「それでは始めようか。アンティーク故に判定機は旧式ルールに基づいて設定されているので、地雷を踏んでも撤去されずにその場に永続するから気をつけたまえ」
グランセル城二階右翼にある酒場つきの談話室。
バーテンダーのレヴォルを下がらせ人払いすると、リシャール大佐は手慣れて手つきでアルコール抜きのカクテルを兄妹に振る舞いながら、テーブルの上に軍人将棋の基盤をセットする。
このゲームは前準備として駒の初期設定をしなければならず、左右二つの橋によって対岸に分かたれた総司令部を含む自陣マスに31枚の駒を伏せて配置する。
(大将×1、中将×1、少将×2、飛行機×2、タンク×3、大佐×2、中佐×2、少佐×2、大尉×2、中尉×2、少尉×2、騎兵×2、工兵×3、スパイ×1、軍旗×1、地雷×3)
強い駒を前方に配置し積極的に攻め入る
初期配置の善し悪しが勝敗の行方に大きく直結するのに、これといった正着がないのが合理主義のヨシュアが毛嫌いする要因だが、逆に言えば大佐がどれほどこのゲームを遣り込んでいたとしても、運次第では素人にも勝機があるのが、囲碁、将棋などの実力通りの順当な結果しか齎されない他の戦略ゲームとの違い。
「大佐、二つほど提案があるのですが、宜しいでしょうか?」
前回シード少佐にボロ負けした教訓を活かして、きちんと戦理に基づいて駒を配置し終えたヨシュアは、既に準備万端で待ち構えているリシャールに強請りする。
「私たちはビギナーなので、ハンデとして二人で一緒に考えてプレイしても良いですか?」
「それが君たちの有利に働くとも思えないが好きにしたまえ。そして、もう一つは?」
「勝利した者への報酬です。敗者は勝者の質問に一つだけ、嘘、韜晦、言葉遊びを抜きにして明確に答えるというのはどうでしょうか?」
「おい、ヨシュア?」
義妹の加えたとんでもない条件に義兄は泡を喰う。確かにこれなら大佐の真意を暴けるかもしれないが、逆に自分たちの潜入目的を曝け出す危険もある諸刃の剣。
もちろん、お互いがきちんと取り決めを守るという前提での話だが、ヨシュアは賭け事で負けた時の対価を反故にしたことは一度もないのをエステルは熟知していた。
「良いだろう。やはり勝負事は何かを賭けてなければ面白くない。その約束を決して違えないのを王国軍大佐アラン・リシャールの名誉にかけて誓おう」
黒服の金髪士官は少し悩んだ後、不敵な笑みを浮かべ子供たちの挑戦を受けてたち、ヨシュアもニッコリと微笑み返す。
かくして、互いが隠し持つ思惑を天秤に預けた異色の軍人将棋対決が始まった。
「あら、負けちゃったわね」
自陣に潜入してきた駒同士が重なったので、脇に置かれている自動判定装置に2枚の駒をセットすると、導力チップによる測定で大佐の駒が青くヨシュアの駒が赤く点滅する(引き分けの場合は、両方の駒を黄色に点滅)
こうして敗北した側の駒が陣から取り除かれるが、序盤で大切なのは局地的な勝敗ではない。勝ち負けに関わらず伏駒の正体は覗けないので、手持ちの駒との優劣から敵駒を推測する情報戦からスタートする。
その為には、ある程度駒同士をぶつけ合って、どんどんデータを採取する必要があり、この場合に役立つのがエステルの勘の良さ。
「えーと、ここかな? よーし、何か判らないけど勝ったみたいだぞ」
もともと初期段階は運試しに近いので「好きな駒を動かして良いわよ」と指示し、ルールはおろか駒同士の強弱関係すら知らないエステルに下駄を預けると、ビギナーズラックもあるのか面白いようにピンポイントで勝利をもぎ取ってくる。
