星の在り処   作:KEBIN

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導かれし者たち(Ⅱ)

 クローネ峠の関所は、ボース市と開港都市ルーアンとを繋ぐ玄関口。

 クエストの事後処理や、エジル達正遊撃士への挨拶周りに予想外に時間を喰った二人が到着した時には、既に日が完全に落ちていた。野宿を嫌がったヨシュアがその場で座り込んでストライキを起こし、仕方なく関所に泊めてもらうように交渉した。

 先のクエストで色々あり、エステルは王国軍に対して含む所があったが、この砦に駐屯している兵士は職務に忠実で素朴な兵隊さんばかり。遊撃士に隔離を抱くことなく、快く受け入れてくれた。

 ただ、休憩所には既に先客がいた。それもエステル達のお仲間だ。特に相部屋に拒否感を持たなかった二人は、早速、同業者の顔を拝見しにいく。

 

        ◇        

 

「あーん、何だ、てめえら?」

 その赤毛の人物は、あまり友好的とは言えない鋭い視線で、エステル達を一睨みする。

 男であろうか、女だろうか?

 歳はシェラザードと同じぐらい。背はエステル程ではないが高い方。頭部にバンダナを巻いて、赤毛の髪はボサボサで肩甲骨に届くぐらい長い。切り傷だらけのダメージジーンズにTシャツ一枚。その下からタンクトップがくっきり浮きでていて、ヨシュアよりも豊満なバストを自己主張しているあたり、染色体的には女性に該当する。

 ただし、鍛え抜かれた鋼の筋肉は、女性特有の脂肪分は皆無。上腕二頭筋のぶっとさは並みの成人男性を凌駕し、雰囲気はボーイッシュを通過して、ワイルドの域に到達。胸部の識別子がなければ、性別を見極めるのはかなり困難。

「あっ、え~と、先輩の正遊撃士の方ですよね? 俺は準遊撃士のエステル・ブライトといいます。こちらは、義妹で同じ準遊撃士のヨシュア」

 赤毛女性のえも言わぬ迫力に萎縮したエステルは、慣れない敬語を交えて自己紹介する。ブライトという性を聞きつけた途端、女性はマジマジとエステルの鼻っ面に自分の顔を近づけた。

「あのっ……」

 野獣が獲物を見定めるが如くクンクンと臭いを嗅ぎ、まるで頭からまる齧りされるような薄ら寒い錯覚を覚える。

 鷹のように鋭い眼光で睨みながら、何かを確認するようにエステルの二の腕や、掌、腰、太股をベタベタと触れる。全身を弄られた女性の手触りと、何よりも目と鼻の先に突き付けられたヨシュアを凌駕する二つの膨らみの大きさにタジタジになる。隣にいるヨシュアは、「大きい方か良いの?」と恒例のジト目で不機嫌に頬を膨らませる。

