幻想血祭郷   作:BroBro

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眠い時に書いて訳わからなくなってしまった箇所が多々ございます。
パ「避難するだぁ!」
ブ「どこへ行くんだぁ?」
パ「シュワット!お、お前と一緒に、文才を手に入れる準備だァ!」
ブ「人利用のPCでかぁ?」
パ「何もかもおしまいだぁ…」



従う悪魔

 

紅魔館のとある一室。そこには椅子に座るブロリーと咲夜が丸い机を挟んで睨みあっていた。

 

机の上には数枚の資料が置いてある。その中の1つに雇用書の様な物が混ざっている。その氏名の部分には歪な字で『ブロリー』と書いてあった。

 

咲夜が雇用書の様な紙に一通り目を通し、再度ブロリーに目を向け、口を開く。

 

 

「…貴方の名前は?」

 

「ブロリーです…」

 

「では、貴方の所在地を教えて下さい」

 

「こ、紅魔館だ…です…」

 

「…では、貴方の主、つまりは雇用主は?」

 

「…レミリア・スカ…えと……スカーレットです…」

 

「…では質問の趣旨を変えますが、もし、主が敵対する何者かに襲われ、劣勢にあったとします。その場合、貴方はどういう行動を取りますか?理由も述べて下さい」

 

「レミリアの前に立ち、盾になりながら敵を消し去る。理由はレミリアの命を第一に考なければならないからだ」

 

 

 

一通り全ての質問を終えたであろう咲夜は、今までの回答をメモした紙を舐める様に見つめる。

 

数十秒後、咲夜がゆっくりとブロリーに視線を移す。そして、ブロリーへ重々しい口を開いた。

 

 

「………75点位ですね」

 

 

瞬間、「はぁ…」とため息をつきながらブロリーが机に倒れ込む。どうやら相当疲れが溜まっていたようだ。

 

そんなブロリーに咲夜が調子を崩さぬまま言う。

 

 

「最後に素が出たり、ちょっと思い出すのに時間がかかったりしましたが、まあ最初に比べたらマシなほうでしょう」

 

 

その咲夜の言葉にブロリーはムクっと起き上がり、慎重な面持ちで咲夜に問いかける。

 

 

「じゃあ合格で良いのか?」

 

「そうですね。70点は超えましたし、約束通り、面接合格です」

 

 

合格と言う言葉に安堵のため息をつくブロリー。これで晴れて、紅魔館メンバーの仲間入りである。

 

何故、ブロリーが何も言わずに咲夜の言う事を聞いているのか。それは約12時間前に遡らなければ分からないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メンセツ?」

 

 

聞いたことの無い名前にブロリーは首を傾げる。

 

今ブロリーは紅魔館の主の部屋にいる。勿論部屋の主も一緒にだ。

 

部屋の内装はやはり全体的に紅く、目が痛くなる様な色をしている。部屋の端には大型の屋根付きベッドが置いてあり、やはりベッドも真っ赤だ。

 

そして1番特徴的なのが廊下やブロリーの部屋と違い、窓が一切ない事だ。これは吸血鬼の最大の弱点である太陽光に晒されない為である。吸血鬼は太陽に照らされると只の灰になってしまう。その為、レミリアの部屋には窓が無いのだ。(因みに、廊下等の窓には太陽光が当たらない方角に窓がある事が多い)

 

 

「そう、面接。私が只でこの館に住まわせると思っていたのかしら?」

 

 

部屋の主レミリアは、ブロリーの質問に少し馬鹿にしながら返す。しかも全く答えになっていない。だが、ブロリーは馬鹿にされた事を分かっておらず、また更に首を傾げる。

 

 

「結局面接と言うのはなんなんだ?」

 

「面接と言うのは雇用主に自分の事を伝え、アピールする事を言います。その自己アピールによって雇用主は働かせるに値する者なのかどうかを見極める訳です。つまりは、貴方はレミリアお嬢様と言う雇用主に雇って貰えるかどうかを決める為に面接を行うのです」

 

 

レミリアの後ろに控えていた咲夜が面接について説明する。だが、この説明を聞いたブロリーはますます訳が分からなくなっていった。

 

 

「俺を働かせる?」

 

「はい。働かざる者食うべからずと言いますしね」

 

「働かなければ飯が食えないと言うのなら働くが、何故面接が必要なんだ?そんなもの無くても飯の為なら働く」

 

 

『飯の為に働く』と言うのがブロリーの理念である。散々紅魔館から出て行くとほざいていたブロリーだが、実はこの紅魔館の朝食が気に入っていた。だからブロリーは心の中で密かに(こんな飯が毎日食えたら良いなぁ…)と思っていたのである。

 

ここで心が落ち着いたブロリーの行動理念を見てみよう。今のブロリーは後の事より今の事を最優先に考えている。加えて、カカロットへの復讐より朝食の美味さの方が勝っているようだ。これも復讐と言う『後』の事より『今』出来ると思われる飯の事を優先に考えているのだ。

 

