歌が力に!?俺の歌を聴けー!!   作:小此木

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第12話

 

 

 

『うぉぉぉぉぉぉぉ!!俺の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!TRY AGAIN!!』

 

プロトデビルンの男に投げてもらい、その後バックパックを使ってカ・ディンギルの射線上に辿り付き歌いだしたバサラ。

 

「ば、馬鹿野郎!!私達の"絶唱"じゃねぇと対抗できるか!!」

「バサラ早くそこから逃げろ!!」

「バサラさん逃げて下さい死んじゃいます!!」

「ハッ、お前の『歌エネルギー』でもデュランダルで増幅され月をも穿つエネルギー、押し返せるものか!!」

 

は?何言ってんだ皆?

 

『エネルギーが何だとか、月を穿つとか、んなもん関係ねぇ!!此処にいる奴全員に()()()を聴かせるだけだぁ!!_________!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、嘘だろ...」

「こ、こんな事が・・・」

「す、凄いです!!」

「こんな事があってたまるかー!!」

 

驚く事にバサラの歌はカ・ディンギルの砲撃を止め...イヤ、止めるどころの騒ぎじゃない。徐々に押し返している。

 

漸く、漸くこの()を歌う決心が付いた。本当はこの歌は死ぬまで歌うつもりは全くなかった。でも...だけど!!

 

「やっぱ、この()()()()はこの()じゃねぇと伝わんねぇぜ!!」

 

奏さんに発破掛けられてやっと気付けた・・・俺は熱気バサラじゃねぇ!赤城バサラだ!!熱気バサラが好きな一人の人間なんだって...

 

 

 

 

 

 

 

<ボン!!>

 

「ん?なんか不吉な音が...げぇ!?バックパック燃えてんじゃん!?」

 

バサラの歌とカ・ディンギルの砲撃の威力に耐えられなかったバックパックは炎を上げ、みるみるうちに高度を下げている。

 

「ま、まだだ!!まだ落ちんじゃねぇ!!俺はまだ歌い切ってねぇんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

バサラが叫ぶが一向に降下が止まる気配はない。

 

「俺はまだ諦めちゃい『バサラ君!!』な、何だ千葉さん!!今、絶賛落下中ぅ!!」

『それは復活したモニターで確認してるよ。だから!前言われて製作していた例の装置を君に届けるよ!!』

「ああ、それならバックパックも付いてるから問題ねぇけど...今俺は、でっかい砲撃のど真ん中だぜ!!誰に持ってこさせるんだよ!!」

『...アハハ、その点も問題ないよ。そろそろ、そちらに着くころだから。』

 

だ、誰が来るんだよ!?って、そんな事は後だ!!この高度を保ちながら歌い続ける!!

 

「うぉぉぉぉ!!俺の歌を『私の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』セリフ取られたぁ!?」

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

「ヘッ、一人だけいいカッコ付けさせるかよ!!千葉のオッサンから無理やりぶん取った()()。私でも扱えて助かったぜ!それに、プロトデビルンって男も気が利くじゃねぇか。知らなかったとは言え、基地の近くに降ろしてくれるなんてな!!おぉっと、そろそろ私の新ステージの開演だ!!『私の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』」

 

バサラが徐々に降下しているより上空から女の声が聞こえてくる。

 

「こ、この声は!?」

「う、上から聞こえてきます!!」

「オイオイ、ここの先輩方は飛ぶのが趣味なのか!?」

 

その声に困惑する翼と響。クリスに至っては、声のする方向を見て呆れながら叫んでいる。

 

「何故、何故だ!!お前たちが居るソコは、高エネルギーの渦巻く死地だぞ!!何故そんなところで歌ってられる!?」

『は?死地?笑わせてくれるぜ!!俺は()()()()の事は何度も経験してんだよ!!それに!!』

『今此処は、私達"ファイヤーボンバー"のライブ会場だ!!御託並べるより私達の歌を聴いてけぇぇぇぇぇ!!バサラ受け取れぇぇ!!』

 

