東方狐答録   作:佐藤秋

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第七十三話 東風谷早苗②

 

 早苗と約束した通り、朝から店の前で待ち合わせる。俺は待たされるのは嫌いだが、待たせるのも同じくらい嫌いである。"朝"という漠然とした待ち合わせ時間だが、それでも早苗を待たせるわけにはいかない。俺は店が開店するのと同じ時間に待ち合わせ場所に訪れた。

 待たされるのは嫌いと言ったがこれは俺が勝手に待っているだけなので問題無い。待たされるのと自発的に待つのは違うのだ。

 

 一時間くらいは待つかと覚悟していたが、早苗は五分程度で現れた。

 

「真さん、おはようございます! 生きてたんですね!」

「一日で死んでたまるか。 ……餓死するにしてももう少しかかるだろ」

「いえ、何かの事件に巻き込まれたりしてないかと」

「……ここってそんなに治安悪いのか? 昨日も早苗が絡まれてたし……」

 

 朝から早苗は元気いっぱいだ、こういうところも子どもっぽい。俺もさっきまで寝ていたというわけではないので、俺のテンションは普通である。

 

「では中に入りましょうか。真さんのことを相談して出てきた話を報告します」

「ああ」

 

 もう今さら早苗の厚意を否定するのも面倒だ、泊まる泊まらないの問答はやめておく。誰もいない神社に泊まれるというならそれでもいい。幻想郷でも博麗神社に住んでいるので、俺は神社に縁があるな。

 

 店の中に入り、一番近い席に腰を下ろす。まだ開店したばかりだからだろう、店内の殆どが空席だ。

 

「コーヒー以外にモーニングセットとかありますけど真さん食べますか?」

「食べる」

「おお! いいですね! それなら私も、まだ朝ごはん食べてないんで……すいませーん!」

 

 早苗が店員に声をかけて、モーニングセットを二つ注文する。値段は一つ540円。一瞬ありえないほど高いと思ったが、そう言えばここは外の世界だ。幻想郷の値段に直すと540文といったところだろうか。幻想郷基準で540円だったら幽々子何人分だよって話だな。

 店員が下がって注文が運ばれてくるまでに、早苗が昨日あれからどうしたかを聞かせてもらう。本当に帰ってから家族に俺のことを話したのだろうか。両親はさぞかし混乱したに違いない。

 

「いえ、えーとですね…… 実は家族には話してないんですよ。真さんを泊めようと思ってた神社の……管理人的な人に許可を取ったんです」

「ああ、昨日神社にって言ってたもんな。 ……あれ? でも神社には誰もいないんじゃなかったのか?」

「ええ、真さんからは見えない……じゃなくて、管理人は別のところにいるというか……」

「そうなのか。まぁ今の神社のシステムとかよく分からないが」

 

 神社の管理人なのに神社に住んではいないのか、そういうところもあるんだろうな。博麗神社に一年以上住んでいるくせに、神社のシステムは未だに分かっていない。そもそもあの神社はどんな神を祀っているのか。

 

「それでですね、誰もいない一部屋を自由に使っていいって言われました」

「誰もいない一部屋て…… そりゃ誰もいない神社なんだから部屋には誰もいないだろうよ。部屋を一つ自由に選べってことか?」

「い、いえ……そうじゃなくて…… そうか、そうなりますよね。部屋はもう決まってまして、まぁそれは着いてから説明します」

「?」

「あっ、モーニングセット来ましたよ!」

 

 早苗の説明がたどたどしいので少し引っかかるが、そこは気にしないことにしよう。泊まっていいなら泊まるし、どうせ寝るだけの部屋なので散らかしたりすることも無い。

 店員がモーニングセットを二人分運んできたので、とりあえずは食べることにする。全部人が作った朝ごはんを食べるのは久しぶりだ、いつも霊夢と手分けして作ってるからな。紅魔館に泊まったときの咲夜の朝ごはん以来だろうか。

