しかし、正体不明の何かを見た者達は次々とこう呟いた。
化け物、と。
はやての家に帰る前に大型生物や管理局の人間達のリンカーコアを集め続けているシグナム達なのだが、いつまでも時間はかけてはいられないといつも以上に無茶を重ねている。
「はあ・・・・・はあ・・・・・これで50ページ分だ・・・・まだ・・・・・集めないと・・・・アイゼン・・・・・」
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足を引きづっていても、大切な家族の為と諦めていないヴィータ。闇の書に集まったページは今だに300は足りていない為に今現在集まった合計ページは234。
つまり圧倒的に足りないのである。
「ヴィータ、今日はもう帰ろう、主が帰宅する時間だ。」
「分かった・・・・急ぐか・・・・」
体力が限界なのか、気を失っている。一日中ずっと集め回っていた為、疲労が押し寄せてきたのだ。シグナムはヴィータを抱え、はやての家に運ぶ。
「遅かったな、シグナム」
迎えてくれたのはザフィーラだった。
「ザフィーラか、すまないな。ヴィータが少々頑張りすぎたからな、ベッドに運んで来る。」
「シグナム、お帰り」
シャマルも迎えてくれた。
「しかしこのままでは間に合わないか、なんとかしなくては。」
「けれど、どうするの?また白い子達やあの謎に包まれた子供三人が来たら・・・・」
だが、守護騎士達の全員は一番疑問と不安が重なる。それはいきなり性格がガラッと変わったように戦い方も何もかも容赦無くぶつけたたった一人、シャマルから聞かされたのは二つのリンカーコアを宿しているという有り得ない事だった。
それがもし本当ならと本気で疑っていた、だが、真実は確信へと変わる出来事は確実にあのおかしな車みたいな物に乗っていた三人の姿。一人は変身まで使っていた為に更に戦いが辛くなると理解してしまう。
「だが、我々も疑問に感じた物が一つある。」
ザフィーラが話を始めた。
「ザフィーラ、疑問って?」
シャマルが聞いてみる。
「ああ、最近だが、妙に力が強い何かが管理局員を倒して回っているらしい。しかも無差別にだ。力だけを振り回すだけなら単純な戦いだが、リンカーコアを貰い受けた直後に呟いていたのだ。炎を纏った人間がいきなり襲い掛かって来た。とな」
「炎を纏った人間?」
その事に関して三人は考える。そこのに。
「ただいま!」
小さな女の子の声が玄関から聞こえた。その声にシグナムやシャマル、ザフィーラは急いで向かう。
「お帰りなさい、はやてちゃん。」
「お帰りなさいませ、我が主」
ザフィーラは変身魔法で狼の姿になり、出迎えた。
「うん、あれヴィータは?」
「ああ、ヴィータなら少々激しく遊んだみたいで疲れて眠っています。」
「そうなんか、まあしゃあないな。じゃあ夕飯作るから、それまでは寝かしておこ?」
「はい、あ、私手伝います。」
これが八神家の幸せな日常、安心で安全な生活。主の笑顔が見れると守護騎士達は皆笑う事ができる幸せな時間。
しかし、その幸せな時間とは裏腹にはやては皆にシャマルと買い物に行った出来事を伝えようとしていた。
「なあ、皆」
「はい、何でしょうか。」
はやては唐突に彼女達に。
「家族いないってどんな気持ちか分かる?」
こんなことを喋った。
「家族がいない、ですか。」
シグナム達は主がそんなことを言った事など今まで無かったので、どう反応すれば良いのか分からなかった。しかし、シャマルも聞いてくる。
「はやてちゃん、家族が傍にいないと言っていたあの子が心配なんですね?」
ザフィーラがそれを問いだしてくる。
「家族が傍にいない?それにあの子とは?」
「この前な?シャマルと買い物に向かったんやけど、一人の男の子に出会ってな?その子にシャマルが家族おるんか?言うて聞いてもうたんや。プライベートやからダメや言うたその瞬間にな?言われたんや、家族がおらんって。」
シグナムでさえも疑問になる。この世界にまだそんな子供がいるのかと、しかしながらあの謎に包まれた三人の中で一番悲しみを抱いていたのだと言うと、全員だと言いきれるかもしれない。
