが俺の肩に跨がって、肩車の体勢にシフトする。そのままてゐは前を指差し、そのまま進むように指示してきた。

 

「霊夢」

「……なによ」

 

 少しだけ不機嫌なままの霊夢の横に並んで歩く。俺がてゐの味方をしたみたいでそっぽを向かれてしまったが、これも仕方ないことだと分かってほしい。

 

「よく我慢したな、えらいえらい」

「……ふん」

 

 霊夢の頭をワシャワシャと撫でながら、竹林の奥に進んでいく。

 目的地に着く前に、霊夢の機嫌は直るだろうか……

 

 


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