歌が力に!?俺の歌を聴けー!!   作:小此木

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Sheeena様誤字報告ありがとうございました。


第5話

 

 

 

「さて、二人に集まっていただいたのは私が新たに発見した理論。『サウンドエナジー理論』を聞いてもらう為です!!」

 

特異災害対策機動部二課の研究員『千葉』は司令と櫻井博士を自分の研究室に招いた。

 

「さて、このサウンドエナジー理論には『歌エネルギー』を説明しなければなりません。」

「歌?」

「エネルギーとは、何かね。千葉研究員?」

 

すかさず櫻井、司令が質問を千葉に投げかけた。

 

「私が独自に研究していた『歌の持つ波動』が動植物に与える効果の事を『歌エネルギー』と呼んでいます。これは、シンフォギアを起動する『歌』ではなく、ブドウや野菜に聞かせて育ちを良くさせる音楽や歌の事です。」

「ん?何故、そんなものの説明を私達にするのですか?」

 

『私不機嫌です』と言っている様に櫻井は千葉へそうぶっきら棒に返した。

 

「まてまて、櫻井君。疑問は千葉君の説明を聞いてからにしよう。」

「・・・分かりました。(くだらないモノだったら、とっととこの男を難癖付けて退職させましょう。はぁ、この無駄な時間のせいで少し私の計画が遅くなってしまうわ...)」

 

櫻井が心の中で愚痴っているのを他所に、千葉は自分の発見したエネルギーを説明していく。

 

「では、改めて。『歌エネルギー』を研究していた私はある()()の歌から膨大な歌エネルギーを観測しました!!」

「はぁ、()()()シンフォギアの装者でしょう?そんな分かり「全く違います!!」きった...え?えぇ!?」

「・・・それは誰だね。それと、彼女達の"歌エネルギー"は大きなモノではないのかね?」

 

櫻井の予想は外れ、それに疑問を持った司令が質問をする。

 

「まず、歌エネルギーの単位を仮に『千葉ソング』とします。ここの一般研究員の歌を測定し平均で『100千葉ソング』でした。そして、歌の上手い研究員で『500千葉ソング』。彼女達シンフォギア装者は平均『900千葉ソング』です。」

「ち、千葉ソングって...まぁ、いいわ。装者の彼女達の数値はそれ程低くはないと思うのだけれど?」

「フッフッフ、櫻井博士、甘いですよ。」

「そう、勿体ぶらずに私達に教えてくれないか?」

「ゴホン、では。以前、ツヴァイウィングのコンサートが襲われ奏さんが負傷した事を覚えていますか?」

「・・・ああ。」

「ええ...」

 

司令と櫻井は苦虫を噛み潰したような顔で答えた。

 

「...済みません。不謹慎でした。あの日私は、シンフォギア装者の歌エネルギー観測を行っていました。そして、出会ったんです!()に!!」

「「まさか!?」」

「そうです!()赤城(あかぎ)バサラ君です!!彼の数値は飛び抜けて高いです!!それもなんと『3,000千葉ソング』!!」

「「さ、3,000千葉ソング(ですって)!?」

 

一般人が100。装者が900。1,000でも驚く数値だが、それを超えるバサラの歌。

 

「そして、今日彼に()()()()()()()()()を用意しています!!」

「スペシャル?」

「ステージとは?」

 

困惑する二人を他所に研究員の千葉は続ける。

 

「マイクテスー!マイク、テース!!バサラ君用意はいいかい?」

『いつでも行けます!!』

「宜しい!!では、始めて下さい!!」

『よっしゃー!!俺の歌を聴けぇぇー!!』

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

いや~、千葉さんに呼ばれて来てみれば...

 

「ちょっと、これはどう言う事ですか!?」

「大丈夫です。医師からは数時間なら問題無いと言われていますから。」

「で、ですが彼女達をこんな所に運ぶなんて...」

 

大怪我を負った翼さんと奏さんが

 

「あ、あの~。千葉研究員から此処に来る様に言われた赤城です。何で怪我人の二人がこの()()()()()()に居るんですか!?それも、ベッドごと!!」

「私が知りたいわよ!!」

 

この女性はいつも二人を看護している看護師さんだ。彼女も同じ疑問を持っていた。

 

「そ、そう言われましても...医師に許可は貰いましたし、彼女達も賛成してくれたので...」

 

彼女の気迫に押され彼はそう口ごもってしまった。経験者として同情するよ。

 

「で、話は戻りますが、俺はここで何をすればいいんですか?」

「おぉっと、悪かったね。千葉研究員から伝言で『君の歌を二人にめいっぱい聴かせてあげてくれ』だそうだ。彼が研究している『歌エネルギー』にも関係しているそうだよ。」

 

オイオイオイオイ!!『歌エネルギー』だって!?千葉さんって本物のDr.千葉さんだったのか!?イヤイヤイヤイヤ、『関係している』って言ってたから別人なのか...

