東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

21 / 75
19話 庭師の謝罪

 

 

 この前、うどん屋の常連客の酒屋のおじさんに畑仕事(麦の収穫)を手伝ってくれと頼まれたので今日朝早く家からでて、おじさんの畑仕事を手伝った。

お陰でお酒を結構もらえた。……うんまさかお酒だったとはね……霊夢が喜びそうだ。

そして人里から出ようとしたとき、2本の刀を腰にさし、緑色が特徴的な服を着た銀髪の少女…………妖夢を里の出入りで発見した。なぜかかなり大きい風呂敷を背負っている。

妖夢とはいつかの宴会以来一度も会ってなかったので声をかけてみると、何故か青ざめた顔をした妖夢が此方の方を向くと急に僕に詰め寄ってきた。

 

 

「先日の無礼、並びに謝罪が遅れてしまい、ほんとうにすいませんでした!」

 

「え、え?なに!?」

 

 

会って急に妖夢が頭を下げてきた。

無礼って妖夢に僕、謝られるようなことされたっけ?

 

======================

 

 

「あー、宴会の時のね」

 

「はい……」

 

 

半月ぐらい前にやった花見で妖夢が僕に斬りかかってきた事か。完全にその事を忘れてたよ。

 

「まあ、別に気にしてないよ」

 

「いえ、それでは私の気が済みません。どうかなにかお詫びの物でも……」

 

「いや、ほんと大丈夫だよ。」

 

それに斬りかかってくるのなんてまだいい方だよ。 

この前なんてレミリアから血を吸わせろ~って言ってきて紅魔館全体での壮大な鬼ごっこ……またの名を吸血ごっこをする羽目になったしね。しかも途中からフランドールも乱入してほんとに血を吸われそうになったし………そのくせお詫びの品なんて全くなかったからね。まあ、図書館に入れさせてもらってるだけで大満足なんだけど

 

「そ、それじゃあ白玉楼で今日の夕飯をご馳走させていただきませんか?」

 

「白玉楼?」

 

そういえば白玉楼って場所一度もいってなかったなぁ

 

「……うーん、わかった。それじゃあお言葉に甘えようかな」

 

「ありがとうございます!」

 

うん、夕飯を作る手間が省けた!

あ、でも霊夢に一言いっておかないとあとで怒られそうだから一回家に帰ろうかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 移動中

 

 

「あ、そういえば妖夢」

 

「なんですか?」

 

「謝るのが遅れたとかなんとかいってたけどなにか白玉楼でなにかあったの?」

 

「あ、いえ、なにかがあったとかではなく……」

 

「ん?」

 

「実は酔ったときの記憶が全くなくてですね、今朝幽々子様から聞かされたんです」

 

「あー、そういうことね」

 

なんと律儀な…………これまで会ってきた人の中で一二を争う律儀さだ。因みに最下位はダントツでレミリアだね、あれは我儘すぎる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 博麗神社

 

 

「私もいっちゃダメなの?」

 

「え、貴方もくるの?」

 

「………いや、冗談よ。これから妖怪退治の依頼がきてるから出るところだったのよ」

 

「そっか……てことはもう夕飯は食べたの?」

 

「ええ、とっくに済ませたわ…………あ、そうだ。そのご馳走になった料理余ったらもって帰ってきて」

 

「ええー、それは図々しいよ霊夢」

 

「まあ、『もし』余ったら持ち帰りしてもいいですよ、余ったらの話ですが」

 

「そうだよ、そんな豪勢にさせるわけにはいかないし」

 

「いえ、豪勢にしますよ。お詫びの印ですし」

 

「え、悪いよ」

 

「いや、もう買ってしまったので……」

 

と、ずっと背負ったまんまの五尺はあるであろう風呂敷を此方に見せてきた

 

「え」

 

まさかその中身って全部食材!?

