東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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20話 無駄に多い宴会日和(1日目)

 

 

 

「なんだか、お花見がしたくなったわ」

 

「は?」

 

 この霊夢の一言がこれから起こる異変の始まりだった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

「トオルー、まだ~?」

 

「あと少しだから待って」

 

 

 現在僕は調理場で大人数分の料理を作っている。

 いわずもがな宴会用のつまみである。

 しかももうとっくに桜は散って風情があまり感じられない時期に何故かお花見という名目でこの宴会は何度も繰り返されている。

 もう何回目になったかな?3日に1度はあった気がする。

 今改めて思うと完全におかしい。

 まず、1つ目が全然時期じゃないのに花見をすることだ。そして2つ目、これもさっきいった通り宴会の頻度があまりにも多いこと。

 そして3つ目が、この博麗神社の周り、いや、その他の場所にも妖気が漂っていることだ。しかも日に日に高まっていっている。

 

 

 これは___異変だ、間違いない。

 

 

 流石に他のみんなもそれに気づき始めているようで、全員宴会を楽しみながらもどこか探るように相手を見ている。

 これはもうじきみんな動き出すだろうな…………僕は動かないけど。まず動いたとしてもその元凶をどうにか出来るほどの力は僕にはない。

 

「なんだ、トオル。なんか考え事か?それなら火を扱っている間はやめておいた方がいいぜ。実際に危ない目にあった私が言うから間違いない」

 

「あ、魔理沙。……どうせ料理しながら魔導書でもよんでたんでしょ」

 

 

 そしてそれはパチュリーさんから盗んだものだろうね。

 

 

「はは、バレたか。あのときは本に焦げ目がついて困ったぜ」

 

「はは、…………パチュリーさんがそれを聞いたら殺しにかかってきそうだね」

 

「んまぁ、そんなことはどうでもいいんだ。…………それよりトオル、お前ももうわかってんだろ?」

 

 

 どうでもよくはないと思うんどけど……

 

 

「……うん、今回の異変だね。」

 

「そうだ。それで私は異変の元凶があの中にいるとふんだ。だから明日、彼処で騒いでいる連中の中で怪しいと思ったやつらを片っ端から倒していこうと思う」

 

「ま、まじですか……」

 

 

 これは明日は凄いことが起きそうだ。

 

 

「んまぁ、まずトオルはないな」

 

「え?なんで?」

 

「まずお前に異変を起こせるほどの力も度胸もないからな」

 

「うぐっ……確かにないけど」

 

 

 なんか面と向かって言われると立つ瀬がなくなる。

 

 

「それじゃあ今日が最後の宴会と、私が異変を解決する前祝いに乾杯といきますか」

 

「あ、ありがとう」

 

 

 いつの間にか徳利と猪口2つを持ってきていた魔理沙が徳利に入った酒を猪口に並々と入れていって、猪口の1つを僕に渡した。

 

 

「それじゃあ、明日。私が異変解決を祈って」

 

「「乾杯」」

 

 

 そういってぐいっと酒を飲んだ瞬間僕は意識が朦朧としてきた。

 あれ、ちょっと度数高くない?……ていま料理中だったんだけど…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 =====================

 

 

 

「あれ?」

 

 起きてみるとそこは僕の自室だった。

 どうやらあのあとすぐに眠ってしまったらしい。たぶん魔理沙か霊夢に運ばれたんだろうな。……それよりたった一杯で酔いつぶれるなんて……本当に僕の体はお酒に弱いらしい。

 でもあまり体が重くない辺り二日酔いではないようだ。

 

「あ、書き置きが……」

 

 

 取り敢えず起きて居間まで来てみれば霊夢が書いたであろう書き置きが台の上に置いてあった。

 

 

「んーと、異変を解決に行ってくる、か。」

 

 そういえば魔理沙も今日異変を解決しに行くとかいっていたなぁ……

 

 

「って、待てよ。何故かここ(博麗神社)にとても嫌な感じがする」

 

 

 もしかして……

 

 

「ここ、戦場になるかも……」

 

 

 やばい、もしそういうことになったら戦闘に巻き込まれるかもしれない。いや、巻き込まれる。根拠はないけど確信がある。

 そう判断した僕は急いで着替えて出掛ける準備をした。

 

 あー、お風呂にも昨日入ってないしどうしよう…………もういいや、人里の銭湯に行こう。かなり狭くてあまり行きたくはないんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、よく見れば魔法の森や紅魔館もいつもより嫌な気配がするんだけど」

