幻想血祭郷   作:BroBro

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今回は二章の始まりと言う事もあり結構短いです。
でもその分次回を早くしますからお許し下さい!


第2章 盗まれた春 〜妖々夢異変〜
終わらぬ冬


 

 

 

 

3月、季節は春。

 

街道の並木には桜が蕾を付け、冬の寒い日々を乗り切った様々な動物達がまた生き生きと活動を始める。

 

そして身も凍る様に寒かった日々は少しずつ気温を下げ、暖かくなってきた。

 

そんな中、ここ紅魔館の主も春の訪れを感じる為、ベランダから外に出ていた。

 

 

「ハクシュン!!…うぅ〜……」

 

 

だが、外はまだ春の暖かさは全く感じず、まだ冬の寒さが続いていた。外は今だ一面雪景色であり、しかも雪まで降っている。春のはの字も感じられない程の見事な冬である。

 

確かに時期は3月。まだ完全に春と言える程では無いが、少なくとも雪は溶け始め、気温も少しは高くなって行っている筈なのだが、何故か今年は全くその気配がない。寧ろ雪はより降り積もり、気温は更に低くなって行っている。

 

そんな異常な状態の幻想郷に、レミリアは怒りを募らせていた。

 

 

「なんで春なのに暖かくならないのよ!」

 

 

ドガンとレミリアは咆哮を放つ。その声は真っ白な景色へと消えて行った。

 

 

「お姉様どうしたのー?」

 

「何か腹が立っているようだな。あいつの場合は無視するに限る」

 

「ほうほう、お嬢様が腹を立てている時は無視した方が良いんですか。勉強になりますね〜」

 

 

ベランダの下から聞こえる声。その声の正体をレミリアは勿論知っている。

 

 

「貴方達はなんでそんなに元気なのよ…」

 

 

その声の正体はご存知の通り、ブロリー達である。今回は何をしているかと言うと、ただの雪だるま作りだ。

 

 

「あ、ブロちゃんそこに置いてある木の棒取って」

 

「ん?…ああこれか、ほら」

 

「ありがと〜」

 

「妹様、この真ん丸の石はどうするんです?」

 

「それは今から付けるよ〜」

 

「分かりました」

 

 

プラスして、今回は美鈴が一緒に遊んでいる。美鈴は普段門番の仕事をしているのだが、何やら敷地内から楽しそうな声が聞こえたと言う事でブロリーとフランとの遊びに介入してきた。

 

ブロリーはまだいい。だが、美鈴は遊ぶ事を認められていない。と言う事で、レミリアは今後の美鈴の為に警告をするのだった。

 

 

「美鈴貴女仕事しなさいよ」

 

「ほうほう、それはそこに付くんですか…」

 

「……はぁ…」

 

 

レミリアの警告が聞こえていないのか、美鈴はフランと会話を続けている。

 

その反応を見たレミリアは深く溜息を付き、知らんとばかりにブロリー達に話し掛ける。

 

 

「貴方達寒く無いの?特にブロリー、貴方上半身裸じゃない。絶対寒いわよね?」

 

「いや、寒くない」

 

「なんで?」

 

「理由は知らんが寒くない。手は冷たいがな」

 

「まあそりゃそんな巨大な雪だるま作ってたら手も冷たくなるでしょうね。何その雪だるま?人形決戦兵器か何かなの?」

 

 

今ブロリー達が作っている雪だるまはとても巨大であった。

 

普通、雪だるまと言うのは丸い雪玉を2つくっつけ、上に顔を書いたりとするものだが、これは何故か二足歩行型でとても筋肉質な雪だるまさんなのだ。

 

フランとブロリーは今その雪だるまヘッドを製作中なのだが、フランは地上から数十m程の距離を浮遊しながら顔のパーツをドッキングしていく。その為、地上3階のベランダにいるレミリアとフラン達の距離は結構近かった。

 

 

「いや、どうせなら大きい物を作ってやろうと言う話になってな。紅魔館の敷地内にある雪を片っ端から掻き集めて作り出した。確か名前があったな…フラン、こいつの名前は何だった?」

 

「ブロフラ1号!」

 

「…だそうだ。ネーミングセンスの欠片もないな」

 

「因みに、貴方ならどんな名前にしようと思っていたの?」

 

「デストロイヤーだ」

 

「…似たような物ね。いや、まだフランの方がマシかも…」

 

「なに!?破壊者だぞ!ブロフラとか言うどういう意味か分からない名前よりは数倍マシなはずだ!」

 

「ブロちゃん、ブロフラって言うのは私とブロちゃんが作ったから、フランの『フラ』とブロちゃんの『ブロ』でブロフラにしてるんだよ。それでこの子は最初に作ったから『1号』で、ブロフラ1号って言う名前にしたんだよ〜」

 

「…案外しっかりとした意味があるじゃないか」

 

「気付かなかったのね…」

 

 

毎度お馴染みになっている様な会話を繰り広げる中、ブロリーはある事に気付いた。

 