つまり今のブロリーの中での優先順位は、

飯>復讐

になっているのだ。しかもブロリーは朝食にまだ満足していない。たかが一人分の朝食程度ではブロリーの空腹と言う名のブラックホールは満たされないのだ。だから今のブロリーは自らの腹を満たす為なら何でも出来る自信があった。

 

 

「この紅魔館には優秀な人材が必要です。ブロリーさんは荷物運びや用心棒等の力仕事に向いていそうですが、それでも常識は必要不可欠。ですからブロリーさんには面接と言う名の講習を受けて貰います」

 

「講習?」

 

「はい。ブロリーさんは幻想郷に来て間もないですから一先ずは幻想郷の常識を知って貰います。幻想郷の地理から紅魔館でのすべき事の詳細まで全てを覚えて頂きます。その過程を全て行った上で、最終的に面接を受けて頂きます」

 

 

覚えると言うものをブロリーは好きでは無い。むしろ嫌いの類に入る。正直カカロットの次に苦手な物だ。その証拠として、さっきの説明の半分以上をブロリーは覚えていない。

 

 

「ご理解頂けました?」

 

 

だが、例え理解していなくても理解したと言わなければまた長い説明が始まるだろうとブロリーは本能的に感じていた。

 

その為…

 

 

「ああ、全て理解した」

 

 

嘘でも分かったと首を縦に振らなければならないと直感したのだ。

 

そんなブロリーの心の内も知ってか知らずか咲夜が最後の説明をブロリーに伝える。

 

 

「では、30分後に私の部屋まで来てください。そこで講習から最終面接までやりたいと思います。遅れずに来てくださいね」

 

 

こうして今回の冒頭へと話が移る訳である。

 

ついでに言えば、ご存知の通りブロリーは馬鹿なもので、幻想郷の常識を教えるだけで4時間、紅魔館の行動などなどを教えるだけで4時間、面接練習に用いた時間約4時間と、普通では1時間で覚えられる事を何度も聞き返し、何度も同じ事を繰り返しながら覚えて行った為、計12時間と言う新記録を叩き出したのである。

 

ある意味天才なのかもしれない。(それを飽きもせずに教え続けた咲夜の忍耐力も恐ろしい)

 

 

 

 

 

そして冒頭へと話は戻る。

 

既に時刻は夜の8時。まだブロリーと咲夜は夕食も昼食も食べていない。二人共動く気力が無いほど消耗しているようだ。

 

それでも、せめて一口でも食べ物が食べたいのは二人共同じなので、咲夜が時間を止めて食堂からお菓子を持ってきて終始無言で2人で食べる。喋る気力も無いらしい。

 

それでも、やはり紅茶とセットで食べる様な洋菓子程度ではブロリーの腹は満たされない。文句の1つも言いたい所だが、そんな事をしている気力もない。

 

 

「…寝ますか?」

 

 

ここでこの無言の空間が嫌になったのか、咲夜が話を切り出す。流石の咲夜も12時間も馬鹿を相手にするのは相当辛かったようだ。

 

 

「…そうだな。俺も早く明日になって欲しいと思っていた所だぁ…」

 

 

ブロリーも咲夜の提案に賛成のようだ。

 

こうして、ブロリーの多分人生でトップ3に入る程の最悪な1日が幕を閉じたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い闇の中にブロリーは佇んでいた。

 

 

前後左右の正しい感覚も無い。上を見ているのか下を見ているのかすら分からない。

 

 

ただ光も何も存在しない闇の中で、男が1人何も考えず前方を見つめていた。

 

 

暗闇の中を無尽蔵に歩いて見る。

 

 

少し歩いた所で、ブロリーの足元に一輪の紅い花が現れた。この暗黒の空間の中、どんな形であろうと自分以外でも生きているものがいる喜びからか、その紅い花をそっと撫でる。

 

 

そして、生きている花を見つめようと重ねた手を優しく払う。

 

 

 

だが、綺麗に咲き誇っていた花があった場所には、黒く、弱々しく枯れている花がその頭を垂れていた。

 

 

 

(ああ、またこれか…)

 

 

 

 

何回も体験した。

 

 

生きている者に触れるだけで壊れて行く。

その度に周りの者達は恐れ、ブロリーから離れて行く。

 

だが、それでよかった。周りが嫌ってくれれば、何かが壊れる事は無いのだ。

 

それでも心の中に寂しさを感じていた。心の何処かに自分を理解してくれる誰かを求めていた。

 

だから悲しい。自分を認めてくれる誰かがいない事が。

 

だから悔しい。自分と同じ生き物なのに、まるで野獣の様に扱う周りの奴等が。

 

 

ならば全て壊してしまおう。と本能が理性に呟く。

 

その言葉に理性は一瞬気を許す。

 

 

〜ああ、もう全部無くなれば良い〜

 

 

そう、たった一瞬。だが次の瞬間、何もかも無くなっている。

 

 

誰かが焦げている。

 

誰かが溶けている。

 

誰かが切れている。

 

誰かが死んでいる。

 

 

何時もこの繰り返し。何処行こうと、誰に自分と言う存在を示そうと、最終的には何時もこうなる。

 

 

 

 

死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ。

 

 

 

 

