歌が力に!?俺の歌を聴けー!!   作:小此木

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第10話

 

 

 

「クソッ、何で空の敵がこうも多いんだよ!!」

「愚痴は後で好きなだけ言え!だが、お前に頼らなければならないのも事実!!」

「ごめんねクリスちゃん!!」

「謝るなら、対空戦の一つでも覚えやがれ!!ってか、バサラはこんな時何してんだぁー!!」

 

数多の空飛ぶノイズを相手にする翼、響、クリスの三人。敵の目的であろう『カ・ディンギル』と云う塔を捜索している途中、突如現れた超大型飛行ノイズ4体とノイズの集団。そして、彼女達が敵ノイズに向かう中『東京スカイタワー』が『カ・ディンギル』ではないかと予測が立てられたのだった。そして、ノイズを倒すため三人は出動したがバサラと奏は

 

「・・・何で俺ら捕まってんだ?」

「いや、私が聞きたいよ...寝て起きたらこの状態になってたんだぜ?」

「そっちもか...」

 

敵の捕虜として何処かの施設の一室で椅子に括り付けられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ、二人と連絡が付かないのか!!」

 

司令が気になっているのは、カ・ディンギルの捜索と並行していたバサラと奏、二人の捜索。

 

「住んでるマンション、近隣のレコーディング施設も探しましたが見つかりません!!」

「ケータイは!?」

「先ほど、マンションの部屋で手つかずのまま充電中の二人の端末を発見!!争った形跡も見当たりません!お、恐らく寝ている隙を付いて拉致されたと考えられます!!」

「な、なにぃー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそ、私の研究施設へ。」

 

二人が捕まっている施設へ一人の女性の声が響いた。

 

「ようこそってアンタが拉致って来たんじゃねえか!ってか、あのマンションの警備をどうやって掻い潜って俺らを此処に連れだしたんだ?」

「何、簡単な事よ。()()に入って()()に出て来たわ。」

「普通にって...チィ、やっぱりアンタだったか金髪の姉ちゃん。フィーネさんよぅ!!」

 

現れたのは、以前バサラ達の前に現れたノイズを操っていた金髪の女性フィーネ。以前と同じように白いワンピースを纏い、ノイズを操る杖も持っていた。

 

「あらあら、随分嫌われたようね。私はバサラ君の()の大ファンなのに...」

「そりゃ、嬉しい事だな。で、俺らを攫って何がしたいんだ?」

「ま、只の時間稼ぎよ。」

 

あっけらかんと答えるフィーネ。

 

「あり?そんだけ?私ら攫って、拷問して何か聞き出すんじゃねぇのか?」

「天羽、奏ちゃん。貴女の事は調べさせてもらったわ。歌手『ツヴァイウイング』の一人。でも本当は、薬の投与で後天的に『シンフォギア』を纏えるようになった防人。」

「な、何!?」

 

奏が驚くのも無理はない。シンフォギアは政府の中でも一部の者しか知らない極秘のモノ。そして、それを後天的とは言え纏えるようになった事実など知っている者はそれよりも少ないからだ。

 

「そして、二年前の時、私の予想外の事態で死んでしまいそうになった事。...ごめんね(小声)」

「お、お前があの時の首謀者だったのか!!ぶっ倒して「動かないで!!」...ハッ、関係ないね!!私もバサラも弦十郎の旦那に鍛えて貰ってんだ!!こんなロープへでもないね!!」

「そんな事は百も承知よ。でも、これを見てもそう言えるかしら?」

 

フィーネは持っていた何かのリモコンのスイッチを押した。

 

「う、嘘だろ...」

「チィ、動いたらソコにまたノイズを出現させるってか!?」

「そう、そこを動けばノイズ達をあの場所へもっと送ってあげる!!」

 

そこに映っていたのは、空飛ぶ大型ノイズや陸上型のノイズ達と戦う翼達が映っていた。

 

「それと、君が言っていた()()()()って何の事かしら?私はそれなりに様々な知識や情報を集めてるのだけど、そんな()()どんな文献にも記していなかったわ。」

「(少しでも時間を稼いであの"杖"を奪わないと...)そりゃ、そうだ。遠い()()の出来事。プロトカルチャーが生み出した巨人の人工生命体ゼントラーディとメルトランディ。そして、銀河系を巻き込んだ宇宙規模の戦争。プロトカルチャーの滅亡。第一次星間大戦。まだまだありますよ。どこから聞きたいです?」

「じゃあ、プロトカルチャーから...」

 

それからバサラは隙を作る為様々な話をした。

 

「・・・ま、一応こんな所か?」

「そ、壮大な話だな...」

「プロトカルチャー、銀河系の一大星間国家...知らない、知らないわ!そんな文明!!そんな科学!!」

 

感情があらわになった!今だ!!

