ブ「無視☆」
ト「ハァッ☆」
パ「前置きだけでも出たいパラガスでございます」
カ「カカロットじゃねぇ!おら孫悟空だ!」
ベ「サイヤ人の王子ベジータだぁ!」
ブ「お前らうるさい!」
パカベ\デデーン/
ト「ハァッ☆」
前置きネタ切れ
朝8時30分。
即座に朝食を終えたブロリーは地下へと向かっていた。紅い絨毯の敷いてある薄暗い階段を静かに降りていく。
ブロリーが向かっている先は図書館である。何故図書館を地下に埋めているかは不明だが、それもその図書館の主の趣味なのだろうか。
図書館の主、パチュリー・ノーレッジは人見知りである。その度合いは相当なもので、図書館で少しでも騒いだり、勝手に入って来たりするだけで侵入者に攻撃をお見舞いする。それに加え、殆ど図書館から出てこない。彼女の1日の時間の殆どを図書館で過ごしている。現在の言葉の中ではニートと言う言葉が1番似合うだろう。
そんな人見知りであり、ニートでもあるパチュリーが、何故ブロリーを呼び寄せたのか。それはパチュリーが手伝って欲しいと言う要望だった。只の手伝いと言うのならばブロリーはわざわざ行かないが、パチュリーはブロリーにも得があるから、手伝って損は無いと言っていた。もしかしたら何か思わぬ収穫があるかもしれないので、仕方なくブロリーは図書館へと向かっている。
そうこうしている間に図書館の前に着く。図書館の重々しい巨大な正面扉を体当たりで開いて行く。
扉を開いた先の図書館はとても巨大な空間だった。50m以上はあろうかと思うほどの高い天井にこれまた人1人程の大きさがあろうかと思う程の光の玉が幾つもぶら下がっている。
そして1番異常なのが本の数。図書館と言うからには数多くの本があるとブロリーも予想していたが、この図書館の本数は余りにも多すぎる。
まず本棚の数が凄まじい。図書館の中に所狭しと並べられている本棚は全て天井まで付いている。しかも木製の独立している本棚だけでは飽き足らず、壁すらも本棚にしている。そしてこの本棚の全てにビッシリと本が埋まっていた。本数は約1億程だろうか。どちらにしろ全てを読んでたら寿命が尽きて死んでしまいそうな数である。本棚のジャングルとでも言った所だろうか。
その中の本棚の隙間で出来た道をブロリーは真っ直ぐ歩いて行く。どこまでも広い図書館の中をただひたすらに真っ直ぐ歩いている時、急に目の前に本以外の物が出現した。ブロリーの目の前には少し長いテーブルが置いてあり、その両端に本が山積みになっている。そして、その本に囲まれる形で本を読んでいる全体的に紫色の服の女がいた。
ブロリーには、咲夜の講習によってその人物の名前が分かっていた。
「お前がパチュリー・ノーレッジだな?」
ブロリーの言葉に紫服の女、パチュリーはゆっくりと頭をあげる。
「ようやく来たわね。少し遅かったんじゃないの?」
「俺はまだこの館の中の全てを知っている訳じゃ無い。ここに来るのに時間がかかるのも当然だ」
「まさか開き直られるとは思わなかったわ」
「俺の事はどうでもいい。俺は何をすれば良いのか教えて貰おうか」
さっさと本題に入って自分の部屋に戻りたいブロリーは早々に話を切り出す。
「貴方には新しい魔法のの実験台になって貰いたくて此処に来てもらったわ」
「実験台…だと?」
「そう、実験台。この魔法によってもしかしたら貴方の腕が元に戻るかもしれない。だから貴方に来てもらったの」
「俺の腕が戻るのか!?」
今までで1番不自由にしていた腕が元に戻ると言う言葉にブロリーは飛びつく。そして、一瞬でテーブルの前まで行き、テーブルに足をドガンと置き、大声で説明を求める。
「どうすればいいんだ!?」
「ム、ムキュ…ちょっと落ち着きなさい。今説明するから…」