 

「パンか、珍しい」

「真さんは朝食はご飯派なんですか? というかちゃんと食事してます?」

「ああ」

 

 運ばれてきたモーニングセットのバターの乗ったトーストを見て、出てきた俺の呟きに早苗が反応する。早苗はまだ俺を、お金も住むところも無い浮浪者だと思っているのか。まぁ間違ってはいないのだが……後で目にもの見せてやろう。

 この場はさらりと流しておき、俺は運ばれてきたコーヒーに角砂糖を三つほど落としてかき混ぜる。

 

「真さんはコーヒーをブラックで飲める人ですか?」

「いや。苦いから無理だ」

「あはは、私もです。ブラックで飲める人すごいですよねー」

「ほんとにな。本当に美味しいと思って飲んでるのかねぇ。半分以上は格好つけて飲んでると思うんだが」

 

 コーヒーの中身をかき混ぜながら早苗と話す。苦味を楽しむって感覚が俺にはよく分からないんだが、そういう人が多いからコーヒー店なんてものがあるんだろうな。俺にはお茶で十分だ。

 

「確かにブラックで飲んでる人って、大人だなー格好いいなーって思いますもんね。真さんは今ここで格好つけないんですか?」

「ああ。格好つける理由が無いだろ」

「かわいい女の子の前ですよ?」

「自分で言うな」

 

 両手の人差し指を頬に当て、軽くポーズを取る早苗に突っ込む。たしかに見た目はかわいらしいが、子どもの前で気取る必要もあるまい。

 とはいえ最低限の格好はつける。いつもは箸でご飯を食べるので、フォークなどを使って食べるのは久しぶりだ。変に見られないようにしなければ。

 

 モーニングセットの、トースト、サラダ、卵を食べ終わえて、最後にコーヒーをゆっくりと飲み干す。食べ終わった後に店の中に残って話をするのもいいが、俺は食べ終えたらすぐに店から出ていくほうだ。用事も無いのに居座れない。

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 早苗と共に両手を合わせたあとに席を立つ。ごちそうさまをキチンと言うのは良いことだ。

 早苗が伝票を持ってレジまで向かう。さて、俺も準備しなければ。

 

「お会計1080円になります」

「はい。えーとお財布は……」

「これで」

「えっ」

 

 早苗が鞄の中から財布を探している間に、すかさず割り込んでお札を出す。もともと奢ってもらうつもりなど無い。こんなこともあろうかと、昨日のうちに用意しておいたのだ。

 

「10000円からでよろしいですか?」

「し、真さん? ここは私が……」

「えーと…… あ、70円しかない。早苗、10円あるか?」

「あ、はい……」

「これで」

「10080円お預かり致します」

 

 早苗と二人で協力して会計を済ます。このようにお釣りをキリよく調節できたら気持ちいい。小銭をジャラジャラと持ち運びするよりスッキリできる。

 

 俺は店員からお釣りの9000円を受け取ったら、早苗を連れて外へ出た。

 

「真さん! どういうことですか!」

「なんだ。お釣りはやらんぞ」

「違いますよ! 昨日お金持ってないって言ってたじゃないですか! どうしたんですかそのお金!」

「ああこれね」

 

 俺はお札の向きを全部揃えて財布の中に入れながら早苗の質問に答える。昨日言ったことは嘘じゃない。このお金は夜の間に手にいれたものだ。

 

「昨日のあれから今日の朝まで、夜間工事の手伝いをして稼いできた。結構もらえるもんだな」

 

 手にいれたといっても当然、悪い方法などは使っていない。これは真っ当な方法で稼いだのだ。

 おそらく『答えを出す程度の能力』を使えば宝くじも競馬も当たるだろうし、パチンコや麻雀も常に勝てる。それ以前に変化の術を使えばすぐにでもお金を偽造できるのだが、さすがにそれらはダメだと思った。

 