まあ、大抵は次の大佐のターンで適切な強駒によって取り返されるのだが、「相手の動く駒」が判明することでヨシュアの頭の中の地図が完成に近づいていく。
何しろ動かない駒の中には、地雷(飛行機、工兵以外の全ての駒に必勝)や軍旗(後ろの駒と同じ能力を持つ)のような判別を難しくする上に大将や中将などの将官駒を無駄死にさせて取り返しのつかないダメージを与えるトラップが潜んでいるが、裏を返せば動く駒だけに的を絞ればそういうアクシデントは発生しない。
(私のタンクを打ち負かしたことから、敵駒は飛行機以上の強駒か工兵の二択。地雷除去能力を持つ工兵の枚数特定をしたいから捨駒の騎兵をぶつけよう)
戦いが中盤になり盤上の駒の数が減り始めて、反面、情報量が増えてくるとヨシュアの合理的な思考フレームが俄然有効に機能する。
(この敵駒の正体は少将~大尉なのは確定しているので、私の中佐の駒が勝てる確率は82%。それと最弱の騎兵と判明した駒を素通りさせている所から見て、右の駒は地雷と判断して差し支えなさそうね)
失った駒、勝利した駒が残したデータを駆使して、これから戦う駒同士の大凡の期待値を算出できるからで、ヨシュア的にはこの段階に到達して初めて知力を振るう余地が生まれ、じわじわと戦力比を引き離し始めた。
ただし、序盤の運が悪いと度胸一発、盾を持たずに矢の雨を歩いたアレキサンダー大王のようにエスパーモードで地雷をすいすい回避し続ける大将、中将無双で敵単騎で二桁前後の駒を削られる悪夢もあり、こうなるとほとんどリカバリーが効かなくなる(ユリア中尉がカノーネ大尉に勝利するのは大抵このパターン)
幸い今回の対戦ではアクシデントとは無縁。大佐が半分の駒を失ったのに対し、兄妹側の損失は十個に達しておらず、後は生贄戦術で総司令部までの地雷確認をしながら道を切り開くだけ。
当然、敵も総力戦で防衛してくるが、そうなるとまた動く駒が判明するので、地雷を過剰に警戒するヨシュアにとっては反って有り難い。
「これで私達の勝ちですね」
「ふっ、やられたな。二人で戦うとはそういう意味か。理論と直感の見事な融合だ」
大将同士が相討ちで消滅した後に、のっちら歩いてきた中将の駒に総司令部を占拠されて勝敗が決した。
盤面に残された駒はお互い二桁を切っていたが、地雷チェックでヨシュアが惜しみなく捨駒をふんだんに投入したからで、最後は完全なワンサイドゲーム。大佐は素直に兜を脱いだ。
「まだ細かいルールは良く判らないけど、結構面白そうだな、これ。ティータに頼んで、地雷撤去の最新ルールに対応した導力判定チップ付きのを造ってもらおうかな」
「ラストの攻防は思考し甲斐がありましたけど、やっぱり運ゲーの範疇は出ませんね。なぜ士官学校で真面目に軍略を学んでいる軍人さんが、これほど愛顧しているか私には分かり兼ねます」
初心者に破れたのをさして気に留めずに、真逆の感想を抱いた兄妹を興味深そうに見渡しながら、ワイングラスに注いだカクテルで喉の渇きを潤した大佐が口を開く。
「ふふっ、そのある程度運任せの部分がいいのだよ。現実の集団戦闘で運不運が全く介在しないケースなど、まず存在しないからね」
かの百日戦役が良い例。リベールの存亡を賭した本土防衛戦でカシウスが神算鬼謀の限りを尽くしたのは確かだが、それでも10回戦えば9回は侵略されたであろう負け戦。
