「くっくっくっくっ、いつ思い出しても笑いが込み上げてくるわ」
「うるさい、忘れろ」
「なに、私に命令するの?人間風船」
「お願いします。そのあだ名はやめてください」
結局浮くことしかできなかった僕は紐に縛られながら来る羽目になった。そしてなぜレミリアが僕を人間風船と評したのは昨日僕が寝落ちするまで飛ぶ練習をし続けてしまったことが原因だった。
そう、浮くことしかできなかったのが練習したおかげ(せい)で何故か上へ上へと勝手に飛んでいくようになったんだ。……進化したのか退化したのかよくわからないな。
まあ、そのせいで端から見ると人間を紐で飛んでいくのを防いでいるようになっていて、レミリアの言っていた通りの感じになる。
そして紅魔館についたとき、レミリアから滅茶苦茶笑われた。ついでに門番の人にまで笑われてしまった。恥ずかしすぎて涙が出てきそう……
「ふう、お腹いっぱいだわぁ」
「おい、霊夢!なに人のケーキまで食ってんだ!」
「なによ、あんただってこの前私の煎餅勝手に食べてたじゃない」
まあ、そんな記憶はさっさと忘れて今の事に集中しよう……現在僕たちは庭を一望できるテラスにいる。そこでお茶会みたいなのを決め込んでいる最中だ。
「二人とも、一昨日僕が屋根裏に隠していたかりんとう食べたでしょうが」
「れ、霊夢の方が私より5個多くたべてたぜ!」
「な、なによ!それを言うならレミリアも食べてたじゃない!」
「私はあまり食べてないわ」
「なっ!一人だけ言い逃れするつもりかよ!五十歩百歩ということわざをしらないのか?」
「魔理沙、それはブーメランだよ」
そんな無駄な会話を挟みつつお茶会を楽しんだ。……まあ、霊夢には僕の分のケーキを食べたことに対しては粛正したけど
お茶会も終わり僕はみんなと別れて地下にあるという図書館へ向かうことにした。
「あれ……どこだっけなぁ。……ていうか広すぎるよこの館。しかも赤いし不気味だな」
だけどレミリアから教えてもらった通りにいったら道に迷ってしまった。
「失礼なことを言うわね」
「うわっ!?って咲夜!」
急に後ろから声が聞こえたかと思ったら咲夜だった。
そういえば咲夜、さっきのお茶会の時あんまり見なかったなぁ。
でもレミリアが指を鳴らしたら一瞬にして現れてたけど……あれはかなり驚いた。
「急に現れて……僕に何か用?」
「貴方に和食の作り方を教わるのを忘れていてね。これから教えてくれないかしら?」
「あー……」
確かにそんな約束した事あったなぁ……でも今図書館にいってる最中なんだよな
「……フッ………あ、そういえば料理についての資料が地下の図書館にあったような気がするわ」
「え?」
「教えてくれる前にちょっと図書館へ寄り道していいかしら?」
「あ、うん。わかった!」
「ありがと」
……まさか咲夜、いちいち回りくどい言い方をしてたけど、つまりは案内してくれるということなのかな?
それだったらありがたいな
長い階段を降りた先に僕の目的地に到着した。
「ここよ」
「…………」
「?どうしたの」
「……あ!いやいや、なんでもないよ。ただ壮大だなぁて思っただけ」
「そう……」
いけないいけない、あまりの凄さに見入ってしまってた。
いや、だってただでさえ高い天井なのにそこまでとどいている本棚が数えきれないぐらいズラーとならんでいてそこに本が綺麗に並べられているんだよ?ここは桃源郷かなにかなのかな。
「ここで本に埋もれなが延々と本を読んでいたいよ」
「あら、埋もれてはいないけどパチュリー様は大体そんな感じよ」
「なんと羨ましい!」
「…………そうかしら」
なんか咲夜から変な目で見られたけどそんなの気にしない。
「今物凄く大声をだして感嘆したいけど私語は厳禁だな。ここは図書館、他の人の迷惑になるからね」
「そうね……(ここにくるのはパチュリー様か妹様ぐらいなんだけど)」
まずはパチュリーさんのところへいってお礼をしなきゃな。
あとここの本を読んでいいか交渉だ!
「彼処にいらっしゃるのがパチュリー様よ」
「ん、ありがと咲夜」
「ついでよ」
そういいつつ咲夜はどこかへいってしまった。料理本を探しに行ったのかな?
「さて、彼処というのは山のように積み上げられた本がある台の真ん中にいるのがそうなのかな?」
しかも本で顔が隠れていて頭に被っている三日月のバッチのような物のついたナイトキャップしかみえない。
「あのぉ」
「…………」
「すみません、パチュリーさんですか?」
「…………」
聞こえてないのかな?まあ、僕も集中しているときは周りの声がきこえなくなるしね。
こういうときはあれに限るな
「あ、魔理沙が本を盗んでる!」
「………なっ!!魔理沙!今日こそ本を返してもらうわよ!!!
水符『プリンセスウンディネ』!!!」
「えぇぇ!?」
急にスペルカードルールで使う技を繰り出してきた。
いや、ちょっとまって、死んじゃうよ僕!?