「朝までって……それじゃあ私に会う直前まで働いてたんですか!?」

「いや、終わって時間があったから銭湯に行ってた」

「ああ! こころなしかサッパリしてる!」

 

 お金を稼いで一番良かったと思うことは、ここでも風呂に入れたことだな。きっかけとなった早苗には感謝している。朝から銭湯って開いてるんだと驚いた。貸切状態だったので気分がいい。

 

「朝飯も食べたし疲れも完全にとれたな」

「……寝てないんですよね? 一晩中働いてたのに……」

「ああ。ちなみに工事現場の若者(おっさん)から、正社員の誘いも来た」

「すごっ! ……真さん力強かったですもんね」

「断ったけどな」

 

 三途の川での仕事と同じくらいの大変さだったが、こちらのほうが給料が多い。少し多目にもらったこの金も、幻想郷では使えないが。

 

「……はっ! そうじゃないです! せっかく真さんにお礼できると思ったのに、なんで自分で払っちゃうんですか!?」

 

 早苗がそう言って俺を見上げながら詰め寄ってきた。ここで話をすると店を出入りする客の邪魔になるので、俺は一歩ズレながら早苗の質問に対応する。

 

「お礼はもう貰ったじゃん。神社に泊めてくれるんだろ?」

「それは別です! しかもご丁寧に私の分まで払っちゃうし!」

「早苗だってちゃんと払ったじゃないか」

「10円ですけど! 真さんの1%なんですけど!」

「おお、計算速いな。偉い偉い」

「……もー! また子ども扱いして!」

 

 早苗の頭に手を当てたら、またも早苗が怒り出した。子ども扱いも何も、まだまだ早苗は子どもだろう。子どもは子どもらしく、大人に甘えていればいい。

 とある漫画では、大人と子どもの違いをこう述べていた。子どもは無条件にもらう方で、大人は無条件にあげる方である、と。

 お礼や貸し借りなんて関係無く、早苗はただもらえばいいのだ。そして早苗が大人になったら、違う誰かにあげればいい。そういった想いも少し込めつつ、俺はそのまま早苗の頭を撫でる。

 

「…………」

「し、真さん? いつまで頭を撫でてるんですか?」

「ああ、すまん。 ……早苗、このあとどうする? 暇か?」

「え? えーと……真さんを神社まで案内するだけなので暇と言えば暇ですが……」

「じゃあ神社に行く前に本屋に行こう。急に漫画が読みたくなってきた」

 

 頭の中で少し漫画のことを考えたせいで、意識がそっちのほうに持っていかれる。そういえばここは外の世界であり、周りの様子からすでに漫画の文化もあるはずだ。丁度いい機会なので、外の世界の文化を堪能したいと思った。

 

「! いいですね行きましょう!」

「? 急にテンション上がったな」

「私も、このあとただ神社に案内するだけなんて寂しいと思っていたので! 挽回してみせます!」

 

 卍解? いや、挽回か。別に早苗の評価は落ちていないのだが…… まぁ、前向きに付き合ってくれるならそれに越したことは無いだろう。

 

「真さん、本屋の位置分かります? 来たばかりなら、まだこの辺の地理に詳しくないんじゃないですか?」

「ああ。早苗が案内してくれたら嬉しい」

「お任せください!」

 

 早苗が元気よく敬礼のポーズをとった後、二人で本屋に向かって歩き出した。道の分からない俺は早苗の前を歩けないのだが、早苗も俺の前を歩くことなく隣で俺の着物の袖部分を摘んでいる。昨日は俺の手を引いてグイグイと先に進んでいたのに、少しだけ成長したようだ。

 

「あ、これですか? 実は昨日諏訪……じゃなくて神様から、男の人と歩くときはこうしたほうがいいってお告げがありまして」

「なんだその俗っぽいお告げ」

「どうです? ドキッとしますか?」

「……分からん。でもこっちのほうがいいな」

「やった!」

 