十戦十勝を期するには、両軍の戦力はあまりにかけ離れすぎている。なおかつ指揮官同士の思惑や些細な偶然による情報漏洩、予期せぬ局地戦の事故など戦争では人知の及ばない領域が大きすぎる。
故にカシウスを真に英雄たらしめるのはその能力もさることながら、替えの効かない一度きりの本番で不利な故国に勝利の女神を引き寄せた天運にこそあるのかもしれない。
「なるほど面白い発想ですね。未知なる闇に対峙する能力を養うという意味では情報オープンな将棋やチェスにない趣があります」
「個人的には士官学校の戦術授業に軍人将棋の対戦を取り入れたいぐらいだが、君の言うように
大佐の表情から笑みが消える。瞳の奥の鋭い光が兄妹を貫き、エステルは緊張で背筋に冷たいモノが走る。
「云うまでもなく王国を挟む二つの大国に比べて、リベールは国力で大きく見劣りする。人口はカルバードの1/5。兵力に至ってはエレボニアの1/8に過ぎない。さて、エステル君。その事実を踏まえた上で君に問うが、我がリベールはどのような国防対策を敷くべきであろうか?」
「へっ、俺?」
いきなりご指名を受け、エステルは素っ頓狂な声を上げる。
このような論理点舌戦は本来ならヨシュアの領分。縋るような目で義妹をチラ見するが助け船を出すつもりはないようで知らん顔されている。未熟なりにエステルが自らの見識で国家論を紐解くのを期待しているようで、ひたすら熟考を重ねた後、たどたどしく言葉を紡ぐ。
「えっとー、俺は武術は大好きだけど、戦争は御免だな。けど、いくら能天気な俺でも軍備が全くいらないとかは世迷い言だと思うから、国境を守り切れるだけの兵力は必要かな?」
「なるほど、君の識見はアリシア女王陛下の唱える国防論に近い」
リシャール大佐は表情を消して讃えるが、エステルは居心地悪そうにしている。
国主と同意見と煽てられても、なぜか褒められたような気がしなかったからだ。それは傍で聞いていたヨシュアも同感だったので、大佐の思し召しを拝聴してみると。
「そうだな。エレボニア全土を征服せんとは言わないが、少なくとも帝国の首都たる
「あんた…………いや、大佐は本気でそう思っているのかよ?」
富国強兵を示唆する発言にエステルは仰天する。軍需拡大路線の信奉者のリシャール大佐が軍備の増強を訴えるのは想定内とはいえ、どうして国を防衛するのに他国を滅ぼすだけの兵力が必要なのか理解不能だが、「一理あるわね」との同調のお言葉が義妹の口から囁かれ眉を顰める。
「戦争もまた国家間の国際問題を解決する外交手段の一つとするなら、リベールの置かれた立場は受動的に過ぎるわ」
百日戦役の事後処理がその良い例。帝国は一方的な侵略戦争を仕掛けながらも、「不幸な誤解から生じた過ち」などという言い逃れ一つで開戦理由すら明示していない。
リベール本土を好き勝手に蹂躙しながら、賠償金も支払わずに何の禍根も無かった素振りで両国間の国交を再開している。
このような暴挙が罷り通る最大の要因は両国間の軍事格差にあるのは明白。別段エレボニアとリベールに限った話でなく、大陸間の彼方此方で見られる悲喜劇ではある。
「ようするに、リベールはエレボニアから舐められているということ。遊び半分でリベールの富に手を伸ばして、その手を払い除けはしても、帝国の喉元に刃を突き付ける力を持たない。自分たちの身が傷つくことはないのだから、また機会があればチョッカイをかけようと甘く見積もられてしまう訳よ」
だが、もしリベールがエレボニアに報復、懲罰可能な『自前の強制力』、ようするに強大な軍事力を保有するならどうなるか?
