幻想血祭郷   作:BroBro

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他の皆さんのブロリーがフランと一戦交える中、こっちのブロリーもフランと戦います。
やっぱ戦闘って難しいですねぇ。


黄金の悪魔

 

「アハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

「チッ!!何なんだコイツは!」

 

「ほらほら!早く避けないと死んじゃうよ!」

 

「クソッ…!俺以外にこんな奴がいたとはな!」

 

 

地下のフランドールの部屋で響く爆発音。フランが弾幕を放ち、ブロリーが躱す。今のブロリーは反撃出来ずにいた。

 

 

(気弾の数が多すぎる!いくら俺でもこの数は捌き切れない!)

 

 

フランドールの弾幕は手数が多い。それに対してブロリーの弾幕は一撃必殺を重視している。数多くの弾幕を撃たれ、攻撃の出来る隙がないこの状況では、ブロリーは圧倒的に不利だった。

 

細やかなステップでフランの弾幕を躱していく。それでも限界がある。しかも部屋が狭いため、ブロリーの巨体では自由に動く範囲がない。対してフランドールは体が小さいため、部屋の中を縦横無尽に飛び回り、ブロリーに攻撃を繰り出す。場所的にもブロリーには不利なのだ。

 

必死に弾幕を避けるが遂にブロリーが弾幕に当たってしまう。

 

 

「グォッ!」

 

 

勿論一発ではない。弾幕が当たったのを見たフランドールはスペルカードを出し、新たな攻撃を仕掛ける。

 

 

「禁弾『スターボウブレイク』!!」

 

 

瞬間、数多くの弾幕がブロリーに襲う。絶え間なく続く攻撃に、ブロリーは防御も出来ない。ただされるがまま攻撃を喰らう。

 

やがてフランが弾幕を止め、モウモウと立ち込める煙の中にいると思われるブロリーに飽きれたように話しかける。

 

 

「何だ…もう壊れちゃったんだ。やっぱり物足りないなぁ…」

 

 

そう言い、立ち込める土煙から背を向け、ベッドに向かってつまらなそうに歩き出す。

 

だが、フランはこの後、自分のとった行動が過ちだった事に気づく。

 

 

「何処へ行くんだぁ?」

 

「……!?」

 

 

確かに聞こえたブロリーの声にフランはバッと振り返る。そこにあったのは立ち込める土煙では無く、硬く握られた大きな拳だった。

 

ズガンッ!と言う鈍い音を立て、フランは反対側の壁に吹き飛ぶ。

 

 

「勝った等とその気になっていたお前の姿は笑えたぞ」

 

 

散々弾幕を食らったにも関わらずブロリーの体には傷一つついていない。そんなブロリーに壁から這い出たフランは更に笑う。

 

 

「アハハハハ!そう来なきゃ面白くないよ!」

 

「さあ、来い!ここがお前の死に場所だぁ!」

 

 

弾幕ごっこで人は死にません。

 

ここで今更ながら弾幕ごっこについて簡単に説明する。弾幕ごっことは相手を傷付けない撃ち合い。チャンバラやサバゲーに等しい物と見ても良いだろう。この弾幕ごっこは幻想郷特有の戦闘方法で、攻撃をする前に技名《スペルカード》を宣言しなければならない。(このルールを既にブロリーは講習の時に咲夜に教えてもらっている)

 

だが既に、安全な弾幕ごっことはかけ離れた戦いをこの2人は繰り広げていた。

 

 

「デヤァ!」

 

 

掛け声と共にブロリーは全力の右拳をフランに突き出す。だが、フランはこれを体を捻るようにして躱し、ブロリーの脇の下から後方へと飛び出し、飛行する事によって一気にブロリーから距離をとる。

 

そしてフランが1つのカードを取り出し、スペルカードを宣言する。

 

 

「禁忌『フォーオブアカインド』!」

 

 

フランがスペルカードを宣言すると同時に、フランの周りが紅く光り出す。その光の明るさにブロリーは一瞬フランから目を逸らす。そしてブロリーが再度フランを見ると、フランが4人に増えていた。

 

 

「…面白い事をしてくれるな」

 

 

