装甲悪鬼紅魔-FullMetalDaemon Remilia- 作:武安国
素面で書くのとか無理ンゴ
しかし流れ的にまったく進んでないのにこんなに長くなっていいものなのか。
当然見直しとかめんどくさくてやってませんのでご容赦下さい。
飛ぶ。日の落ちた空を小さな身体に不釣合いな大きな翼で。
幻想卿では滅多にないこの殺気の元へと。
無論自分に向けられたものではないが、彼女は心躍っていた。
「こんなに殺そう殺そうと真っ直ぐな殺気ってここ何十年・・・もっとかしら?
本当に久しぶりね。欧州に居た頃はよく感じたものだけど、幻想卿に越してからはなかったものね。」
彼女は死と生を分かつ刹那に憧れに近いものを抱いていた。
元々生まれ育った欧州では割とひっきりなしに命知らずが訪れた。
そのほとんどが拍子抜けだったが・・・
あの妙な剣を使い人形のような少女を連れた男と、魔界の王などと驕る男は面白かった。
生まれて初めて死闘と言える闘争が出来たのだ。
結果は今彼女がここにいることがそういうことなのだろう。
あの二人との闘争は心地よかった。
特にあの吸血鬼…万全の状態であればと心からと願ったものだ。
まぁ万全でなかったらこそ彼女のような幼い吸血鬼の血を狙ってきたのだろうが。
「ただあの全身タイツだけはナンセンスね。
もう少しセンスを磨いてこなければ、レディは振り向かないわよ。」
…などと思い出に耽りながら独り言を言う。
彼女は500年以上の時をそんな闘争を楽しんできた。
幻想卿。そこに多くの妖怪が集まっている。
そんな話を聞いたとき彼女の敵はもういなかった。
ドーマ家が復興し、魔界で何やら騒動を起していたらしい。
そんなことが起こり、有数の有力者達はそちらに目がいってしまった。
かの者にとってはそれはとてもとても大事だったらしく、私達には目もくれず魔界に行ってしまった。
よく茶を飲みに来ていたアーンスランドのお嬢様もほとんど野次馬のような形ではあるが、そちらへ行ってしまった。
魔界のことなんぞは割とどうでもよかった彼女はとても退屈だった。
自ら魔界へ乗り込んで騒動の原因を叩き潰してもよかったが、その後が面倒だと思った。
そんなことをすれば無駄な責任が付きまとう。そんなのはごめんだ。
私は私の楽しみ方がある。魔界の覇権などはどうでもいい。ただ楽しく過ごしたいだけだ。
常に刃を首に当てられるようなスリルを。
だから幻想卿の話をとても有意義なものに感じた。魔界の王になるなんて面倒なものよりも。
これまで出会ったことのない有像無像がいるのだ。東方の神秘に包まれた強者が。
彼女は幻想卿、そこへ移住することを決めた新たな闘争を求めて。
…移住したはいいがやはり拍子抜けだった。
どの怪も腑抜けている。この結界の中で守られているような生き方をしてきたからか。
本気で私の首を取りに来るような者がいない。
彼女は心底がっかりした。これならば魔界にいけばよかったと。
…まぁ道中いい拾い物をしたので最悪といった評価にはならなかったが。
退屈した彼女は自ら異変を起した。幻想卿のルールを犯した異変だ。
こうすればもっと躍起になって私を倒しに来るだろうそう思ったのだ。
それは半分当たりだった。
博麗霊夢
彼女は今まで出会った何者よりも面白かった。
十代半ばであろう見た目からでは計り知れない身体能力、判断力、思考。
何よりも自由だった。博麗の巫女として縛られているものの自由だった。
そう彼女の顔を見た時からそう思わずには居られなかった。
彼女なら私が求めているモノをきっと見せてくれるに違いないそう思った。
結果彼女『レミリア』は敗北した。スペルカードルールといったものに順じてはいたが本気だった。
本気であったが本気ではなかった。彼女の敗因はこれだった。
もっと血で血を洗う様な戦いがしたかった。腕をもぎ、足をもぎ、腸を引き摺り出しながらも闘う。
そんな闘いがしたかったが、幻想卿が許さなかった。
己の身体のみで戦闘では何故か相手に致命傷を与えることはなかった。
代わりに幻想卿に住んでから、いつからか現れたスペルカード。
これを行使することによっての勝負が当たり前になっていた。
もちろんそらかの雑兵相手にはそれでも負けなかったが。
ただ自分が求めていたのはそうではない。
己と相手の身体が滅びる続ける闘いを求めてここに来たのだ。
スペルカード自体は悪くはなかった。
己の意思のような物がカードとなりそれを行使することによって容易にその能力を発現するのだ。
しかし何か違う。彼女は常々心のどこかで思っていた。
巫女により異変を解決され、その後は館で悠々自適に過ごしていた。ここ、幻想卿ではもう自分の求める闘争なないのだと半ば諦めつつ。
確かに悪くはなかった。
どうしようもなく抜けた門番、やたら私を実験台にしようとする魔女、気づけば隣にいて、気持ち悪いぐらいの笑顔を見せてくれる専属メイド。
そして少し気の触れた妹。なんだかんだで闘争無き日々も楽しかった。
けど、魔女の失敗によって転移されたこの世界。ここは面白そうだ。
血の匂いがそこ等中に漂っている。そう今まさに私の足下に。
…なんだろうな。己の求めるままただ殺し、殺されている。
「フフフ…悪くない…悪くないわよ。パチェには感謝しないとね。
こんな獣が溢れる世界に寄越してくれたなんて。」
そう呟き。空に浮かぶ物体を二つ見る。
一つは銀色に輝く星のようなモノ。
もう一つは血の涙を流したような紅いモノ。
レミリアは面白そうな玩具を見つけ口の端を吊り上げていた。
「あの親娘の運命…面白そうだわ。
紅い甲冑の彼。…フフフ。霊夢より魅力的かも。」
そう思い彼女はひとまず情報収集も兼ねて、暖かく見守ろうと思った。