パチュリーの言葉に直ぐに足を地に付け、パチュリーの説明を待つ。
「ゴホン…まずこれから使う魔法について説明するわ。私が貴方に使う魔法は本当は植物に使う魔法だったの。レミィの要望で中庭の花達を一瞬で咲かせられる様にね。この魔法は大気にある微量な養分を一気に集め、成長を促進させると言う魔法だったの。これに少し改良を加え、生物の回復を急速に早める効果を得たと言うわけ。理論上ではね」
「理論上では?」
「そう、まだ実際に試していないから理論上としか言えないわ。だから両腕が無く、傷跡も生々しい貴方に実験台になって欲しいのよ」
なるほど、とブロリーは唸る。(実際は腕が治ると言う事しか分からない)
原理はどうだろうと腕が治るのなら何をされても構わない。だから早く腕を直して欲しい。だから早くしてくれとパチュリーを急かす。
「そう急がないで私の話を最後まで聞きなさい。この魔法にはまだ完全に治るという保証はないの」
「…どういう事だ?」
「さっきも言ったと思うけどこの魔法は本来生き物に使う魔法じゃない。人間は植物とは違うから空気中から養分を取り込む事は出来ないし、急激な成長も出来ない。貴方の体の中の栄養を傷に回すだけよ。そして魔法で細胞異常を引き起こす。だから貴方の体がどういう変化が起きるか分からない。もしかしたら腕から足が生えるかもしれない。正直腕がしっかりと治る確率は50%ぐらい。私の魔法での技量は心配無いとして、魔法自体がまだ不安定なのよ。だからこれは賭けと言っても良いわ。それでもやるの?」
「………」
ブロリーは50%が何を意味するのかを知らない。だが、賭けと言う事は分かった。でも、ブロリーはそんなこと関係無かった。ただ成功したら腕が生えると言う事が分かったならば、それをしない理由が何処にあろうか。
「構わない。俺だけでは何をしようとこの体を元に戻す事は出来ない。だからお前に全てを任せる。どんな結果になっても構わない。お前が全力を尽くしてくれるのなら、例え失敗しても、お前を恨みはしない」
「…そう。なら準備に取り掛かるわ。ついてらっしゃい」
パチュリーに従い、図書館の端に移動する。すると本に覆われた開けた場所に着いた。そこの床には丸い円の中に星のマークだったり読み取れない文字だったり様々な物が書いてあった。
ブロリーがそれを見て、首を傾げているとパチュリーから床の模様について説明が入る。
「これは魔法陣と言うの。しかも様々な魔法陣の中でも強力な部類に入るわ。貴方にはこの中心に立ってもらって、私から魔法を受けてもらう」
「こんな落書きに立って何の意味があるんだ?」
「落書き…この魔法陣は私からの魔法の干渉を受けやすくしてくれるし、魔法陣から補助も受けられる。貴方は体格的に魔法には疎いでしょうからこの魔法陣で効果を早める様にするの」
「なるほどな」
パチュリーに言われた通りにブロリーは魔法陣の真ん中と思われる部分に立つ。パチュリーも定位置に立ったようだ。
何が始まるのだろうかとパチュリーを見ている中、パチュリーが両手を前に突き出す。そして両手のひらを内側に向け、意識を集中させる。その時、パチュリーの目の前に分厚い本が出現する。その本はパラパラと風に煽られた様にめくれていき、一部のページを開く。
そしてそのページから魔法陣に書いてあった様な模様が空中に飛び出してくる。その文字の様な模様はブロリーの周りを浮遊し、竜巻のような形の風を巻き起こす。
パチュリーが何かを詠唱し始め、いよいよこの魔法の最終段階に入った。
「…準備が出来たわ。覚悟はいいかしら?」
「ああ、いつでもいい」
「…そう、それじゃあ行くわよ…。
perfect healing magic!!」
「…グ…グアァァァァァァァァァ!!」
