東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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プリズムリバー三姉妹初登場です。
といってもいっきに三人もだすとしっちゃかめっちゃかなりそうなので長女でリーダーであるルナさん(ルナサ)にメインでの登場とさせていただきます


28話 秘密の場所で騒霊長女

 

「なぁ、『おんわ』の饅頭もいいけどここの菓子も最高だよな!」

 

「茂、店内で大声は出さない方がいいよ」

 

 

今日、僕は寺子屋時代の幼馴染みである茂と和、洋の多種多様なお菓子がある『わよう』の店で最近新しくできたというチョコミントケーキを食べに来ていた。

因みに新しくできたと教えてもらったのはアリス情報だ。

アリスいわく、『ミントが強すぎず、丁度いい。人によっては不味いと思うかも知れないけど私はあの味好きだったわ』とのこと。

ということで気になったため行ってみることに。

 

でも『わよう』は基本、女性客が多い。

そんな中に一人で飛び込んで行くのもなんだか妙な気分になったので僕の奢りということで茂についてきてもらった。

 

 

「そんなことよりトオル、この前あったプリズムリバー三姉妹の演奏、聴いたか?」

 

「プリズムリバー三姉妹?」

 

「なんだお前、知らないのか?ついこの前夜に人里で公演した三姉妹の騒霊の楽団のことだよ」

 

「夜って……とっくに僕家に帰ってるよね?」

 

そういえばちょっと前に道義さんや大和さんがなんだかそわそわしてたときがあったな……もしかしてその時かな?

 

 

「勿体ねーなぁ。あのライブ、すんげー盛り上がったんだぞ?

長女のルナサ、次女のメルラン、三女のリリカ、それぞれが違う楽器を手足を使わずに演奏したりしてたんだけどよ。一番姉のルナサが心を静かに……というより鬱になりそうな演奏で二番目の姉のメルランが心が弾んでテンションが上がる演奏でよ、それを三女のリリカが上手くまとめて物凄い演奏が出来上がるんだよ!」

 

「へ、へぇ。茂はプリズムリバー三姉妹について詳しいんだね……」

 

「当たり前だろ?俺はあれ以来、プリズムリバーファンクラブの会員になったんだから!!」

 

「えー!?」

 

し、茂がいつの間にそんなのに入ってたとは……

 

 

「俺はあの演奏に惚れてしまった……あー!あの演奏をまた聴きてぇ!」

 

「し、茂!店内では静かにしなって!ほら!店員の人が凄く怖い形相でこっちを見てるよ!」

 

 

いけない!茂が暴走し始めた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……じゃあね」

 

「あぁ、すまなかったな。」

 

 

なんとか、茂を鎮めることに成功した僕はそそくさと『わよう』から出た。

そして用事が済んだということで茂とは別れることに。

 

 

「まあ、お持ち帰りでチョコミントケーキを4つ(僕2つ、霊夢1つ、どうせこういうときにはいる魔理沙に1つ)買えたことだし、『彼処』でさっそく食べようかな」

 

 

『彼処』とは、僕がこの前、見つけた絶景スポットのことだ。

博麗神社も幻想郷全体を見渡せるので絶景なんだけど

僕が今から行く場所は向日葵畑が一望できる崖だ。里から少しいった森(魔法の森ではない)を5分ほど歩いた場所にある。

紫姐さんから向日葵畑には絶対に行くなといわれているので近づきはしないが見るぐらいにはいいだろう。

 

「彼処で食べるチョコミントケーキはさぞ美味しいだろうなぁ」

 

よし!早速行くとするか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あれ……誰かいる…」

 

 

最近見つけた隠れスポットについたら先客がいた。

後ろ姿で座っているので顔と身長はわからないが黒い服が特徴的な金髪の子だ。

うん、見た目を言葉だけで現すと完全に魔理沙だね

 

 

「(邪魔するのも悪いし大人しく家で食べようかな、チョコミントケーキ)」

 

 

