その道を行かせる事をさせない桜と蒼臥。
今、答を探し、自分がいる本当の意味を見つける。
更に、聖の中にある正義と光は彼自身の形を描きはじめる。
彼だけのアルカイザーが変わる、新たなる力と存在。
グランシャリオは目覚める。
本当の主と共に。
挿入歌
デジモンテイマーズより
~One Vision~
どうぞ。
一人の少女に打ち明けた真実から己の意味をようやく分かり始めた少年は敵の前に立つ。
「いくぞシュウザー!!!」
「雑魚が意気がるんじゃねえ!!!」
二つの力がぶつかる。
その波動はその場にいた全員や遠くにいた守護騎士達にまで感じさせ、今までに無い戦いが幕をあけた。
「シュウザー様!!!」
援護に行こうとする配下達だが。
「「ファイアーウォール!!!」」
炎の壁を唱え、行かせる事をさせない二人はそれぞれの武器を構える。
「お前達、相手を間違えるな。」
「今、聖の邪魔をするのなら。全力で阻止します!」
今の二人はたった一人のために全開の力を解放する。
そして、だからこそ、出し惜しみは無い。
なのは達はこの時、その二人の力を改めて見ることになる。蒼臥は一度使用している、命を削りし諸刃の秘術。
「「己が命を削りて 我に力を貸せ!」」
龍の魂が彼等に宿る。
「命を削る?何をする気なの!蒼臥!桜!」
「どうしてそこまでするの!意味が分からないよ!」
何故二人がそこまでするのか、それはとても簡単で、難しくもあった。
「聖が今、自分と向き合おうとしているのに、その道を阻もうとする者達がいる。だから許せないんです。」
蒼臥は槍を構える。
「自分の選んだ場所に何があるのか、探すために聖は奴を一人で相手する。どんな些細でも決めた意思を邪魔させるわけにはいかない。」
メガビームソードを構え。
「邪魔だお前ら!!!!」
配下達は一斉に襲いかかって来るが。
「お前達の方が邪魔だ!」
「聖の所には絶対行かせない!」
発動。
「「龍・神・降・臨!!!!!」」
どんなことがあってもその人の意思を尊重し、進み続けるというのなら絶対に守る二人。
(ありがとう。桜、蒼臥。)
「天地二段!」
強力な一撃目を振り下ろし、二段目で薙ぎ払う技だが、シュウザーは改造人間の為、普通の剣技では通じなかった。
「はん!甘いんだよ!貴様を見てると本気で奴の姿を思い出す!重なるんだよ!!!いつもいつも邪魔ばかりしやがって!!!」
聖は捕まれる。
「ぐっ!俺はあのヒーローじゃない
、ましてや今の自分には程遠い存在だけどな、それでも人は前を向かなければならないんだ!」
捕まれていても何とか解こうとするが、やはり体格差はあり、力はシュウザーの方が上だった。
「威勢だけは良いな?だが俺と戦うには早すぎたようだな!」
そのまま握り強められ、身体の骨に違和感が走る。
「ぐっ!?ああああああああああああ!!!!」
ミシミシっ、と今にも握り潰されそうになっている聖。しかしそれを助けようとする仲間達、特にクロノは彼の姿を見ている中、また人を救わないのかと考えていた。
だが、
「全員あの戦いに手を出すな!!!」
「自分の答を探す為の戦いを見守って下さい!」
二人の言葉に動きを止める皆だが。
「あんた達!気でも狂ったのかい!?」
「剣糯を死なせても良いのか!このままじゃ確実に!・・・・・・」
だが、その言葉には。
「二人の・・・・言うとおりだ・・・・手を・・・・出すな!」
苦しめられていても、なのは達に伝える少年。
「聖君!」
「剣糯!」
「俺は弱かった・・・・・何で弱かったか・・・・それは皆から・・・・自分から逃げたんだ・・・・力という欲望に・・・」
伝えられた言葉。彼は続けた。
「皆といる度に・・・・自分の力の方向性を考えた・・・・だけど・・・・ただ振り回してるだけで・・・・周りを全く考えてなくて・・・・・見つめ直さなかった・・・・・なのは達に・・・・桜達に甘えて・・・・逃げていた・・・・」
正直な言葉を伝える聖は涙を流していた。嘘を嫌う半面、どうしても今の自分を伝えたかった。だが、その涙は。
「だけど!!!」
捕まれた腕を無理矢理こじ開け、
「強撃!」
剣に力を込めてシュウザーの腕を壊す。
「くそ!何処にそんな力が!」
そして、
「勇気だけじゃ届かないんだ、自分が見つけたい本当の自分を。だからこそ探しているんだ!受け継いだ力の意味を!どうしてその力を望んだのかを!」
聖のデイブレードが光始める。
「相棒に気付かされた、何の為に戦っているのか、何の為に守っているのか。もう逃げない、逃げたくない!弱い己を認めようとしなきゃ、誰も信じることのなんて・・・・」
握った拳を自分の胸に。
「出来るわけ無いだろうが!!!!!」
その言葉は、
[聖様、今参ります!]