自国が侵略されるかもしれない……という恐怖心を植え付けて、はじめて主導権を握って相手を対等な外交テーブルに座らせる事が可能。実際に攻め入る必要はなく、抑止力としての戦力が重要なのだ。
「ふふっ、ヨシュア君。君はリベールを取り巻く国際情勢を正確に理解しているようで何よりだ」
大佐が感心したような口ぶりで再び笑みを浮かべ、逆にエステルは苦虫を噛み潰したような表情を隠せない。
所説の是非はともかく、義妹が軍需拡大に追従するような態度を見せたのがショックだったからだが、別にヨシュアは大佐に賛同した訳ではなく少女の論にはまだ続きがある。
「ただし、国境を守り抜くだけの寡兵で国を防衛するのが絵空事であるように、今のリベールの土壌(限られた領土と人口)でエレボニアに拮抗する軍事国家に作り替えるのもまた現実的じゃないわね」
軍隊を維持するには、その国の
実際、大陸北部には隣国の強大国の侵略を恐れるあまり軍備を際限なく増強させ、ついには軍事費がGNPの50%を上回り、(エレボニアのような軍事大国ですら平時は10%を越えない)兵士数がそれを養う市民の数よりも膨張し内部破綻をきたした小国も存在した。
また、リベールには独自の風土というか歴史と伝統がある。
時代の変化に応じて多少の変革が促されるのは仕方がないにしても、物騒な大量破壊兵器が街中に配備されて、ならず者の
「ふーむ、君は中々にシャープな国家戦略レベルの外交感覚を持っているな。正直、ブレイサーにしておくのが惜しいぐらいだ」
「お褒めに預かって恐縮ですが、所詮は口先だけの若者の政治批判と同じ穴の狢です。問題点は指摘しても、特に代替案を持っている訳じゃない単なる門外漢の無責任な野次ですから。それよりも与太話はこのぐらいにして、そろそろ本題に入っても良いでしょうか?」
ヨシュアの言う本題は軍人将棋に勝利した側から行使できる質問権。小難しい議題が続いて頭がオーバーヒートし掛けたエステルは我に反ってゴクリと生唾を呑み込んだ。
「リシャール大佐。貴方はどのような手法でリベールを救済するつもりですか?」
短い遣り取りだが、彼が独善的ながらも王国の将来を憂いる愛国者気取りであるのは肌で感じられたが、ヨシュアの掲げた持論など全て承知しているであろう聰明な大佐が、軍事クーデターで覇権を握るだけでリベールを周辺の大国に劣らぬ軍事国家に短期間で変貌させられると楽観していまい。
何か裏技のような切札を隠し持っていると睨んだヨシュアは、敢えて『救済』という単語を用いて問い掛けたが、計画の急所ともいうべき秘中の秘について暴露するだろうか?
軍事力を伴わない協調外交に何の強制力もないように、個々の良心に縋るしかない個人間の単なる口約束がきちんと履行されると盲信するのも、子供の浅はかさかもしれないが。
「
どうやらリシャール大佐はヨシュアの思惑を大きく裏切る傑物のよう。全くの想定外の返答に基本物怖じしない少女も唖然とする。
「あれ、オリオール? はて、どこかで聞いたことがあるような?」
「古代人が女神から授かった
「えっ、そういえば日曜学校で習ったような……って、それって教会に伝わる単なる御伽噺だろ?」
エステルは懐疑的な視線で澄まし顔のリシャール大佐を睨む。
アルバ教授のような夢見がちな考古学者ならともかく、クーデターを冒してまで故国の救済を志す独裁者が本気で手をつける現実性のある話とは到底思えず、無知なお子様だと馬鹿にされたと立腹したからだ。
「ふーん、宝探しに憧れるなんて、やっぱり男の人ってロマンチストが多いのね」
ヨシュアの方は琥珀色の瞳に蠱惑的な光を称えて、頬杖をつきながら大佐を上目遣いする。
あまりに荒唐無稽なお話だからこそ、逆に信憑性が高い気がする。