そんなことを思いつつ、僕は気づかれないように帰ろうとしたとき

 

 バキッ

 

「…!?誰かいるの?」

 

「(あ、やっちゃった)」

 

 

まさかの小枝を踏みつけるという古典的なミスをしでかしてしまった。

うん、面倒な事になりそうだな………このまま逃げるのも一つの手だけどもしそんなことをしてストーカーかなにかと勘違いされるのも癪だったので大人しく出ることにしよう。

 

「こんにちはぁ……」

 

「なんでこんなところにいるの?」

 

 

おう、滅茶苦茶警戒されちゃってるよ……僕なんて警戒するほどの者じゃ無いのにね

 

「いや、つい最近ここを見つけてさ。あまりにも綺麗な向日葵が一望できるからたまに来るんだよ」

 

「そう……確かにここは美しい場所ね。」

 

 

と、警戒をすぐに引っ込め、黄昏たような顔をしたその子は先にある向日葵畑を再度みる。

僕がいうのもなんだけど警戒を解くの早すぎやしませんかね?

まあそんなことはどうでもいいとして早々に立ち去るとしようかな。

 

 

「それでは。僕はお邪魔だろうし帰るとするよ」

 

そういって僕は来た道を帰ろうと歩を進める。

 

「え、なんで?」

 

「へ?」

 

なんで、だって?突然の言葉に歩を止めてしまった。

 

 

「貴方もあの向日葵を見に来たんでしょう。私に構わず見ればいいじゃない」

 

「いや、でも……」

 

 

と、金髪の子の顔をチラッと見てみる。さっきは後ろ姿しか見れなかったからわからなかったけどヴァイオリンを両手で抱えている。

 

そして気になったのがその子の視線なんだけど……僕にではなく僕が右手に持っていたチョコミントケーキが入った箱の方に釘付けになっているんだよね。

 

 

「じゃ。じゃあお言葉に甘えてもう少しいさせてもらおうかな」

 

「ええ、そうしなさい」ジィ~

 

「……あの」 

 

「なに?」

 

「ケーキ余計にあるから君も食べる?」

 

「え、遠慮するわ!」

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名前はルナサよ」アムッ

 

ルナサ?どっかで聞いたことあるような……まぁ、いっか。

 

「僕はトオルだよ」

 

「トオル?……ああ、博麗の巫女のとこの弟ね。どうりで見たことある顔だと思ったわ」アムッ

 

「あれ?僕のこと知ってるの?」

 

知っているのなら警戒をすぐに解いたのも納得ができるね。

………よかった。ただ単に僕がへなちょこそうにみえたから警戒を解いたとか言われてたら心が折れるところだったよ。

まあ、見た目通りへなちょこなんだけどね

 

「ええ、というより前に会ったことはあるはずなんだけどね。以前にあったお花見で。挨拶とかはまったくしてないけど」アムッ

 

「お花見……うーん、あのときはたくさん来てたからわからないなぁ」

 

「んまぁ、そんなことはどうでもいいことね。過去なんかより現在の方が重要なわけだし」アムッ…プフゥ~

 

「まあね」

 

「それよりもこのケーキ。中々独特な味ね。でもあまり嫌いな味では無かったわ」

 

「それはどうも」

 

 

ふむ、最初は遠慮してたけど結局食べたね、この子。

 

 

「はぁ……」

 

「ん、どうしたの?溜め息なんてついて」

 

「いや、トオルには関係のないことだから気にしなくていいわ」

 

 

あ、これは聞いてもらいたいやつだ。

聞いてもらいたいオーラが漂ってるもん

 

「……実は妹達と喧嘩したの」

 

 

と思ったら普通に自分から言っちゃったよ。なにが『関係ないことだから気にしなくていいわ』だよ、おもいっきし気にさせに来てるじゃないか

 

……まあ、そこについては心の中だけでツッコんでおくとして

 

「喧嘩かぁ……」

 

「それでムキになっちゃって家を飛び出したの」

 