 本当にそんなことを言った神様がいたとして…… その神様が言いたかったのは違う形なんじゃないか? 隣で着物の袖を摘んで並んで歩くのではなく、後ろで着物の裾を摘んでトコトコとついてくる形を言いたかったんだと思うが…… まぁ早苗が喜んでいるのでそれでいい。

 俺はこの形を保ったまま、早苗に本屋まで案内された。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

 二十分ほど歩いた後、ようやく本屋に到着する。道が分からない以上どれほどで着くのかは分からなかったが、これは早いほうなのだろうか。目の前にあるのはかなり大きい本屋なので、もしかしたら早苗は近くにあった小さい本屋はスルーしてここまで案内してくれたのかもしれない。

 

「……中も広いな」

「ここら辺にある本屋の中でもかなり広いんですよ!」

 

 中に入ってもやはり広い。よくこれだけ置く本があるものだ。もっともパチュリーの住む大図書館は、ここよりも更に広くてここよりも更に本があるが。

 今回ここに来た目的は、パチュリーの大図書館にも置いてない本である。小説なども気になるが、まずは漫画のコーナーに足を運ぼう。

 

「真さんって漫画好きなんですか?」

「ああ。別の世界が描かれてるのが面白い。それで、漫画が一番手軽に読める」

 

 俺の隣についてきた早苗の問いに、恥ずかしがること無く普通に答える。この歳で漫画が好きだと言うのは恥ずかしいかもしれないが、前世から今の間までずっと漫画は好きだった。好きなことを好きだと言うことに恥ずかしいことなんて無いだろう。

 幻想郷には漫画の文化は無く、語れる相手がほとんどいない。唯一輝夜とだけ漫画の話ができるのだが、今こうして別の相手と漫画の話ができるのは正直とても嬉しかった。仮に早苗が漫画を読まない人だとしても、漫画という文化を知っているのがありがたいのである。

 

「へー……そういう考え方もあるんですね。ただ面白いからとか格好いいからだけじゃないのかぁ…… そうだ真さん! それならロボットはどうですか!? ロボットもジャンルの一つですし……」

「ロボット? 早苗はロボットが好きなのか?」

「はい!」

 

 早苗が目を輝かせながらそう答える。女の子がロボットを好きというのは珍しい……のかな? 格好いいものだから男の子の趣味だと思っていたが。

 俺はロボットものには詳しくないが…… せっかく早苗が楽しそうにしているのだから、ここで会話を終わらせるのは望ましくない。

 

「俺は……よく知らないんだが、確か俺と同じ名前の主人公がいる作品があったよな」

「詳しい!」

「よく知らないっつってんだろ」

「シンですね! あの世界では名前が先なので、確かに真さんと同じ名前です!」

 

 俺が心配するまでもなく、早苗は楽しそうに話している。自分が好きなものの話をするのは楽しいよな。あまり気の利いた反応はできないが、満足するまで話せばいい。

 

「……それでですね! いつかあんな巨大ロボに乗ってみたいっていうのが私の夢で…… はっ! す、すいません、つい熱く……」

「ん」

「へ、変ですよね……少し夢を見すぎというか……」

「別に。乗れるといいな」

 

 そう言って、少し照れてうつむいていた早苗の頭をポンポンと叩く。あ、しまった、そういえば早苗は頭に手を当てたら怒るんだよな。

 頭を叩くのが少し癖になっているのかもしれない。今後直すつもりは無いが、早苗相手には自重しよう。早苗が怒りだす前に、俺はさっさと手を引っ込めた。

 

「……」

「(……顔が赤くなってきた? 怒ったかな)」

「……なっ、長々と話してすみません! さあ、真さんが見たいのを見て回りましょうか!」

 

 どうやら怒りだす未来は回避できたようだ。気を取り直して、漫画をいろいろ見ていくことにする。

 