「うおっ、ちょ、ま、って」
棒状のレーザーが出されたと思えば玉があとから出てくるという二段構造か……!
それをなんとか紙一重で避けていく。ここまで避けれるなんて自分でも驚きだ。
「え?だれ」
と、スペルを唱えていたパチュリーさんが漸く攻撃していた相手(僕)を認知したようで、やっと弾幕が止んだ。
「ご、ごめんなさい。反応がなかったのでちょっとした嘘をついてしまいました。」
「…………そうだったのね。攻撃して損したわ」
「はは……」
て、魔理沙、会った瞬間攻撃してくるぐらいまで本を盗んでたのか……
「で、私に何か用?……確かトオルだっけ?」
「あ、名前知ってたんですね。……それはそうと実は____」
と、ちょっとこれからの話は長いので飛ばそう。お礼をいうついでにこの前借りた本についての感想や考察について熱く語ってしまったからね。
「ふーん、レミィがいってた通り本が好きなのね」
「はい、今じゃ僕の人生に欠かせないですね」
「そう、私と同じね。まあ、兎に角本を返しに来たのね。ありがと。どこかの魔法使いとは大違いね」
「はは、借りたものを返すのは普通の事ですよ」
「つまり魔理沙は異常ってことね。知ってたけど…………まあ、ゆっくりしていきなさい。本を盗まなければ勝手に見てもいいから」
「いいんですか?ありがとうございます」
「あ、でも貴方じゃわからない字で書かれているのも多いから小悪魔に頼んで本を見つけてもらいなさい。ここら辺にいると思うから」
「わかりました」
よかった。交渉する前にあちらから許可をもらったから手間が省けたな。
「パチュリー様がここの本を他人に見せるなんて珍しいですね」
「ん、咲夜ね。…………まあ、確かにあまり魔法使いには見られたくはないけど彼はそんなんじゃないしね、それに………………」
「それに?」
「あんなにキラキラした目で本を見たそうにされてたら駄目って言いづらいでしょ?」
「ああ、それは確かにそうですね」
んーと、小悪魔さんはどこにいるんだろうか……
「小悪魔ってほどだからちっちゃいのかな?」
一寸くらいかな?いや、それは一寸法師か
「ん、彼処で本を読んでる子かな?」
小悪魔さんを探していると長方形のテーブルの奥の方で分厚い本を読んでる人を発見した。
身長はレミリアと同じくらいかな?悪魔というのだから翼がついてると思っていたけどあれは翼とはいいがたいのがついてるな……枝に七色の結晶がついてるような感じだ。……まあ取り敢えず小悪魔さん本人か確認してみよう
「こんにちは」
「え、あなただれ?」
「あ、僕はトオルっていうんだ。」
「トオル…………どっかで聞いたことがあるような……」
「まあ、それより君って小悪魔さん?」
「いや、違うわ。私はフランドールよ。」
「え……フランドール?どこかで聞いたことがあるような……」
フランドール…………確かレミリアが言ってた記憶があるけどどういうことに対していってたっけな
「ねえ、あなたって人間?」
「ん?そうだよ」
「へぇ、…………生きた人間をみたのはこれで四人目ね」
「へ、へぇそうなんだ」
なんだか嫌な予感……
「じゃあ私と遊ばない?」
「え?いや、ここは図書館だよ。遊ぶような場所じゃないから駄目だよ」
「ええ、霊夢と魔理沙はすぐに乗ってくれたのに」
「霊夢と魔理沙をしってるの?」
「ん知ってるもなにもこの前弾幕ごっこに付き合ってもらったわ」
「…………あ……、この前ってまさかここ(紅魔館)に大雨が降ったときの?」
「そうよ」
「ああああ!思い出した!君ってレミリアの妹の」
確か情緒不安定でずっと引きこもってたっていう……
「あ、私も思い出したわ。貴方、霊夢の弟だったよね?」
「あれ、なんでしってるの?」
「お姉様と霊夢から聞いたの。で、霊夢の弟なら勿論強いんでしょ?だから弾幕ごっこしようよ」
「いや、霊夢の弟だからって強いわけでは……」
「嘘、だって霊夢と同じぐらい霊力があるもん」
「…………」
どどどどうしよう。確かに霊力量だけは霊夢と同じぐらいあるらしいけど僕はそれを全然扱いきれていない。豚に真珠みたいなものだ。そして今回はそれのせいで変な誤解をうけてしまった。
取り敢えず誤解を解かなければ死んじゃうよ!?
「それじゃあ始めましょ」
ああ、どうすれば………………あ、そういえばやる必要なんてなかったんだ。
「____ふふ、フランドールよ、僕は君と弾幕ごっこをすることはできない。いや、する資格さえ無いんだ」
「え?どういうこと」
「それはね________僕には
スペルカードが無いんだ」
「あ」
「わかった?」
「うーん…………折角やる気になったのにぃ」
「いや、もしやることになっても開始十秒で死んでたよ、僕」
ふう、なんとか危機を脱することができた。
…………取り敢えずこれからはフランドールには要注意だな!