「主その男の子の名前は分かりますか?」
「うん、ちゃんと教えてくれたで?名前は空星 桜君言うんや。あ、夕飯出来たからヴィータ起こしに行って貰える?」
シグナムやザフィーラは驚かされた。はやてが出会っていた男の子、それがまさか敵対していた存在の少年だったのは。
ヴィータも起きてきて、夕飯が終わった頃、三人はシャマルに詰め寄った、特にシグナムが。
「シャマル答えろ、奴は何故主に近寄った?奴は管理局の仲間何だろう?なのに何故お前がいながら・・・・・」
シャマルは、
「順番に話すから。近づいてきたんじゃなくて偶然会っただけなの。その桜君っていう子もただ食材買い足しに来ていただけ。理由も聞いてみたけど彼は管理局の人間じゃない。あの時私達が襲った白い子達の友達だからあの時は助けに入ったって言っていたの。しかも彼は最初私達を倒すような目はしていなかった。更に言うわね?話をかけたのははやてちゃんからなの。」
ヴィータはそう簡単には信じなかった。だが、はやては心配や危ない人を簡単に放っては置けない人間だというのは知っているため、納得はしていた。
「だがよ、なんでそいつをはやては心配するんだ?いまいち理解できねえ」
その理由は簡単だった。
「シグナム。彼は小さい頃に家族を失っているの。そして、この海鳴市じゃないみたいだけど、別の場所で彼は様々な大人達から罵声や暴力、イジメを幼いながらにして受け続けた。」
ザフィーラは理解した。
「なんて酷い事を。」
「それでも彼は諦めていない目をしていた。はやてちゃんは次に会ったら友達になるんだって言ってた。」
シグナムは考えた。だったらどうして奴らと一緒にいるのかと、そこまでされていたのなら誰も信じられない筈なのだと思っていた。
その直後、四人のデバイスが街に反応があると伝えられた。
「話は後だ、行くぞ!」
「わかったわ。」
「はやて、待ってろよ?必ず助けるからね」
「主、お許し下さい。」
四人は街に出向き、結界を張り巡らすが、その光景には異様な者が目に写っていた。
「や、やめろ!来るな!」
「フン!!!」
「撃て!!!」
魔力を放っても効いた試しが無く、
「弱い弱すぎる!ファイヤーストーム!!!」
炎がたちまち燃え上がり、管理局員は重傷を負わされる。
最後に残った管理局員は逃げようとするが、頭を捕まれ。
「せっかく蘇ったんだ、もっと楽しませろよ!アッパースマッシュ!」
有り得もしない格闘はその管理局員を殴り飛ばし気絶させる。
「後ろの奴ら高見の見物してねえで相手しろよ。ならこんな姿してたら失礼だろうからな、退屈だったんだよ。人間の姿でいるのはな!お前らになら本気の姿晒しても文句はねえ!見せてやるぜ!!ウオオオオオオオオ!!!!!!」
「ば、馬鹿な!?」
「あんなの見たことねえぞ!」
「まさか、管理局の奴らを倒していた奴は」
紛れも無くその通りだった。
身体はみるみる燃え上がり、顔が人間とは思えない程に鉄の兜が着いたようなゴツく、腕も爪が目立つような拳が握りしめられる。周りが一瞬にして灰になりかける。
その化け物は四人を見据え立ちはだかった。
「さあ、殺し合いといこうじゃねえか!炎復活、雑魚の人間を葬り去るこのイフリートが貴様らを燃やしてやるぜ!!!!」
そう、そいつの名はイフリート。
かつて人間を苦しめ、かつてとある国の王に化け、魔女という存在を消そうとし、炎を操りて弱き命を危めてきた怪物。
守護騎士達は冷や汗ながらも対峙する。
「やるぞ、あんな奴がいたらはやてが殺されちまう。」
「皆気をつけて。」
いつもはこんなことはしなかった、だが、関係のない命を見過ごす事をシグナム達はしなかった。
「一般人に被害を及ぼす訳には行かん。これは主の為だ!」
結界内。燃え上がる地にて、四人と化け物の戦いが始まろうとしていた。
文が長くなってしまいすみません。
はい、今回は守護騎士達をメインにしました。
そして敵はミンストレルソングに出て来た強敵の一つを出させて頂きました。
では次もよろしくお願い致します。