パチュリーが魔法の名前を叫んだ瞬間、ブロリーの体に異変が起きる。体中に激痛が走り、体の力が抜けていく。
数分前に朝食を食べた筈なのに一気に空腹になっていく。
目の前が真っ白になり、意識を保つ事が出来ない。それでも超人的な精神で自分の意識を定着させる。
体中の激痛が消えた腕に移って行き、更なる激痛を生む。
生まれて何回目かの激痛に顔を歪ませ、地に膝を着く。
その時、急に激痛が和らぎ、吹き荒れた風が嘘の様に止む。風と共に飛んでいた文字や模様の羅列も全て消え去り、視界も良くなる。
「グッ…ハァ…ハァ…ハァ……」
「大丈夫かしら?」
痛みによって息が荒くなったブロリーの元にパチュリーが歩み寄る。
「クゥ…大丈夫だ…」
「大丈夫そうには見えないけど…でも安心しなさい。成功したわよ」
パチュリーの言葉を聞き、自分の両腕を見る。すると、今まで何も無かった肩から先に少し細いながらも筋肉質な腕が生えていた。
「戻った…俺の腕が…ついに戻ったぞ!!」
「良かったわね。私もこの魔法が成功した事によって、身内で怪我のした者達も治療が出来ようになったわ。もう少し改良を加える必要があるけど、少なくとも再生治療が出来る事がわかった。感謝するわ、ありがとう」
新しい両腕でガッツポーズをとり、喜びに浸っている中、パチュリーがブロリーにお礼の言葉を示す。
他人に感謝などされた事も無かったブロリーは少しバツが悪そうに頬を掻きながらパチュリーに返した。
「ああ、俺も念願の腕が元に戻った。その、なんだ…ありがとう…」
「…ええ、こちらこそ」
その慣れていない様な感謝の言葉に、パチュリーは苦笑した。
こうして、ブロリーの腕は元に戻った。それと同時にこの時、誰かに助けられたと改めて実感したブロリーの心境は、少なからず変わって行った。
*
両腕を取り戻したブロリーは意気揚々と階段を登って行く。
階段を地上まで上がった時、ブロリーは気になる物を発見した。ブロリーが上がってきた大きな階段の左端の壁に、隠してある様に扉が設置してある。この扉は今までの扉と違い、壁の色と同化している様に真っ紅な色になっている。
今までの扉が茶色だっただけに、何か特別な物が有るのでは無いのかと気になってしまったブロリーは、先程取り戻した腕で真っ紅なドアノブを握り、扉を開ける。
その扉の先は奥が見えない程長い地下への階段になっており、灯りも申し訳程度のロウソクしかなく、まるで地獄に続いている様にも感じた。
しかも全体的に狭い。縦幅は大人1人が通れるぐらいの大きさで、横幅も両手を広げる事すら出来ない程の大きさだった。その作りは侵入者を拒んでいる様にブロリーは感じた。
それ故、ブロリーはこの階段の奥に興味を持った。
(ここは一体何処に続いているのか、そしてこの奥に何が有るのか…自由行動が許されている今なら見に行く時間はあるな)
薄暗い歩幅の小さい階段をブロリーは進む。
もうかれこれ5分は下った。にも関わらずまだ奥すら見えない。だんだん歩くのにも飽きてきたブロリーは1分くらい前から舞空術を使っていた。
その約1分後、無限に続く様に思われた長〜い階段の終わりが見えた。そこには茶色の豪華そうな模様が彫ってある扉があるだけだった。階段が今まで薄暗かったせいか、急には現れた1つの扉が不気味に思えた。そして何より扉の前にも関わらず、中からは物音1つしない。その静けさが妙な雰囲気を醸し出していた。
その不気味な雰囲気が一層ブロリーの興味心を掻き立てられる。中には何があるのだろうかとワクワクしながら茶色の扉を開ける。
その部屋はシンプルそのものだった。四角形の少し大きめの部屋に紅いベッドと紅いテーブルとイス。床には案の定紅い絨毯がひかれており、何故かズタズタに引き裂かれた跡がある。部屋の内部は階段よりは明るいが、窓が無い事もあり少し薄暗く感じた。