 

 

「んじゃ私は早速なんか悪さしてるらしい妖怪をとっちめてくるから。さっさと終わらせてトオルの持ってきたお酒で一杯やっとくから遅くても心配ないわ」

 

やっぱ飲むよね。今日貰ったお酒。

 

「はは、悪くなくても退治するでしょ」

 

「当たり前じゃない、私は巫女よ」

 

「なんでそこでドヤ顔されたのかはわからないけど…………まあ、いってらっしゃい。気を付けるんだよ」

 

「はーい」

 

 

と、霊夢は境内から空を飛んでいった。

うん、霊夢のいった方向に嫌な感じがするしたぶん彼処が霊夢の目的地で間違いないだろう。

 

なんでそんなことが僕にわかるかというとこの前紫姐さんによって判明した僕の能力が関係している。

 

 

『ありとあらゆるものを避ける』程度の能力。

 

 

紫姐さんによると僕にふりかかるあらゆる危険を察知したり、避けたりすることができるらしい。

それを聞いたとき僕も「あー、確かに」って納得した。

だって何故かここはいったら危なそうだなぁと思いながらもいってみると大抵災難が待ち受けてるし、フランドールとかと弾幕ごっこしたときとかもあ、これ無理だって思うくらいの高密度弾幕がきてもここはこういけば避けられるってわかっちゃうしね。

たぶん紫姐さんの考察は間違ってないとおもう。

 

…………どうやってそういう情報を手に入れたかは僕の知るべきことではない。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、行きましょうか」

 

「うん、わかった。案内よろしくね」

 

「任せてください!白玉楼の庭師兼剣術指南役のこの私が必ずやトオルさんを白玉楼まで送り届けて見せます!」

 

「あ、あ、うん、ありがとね」

 

 

そんなに張り切らなくても……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

======================

 

 

「いらっしゃ~い。待ってたわよ~」

 

「あ、幽々子さん。お久しぶりです」

 

 

紫姐さんが放置した幽明の境を越え、やけに長い階段をひとっ飛びしてついに白玉楼だと思わしき場所に到着した。

やっぱり飛べるっていいよね、あんな階段登ってたら足がパンパンになってしまう。

 

そして妖夢の半霊と同じようなのがいっぱい漂ってる。なんかかわいい

 

「んじゃ、早速ご飯にしましょうか」

 

「幽々子様、涎を拭いてください。はしたないです」

 

「あらあら、これはお恥ずかしいところをお見せしてしまったわ」

 

「はは、幽々子さんは食べるのが好きなんですね」

 

「当たり前じゃない、食欲は人の三大欲求の1つよ。逆に食べることが嫌いな人は死んでるも当然よ」

 

「幽々子さん、貴方死んでますよ」

 

そんなことはどうでもいいのよ。と、幽々子さんはそういいながら屋敷の中へ入っていく

 

 

「ようこそ白玉楼へ」

 

「はい、お邪魔します」

 

「邪魔するなら帰って~」

 

奥の方から幽々子さんがボケをかましてくる。

 

 

「ま、まあ取り敢えず案内します。こっちです」

 

「あ、うん……」

 

 

あのどこかで聞いたことのあるボケは返した方がよかったんじゃないのかな?ほら、幽々子さんが不満そうな顔でこっちを見てるし……

 

「…………んじゃ、帰りまーす……」

 

「トオルさん!?無理して合わせようとしなくていいんですよ!それにボケるのも完全に遅いです」

 

「流石トオルね!ちゃんとノリがわかってるわ!半人前とはえらい違いね」

 

「ゆ、幽々子様!?」

 

 

うわぁ、僕が変に返したから妖夢にとばっちりが来ちゃったよ。……妖夢ごめん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢の案内のもと、長い廊下を歩いて居間についた。

 

 

「それではここでお待ちください、只今作ってきますので」

 

「5分で頼むわ」

 

「無理です」バタンッ

 

と妖夢が襖を閉め、この部屋には僕と幽々子さんだけが残った。

 

「つれない子ねぇ」

 

「いや、あれじゃあ誰もつれませんよ」

 

「ふふ、それもそうね。あ、あと今回はありがとね」

 