 

 

 着替えも済ませ、財布を持って早々に博麗神社をでると、いろんな場所が不穏な気配で満ちているのがわかった。 

 

 

「まさか人里も!?……は大丈夫か」

 

 

 

 もし人里にも危険な気配がしたら結構大変なことだ。人間と妖怪間とのバランスが崩れるかのうせいがあるからだ。

 まあ、危険な気配がないのなら安心だ。進路は変更せず、人里に行くことにしよう。

 

 

 この調子だと霊夢や魔理沙以外にも異変の解決に乗り出しているのは間違いないようだ。幻想郷中が危険な気配がするし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~一方その頃~

 

 

 ーーー魔法の森にてーーー

 

 

「時間だけがつぶれたな」

 

「いきなり攻撃してきてなにいってんだか……あんたの目的は今回の異変の解決でしょ?それならもっと他に怪しいやつがいたじゃない!私の所に来た時点で無駄足を食っただけよ」

 

「まあ、たしかに無駄足だったけどな。でも時間と暇は潰せたぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 =====================

 

 

 ~鈴奈庵~

 

 

「それで、私の店に来たの?まあ、此方とすれば願ったりなんだけどね」

 

 

 と、いつも通り鈴奈庵へいき、本を漁ることにした。

 まあ、鈴奈庵は立ち読み禁止らしいので借りたあとにソファに座ったりして読むんだけどね。

 

 

「確かに変だよね。3日おきに異変が起きるなんて」

 

「お陰で仕事に支障がでて困ってるんだよ。みんなもなんとなくで宴会がしたくなるらしいんだけど…………例にもれなく僕も宴会を楽しんでたし。

 でもなんか違和感があるんだ。宴会にきていたのはみんな僕の知人だったはずなのに一人だけ、とても薄い人がいたような気がするんだ」

 

「薄い人って…………私にはよくわからないけど、たぶんトオルくんが言ってた能力が関係してるんじゃない?たしか『ありとあらゆるものを避ける』程度の能力だっけ?」

 

「うん、そうだよ。………でもそんな人いたかなぁ?」

 

「思い出してみれば?ほら、トオルくん、記憶力まあまああるし」

 

「そうしてみる……」

 

 

 

 

 

  ____記憶内部____

 

 

 

 

『いつも思ってたけどアンタ生意気なのよ!』

 

 

『みよ~私の剣舞をー』

 

 

『むきゅ~……』

 

 

『私だって…………私だって皆と遊んだりしたいのよ……でも上海と蓬莱を自立人形にするためには……』

 

『シャンハーイ』

 

『ホウラーイ』

 

 

『ははは!くらえ!マスタースパーク!!』

 

 

『ほらほらトオルも飲みなさいよ!』

 

 

『やっぱり宴会は楽しいねぇ。これに地底の鬼も加わればもっと楽しいだろうに……』

 

 

 ____________

 

 

「……あ?」

 

「わかった?」

 

 

 皆のことを思い出してみたら一人だけ妙なのがいた。

 最後の記憶だけ見覚えのない顔。

 でも宴会のときだけ、たまにあの娘を見た覚えがある。もしかして……

 

 

「犯人、わかったかも……」

 

「え?!」

 

 

 僕はその記憶にいた薄い人がある種族だということが直感でわかった。

 

 姿こそは子供そのものだけど2本の大きい角を生やしていて、瓢箪の中にはいっているであろうお酒を豪快に飲んでいた。

 そして記憶にはその種族は宴会好きだともかいてあった。

 おそらくあの種族で間違いないだろう。

 

 

「たぶん犯人は『鬼』だよ。前に阿求ちゃんに見せてもらった幻想郷縁起に書いてあったからたぶん『鬼』であっていると思う」 

 

 

 今でた阿求ちゃんについてだけど、初めて会ったのはつい最近の事だ。

 ここ(鈴奈庵)で本を探し終えて家に帰ろうとして店を出たときに阿求ちゃんにぶつかったのがきっかけで、それから話したりしてノリやらなんやらでこれまで書かれてきた妖怪などについての説明が書かれた本『幻想郷縁起』を見せてもらえることに。

 

 ここで驚いたのが阿求ちゃんがまさかの稗田家の当主だったことだ。

 

 人里へ頻繁に通っている僕にも勿論のこと聞き覚えのある名前だ。

 稗田家といえば九代に代わって記憶を残したまま転生し続けて幻想郷縁起を書き続けているという物凄く凄い人物なのに、僕は阿求ちゃんのことを『ちゃん』付けしてしまっていた。それから阿求ちゃんをちゃん付けするのにかなり抵抗を覚えたね。

