だが、今は安全が最優先と考えている。しかし、桜は大事な心を彼等に伝えようとしていた。
それは、決して独りでは無いという事を。
ではどうぞ。
桜の力を見た者達は驚きを隠せなかった。それは、少年の中に宿っていたジュエルシードの本当の名はメガシード。
そのロストロギアが今、桜のもう一つのリンカーコアとして入っていた。
「人は感情が高ぶると、異常なまでに力を出すことがある。僕が解放したV-MAXはオーバードライブの時にしか使えない。それでも、諦めてはいない」
今この時、少年の力が解き放たれた事によって分かった事。桜の言った言葉、どんな形で生まれても親は親だという事。プレシアがプロジェクトで生み出したにしてもフェイトはプレシアの娘という事だ。
「ルーティア、解放解除」
[はい。桜さん]
オーバードライブを解除して普通に戻る。
その後モニターは切られ、フェイトとアルフは寝室に案内された。実の親だと思っていた人からあんな言葉を言われた事に。少し落ち着く時間を作っても良いとリンディが判断した。だが、それ以外に少しだけ問題があった。
「桜君。本気で怒ってた。ユーノ君、桜君も独りぼっちなの?」
ユーノは頷く。
「桜はもっと前に家族を失ったんだって。それでも桜が頑張ってきた理由は母親との約束があったからみたいなんだ。」
なのはとユーノは桜について話していた。ユーノが話してくれたのは、桜の約束、母から受けた言葉を刻んだ事についてだった。なのはもその約束の事を思い出す。
「約束、確か前にジュエルシードを封印する前に泣きながら言ってたよね。お母さんと約束したって、確かその言葉が。」
誰かを守れる強い光を持ちなさい。
フェイトはその頃、アルフと話していた。
「フェイト、大丈夫かい?」
正直ショックを受けていた。だが、彼等の言葉に、少しずつ光を取り戻しつつあるが。
「・・・・うん」
まだ立ち直れなかった。
そこに。
コンコン・・・・・・
ノックが聞こえる。
「あたしがでるよ。」
フェイトは頷く。
アルフが扉に向かい、フェイトは考えていた。
(私は、造られたクローン、本当の娘ではない。だけど、なのはと空星は言ってくれた。人形なんかじゃないって。私を人間として見てくれた。そんな言葉がとても嬉しかった。)
アルフが。
「フェイト、高町と空星だよ?」
二人が来てくれた。
「フェイトちゃん、大丈夫?」
「・・・・・辛い?」
「うん、大丈夫とは言えない。正直言えば辛い。でも、二人が私の為に怒ってくれて、心配してくれて嬉しかった。ありがとう、なのは。空星。」
「名前、呼んでくれたね。フェイトちゃん。」
「苗字はいい、桜で構わないよ。それに僕等は君の友達になりたい。ダメかな?」
友達、つまり親しい関係になるという事だ。
「なりたい、なりたいけど、どうすれば良いのか分からない。」
だが、それはとても簡単だった。
「名前を呼んでくれただけで良いの。最初はね、名前をお互いに呼び合うの。だからフェイトちゃんは、なのはの友達だよ?」
フェイトは涙を流す。
「いい子だね・・・あんたたち・・・ありがとね・・・・・」
アルフも涙を流す。
「必ず助けようよ。君の家族を。」
三人は桜を見る。
一番辛い筈なのに、悲しい筈なのに、桜はまっすぐに見つめていた。独り、ただ独り、歩き続けている少年。その意味はとても難しく、とても簡単。
「フェイト・テスタロッサ、君に簡単な問題を出すよ。」
「簡単な問題?」
その内容は、凄くシンプルだった。
「君は今独りぼっちかい?」
「!?」
一番驚いた質問だった。
だが。
「独りじゃない、やっと分かったんだ。君に出会えて、なのはに出会えて、ようやく自分の中にある答えが見つかった気がする。ううん、見つけたんだ。だからもう迷わない。」
アルフも元気を取り戻す。
桜はまたヴァイオリンを取り出した。
「ヴァイオリン?」
そして、また彼は一つの歌を歌い出す。
「どんなときでも独りじゃないんだ。だから・・・・」
彼は何を伝えようとしている?アースラの中にいる人達にまで聴こえて来る言葉は何を意味するのか。
「これは、桜の」
「なんて優しい・・・・・」
「でも何処か悲しい」
「それでも勇気が溢れるような感じだね。」
(かつて、考えたことがあった。誰かのために犠牲になることに何の疑問も感じなかった。だけど、それは間違いなく自分の愚かさだ。それでも誰かを助けたいと想う心は失われていない。)
なのは達は感じた。決して独りでは無いのだと。だから前に進める。諦めない気持ちが更に強くなる。
歌を終えると。
「今日は休んで。明日行こう。」
そう告げ、部屋を出る前に。
「諦めないでね、自分の気持ちを、優しさを。希望を。」
そう伝えて部屋を出た。
そして独り、また彼は決意を固めた。
結構難しいですが、くじけず頑張ります。
では、よろしくお願い致します。