「ブライトってことは、お前らがシェラザードの言うエロ爺のガキ共か?」

 遊撃士なら特に珍奇でもないが、この女性も父親やシェラザードと面識がある模様。とはいえ、いきなりセクハラオヤジ扱いされるとは、カシウスは何を仕出かしたのやら。

 まだ五十次前でジジイ呼ばわりされた親父を不憫に思い、かつてのモルガン将軍への不埒な態度を若干反省しながら、コクコクと頷いて肯定する。

「随分と鍛え上げているみたいだな、気に入ったぜ。近頃は去勢されたみたいな軟弱なオスが多いが、やっぱり漢はそうでなくっちゃな」

 触診からエステルの修練の質量を感じ取って、好感を抱いたようで、犬歯を見せて豪快に微笑む。この女性は見た目通りの筋肉至上主義者だ。

「それに比べて、そっちの娘はドシロウトだな。本当にブレイサーか、テメエ?」

 赤毛のマッスルレディがスキンシップを図る迄もなく貧相そのものの小娘に、エステルとは逆に懐疑の眼差しを向ける。

 早速、ヨシュアの実力を読み違えたわけが、まあ無理もない。痩せっぽちの身体、隙だらけの挙動、嘘つきの手にチャチな得物。

 真っ当な遊撃士であれば必ず保持している高い洞察力が却って足を引っ張る。ヨシュアの素人迷彩を見破るなら、キールのように観察を放棄し勘だけに頼るしか方法はない。

「ええ、準遊撃士のヨシュア・ブライトといいます、アガット・クロスナーさん」

 擬態に成功したヨシュアは、先の立腹が嘘のように機嫌を良くする。普通、実像より力量を低く見積もられるのに憤ることはあっても、ヨシュアのように喜ぶ人間は稀だ。

 本人曰く、油断してくれた方が寝首を掻きやすくて色々と便利だからだ。エステルのように「持てる力の全てを出し尽くして、お互い悔いのないように正々堂々と闘おう」などという騎士道精神は、漆黒の闇に紛れて牙を突きたてる闇の眷属には無縁。

「テメエ、何で俺の名を?」

「そこに立て掛けてある得物の大剣(オーガバスター)は、エステルの物干し竿と同じく、屈強な成人男性でも扱いに苦労する難物だと聞き及んでいます。ましてや、それを女性の身で扱える者など、リベールでは『重剣のアガット』を置いて他にはいないでしょう?」

 得意の観察眼と脳内データベースを駆使し、赤毛の女遊撃士の正体を看破する。

 重剣のアガットとは、この世界で知らぬ者のいない凄腕の女遊撃士。ボースの出身だが特に所属を持たずに活動する一匹狼で、滅多に他の遊撃士とつるむことはない。

 一見ラフな薄着のスタイルがはち切れんばかりの巨乳を強調しているが、ヨシュアが見た感じ自分やシェラザードのように女を武器にしているのでなく、単に己の性に無頓着なだけのようだ。

「随分と賢しらだな、小娘」

「はい、見ての通り私は身体を動かすのが苦手なので、主に状況分析や作戦立案などを担当して、戦闘はエステルに頼りきっています。この役割分担が功を奏して、例の空賊事件のクエストでも推薦状をいただけました」

 目の前の女性が性同一障害レベルで男性的だからなのか、またぞろ例のぶりっ子モードを発動させる。ヨシュアは基本的に戦略参謀に徹して、戦術バトルをエステルに丸投げするので、宣告そのものに偽りはない。

 ただし、ヨシュアが肉体労働を避ける傾向にあるのは力不足でなく単に怠けているだけだが、アガットは額面通りに小判鮫行為と受け取ったようで侮蔑の視線でヨシュアを見下ろした。

「気に喰わねえな。お前、そうやって、こいつの背中に隠れたまま正遊撃士まで登りつめるつもりかよ?」

「勿論です。生涯エステルに守ってもらえたら感無量ですが、万が一クエストの関係で離ればなれになっても、その時は別の男性遊撃士に助けを求めるので」

 あくまでも自分が庇護対象の女で、また頭脳労働担当者なのを強調する。最初のアガット側のアプローチも到底好意的とは呼べないとはいえ、臨戦態勢で受けて立つ構えで、とことんまで猫被りに徹する所存らしい。

 アガットは今度は寡黙を貫いたが、黒い瞳に宿した色が、蔑視から敵意へと変化しており、強い不快感を持たれたのは疑いない。

 彼女のような所謂男女は、世間一般のお洒落な女性像と大きく感性が異なる筈だが、それでもヨシュアに対する感情の着地点に変わりはない。まあ、こうして生身での遣り取りを鑑賞すると、ヨシュアが同性から嫌悪される理由は一目瞭然で、メイベルやアネラスのように友誼を築けた例が特殊なのだ。

「さてと、私は一宿のお礼に、夕食を手伝ってくるわ」

 場の空気を険悪な方向に掻き乱すだけ掻き乱した後、荷物を置いたヨシュアは、例によって男の兵隊さんへの点数稼ぎをしに厨房の方へと姿を消す。一人取り残されたエステルは実に肩身の狭い思いを味わった。