自分には誰もいない。唯一信用していた父親も裏切られた。だが、父親はブロリーを愛してくれた。だが、彼が愛したのは《伝説の超サイヤ人》だった。

 

誰も本心でブロリーと言う存在を、ブロリーの本心を愛してはいなかった。

 

 

『所詮その程度の存在だって事だ。誰もお前を必要としていない』

 

 

本能が理性に語り掛ける。

 

 

「親父は俺を必要としてくれた…」

 

『お前じゃない。俺を必要としたのだ。お前の本性であり本能でもある《伝説の超サイヤ人》と言う存在をな』

 

「…なら、誰が俺を必要としてくれるんだ…。本当は破壊何てしたく無い。本当は誰かと遊んでいたい。普通に友達を作って、普通に飯を食べて、普通に愛されて、普通に生活していたい…」

 

『だが、お前の中に俺がいる限り、お前はそんな生活なんぞ送れない』

 

「…いや、お前がいても俺は俺でいられる。俺の意思で生きれる筈なんだ!もう俺もガキじゃない!貴様を押さえ込む事位できる!」

 

『無理だな。お前は心の何処かで生き物を殺す快楽を求めている。お前はそれを恐れ、自分の内面に閉じ込めているだけだ。そして、お前は何かを破壊しなければ気が済まない』

 

「そんな事は…」

 

『俺はお前自身だ。お前の事はお前以上に分かる。お前は破壊の快楽を恐れている』

 

「違う!俺は破壊何て求めていない!」

 

『ならば何故それを誰かに示さない?お前が破壊を求めていないなら、誰かにその旨を伝えれば済む話ではないか』

 

「…………」

 

『そうだ、誰もお前の話なんてまともに聞いてはくれない。分かっているのだろう?』

 

「……黙れ」

 

『誰にも話さない。破壊を欲する者のままでい続ける。そうやってお前は誰かを求めながらその誰かから逃げているんだ』

 

「黙れ!!」

 

 

ブロリーは《伝説の超サイヤ人》の形をしている本能に殴りかかる。

 

 

『クズがぁ…』

 

「…ッ!!」

 

 

だが、見えない壁の様な物に阻まれ、はじき飛ばされる。

 

 

『満足か?お前の弱さを身を持って知る事が出来たな』

 

「黙れ!!黙れッ!!」

 

 

立ち上がり、また本能へと立ち向かう。また殴り掛かろうと腕を振り上げ、叩きつけるが、叩きつきた瞬間両腕が霧散する。

 

 

「……!」

 

 

そんな事はお構い無しに本能は理性に語る。

 

 

『そろそろ時間のようだ。お前はまたその体で現実を生き続ける。自分の心の内を示せない弱虫としてな』

 

 

少しずつ本能が光に飲まれていく。逃がすまいと必死に理性は手を伸ばす。だが、その手も無ければ体も前に進まない。

 

 

『お前が現実が面白く無いと感じた時、俺はお前になる。少しでも長く奴等といたいと感じたならば、お前の本心を見せてみろ、ブロリー』

 

 

その言葉を残し、《伝説の超サイヤ人》である本能は光の中に消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブロリーさん!」

 

 

真っ赤なベッドの上でブロリーが目覚める。何か夢を見ていた気がするが忘れてしまったようだ。ベッドの隣では膨れっ面の咲夜がブロリーを見ていた。

 

 

「おはようございます。もう既に朝の8時3分です。昨日教えた起床時間を3分も過ぎています。早く食堂へ来てください」

 

 

昨日咲夜はブロリーに毎朝の起床時間を教えていた。毎朝紅魔館メンバーで囲んで食事をする為、8時には全員集まっていないといけないのだ。

 

 

「そうか、済まなかった」

 

「謝ってる暇があったら早く食堂へ向かって下さい!」

 

「だが、自分がミスを犯したら素直に謝ら無くてはならないと昨日教えられた筈なんだが?」

 

「時間によります!時間が無かったら謝る前にまず行動って昨日教えたじゃないですか」

 

「そうだったか?」

 

「そうです!兎に角早く食堂へ向かって下さいね。もう皆さん来ているんですから」

 

 

必要な事を全て言い終え、咲夜はブロリーの部屋から出て行く。だが、何かを思い出したかのように不意にブロリーに振り返り、新たな情報を付け加えた。

 

 

「そう言えばパチュリー様がブロリーさんに用があるとの事なので、食事が済んだらパチュリー様の指示に従って下さい」

 

「パチュリー?」

 

「紫色の人ですから一目で分かると思います」

 

 

それだけ言い残し、咲夜はブロリーの部屋から去った。開いた扉がガチャンと閉まる音と同時にブロリーはベッドに倒れこむ。

 

 

「パチュリー・ノーレッジ…一体どんな奴なんだ?」

 

 

見た事も無い新たな者の事を考えながら、ブロリーはまた浅い眠りについた。

 

 

 

 

 

「何でまた寝てるんですかブロリーさん!」

 

「ヘヤァ!?」

 

 

寝かしてはくれなかった。




今回登場してくれました本能さんは、後々色々とやらかしてくれます。
次回はあの紫色の方がブロリーになんとアレを与えてくれます。
お楽しみに!
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