だが、その部屋はブロリーの予想と大きくかけ離れていた。
(予想以上に普通の部屋だな。もっと何かの魔窟の様な所につながっているかと思っていたのだが…。拍子抜けだな。長い時間かけて来たのが全て水の泡だ)
何も無いと感じ、来た道を戻ろうとドアノブに手を掛ける。だが、何も無いと確定させたブロリーの見解は間違っていた。
「ねえ、貴方は誰?」
ドアノブを回そうとしたブロリーの手が止まる。背後からの少女の声。レミリアの時の如く、またもや背後をとられた事もあり、イラつきながら後ろを向く。
だが、そこには誰もいない。あるのはさっき見た部屋だけだ。ここでブロリーは(前もこんな事もあったな)と思い出し、今度は自分の下を見る。
するとそこにはレミリアと同じ様な格好をした少女が熊のぬいぐるみを抱き抱えた姿でブロリーを見上げていた。レミリアの様な威厳は感じられないが、何か侮れない様な雰囲気をブロリーは感じていた。
「誰だ?お前は」
まずこの少女の真意を確かめるべく、少女の詳細を聞いてみる。
「私?私はフランドール・スカーレット。貴方は?」
(スカーレット…と言う事はレミリアの妹か姉かどっちかだな。肉親の可能性がある以上、告げ口をされる事も視野に入れて対応しなければならないな)
「…俺はブロリーだ」
「ふ〜ん、何か言いづらいね。ブロちゃんで良い?」
「ブロちゃん!?何だその変な呼び方は?」
「だって言いづらいんだもん!ブロちゃんでもいいじゃん!そんなに変わらないし」
「だが…格好悪くないか?」
「そんな事ないよ。可愛いよ」
「可愛いんじゃないか!」
「所でブロちゃんはさ〜…」
(このガキがぁ…)
終始会話の流れを支配しているフランドールに対し、調子が狂い腹が立つブロリー。今すぐにでも殴りかかりたい所だが、後で咲夜に長い説教を喰らうのが面倒臭いブロリーは必死にフランと会話を合わせる。
「何だ?」
「ブロちゃんは私と遊んでくれるの?」
「遊ぶ?」
「うん!何時も私1人だからつまらなくてさ。誰か来てくれるの待ってたの!」
「俺はガキの道楽に付き合っている程暇じゃない。他に遊んでくれる奴はいないのか?咲夜とかパチュリーとかこの館には数多く遊んでくれそうな奴は居そうだが…」
「皆は私と遊んでくれないの。だから代わりの人を咲夜がたまに連れてきてくれるの」
「じゃあその代わりの奴は今居ないのか?」
「もう皆居ないの。皆壊れちゃった…」
「何を……ッ!!」
俯き、壊れた…と言う言葉をフランが言った瞬間、空気が凍った気がした。部屋を押し潰す様な圧迫感にブロリーはたじろぐ。
(何だこの感じは?こんな潰される様な感覚は初めてだ…!)
俯いた顔をフランドールはゆっくりと顔をあげる。フランの目は真っ紅に輝いていた。
「…ねぇ、ブロちゃんは私と遊んでくれる?」
張り付くような緊張感。ブロリーはこの感覚を懐かしく思えた。そして、この感覚が殺し合う時に感じる感覚だという事も、ブロリーは覚えていた。
戦闘狂のブロリーはこの時、極度の緊張感と共に、強者と渡り合えると言う気持ちにより、心が高ぶり、歓喜していた。
だから、ブロリーの対応は《戦闘》の一択しか無かった。そして今その戦闘に直結する言葉はフランの言う《遊び》なのだろうとブロリーは感覚でわかっていた。
「……あぁ、良いだろう。お前と遊んでやる!」
「なら…簡単に壊れないでね!!」
ブロリーが戦闘体制に入り、フランドールが空中を舞う。
今此処に
幻想郷の悪魔と
宇宙の悪魔が
対峙する。
はい、皆様幻想入りシリーズでお馴染みのフランドールさんが登場です。
次回はいよいよ戦闘に入りますよ!キツそうですね〜(汗)
パチュリーが使った魔法の名前については触れないで下さい…