単に自分達を煙に巻くだけなら、もっとリアリティのある法螺話をいくらでも創作できた筈。もし、天地海と遍く世界を支配した至宝の一つを手に入れられるのなら、周辺諸国に対抗する巨大な武器を持つことになる。
本当に実在するならの話だが。
「質問自体には既に答えたから、それ以上の具体的な情報に関しては割愛させてもらう。そろそろ時間なので部署に戻らねばならないが、最後に一つだけ聞きたい。エステル君、君はカシウスさんの武勇伝について、さほど興味がなさそうだったがどうしてかね?」
軍人将棋の対戦の傍ら、百日戦役における父親の知らざる英雄の素顔を大佐はまるで我が事のように大袈裟に吹聴してみせたが、少年の反応はさほど芳しくなく少しばかり落胆した気分である。
「うーん、親父が只者じゃないっていうのは旅の間の周囲の反応から薄々感じていたけど、面と向かって聞かされても「だから、何?」としか言えなくてさ。俺が目指しているのは親父の肩書を越えることじゃなくて、ある人と約束した自分の心に恥じない立派なブレイサーになることだから」
エステルはポリポリと頭を掻きながらも、先の政治討論のように拙いながらも自分の言葉で想いを表現しようと努力する。大佐はおろか隣にいるヨシュアさえも意表をつかれたような顔でマジマジとエステルを見つめる。
「親父が誰かに迷惑をかける真似をしたならともかく、そうでないのなら親父が敢えて俺に伝えようとはしなかった過去を特別知りたいとは思わない。だから、S級遊撃士だか稀代の戦略家やらは英雄としてのカシウスを必要とする人間が賞賛してくれれば十分さ。俺は家事はてんで無能で料理も下手糞で回復アーツを唱えても瘡蓋一つ治せない魔法音痴でヨシュアと偶然バッタリお風呂で遭遇する機会ばかり伺っているスケベでグータラで本当にしょーもない駄目親父と同レベルで取っ組み合いの喧嘩をしている方が性にあっているからさ」
剣聖を崇拝するリシャール大佐はその彼の幻想を粉々に打ち砕く近親者の証言の数々に一瞬面食らったが、直ぐに理性を取り戻すとまるで何かを悟ったかのような菩薩の笑みを浮かべる。
「ふふふ、なるほど……。カシウスさんの見解に関しては百々相いれぬ所もあるが、戦争後に軍を辞めたあの人の選択はどうやら正しかったようだ」
英雄とは常に孤独な存在だと定義した古代の哲学者がいる。
常軌を逸した超常的な能力と並ぶ者なき功績故に凡人からは理解されずに天上人のように扱われるが、心まで金剛石で作られている訳ではない。愛する妻を無くした彼にとって救国の英雄の称号は重すぎた。
エステルのように自分を等身大の父親として受け入れてくれる帰れる場所があったから愛妻を失った悲しみからもう一度立ち直り、遊撃士という新たな人生の道筋を模索できたのだ。
(英雄の
少年は色んな意味で未成熟だが、時に世間擦れした皮肉た大人をハッとさせるような精神の煌きを放つ。少女は知略や武力などの純粋なステータスは剣聖に迫るものがあるが、偉大な父に比べると世界への愛情が希薄すぎる。
(互いに足りないものを補い合って、ここまで旅を続けてきたというわけか。二人合わせて、剣聖の後継者…………、ふっ、面白い)
リシャール大佐は意味ありげな瞳でエステル達を一瞥すると、クルリと踵を返す。
良いタイミングでカシウスが帝国に旅立った時には最大の障壁の消失に安堵した反面、幾分物足りなさを覚えたが、この兄妹が父親の代理ということであれば相手にとって不足はない。
「さて、近い将来、今度は異なった立場で再会することになるだろうが、次は今とは違った解答を聞かせてくれるのを期待しているよ」
それだけを告げるとリシャール大佐は談話室から退出する。
エステル達が大佐の尻尾を掴めたように、彼の側でも兄妹の企てをある程度看破しただろうに、それでも行動を束縛しようとはしないあたり、正面切っての最終決戦を臨んでいるのかもしれなかった。