 

「隙あり!!」

「隙なんてねぇよ!!」

 

マジか!?

 

「グゥ!!」

「バサラ!?」

 

バサラはフィーネの隙を付いたつもりだったが、それはフィーネがワザと作ったもの。そこに話し中ロープを抜け出し"杖"を奪おうとしたが、フィーネの蹴りを逆に喰らってしまった。

 

クソッ、ワザと隙を作ったな!!

 

「バサラ!お前にはもっと話してもらう事がある!!」

「ヘッ、何熱くなってんだ?今までの話は全部アンタの隙を作るための"作り話"だよ!!」

「チィ、ガキが調子に...」

 

掛かった!!

 

「悪りぃがこの"杖"は貰った!!」

 

フィーネとバサラが言い合いをしている隙を付き、奏が杖を奪ったのだ。この作戦は二段階。バサラがダメだったら奏がという風に見えないよう手でサインを送っていたのだ。

 

「チィ、でも当初の目的通り()()()()は出来たみたい。」

「な、何!?」

「画面を見てみなさい。」

「バ、バサラ!翼達が!!」

 

バサラが画面を見たがそこには...

 

「翼さん!響ちゃん!!クリスちゃん!!」

 

シンフォギアを纏った三人がノイズ達に追い詰められている光景だった。

 

「そう、本当に私は貴方を...彼女達を()()できる赤城バサラを此処に留めるのが目的。それに、さっきの話は()()の話よね。所々感情移入する場面や事細かな戦闘の描写、そして科学や文明の数々。作ったにしては出来すぎている。どうやってソレを知ったか本当に知りたいわね。」

「・・・俺が」

「ど、どうしたバサラ?」

「俺が、もっと上手く歌えたなら...」

「バサラ君?」

 

そうだ、俺がもっと上手く()()()()()の様に歌えたなら!もっと早く()()()()()の歌を歌っていればこんなことにはならなかったのに!!

 

「そうだ!俺がもっと上手く()()()()()の様に歌えたなら!こんなことにはならなかった!!」

「バ、バサラ!?」

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!今は歌なんて歌ってられるか!!フィーネをぶっ倒して!翼さん達に加勢に行く!!」

「私に勝てると思っているの?」

「やってみないと分かんねぇだろうが!喰らえ!!」

 

バサラは大きく拳を振りかぶりフィーネへ襲い掛かった。司令との修行のお陰か無意識に震脚を使って一瞬のうちに距離を縮めた。

 

「(早い!?けど、対処はできる)当たってやるとでも...「ウグッ!!」な、何してるのアナタ!?」

 

が、突然奏が間に入りバサラの拳を両腕使って止めた。しかし、咄嗟に動いたため、勢いは殺しきれず腹部に少しパンチを喰らってしまっている。

 

「か、奏さん...」

「オイ、テメェ!今、何んつった?『歌を歌ってられるか』だぁ!?ふざけんなテメェ!!」

「・・・」

「何に負い目を感じているか知らねぇが、テメェは『歌う』んだろが!!私に歌ったみたいに歌うんだろうが!!」

「だけど!()()()()()みたいに歌え「んな事は知らねぇ!!」...」

「テメェは熱気バサラって奴じゃねぇ!()()()()()だ!!歌バカで私や翼達を『歌』で癒すことが出来る、年上で、後輩の()()()()()なんだよ!!」

「・・・奏さん。」

「フィーネは私が引き受ける!!テメェはあいつ等の所に行って歌えぇぇぇ!!」

 

・・・俺は何してるんだ?熱気バサラに憧れて、ギター弾いて、歌って...でも、俺は()()()()()じゃねぇ!そう!そうだ!!

 

「俺は()()()()()ニ十歳!!好きな歌は『突撃ラブハート』好きな歌手は熱気バサラ!!そう、俺は熱気バサラじゃない!!赤城バサラだ!!うぉぉぉぉぉぉ!!俺の歌を聴けぇぇ!!アァァァァァァァアァァァァァー!!『HOLY LONELY LIGHT』!!」

「ヘッ、それでこそバサラだ!行くぜフィーネ!!元防人を見くびるんじゃねぇぜ!!」

「・・・」

 




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