歌が力に!?俺の歌を聴けー!!   作:小此木

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第7話

 

 

 

~時は少し遡り、翼が重症を負った次の日~

 

風鳴翼と天羽奏は仲良く同じ病室で横になっていた。

 

「つ、翼...だ、大丈夫だよ。翼なら、直ぐに、な、治って、戦える、様にな、なるから。」

「奏...私は、私は!!」

「い、今なら、何でも、き、聞くよ。さ、さぁ、私に、は、話してみてくれ。」

 

『絶唱』を歌いこの病院へ担ぎ込まれた翼は奏とは違い、全身ボロボロだが奇跡的に喉と内臓類には損傷が全くなかった。これは、バサラが歌い続けた為であるが、二人がそれを知るのはもう少し後になってからだ。

 

翼はこれまで奏が怪我を負ったのは立花響のせいにし、距離を取っていた事を奏に正直に話した。

 

「き、気にするな、って、い、言いたいけど、私も、に、似た様なもん、だ、だから。こ、これで、す、少しは、す、スッキリしたろ。」

「う゛ん」

 

話している途中から涙を流していた翼は、涙声でそう答えた。パートナーだった奏の事は翼も良く知っている。

数年前、長野県皆神山でノイズに襲撃された聖遺物発掘チームの唯一の生き残りが彼女、天羽奏だ。家族を殺したノイズへの復讐を強く望み、シンフォギアの適合者になるべく制御薬『LiNKER』を過剰投与した結果、後天的な形で適合者となったのだ。

 

「わ、私も、此処に、来た、最初の、頃は、そんなだったよ。何で、私なのか。な、何で動けない、の、のか。で、でも、アイツが、バサラが来てから、そんなか、考え、吹き飛んじま、まったよ。」

「そ、それは何故...」

「ぶ、武器は、し、シンフォギアだ、だけじゃないって。あ、アイツの『歌』は、の、ノイズにも、有効、だったし、それに」

「それに?」

「あ、アイツ、と、とんでもない、事、い、言ってた。」

「な、なんて言ってたんだ?」

 

『敵とか味方とか、ノイズや人間なんて括りは関係ねぇ!!そこにいる全員にFIRE BOMBERの歌を聴かせてやる!!』

 

「ってさ。そ、そんとき、堪らず、わ、笑っちま、まったよ。アイツは、笑った私を、お、怒ってた、けどな。」

「て、敵味方関係なく、ぜ、全員に聴かせる!?そ、そんな大それたこと良く思いついたものだ...」

 

この日初めて翼は、バサラの考えを他人からだが聞いたのだった。

 

 

 

 

 

 

~現在~

 

 

 

 

 

ここは夜の公園。赤城バサラは、今日この公園の近くにあるステージで単独ミニライブを行う為、この公園で少し休憩をしていた。

 

「うわーん!!」

「泣くな!泣いたって何にもならないんだぞ!!」

 

何でこんな暗い公園で子供が泣いてんだ?よ~し、ここは俺の歌で...

 

「おい、こら弱いヤツを虐めるな!!」

 

お、この子達の姉ちゃんかな?これで、この子達も...

 

「お兄ちゃんを虐めないで!!」

 

・・・どうなってんだ!?

 

 

 

「お前が兄ちゃんに虐められてたんだろ?」

「違う!!」

「ん?」

「父ちゃんが居なくなったんだ。一緒に探してたけど妹がもう歩けないって、泣き出して...それで...」

「迷子かよ!だったらハナからそう言えよな...」

「だって、だって...」

「おい、こら泣くなって!!」

「妹を泣かしたな!!」

「あ~もうメンドクセェ!!一緒に探してやるから大人しくしやがれー!!」

 

成程、小さい子達は迷子か。ってか、あの姉ちゃん大丈夫か!?・・・あの姉ちゃんだけじゃ心配だ。よし!行くか!!