 

「_君!赤城君!!」

「は、はい!!」

 

や、やべぇ。考え事してたら呼ばれてたらしい。

 

「赤城君。彼女達に歌を頼めるか?」

「任せて下さい!とびっきりの歌、届けて見せます!!」

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

「千葉研究員、これはどう言う事かね?」

「彼女達は重症患者よ!!今すぐ止めさせなさい!!」

 

司令と櫻井が怒るのも無理はない。

 

「彼女達の了承や医師の了解も取っています。彼の歌を聴いて、彼女達を見てからどんなお叱りでも受けます。ですから、彼...バサラ君の『歌』を聴いて下さい!!」

 

翼、奏の二人は病室のベッドごと特異災害対策機動部二課の音響室に入っていたからだ。そして、そこと中継しているモニターにギターを構え歌おうとしている赤城バサラが映っていた。

 

(さぁ、バサラ君。君の歌を世界に、イヤ、宇宙に魅せつけろ!!)

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

「じゃあ、奏さんに前言っていた『突撃ラブハート』から行くぜ!!」

 

俺は大きく息を吸って、思いっきり叫んだ。

 

『俺の歌を聴けぇー!!突撃ラブハァァァァァァァト!!』

「・・・ファ、ファイ、ヤー...」

「え゛!?か、奏!?・・・も、もう!!やればいいんでしょ!やれば!!ボンバー!!」

 

奏さんと翼さん(奏さんに睨まれて渋々だったけど)の掛け声で俺は歌い始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ち、力が、漲っ、て、来る、よう、だな」

「不思議だ。あれ程だるかった感じが無くなってきている。」

 

『次は、PLANET DANCE!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「か、身体が、軽くな、なった気がする。」

「奏もか?私も少し軽くなったような...」

 

『どんどん行くぜぇ!!HOLY LONELY LIGHT!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「翼、私の声変じゃないか?」

「か、奏!?こ、声が!?」

「バサラの歌、『HOLY LONELY LIGHT』を聴いてから喉の調子が良くなったよ。」

 

『今日はこれで終わりだ。あまり無理させちゃ悪りぃしな。』

 

たった三曲。されど三曲だ。俺の今出せる全てを出したつもりだ。

 

「バサラ、ありがとう。」

「いやいや。気にしなさんな。俺は歌を歌っただけだ。奏さんも俺何かのう、た、を・・・か、奏さん!?」

「ヘヘヘ、何かお前の歌で少し良くなったぜ!!」

「は、はぁぁぁぁぁ!?」

「叫びたいのはこちらの方だぞバサラ。曲を聴く毎に私達の体調が良くなってきて、今なら、奏も私も歩く事ぐらいなら出来そうだ。」

 

開いた口が塞がらないぜ。()()()()ならまだしも

俺の歌は擦り傷やちょっとした切り傷なら治る程度だぞ!?

 

「・・・こ、これは...」

「う、嘘でしょ...」

 

ははは、他の研究員とあの看護師さんも驚いてら...

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

サウンドエナジー理論と歌エネルギーか。この私が知らない歌の波長や効果。そして、驚くべきは『範囲』。この歌を聴いているもの全てに、微量だが影響を及ぼしている。前言撤回ね。この研究員は使()()()

 

「こ、これがバサラ君の歌。歌エネルギーの効果、なのか?」

「い、いえ。私もこれ程とは思いもよりませんでした。体調が少し良くなる程度を考えていましたから。」

「・・・」

 

そして、赤城バサラ。再起不能だった奏の声を蘇えらせ体をも癒し、重症の翼を軽傷域まで治した。私の計画の要に...

 

「け、計測結果に凄い数値が出てます!!」

「...私にも見せて。」

「は、はい。これです!!」

 

 

 

 

 

 

フ、フハハハハハハハ!!赤城バサラ君!君はなんて素晴らしい存在なんだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

千葉が持っていた計器には、『10,000千葉ソング』と云う数値が映し出されていた。

 




あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
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