彼女がバサラに投げたのは新型バックパック。

 

『助かったぜ()さん!!』

『もう"さん"はいらねぇぜ!!なんたって同じグループの相棒だろ?バサラ!!』

『あ、ああ!!じゃあ、()()()で行くぜ奏!!』

『任せろ!!』

 

新型バックパックを千葉研究員からパク...受け取り届けたのは天羽奏。ファイヤーボンバーの新人女性ボーカルだ。

 

『さあ!"サウンドブースター"の初お披露目だ!!』

『『俺(私)の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!アァァァァァァァアァァァァァー!!HOLY LONELY LIGHT!!』』

 

新型バックパックの名前はサウンドブースター。その名の通り『歌エネルギー』を増幅する為の装置である。歌の持つ波動を高出力エネルギーに変換する本場Dr.千葉の『歌エネルギー変換システム』を採用し、歌エネルギーが1,000未満の者には起動できない使用になっている。

 

「か、奏が遠い存在に...」

「流石(?)先輩!!そこに痺れるぅ!憧れるぅ!!です!!」

「此処の司令は常識をかなぐり捨ててるし、馬鹿は馴れ馴れしいし、先輩は上から目線だし、バサラは良いヤツだし(小声)...でも、奏さんよぅそりゃ無いぜ!?(畜生!奏にバサラの隣、先越されちまった!!)」

 

奏から受け取ったサウンドブースターを装着し、初めてデュエットで歌っているバサラ。

 

「な、何故だ!奏の『歌エネルギー』量では起動すら出来ないはず!?...まさか、バサラの歌治療がこんな所にも影響を!?」

 

そう、バサラが行った歌治療により声が回復した奏は、今では『10,000千葉ソング』を叩き出すアニマスピリチアとなっていた。

 

「チィ、いい気になるなよガキ共が!!」

『んな事知ったこっちゃねぇ!!とっとと攻撃を止めて俺達の歌を聴きやがれってんだ!!』

「減らず口を...」

 

バサラの言葉を無視し、翼達を攻撃する手を止めないフィーネ。

 

「クソッ!バサラ達の歌のお陰で、辛うじてカ・ディンギルの攻撃を防いでいるけどこのままじゃジリ貧だ!!」

「分かっている!分かっているが、私達はフィーネを此処に留める事しかできない!!」

「三対一なのに、了子さん強すぎですよ!!」

 

クリスの砲撃の雨をネフシュタンの鎧の鞭で相殺。隙をついて翼が切りかかるが、今まで翼らシンフォギア装者を研究してきたデータを元に巧みな体捌きで攻撃を躱し蹴りや掌底を入れている。真っ直ぐで迷いの無い響の拳は二人の作った隙で的確に当たるが、バサラ達の歌とネフシュタンの鎧を取り込んだフィーネには効かない。

幸か不幸かバサラ達が歌っている為、双方傷を負っても直ぐに治ってしまう。だが、歌っているバサラと奏の二人は本人達は気付いていないが、徐々に精神的に疲れていっている。それに、バックパックが新しくなったとしても、二人の『歌』には無機物を癒す効果は無く、このままの状態が続けば墜落は免れない。

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

「クソッ、我々は黙ってみているしか出来ないのか!!」

 

彼らの上司たる風鳴弦十郎は、治療されながらそう吐き捨てた。

 

「司令・・・ッ!?し、司令!!カ・ディンギル近辺に謎の人型兵器を確認!!」

 

翼達が戦っている後方からのモニターに映った人型兵器。

 

「このタイミングで!?」

「ひ、人型兵器が...カ、カ・ディンギルに狙いを定めて自身より大きいバズーカを構えています!!」

「何としてでも止めろ!!全周波数の無線で攻撃中止を呼びかけ続けるんだ!!」

「間に合いません!!既に発射体制に入っています!!」

「南無三!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼達が戦っている後方に突如現れた()()人型兵器。そして、翼達が戦っている戦場にその攻撃は無慈悲に放たれた。

 

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