「ん、なにがですか?」

 

幽々子さんになにかお礼をされるようなことした覚えはないけど……

 

「ちょっと貴方を利用させてもらったのよ」

 

「え?」

 

「それはね…………」

 

 

 

 

 

 回想(今朝)

 

 

 

『あー、お腹が空いたわぁ』

 

『つい10分前に食べ終わったばかりじゃないですか』

 

『うーん、なにかぱ~とやりたい気分ねぇ』

 

『この前宴会があったばかりですし一時はないんじゃないんですか?』

 

『あ、そうだわ!』

 

『どうしたんですか?』

 

『あのときの宴会でトオルって子がいたでしょ?』

 

『ああ、いましたね。霊夢の弟で真面目な人でした』

 

『それは高評価ですこと…………でもその子を貴方、酔いに任せて斬ろうとしてたわよ?』

 

『え!?』

 

『さぞ、怖かったでしょうねぇ。そして斬ろうとした挙げ句に一言も謝罪もない』

 

『え、え??!』

 

『ここの庭師としてそれはどうかしら?』

 

『わ、私は何てことを……』

 

『これは謝罪だけじゃ済まないわね』

 

『幽々子様……私はどうすれば?』

 

『そうねぇ…………じゃあ、こんなのはどうかしら。

ここでご飯をご馳走してあげるというのは?勿論豪勢に』

 

『わかりました!!それでは早速いって参ります!!』

 

『いってらっしゃ~い(ちょろいわ)』

 

 

 

 

 

 

 

「ってことなの」

 

「なるほど、つまり僕は幽々子さんの夕飯を豪勢にさせるために利用されたと」

 

「まあ、解釈によってはそうなるかもね。でも見方をかえれば私のお陰で貴方は夕飯を作る必要もないしただ飯をありつけるのよ」

 

「結果的に妖夢の仕事が増えましたけどね…………はあ、そういうことなら僕妖夢の料理の手伝いしてきます」

 

「別にいいのに」

 

「実際のところ妖夢が斬りつけてきたことに関しては別に気にしてなんかないんですよ。だから食事をご馳走してもらう必要もなかったですし。……それに刀で斬りつけてくる以上のことをやってくる奴もいますし」

 

レミリアとか……あとレミリアとレミリアとフランドールとかね…………あ、殆ど吸血鬼姉妹にやられてる。

 

「ま、これは僕の自己満足なんで」

 

「あらそう。お客に仕事をさせるなんて無礼なことをさせるのも気が進まないけど……本人が言うのなら仕方ないわね。あ、でもさっきのことは内密にね」

 

「わかってますよ」

 

 

さて、厨房はどこかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあとなんとか厨房につき、妖夢の料理の手伝いをした。

二人ということもあって作業効率が早く、予定より早く食事の用意ができた。

そして驚いたのは料理の量だ。

予想を遥かに凌駕するほどに多かった。まさかあの風呂敷の中身のなかにあった食材を全部使うとは……

 

 

 

 

 

そして食べきれるか不安になりながらも食事をとることになったのだけど…………

 

なんかもう、凄かった。大皿に盛られた料理をほぼ一瞬で食べ終え、また次の料理に手をつけていく。勿論幽々子さんが。

その光景を眺めていたらあっという間に山のようにあった料理が殆どなくなっていた。

……結局ほんの少ししか食べれなかったね。

 

 

 

幽々子さんのお腹の中は無尽蔵だね、絶対。




幽々子ってあんなボケいいますかね?なんかミスったような……

あと妖夢も律儀にさせ過ぎた感があります。
すっきりしないときは取り敢えず斬るに限るとか言っちゃうような娘だし

あ、あとトオルのレミリアの評価滅茶苦茶悪いですね笑
今度二人の回でも書こうかな……いや、萃夢想をもうそろそろ書かないといけないからちょっと後回しになりそうですね。
ということで次回たぶん萃夢想編です。前の異変はどっちも2話で終わらせましたが今回は少し長引きそうですね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。