 

「よう!こんばんは!!俺は通りすがり「あっ、テメェ!!」って、姉ちゃん俺の知り合い?う~ん、どっかで会ったっけ?」

「い、いや...し、知り合いに...に、似てただけだ!!」

「まぁ、そんな事はいいや。「良いのかよ!!」で、話は戻るが、俺そこを通りすがったモンだけど...さっき話は聞いてたからよ、お前らの父ちゃん探すんなら手伝うぜ!あと、そっちの妹は俺が背負ってやる。なに、俺は鍛えてっから二人一緒に背負ってもビクともしないぜ!!」

 

そんなこんなで、俺と薄い紫色の髪の姉ちゃんでこの兄妹の親父さんを探す事になった。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、お兄ちゃんって何してる人?」

「簡単に言うと、『歌』歌ってるな~。」

「えぇ!?お歌を歌ってるの~!!聴きたーい!!」

「じゃ、バラードって分かりにくいか...優しい感じの曲をちょっとだけな。『My Soul for You』」

 

(...こんな歌もあるんだな。いつもいつもコイツは叫んでばっかだから、こんな曲は歌わねぇと思ってたぜ...コイツの歌は凄い。他人を癒すことが出来る。コイツはやっぱり歌う事が『好き』な奴なんだろうな。歌う事が『嫌い』で壊す事しか出来ない私とは違って・・・)

 

「お兄ちゃん凄い綺麗な歌~!」

「本当に歌、歌えたんだ!!」

「おい、歌えるって言っただろ!!」

 

大分探したけどまだ見つかんねぇな。ヤベッ、そろそろミニライブの時間だ...よし!ミニライブはちょっと時間をずらそう。来てくれた皆には悪いが、ちゃんとこの子達を親父さんの所まで連れて行こう。じゃないと、ライブ中気になっていい歌が歌えないかもしれんしな!!

 

「悪い、ちょっと電話を「お前たち!どこ行ってたんだ!!」...いや、何でねぇ。ほら、親父さん見つかったぞ。」

 

迷子の兄妹を送り届けた俺と薄い紫色の髪の姉ちゃんは、その親子に手を振りながら仲睦まじい三人を見送った。

 

「それじゃ、俺はミニライブに出ねぇとな!流石に主役が居ないとライブも始まらねぇし!!俺は赤城バサラって言うんだ!じゃあな!!」

「ま、待て!!」

「ん?どうした?」

「(な、何で私は引き止めたりしたんだ!!あぁ、もう!!)ひ、一つだけ。一つだけ教えてくれ!!お前は歌う事は『好き』か!!わ、私は嫌いなんだけどよ...」

 

『好き』か『嫌い』かか...

 

「悪い。俺にそれを答える資格はねぇんだ。」

「え!?ど、どうして...好きなんじゃねぇのかよ!!」

「俺の『歌』は憧れていた人の模倣、そんなの所詮『盗作』だな。そんな『歌』しか歌えない俺に、歌が『好き』か『嫌い』かなんて言える訳ねぇだろ...こん事、今まで言えなかったけど。何故だろう?今日、初めてアンタに話したぜ。本当の()()()ってのが出来たら・・・アンタに聴いてもらいたい。おおっと、もう行かねぇと危ねぇ!!じゃ、またどこかで!!」

 

何でだろう...本当にこんな事言ったのは初めてだったな。あの姉ちゃん何か俺と似た感じがしたからか?まぁ、いいや。今は、

 

 

 

 

『熱狂ライブの幕開けだー!!ファイヤー!!』

「「「「ボンバー!!」」」」

『突撃ラブハート!!』

 

 

 

 

あの人達の『歌』を歌う事しか出来ないんだから...

 

 

 

 

 

今日もバサラは歌う。『FIRE BOMBER』の歌を。

 

(今、新たな可能性を秘めたモノは、聖遺物と融合した立花響。それに、この私も原理が未だ掴めていない『歌エネルギー』をもつ存在。)

 

「待ってなさいよ『赤城バサラ』。私が隅々まで調べて、あ・げ・る。」

 

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