「エステルだっけ? 余計なお節介かもしれねえが、ああいう世の中を嘗めた小娘は、痛い目見る前にガツンと思い知らせてやった方いいぜ」

 どれほどお利口さんに立ち回ろうと、百の理屈など一の暴力に潰されるのが世の摂理。ましてや、それが遊撃士の生活圏のハードボイルドな世界であれば尚更。最後に自分の身を守れるのは小賢しい知恵でなく、鍛え抜かれた己の力しかない。

 世のフェミニスト頼りの他力本願なヨシュアの姿を過去の何者かと重ねているのか、このガサツな女性なりにヨシュアの行く末を案じてくれているみたいだ。

「忠告、どうも。義妹の分際で兄貴を蔑ろにしているのは確かなんで、ガツンと行きたいのは本当にヤマヤマなんすよ。でも、あいつが実は俺や多分アンタよりも強いと言ったら信じてもらえます?」

「はあっ?」

 「素面かお前?」という怪訝な面持ちで、エステルを一瞥する。

 やはり、百聞は一見にしかずの諺通り。初見の者にヨシュアの実力を納得させるには、一度、戦闘を生で拝ませるしかない。

 

        ◇        

 

 その晩、クローネ山道の関所に駐屯する兵士たちは遊撃士の団体を泊めた見返りとしてヨシュアのお手製料理をたらふく味わい、長年の軍隊生活で単に栄養補給と捕らえがちだった食事が人生最良の喜びの一つであるという掛け買いのない真実を久方ぶりに想起する。

 相伴に預かったアガットは外貌によらず、存外、食が細いが、料理自体は素直に美味いと褒め称える。気に食わない相手でも意固地にならず、良いものはきちんと認める性分のようだ。

 かといって、同性でありながら対極のポリシーを掲げる二人の溝が埋まったわけでなく、さらにその傷口を拗らせる事件が発生した。

 

        ◇        

 

 夜半過ぎ、関所は魔獣の群れによる襲撃を受けた。

 二つの出口が同時に襲われて、兵士の手が足りなくなったので、遊撃士のアガットとエステルが、ルーアン側の関所に加勢する。

「うりゃあああ!」

「だあああ!」

 狼に似た風貌の犬型魔獣(アタックドーベン)は、明らかに何者かの手程を受けたとしか思えぬ統率された行動で関所を包囲したが、遊撃士きってのパワーコンビの二人にがしがしと蹴散らされていく。

「何だ、こいつら? 今までの魔獣は群れることはあっても、ここまで戦術的に動くことはなかった筈だぞ」

「多分、人の手によって調教された猟犬よ、エステル。関所を落とすのにどんなメリットがあるか判らないけど、操っている人間が近くにいるわね」

 やはりというか戦闘に参加する意志のないヨシュアは、出口の前に立ちすくんだまま得意の合理的な思考フレームで魔獣の行動原理を分析する。

「さっき聞こえた犬笛みたいなのがそれか? なら、力の差を見せつけて首謀者を諦めさせれば、野生の魔獣と違ってこいつらは撤退するわけだな」

 パーゼル農園でもそうであったように、エステルは喧嘩早いが決して残忍でない。無益な殺生は可能な限り避ける主義。

「こりゃ、またお優しいことで、わざわざ殺さずに逃がしてやるつもりかよ?」

 遊撃士とは思えない絵空事をほざくエステルに唖然としたが、彼女はそういう甘さは嫌いではない。ただし、最後まで自分を曲げることなく、己の言葉に責任を持つならの話。

「なら、やってみせろよ、小僧」

 オーガーバスターを背中の鞘に仕舞い込む。彼女の得物には逆刃も峰打ちもない。ひと度振るえば斬殺あるのみ。

「当然、そのつもりですよ、先輩」

 迷いのない表情で、物干し竿を構える。アガットの援護を受けられなくなり、分散していた敵の標的が自分一人に絞られ不利を強いられたが、エステルは苦難の全てを受け入れる覚悟で長棍を振り回す。