そうルナサが言うと食べ終わったケーキの紙皿を手で強く握りしめているのがわかった。

 

 

「で、喧嘩の発端ってなんなの?」

 

「メルランとリリカが私の取っておいたお酒を勝手に飲んだの。」

 

「あー、そういうのかぁ」

 

メルランとリリカというのはたぶんルナサの妹達の事だろう。こっちの二人も聞いたことあるな……

まあ、それよりも物を取られたから怒って喧嘩になる、か。

……そういう系統の喧嘩ならよく霊夢や魔理沙、たまに萃香とするね。本当に許せない。

あいつら、ついこの前も3人で僕の貯め置きしてた煎餅を食べてたからね。

しかも境内を穴だらけにして寝てたし……

 

 

「まあ、でもよくよく考えればその酒、あんまり私の好みじゃなかったのでずっと残してたやつだったの。

だから実際はあまり怒ることでもなかったのよ」

 

あ、いらなかったんだ。

 

「ふぅん……ならなんで家を飛び出しちゃったの?」

 

「あのときはお酒を勝手に飲まれたことに怒ってたからね。

……今頃あの二人、心配しているだろうなぁ。いきなり怒鳴って飛び出しちゃったんだもん」

 

「うん、きっとその二人もルナサのこと心配してるよ。」

 

「そうね…………よし!決心がついたわ」

 

「帰るの?」

 

「そうする。本当はずっと帰るか帰らないかでずっと迷ってたの。ありがと」

 

「それはよかった」

 

「あ、あとトオル、ケーキもありがと、美味しかったわ」

 

「ふふーん、そうでしょう。なんたってアリスがおすす『姉さーん』ん?」

 

「あの声は……メルラン?」

 

森の奥の方から女の人らしき声が聞こえてきた。

ルナサがメルランって言ったから妹なのかな

 

『お酒の事は本当にごめーん』

 

「あれはリリカ……」

 

「どうやらお迎えが来たようだね。」

 

「どうやらそのようね。それじゃあトオル、また縁があれば会いましょう」

 

と、ルナサが声のする方へ走り出そうとしたのを……

 

「あ、ちょっとまって!」

 

僕は止めた

 

「なに?」

 

「これ、あと3つあるから。仲直りの印とでも言って3人で食べな」

 

そういって僕はチョコミントケーキの入った箱をルナサに手渡す。

 

「え?いいの?」

 

「うん」

 

「……ありがとう。恩にきるわ。今度私のソロライブを聴かせてあげる!」

 

「そのヴァイオリンで?楽しみだなぁ」

 

「じゃあね!」

 

「あ、うん。じゃあね!」

 

 

それとともにルナサはヴァイオリンとケーキの入った箱を持って走っていった。

 

「さて、僕もこの向日葵畑をもうちょっと見たら帰ろうかな」

 

 

うん、綺麗だ。本当は間近で向日葵を見たいんだけど紫姐さんから絶対に行くなと釘を刺されてるからいけない。

まあ、それでもこれだけで絶景だ。ずっと見ていたいほどに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 帰宅後

 

 

「トオル♪」

 

「ん、なに?霊夢」

 

「お姉ちゃんになにか渡すものはない?例えば~新商品のケーキとか」

 

「ん、ないよ」

 

「え、ないの?」

 

「うん、ない。」

 

「…………」グゥ

 

「お腹へったの?それじゃあご飯に……」

 

「これは別腹が鳴った音よ……」

 

「なにをわけのわからないことを」

 

「うぅ……」

 

 

こうして、密かに『わよう』の新作ケーキを楽しみにしていた霊夢は次の日、自分で買いに行くまでおあずけをくらうことになったとさ。

ふぅ、なんとか知らないふりをして正解だったな……

 

……ていうかなんで霊夢僕が新作のケーキを食べに行ったってこと知ってるんだ?!




結局トオルはプリズムリバー三姉妹のことを
気づけませんでしたね
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