 置いてある漫画は、前世と全く同じだろうか。知ってる漫画もあるが、知らない漫画も置いてある。前世に存在した漫画を全て網羅しているわけでは無いので分からないが、発売した時期がズレてるような気も……

 

「あ、この漫画の主人公も俺と同じ名前なんだよな。漢字違うけど」

「へー……歴史ものですか?」

「そうそう」

 

 とはいえあまり気にはしないでおこう。知っている漫画が置いてあるならそれで十分だ。目についた漫画を手に取り早苗と話す。

 

 ……これは先ほど俺が考えた、子どもと大人の違いを言ってた漫画だな。主人公の名前がアリスと同じだ、とはいえ性別は異なるが。

 

 こっちにも主人公の名前がアリスと同じ漫画がある。こっちのは主人公が糸を使って闘う女の子だし、更にアリスとキャラが被るな。

 

 ……お、この漫画は輝夜に話したことのある漫画だ。外の世界に来たお土産として、輝夜に買って帰ろうか。

 

「真さんは渋いものを読みますね。それとか絵が特徴的というか……」

「絵が取っつきにくいかもしれないが、これは物凄く面白いぞ」

「えーと……うわ、四十三巻も出てる。時間が無いと読めませんね……」

「そうだな。 ……こういうの以外もいろいろ読むぞ、これとか」

「あ、知ってます。有名ですよねこれ」

 

 別の本を手に取り早苗に見せる。かなり有名な探偵漫画だ、おそらく子どもでも知っている。

 

「ヒロインの名前が藍……知り合いと同じなんだよな」

「さっきからアリスさんとか輝夜さんとかいろんな名前を出してますね。その藍さんって人は彼女ですか?」

「ふふ、違う。俺は彼女いない歴=年齢だ」

「……ほう!」

 

 早苗が少しだけ食いついてくる。女の子はいつの時代もそういう話が好き……でもないか。幻想郷の少女たちが恋愛的な話をしているのを見たことがない。

 

 ……それにしても、藍が彼女か。どうして早苗はそう思ったのだろう。 ……あ、主人公の名前が俺と似てるからかな。藍を互いに名前を呼び合ったら、「『らーん!』『真ー!』」って文字に書くとそれっぽい。俺、尻尾全部解放すると見た目は子ども頭脳は大人状態になるし。

 

「ねぇ真さん。私と同じ名前のキャラクターが出る漫画は無いんですか?」

「ん? えーと……この四コマ漫画とか」

「わ。かわいい女の子が沢山いますね。美術の漫画? どの子が早苗ちゃんですか?」

「作中に登場するデッサン用のマネキンの名前が早苗ちゃんだ」

「人じゃない!」

 

 早苗はリアクションが大きいから、話をしていて楽しいな。今は話をしっかり聞いてくれるし、適度に会話も振ってくる。そういう部分は評価が高い。

 

「せめてボールが友達の漫画に出てくる女の子くらいに……」

「早苗も結構、漫画知ってるな」

「ええ、まぁ」

 

 このあと結構早苗と漫画について話したが、結局漫画は買わなかった。元々買う気が無かったのもあるし、お土産として適当なものが思い付かなかったというのもある。外の文化で生まれた漫画なので、幻想郷でも伝わる作品が限られるのだ。

 

 本屋から出た俺と早苗は、少しだけ大きく伸びをする。外に出たため、肌を撫でる風が心地いい。

 

「……あー! 本屋なのに楽しかった! 真さん、他に行きたいところってありますか?」

「そうだな……道具でも服でも食べ物でもいいから、買い物に行きたい。お土産でも買っておこう」

「買い物ですか! いいですね! それじゃあいろんなお店を、片っ端から回っちゃいましょうか!」

 

 早苗に門限があるとしても、太陽はまだまだ昇っている最中だ。まだまだ時間は大量にあるので、神社に向かうのは遅くていい。

 本屋を後にした俺と早苗は、どこか別の店に向かって歩き出した。

 

 


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