だがブロリーは驚く事もせず、素直に感心する。ブロリーは4対1の戦いを何度も体験している。例え4人に増えたとしても、ブロリーには関係ない。

 

 

「「「「さあ、私達と遊びましょ!」」」」

 

「例え4人に増えたとて、この俺を超える事は出来ぬぅ!!」

 

 

4人のフランが動き出す。2人は弾幕を張り、2人はブロリーに近接戦闘を挑む。

 

 

「邪魔だぁ!」

 

 

近接戦闘を仕掛けてきた2人をブロリーはバリアを衝撃波に変える事で吹き飛ばす。そして2人のフランが吹き飛んだ隙にブロリーはスペルカードを宣言した。

 

 

「緑弾『トラップシューター』!」

 

 

ブロリーは右手に気を集中させ、4体のフランに向かって放つ。最初に右手にあった1つの気弾はブロリーの手の平から離れた瞬間、幾つもの緑色の弾幕となってそれぞれのフランに向かって行く。

 

4人のフランに吸い込まれるように飛んで行くブロリーの弾幕は、最初に弾幕を後方から撃っていた2人のフランに少し集中していた。

 

この弾幕を躱そうと2人のフランは右側に旋回していく。これでブロリーのトラップシューターは躱した。

 

だが、ブロリーは元々トラップシューターをフランに当てるつもりは無かった。

 

 

「緑拳『イレイザーブロウ』!」

 

 

ブロリーが新たなスペルカードを宣言した瞬間、右に旋回し、トラップシューターを躱した2人のフランが消えた。

 

ブロリーは最初からフランが右側に避ける所を狙っていたのだ。その為に少し左側に弾幕を集中させ、右に行くようにさりげなく仕向けていた。そこにブロリーが緑色の気弾を殴る形で2人のフランに爆発させた。

 

 

「後2人!」

 

 

弾幕を放っていた2人を片付けたブロリーは、トラップシューターを躱し終えた残りの2人に突進する。それに釣られるように2人のフランもブロリーに突進してくる。

 

ブロリーは2人に正面から殴りかかる、事はなく、右にいるフランにステップし、ラリアットで壁に叩きつける。

 

そして攻撃してくる左側にいたフランに回し蹴りを食らわせ、ラリアットで壁に埋まったフランに渾身の左ストレートを食らわす。

 

ズガァァァンン!!と言う巨大な音を立て、更にフランが壁に埋まって行き、霧散していった。

 

そして回し蹴りを食らわせ、むせ返るフランに向き直り言い放つ。

 

 

「フランドール、分身が可愛いか?フフフッ!」

 

 

その言葉にフランドールは狂気の目を開き、より一層楽しそうにブロリーに返した。

 

 

「ゴホッ…ガホッ!フフフ、楽しい!楽しいよブロちゃん!今までの中でも1番楽しい!」

 

 

その瞳と言動にブロリーは何故か昔の自分を思い出してしまう。だが、今はそんなことどうでも良い。今はただこの戦いを楽しみたかった。それは、フランも同じ事である。

 

 

「次は私の反撃ね!禁忌『レーヴァティン』!」

 

 

フランが新たなスペルカードを宣言する。するとフランの手から炎の柱が出てくる。その炎の柱は次第に大きくなり、形を形成する。

その炎のは最終的に剣の形になった。

 

その炎の剣をフランは大きく振り上げ、ブロリーの真上に振り下ろす。

 

 

「そんなもの……何!?」

 

 

ブロリーの真上に振り下ろされた炎の剣は振り下ろすと同時に次第に大きくなっていた。

ブロリーは元の大きさの攻撃を予想していたため、躱すのに一瞬の間が生まれてしまう。この一瞬により、ブロリーのスピードでは避けられない距離まで炎の剣は接近して来ていた。

 

完璧に躱すタイミングを失ったブロリーはバリアを発動させる。だが、急いで発動したため、バリアの強度が甘かった。

 

 

「グオァァァッ!!」

 

 

パリーンッ!と言う音と共にブロリーは吹き飛び、反対の壁に激突する。ブロリーが激突した事によって真っ紅な壁はガラガラと崩れ去った。

 