 魔獣の鋭い爪や牙が何度となく肉体を抉る。相変わらずの頑丈さと天性の防御勘で致命傷を避け、逆にカウンターの一閃を叩き込み、着実に相手の戦闘力を削ぐ。

 エステルは与り知らぬことだが、かつて剣聖と呼ばれ、剣の(ことわり)を極めたカシウスは、守るべきものの証として新たに棍を選択したという逸話がある。その精神的な血脈は嫡子であるエステルにも色濃く受け継がれていた。

 

 いかほどに魔獣を調教しようと、消すことが出来ない感情がある。それは生物が己以上の強者に対して抱く根源的な恐怖心。どれほど傷を負おうと怯むことなく前に出で棍を振るうエステルの鬼神の如き姿に、殺人兵器として育てられたアタックドーベンが怯み始めた。

 首謀者も終戦の気配を感じたのか。育成に手間のかかる猟犬がまだ回収可能な内に撤退の笛を吹く。アタックドーベンの群れは明らかに安堵した空気で退き始めたが、一匹だけ帰路を見誤りヨシュアの方角に突進した。

「危ない!」

 魔獣が牙を剥ことした瞬間、エステルはヨシュアの壁となって立ち塞がって棍で軽く弾く。斜め方向へとピンボン玉のように押し返された魔獣はそのまま逃走する。

 エステルは安堵したが、当然、身を案じていたのはヨシュアの方ではない。少女の両手は太股に巻いたバインダーの双剣にかかっており、もう少しカットが遅れていたら情け知らずの怪物によってバラバラに解体されていた。

 辛うじてアガットに掲げた誓約を果たし終えて、エステルは一息つく。

 図らずもヨシュアは正体の露見を免れたわけで、これ幸いに「怖かったよぉ、エステルぅー」とか嘘泣きし猫被りを継続するのかと思いきや、さっきから目を閉じたまま耳を澄ます。

「そこね」

 突如、覚醒したかのようには琥珀色の目を見開くと、瞳を真っ赤に光り輝かせる。得意の超スピードで左斜め方向の林に向かって、空中を浮遊するような勢いで飛び込んでいった。

「おいおい、ヨシュア」

 本性を見せちまったら、もうアガット相手に擬態は効かないだろうと思ったが、ヨシュアが消えた方角から凄まじい闘気の渦が解放され、「きゃん、きゃいん」とアタックドーベンの悲鳴が木霊する。

(あいつ、まさか?)

 ギリっと歯と歯を擦り合わせると、慌ててヨシュアの後を追いかける。視別可能な量の闘気の主を確かめようとアガットも続く。この闘気はヨシュアが発したもので間違いないが、故意に遁走させた魔獣に態々止めを刺しにいったのか?

 あの犬型魔獣は、明らかに後ろ暗い目的で飼育されている。今後無辜の民間人が襲われる危険性を考慮し、ヨシュアが無慈悲に殺処分をくだす決意をしたのなら、エステルにそれを咎められる道理はない。ただ、そういう腹ならこんな不確実な追撃戦を行わずとも、さきの戦闘中に漆黒の牙(Sクラフト)を発動させれば済んだ話。合理主義者らしくない中途半端さが荒立つ。

 

        ◇        

 

 少し開けた場所に出て、二人はようやくヨシュアに追いつく。

 意外にも双剣を血で濡らしたヨシュアの足元には、魔獣の死骸は一つもない。替わりに黒い装束とマスクを着込んだ男性が倒れ込んでいる。その男の身体にはヨシュアがつけた複数の傷痕があり、両手の武器の鉤爪は全て叩き折られ、身動き一つせずに生死も不明。

「ヨシュア、そいつは?」

「この襲撃を目論んだ犯人ってところかしら」

 先の戦闘でエステルが不要に傷つくのを傍観していたのは、不殺さずの思想に共感したからでない。この大物取りの機会を伺って、魔獣を泳がせ飼い主の位置の特定を測っていた。