 でも本人からは可愛らしいからそのままでいいとか言われたし……

 

 

 まあ兎に角、僕が稗田家当主と知り合いになったという情報はこれぐらいにして、

 その幻想郷縁起にはこれまで書かれてきた過去のもあったのでそれを見せてもらったときに『鬼』という種族があったのである。

 鬼といえばお伽噺にはレギュラーなほどに知られている種族だ。だからそこの欄についてはよく覚えている。

 でもここ、幻想郷にいるとは思わなかったなぁ……

 

 

「鬼……鬼って本当にいるの?お伽噺だけの話なんじゃ」

 

「いや、僕はこの目で見たんだ。あっちは僕に気づいてないようだったけど。というより誰もその娘には気づいていなかったようだし、たぶんなにかしらの能力で自分を見えないようにしてたんだろう」

 

「そうか、トオルの能力は相手の能力の干渉も受けないんだったよね」

 

「うん、そうらしいね。」

 

 

 でも、それは僕の体に物理的被害が出る場合だけらしいんだよね。精神的な干渉にはこの能力は発動しないらしいし……

 

 なんでこんなのもわかったのかはやっぱり紫姐さんにいろいろ実験に付き合わされだからなんだよね……

 

 

「それじゃあちょっと博麗神社に帰ってみるよ。もしかしたら霊夢もいるかもしれないし、このことを霊夢に話してみる。異変の元凶をつきとめる手掛かりになるかもしれないしね」

 

「うん、わかった」

 

「あ、ちょっとまって」

 

「ん?」

 

「この本、借りるね。はい、お代」

 

「まいど~」

 

「んじゃ!」

 

「じゃあね~またのお越しをー」

 

 

 よし、早速異変を解決させられるぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~博麗神社~

 

 

「で、紫姐さん。なんでここにいるの?」

 

「私がここに居ちゃいけないのかしら」

 

「いや、別に悪くはないんだけど…………取り敢えずなんで僕を紐で拘束したのかを説明してほしい」

 

「あらあら、だって貴方、折角の犯人探しで盛り上がっているというのに最速で犯人をつきとめちゃうんだもん。そんなんじゃつまらないわ。次の宴会までまだ余裕があるんだから時間いっぱいまで探させましょうよ」

 

「つまらない云々じゃなくて……てやっぱりあの鬼が今回の異変の犯人なの?」

 

「そうよ。どうやらお花見があまりにも早く終わったのが不満らしくみんなを『萃めた』らしいのよ…………でもまあ、本当の理由は他にあるらしいのだけれどね」

 

「……他の理由って、まさか『地底の鬼』が関係しているんじゃないの?」

 

「……なぜそれを?」

 

「あー、あの鬼が地底の鬼も加われば~とか言ってたんでもしかしたらなぁ、なんて」

 

「そうなの……やっぱりね」

 

「?」

 

「まあ、その話は置いといて……トオル、貴方を異変解決に乗り出した者たちに会わせるわけにはいかないわ」

 

「えー……」

 

「ということで早速萃香のところへ行きましょうか」

 

「え?すいか?」

 

「あ、今回の異変を起こした鬼の名前ね。兎に角暫く萃香のところでおとなしくしてもらうわ」

 

「い、嫌だよ」

 

「言うことを聞きなさい。どうせ二日後には全てが終わってるのだから」

 

 

 うーん、ここは全力で断りたいんだけど、どうせ連れていかれるんだよなぁ。抵抗しようにも力量差が天と地ほどもあるから無理だし……

 

 

「…………わかったよ、でもちゃんと解決するんだよね?」

 

「ふふ、もしだれもみつけられなかったら私が導いてあげるから大丈夫よ。

 それじゃあ………」

 

「はいはい、いきますよ」

 

 

 はあ、鬼のところへ連れていかれて僕はなにをされるんだろうか?

 ま、まさか勝負を挑まれたりして!?

 って、僕くそ弱いからたぶん大丈夫か。……自分で言ってて悲しくなるね、これ

 

 

 

 

 

 

 

 




どうやら異変は3日間かかるようですね。
これはどうしたものか……

まあ、取り敢えず今回の異変解決は魔理沙ルートです。
何故そうしたのかというと最近だしていなかったのと実は自分にとって一番書きやすいキャラだからですね
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