そんな状態のブロリーにフランが言い放つ。

 

 

「これでおあいこだね。バリアが使えるとは思わなかったけど、ダメージを受けちゃったら意味無いよね〜」

 

 

そのフランの言葉にブロリーは耳を貸す暇が無かった。ブロリーの体の節々が悲鳴を上げていたからだ。ブロリーは今筋力が昔と比べて著しく低下している。それなのに昔の様に過激な動きをしたせいで、体にブロリーの反応がついて来れなくなっていた。

つまり言えば筋肉痛である。

 

だがそれでも痛みを堪え立ち上がる。

 

 

(俺はもう負けない。カカロットにも、目の前の女にも。もう、誰にも負けない!)

 

 

立ち上がるブロリーを見て、フランはまた歓喜する。

 

 

「まだ遊んでくれるんだ!じゃあ今度は何も残さない様にしてあげましょ!禁忌『そして誰もいなくなるか?』!」

 

 

フランが新たなスペルカードを出す。フランの周りにこれまでとは比べ物にならない程の数の弾幕が浮遊する。

 

もうブロリーに避けると言う術は無い。どこからどう見ても絶対絶命のピンチのはず。にも関わらずブロリーは笑っていた。

 

 

「…ふ、フハハハハハハッ!!」

 

「…おかしくなっちゃったの?」

 

「フフ…いや、違う。この戦い、俺が勝つ」

 

「今の貴方でどうやって勝つの?」

 

「今の俺では無理だ。だから、ここからは違う俺にやって貰おう…」

 

「違う貴方?……!」

 

 

地下の空気が震えた。それに伴い、ブロリーの周りから黄金の炎が立ち上がる。髪が徐々に逆立ち初め、その髪も黄金に少しずつ染まって行く。

 

 

「…これで俺の勝ちだ!うおぉおおおおぉぉぉぉぉォォォォォォオ!!」

 

 

地下にブロリーの雄叫びが響く。これを危険と判断したフランは速攻で攻撃を仕掛ける。

 

だが、全ては無駄に終わる。

 

 

弾幕がブロリーに当たる瞬間、ブロリーの周りの黄金の炎のが弾けた。

 

炎のは周囲に突風を巻き起こす。それに伴い、フランが放った弾幕も炎と共に吹き飛び、消えていく。

 

吹き飛ばされまいと踏んばったフランは、突風で飛んでくる破片から両眼を守ろうと、腕を顔の前でクロスさせる。

 

そして風が止んだ時、フランはゆっくりと部屋の真ん中に立つブロリーを見た。

 

 

するとそこにはさっきまでと別人では無いかと言うほど変わったブロリーの姿があった。

 

黄金の髪。

 

グリーンの瞳。

 

盛り上がった筋肉。

 

そして何より遠くからでも感じる覇気。触れれば蒸発してしまいそうな程攻撃的な覇気に、フランは目を見開き、苦笑した。

 

 

「…これは卑怯でしょ…」

 

 

フランの言葉をよそに、ブロリーはグリーンの瞳を光らせ、フランにゆっくりと指を指しながら言い放った。

 

 

「まず、お前から血祭りに上げてやる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄金の炎を纏ったブロリーが、一歩ずつフランに向けて歩を進める。

 

一歩進むごとに部屋の内装は崩壊し、一歩進むごとにブロリーの体から電撃が迸る。

 

黒髪だったブロリーとは思えないほど様変わりしたその顔は、不気味に笑っていた。

 

 

「それが貴方の本気なの?」

 

「ふん、こんなものまだマシな方だ。俺はまだ全力では無い」

 

そう、じゃあ…全力を出させてあげる!」

 

 

フランが炎の剣を強く握り、ブロリーに向けて飛翔する。そして剣の届く範囲に達し、剣を横に薙ぎ払う。

 

先程ブロリーを苦しませた攻撃。普通だったら躱すだろう。

 

だが黄金のブロリーは、その場に立ったままだった。フランの放ったレーヴァティンがブロリーに直撃する。バリア無しでモロに攻撃を受けたのだ。ただでは済まないだろう。と、思っていた時がフランにはあった。

 

 

「何なんだぁ、今のは?」

 