 ただし、魔獣はヨシュアが本気で殺気を全面解放したら、主を見捨てて散り散りに逃走した。いきなり無差別殺戮に走らなかったあたり、一応ヨシュアなりにエステルの頑張りを無駄にしないよう配慮してくれた。

「いかに訓練しようとも、魔獣も生き物の一種よ。全ての生物が持つ、種を次世代へと繫ぐ基本的な生存本能には抗えない。けど、人間は違うわ」

 この黒装束の男はヨシュアに補いようのない力量差を見せつけられ、両手の武器を潰され左足のアキレス腱を切断されて戦闘も逃走も不可能と悟ると、恐らくは機密保持の為に自決しようとした。

 良く見ると男は折れた鉤爪の切っ先を自分の喉元に突き付けながら倒れている。何かの理想、或いは愛のような抽象的な感情の為に己の生命も差し出せるのが、人と野獣を峻別するもので、人間の尊さ或いは愚かさだとヨシュアは儚げに称える。

「じゃあ、まさか、こいつ」

「生きているわよ、自殺前に意識を刈り取って阻止したわ」

 ヨシュアの性格を鑑みると、温情を掛けたというよりは、遊撃士とはいえ殺人許可証(マーダーライセンス)を所持しているわけでないから、死なせたら後々面倒になりそうだと踏んだからだろう。

 

「この男の格好には見覚えがある。なるほど、エステルや俺よりも強いっていうのはマジみたいだな」

 アガットは、カシウスから託されたクエスト関連で、この黒装束の連中と何度か遣り合った事がある。奴らは猟兵団(イェーガー)とは別種のプロの戦闘員。前回のクエストでエステル達が関わったカプア一家のような温いコソ泥とは次元が異なる。

 この闇世界の住人はあらやる破壊的な工作に暗躍し、上位の遊撃士でさえもてこずる手練揃い。無傷で一方的に蹂躙したヨシュアの戦闘力は常軌を逸している。

「若虎の威を借りる女狐に見せかけた、九尾の大妖怪って所か。だが、弱い振りして、強さを追い求めて足掻いている人間を高見から嘲笑するのは、そんなに愉快か?」

「おい、アガット」

 同じ前衛特化型として共感する部分が多々あり、義妹の女狐振りにややウンザリしているエステルでさえも言いがかりとしか思えない。ヨシュアも猫被りをここまで悪し様に罵られたのは初めての体験だが、軽く肩を竦めただけで特に怒るでなく瞳を元の琥珀色に収束させる。

「すいませんね、アガットさん。なにぶん根が不精なものでして。けど、本当に必要な時にまで力を出し惜しみするつもりはありませんよ」

 ヨシュアはシニカルに微笑みながら、しれっと答える。

 先の襲撃でも、目先の有事を取り除くに留まらずに黒幕を捕縛するあたり、戦闘型の二人よりも一つ先を見据えて行動している。どれほど穿った見方をした所で、ヨシュアは遊撃士としての本分はキッチリと果たしており、擬態は単に趣味の問題と開き直られれば其れまで。

「気にいらねえ」

 決して譲れぬ理由からアガットは一言そう呟くと、それ以上はヨシュアに取り合おうとせずに、気絶した重傷の黒装束の男を軽々と担ぎ上げて左肩に背負った。

「どうするつもり?」

「こいつは俺が預かって、ハーケン門まで送り届ける。俺の方でもカシウスの爺に押し付けられたクエストの所為で、拷問してでも吐かせなきゃいけない案件が山程あるんでな」

 ヨシュアがこの世界で敬愛し、頭が上がらない数少ない人物の名を出されては是非もない。

 身柄をアガットに譲歩するが、後になってヨシュアはこの黒装束がキールのいう内通者と風貌が似ていることに思い当たり、魔眼を使ってでも情報を聞き出さなかったのを後悔する。

 

 こうして、導かれし者たちの一部がお互いに顔を合わせる。一人は共に好感情を抱き、もう一人は互いを相容れぬ存在と見做しあった。

 

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