大切なものにしっかりと伝わる。
「シャリオ!!!!」
デバイスがワープしてきた。
更に、聖の力が輝きを強める。
「ま、眩しい!?」
「何だ!?貴様の何がそこまで強める!!!」
「強めるんじゃ無い、強くなるために前を向いてるだけだ。言った筈だヒーローの一人だって、ようやく分かったんだ。」
構えたその姿。しかし、アルカイザーでは無い何かが過ぎる。
聖なる光はどんな闇でも打ち破る力を持っている。
「変身!!!!!」
グランシャリオは聖の行く道を傍で守る為、答を見つけた強き魂と共にいる。少年が願ったヒーローはいつまでも優しさと勇気を忘れない事。
「光を経て 己が魂を勇気と共に姿を現す」
[光の戦士よ!今ここに示せ!]
まばゆいその光はようやく見せたその姿に、
「聖!」
「進め!」
「シャイニング!!!カイザー!!!!!」
新たな姿、光という光を信じる為に今変わり始める。
「ば、馬鹿な!!!アルカイザーの他にいたというのか!?」
[聖様・・・・お待ちしておりました]
「ああ、随分待たせた、シャリオ。ウェポンオーバードライブ、カートリッジロード!!!」
全員が驚きを隠せない。
「蒼臥、桜。グランシャリオって翻訳したら何なのか、分かるか?」
輝き出した七つの色が彼等二人の記憶から思い出させた。
「まさか!」
「そうか、だから」
シュウザー目掛けて突撃する聖。
グランシャリオの形が剣へと変化する。
そう。だから聖はグランシャリオと名を与えたのだ。どうしてその名を選んだのか、シリーズに別れているのだが、聖が持った剣はロマンシングサガ3にあった剣なのだ。
「スターバースト!!!」
星の力宿りし解放された空の贈り物。
「グランシャリオ、意味は七星剣。」
現実でもその七星剣という物は存在する。だが、聖が受けた七星剣は絶対に諦める事を知らない。迷いの無い力。
「これで終わりだシュウザー!!!」
光の翼が彼を羽ばたかせる。グランシャリオと一緒に構えた強き力は誰にも負けない勇気を届ける。
アリシアとプレシアはモニターから見ていたが、アリシアは叫んだ。
少年の背中優しく押すように。
「聖君!いっけえええええええ!!!!!」
シュウザーは驚かされた。
あの時、アルカイザーに敗れたあの瞬間から自分がどれだけの憎しみで動いてきたか。だがどれも敵わなかった。アルカイザーにも、今の彼にも。
「必殺!!!シャイニング!!!!」
まっすぐ向かって来る。
悔やみ叫んだその姿を見た聖、だが彼は止まらない。
聖なる光は闇を屠る力となる。
「フェニィィィィィックス!!!!!」
シュウザーはまた光に、ヒーローに敗れた。
「ブラッククロス様・・・申し訳ありません・・・・・また私は・・・・・」
光の粒子となってシュウザーはまた消える。
「未来を見つけよう。自分一人だけじゃなくて。皆と一緒に。グランシャリオ」
[はい。]
「俺を、許してくれるか」
笑顔になりながらそう伝える。
[私は、貴方のパートナーです。もう離れません。]
黙って頷いた聖だが、泣いていた。
その姿に、
肩を叩く二人。
少年を支える仲間達。
「これからも、よろしくな?皆」
戻る前に伝えた言葉に頷くなのは達。
アースラに待っているアリシアとプレシアは彼の表情を見て安心していた。
やっと答えが見つかったのだと。
守護騎士達も見守っていた。
聖の真っすぐな瞳を。だからこそ、次はぶつからねばならないと考えた。
時間はもう、刻々と迫っていることを。
はい、三十四話、終えました。
次回、何が起きるかはお楽しみで。
それでは次回もよろしくお願い致します。