 

案の定、ブロリーの姿はそこにあった。しかも体制を崩す事もなく、立ったまま腹で攻撃を受けている。にも関わらずブロリーには傷1つついていなかった。

 

そして、ブロリーが動き出す。

 

 

「デェヤァ!」

 

 

掛け声らしき声と共に一歩踏み込み、足払いを繰り出す。その攻撃をフランは上へと飛ぶ事で躱す。

 

だがブロリーも1回攻撃しただけでは終わらない。避けられたのを確認したブロリーは気を溜め、飛び上がる。そしてフランの所まで一瞬で追いつき、フランの足を掴み、地面へと振り落とす。

 

投げ飛ばされたフランが叫ぶ間もなく床へと落下し、小さなクレーターを作る。そのクレーターの中心で倒れているフランを更に上空から両手で押し潰そうと迫る。

 

その追撃してくるブロリーを見たフランは横に回転し、その攻撃を間一髪で躱す。そのままの勢いで後転で起き上がり、更にクレーターを深くしたブロリーに向かって反撃しようとスペルカードを取り出す。

 

 

「まだ終わらないよ!禁忌『恋の迷「やらせると思っていたのか?」…!」

 

 

だがフランがスペルカードを言い終わる前に、ブロリーが気弾を放つ。

 

 

「喰らうがいい!爆破『スローイングブラスター』!」

 

 

自分の技に集中していたフランは、スローイングブラスターを避ける事が出来なかった。慌てて両手を体の前でクロスさせ、攻撃を防ごうとする。

 

結果的にスローイングブラスターはフランの腕にあたり、ダメージを軽くする事はは出来た。だが、それは第一段階の攻撃を防いだに過ぎなかった。

 

フランの腕にスローイングブラスターが当たった瞬間、スローイングブラスターが轟音を立て爆発する。爆発はフランを飲み込み、爆風は部屋を木っ端微塵に破壊した。

 

後に残ったのは、1つの部屋があったとは思えないほどの巨大な地下空間と、うつ伏せに倒れ、ボロボロになったフラン、そしてそれを空中から見下ろすブロリーだけだった。

 

 

「もう終わりか?」

 

「うぅ…ブロちゃんちょっと手加減してよ!」

 

「手加減ってなんだ?」

 

「知らないの!?」

 

「俺が手加減すると思っていたのか?」

 

「意味知ってんじゃん!」

 

 

噛み合わない会話を繰り広げるブロリーとフラン。さっきまで殺し合っていた2人とは思えない風景である。

 

 

「手加減など今はどうでもいい。次の攻撃で終わらせてやる!」

 

 

ブロリーがスペルカードを握り潰し、右手に翠の気を集中させる。

 

 

「残念だけど、次に終わるのは貴方よ!」

 

 

最後の力を振り絞り、フランがスペルカードを手の中で爆発させ、狂気の目を表す。

 

 

「消え失せろ!破滅『プラネットゲイザー』!」

 

「消えて無くなれ!QED『495年の波紋』!」

 

 

フランが自分の周りに幾重にも重ねた弾幕を囲む様に出し、ブロリーが更に上に上がり、強く握り込んだ気弾を構える。

 

2人のスペルカードの域を超えた力がぶつかり合い、大爆発が起きた!

 

 

…と思っていたのか?

 

 

「グ…ァ……」

 

「え?なに?」

 

急に溜め込んでいた力が開放され、ブロリーは頭から床に落ちて行く。

 

その姿を見たフランは、丁度ブロリーの落下地点がフランの真上と言う事もあり、落てきたブロリーを受け止める。

 

何が起きたか今だに理解出来ないフランはブロリーの顔を覗きこむ。するとブロリーは力を使い果たした様に眠っていた。

 

フランが3倍くらいの大きさのブロリーをお姫様だっこする体制で数秒考える。

 

 

「…どういう事なの?」

 

 

だが、結局何故ブロリーが急に眠ったのかをフランは理解出来なかった。




紅魔館「助かった…」
紅魔館は今回地下以外は無事でした。多分、この戦いが1番被害が少なくなると思います。

紅魔館「ゑゑ!?」
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