 

「…そう言えば美鈴の奴は何処に行った?」

 

「美鈴はさっき咲夜に連れて行かれたわよ。ほら、そこに赤い所があるでしょ?」

 

 

レミリアが指を指した方向にブロリーは目を向ける。そこには真っ白な雪面のに、1部だけ真っ赤になっている箇所があった。血を見慣れたブロリーはそれが一瞬で美鈴の血痕だと分かった。

 

 

「…血痕がある…と言うか何故血痕があるんだ?」

 

「貴方も知っていると思うけど美鈴は大体門番をサボって寝ているでしょ?その度に美鈴は咲夜に額を一突きにされて起こされるのよ。今回は逆に眠ったようだけどね」

 

「なるほどな」

 

 

ブロリーは殆ど毎日を同じ様な日程で過ごしている。朝から夕方まで仕事をしてその他は自由時間。その仕事の中に美鈴と門番と言う仕事がある。だからブロリーは仕事をしている美鈴をよく知っていた。

 

美鈴は殆どの時間を立ったまま寝ており、最強のサボり魔と化していた。その度にブロリーは美鈴を叩き起してきた。どうやらブロリーのいる時はブロリーが叩き起こし、ブロリーのいない時は咲夜が刺し起こしていたようだ。

 

そんな事を考えていた時、今まで目の部分に巨石をドッキングさせていたフランが大声をあげた。

 

 

「出来たー!」

 

「お、出来たのか?」

 

「うん!なかなか良い出来だと思うよ!」

 

「ほう、期待せずに見てやろう」

 

 

その言葉と共に、今まで紅魔館の本館側に背を向けていた雪だるまがフランの腕力によってグルンと180度回った。

 

その雪だるまの顔はブロリーのしょんぼりした顔に激似であった。劇中で言う「ブロリーです…」のシーンの顔である。

 

その似すぎとも思える顔は輪郭は違えど、表情やパーツの位置なども完璧であり、そのあまりの完成度レミリアはついつい吹き出してしまった。

 

 

「くっ…クックック…すごい、似てるじゃない…フフフッ!」

 

「ね!似てるでしょ!」

 

「似てるでしょじゃない!」

 

 

それに業を煮やしたのはブロリーである。普通の顔ならともかく、何故かここまでショボンとした顔をこうも似せて作られた為、腹が立って来てしまったのだ。

 

 

「何故よりによってこの顔だ!」

 

「いや、雪だるまなんだし可愛い方がいいかな?って思って」

 

「だからって俺にする必要ないだろ!」

 

「いいじゃんいいじゃん!お姉様も喜んでいるみたいだし!」

 

「良くないわ!」

 

「まぁまぁ〜、そう言う困った顔も私は好きだよ?」

 

 

この時、プツンッと言う何かが弾けた音が空気中に響く。大体この音の正体を気付いたレミリアは、避難する準備をするのだった。

 

 

「フランドールウウウウウウ!!」

 

 

大きな叫び声を上げながら全身に気を溜め、爆発させる。そしてブロリーはフランに向かって飛翔した。

 

 

「あはははは!」

 

「うおおおおおおおおお!!」

 

 

こうしてブロリーとフランの鬼ごっこが始まるのだった。

 

 

「鬼さんこちらー、手ーの鳴ーるほーうへ!」

 

「俺は悪魔だぁ!!」

 

 

少しずつ小さくなって行くブロリーとフランの声を聞きながら、レミリアは今日何度目かの溜息をついた。

 

ベランダから覗いているように突き出た雪だるまを見ながら、レミリアは誰も喋る相手が居なくなったベランダを後にした。

 

 

 

さて、この後どうするか…と考え始めた瞬間、目の前に時間を止めて移動してきた咲夜が現れる。

 

そしてレミリアの前で肩膝を付き、剣士が王に忠誠を誓う様な姿勢になり、レミリアに言った。

 

 

「お嬢様に申し上げます。博麗の巫女が動き始めました」

 

「…そう、やっぱりね…」

 

 

3月からの寒さに耐えかねていたレミリア。

 

レミリアはこの寒さに何らかの陰謀があるのではと思い、何時も厄介事に首を突っ込む博麗の巫女と言う者の元に、咲夜を監視役として送らせていた。その判断はどうやら正しかったようである。

 

さっきまでと違う、真剣な表情になってレミリアは更に咲夜の話を聞く。

 

 

「はい、博麗の巫女が動いたと言う事は、間違い無いでしょう」

 

「霊夢…彼女が動く理由は1つしかない…」

 

 

博麗の巫女、霊夢、と知らない単語ばかりが飛び出す中、レミリアは邪悪に微笑み、狂気の瞳を開き、咲夜が持ってきた情報の結論を下した。

 

 

「これは…異変だと言う事よ」

 

 

新たな物語が始まろうとしていた。

 

 

 




東方妖々夢のスタートです!
これからブロリーが異変を解決する為に武力介入する
と思っていたのかぁ?







ハァッ☆
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