東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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33話 先生の友人

 

 

 チュンチュン

 

 

「ふあ~……」

 

家の外から聞こえる小鳥の鳴き声とともに僕は起きた。

ふぅ、昨日は疲れたな……

 

 

「ここは……居間か。そういえば皆が帰り始めた頃疲れて寝てしまってたな。……あれ、僕、毛布持ってきてたっけ……」

 

そういえばいつのまにか毛布が被さっていた。

まあ、たぶん霊夢だろう。

 

 

……さてさて、ここの連中の事だ。どうせ片付けなんてしてなんかいないだろう。こういうのは僕の役目だ。

 

 

「……んんー!っと。よし」

 

背筋を伸ばし、眠気をさます。はあ、それじゃあ顔洗ってから後片付けするか。

 

そう思い、居間から台所へ通じる襖を開けると__

 

 

 

「え…………え!?慧音先生!?!」

 

 

台所の真ん中で慧音先生が倒れていた。

え?これってどういう状況!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うー……すまない。いつのまにか寝ていたようだ」

 

「いえいえ。……というよりなんで台所で寝てたんですか?」

 

 

殺人事件が我が家で起きた!?っと思っていたら普通に慧音先生は寝ているだけだった。

そして現在、慧音先生を起こしてお茶を淹れつつ、なんで台所で寝ていたのかを質問してみる。

 

 

「どうぞ」

 

「うむ、ありがとう。……で、今のトオルの質問にたいしてだが……」

 

「……はい」ゴックン

 

 

慧音先生が急に神妙な面持ちで此方を見てきたので、思わず唾をのむ。ま、まさか、慧音先生が台所で倒れていたのには深いわけが……!!

 

 

「実は昨日、私の友人を昨日の宴会に誘ったんだ」

 

「え?あ、はい」

 

慧音先生の友人……聞いたことはあったけど会ったことはないな

 

「しかしな、その友人がとても頑固で一向に行こうとしない。」

 

「……それで……どうしたんですか?」

 

 

「ん?頭突きしたよ」

 

「なんで?!」

 

なんで行きたくないからって頭突きしちゃうの!?

 

 

「いやぁ、そいつが行きたそうにしているのにそれを隠して『行かないぞ、私はこうしてひっそりとしていた方が性にあってる』と、いってきたんだ。だからもう焦れったくなったから気絶させて連れていこうとしたんだ」

 

「慧音先生……わりと大胆ですね」

 

 

その頭突きされた人も可愛そうだ。

 

 

「それで?その友人はどうしたんですか?」

 

「あ?……ああ、結局宴会会場に来ても一向に起きなかったから霊夢に頼んで空き部屋をかりて寝させたよ」

 

「え?その人ここに居るんですか?」

 

「まあ恐らくな……たく、折角連れてきたのに1度も目を覚まさないなんて」

 

「そ、その人。本当に気絶なんですか?」

 

「ああ、寝息をたてて寝ていたよ。あいつはいつも寝るとき座って寝ていたし……疲れが溜まっていたんだろうな。」

 

「すごいですね……その人」

 

 

座って寝たら腰が痛くなるのに……

 

 

「それで、やっと本題に入るが」 

 

「え?なんでしたっけ?」

 

「……私が台所で寝ていたことについてだ」

 

「……あ」

 

そういえばその事について僕、質問してたね。慧音先生が友人に頭突きをかましたって言った辺りからすっかり忘れてたよ。

 

 

「まあ簡単に言うとただの寝落ちなんだけどね」

 

「あ、そうなんですか」

 

 

別に全然深いわけがあったわけではないのか……

 

 

「というより彼処にいた連中は片付けをしていかなかったな。何人かは自分達の分はしていたが……だから私が片付けおいたぞ」

 

「え?本当ですか!?」

 

 

と、思わず立ち上がり、外が見える障子を開ける。

そこには昨日まで宴会していたとは思えないほど綺麗に掃除されていた。

 

 

「ほんとだ……慧音先生すいません。わざわざ来てもらったのに手を煩わせてしまって……」

 

「気にすることはない。自分でしたくてやったことだ」

 

「ありがとうございます……もしかして寝落ちしていた理由もこれが原因……」

 

「……私が勝手に倒れたことだ。それに少し酔っていたからそうとも限らないぞ」

 

「いや、ほんとすいません……」

 

 

なんてこった。僕が昨日疲れて寝てしまったせいで慧音先生に片付けをさせてしまった。

 

 

「……それじゃあお詫びに朝ご飯作ります。霊夢と慧音先生の友達も起こしに行かなきゃ」

 

「あ、霊夢ならいないぞ。昨日最後まで残っていた私に「魔理沙ん家に泊まりに行くからトオルに片付けよろしくって伝えておいて」っと言ってきたからな」

 

「れ、霊夢め……」

 

最初から片付けるつもりではいたけど……

 

 

「んじゃ、慧音先生の友達起こしてきます」

 

「ああ……あ、トオル、ちょっとまってくれ。まさかトオルが起こしにいくのか?」

 

「え?そうですけど」

 

「いや、それはまずい。相手は曲がりなりに女なんだぞ。無闇に寝室に入るのはどうかと思うのだが」

 

「あ、そういえば……いつも霊夢を起こしにいく感覚で行くところでした」

 

 

というよりやっぱり慧音先生の友達って女の人だったんだな……

 

 

「それじゃあすいません。慧音先生が起こしに行ってもらえませんか?」

 

「うむ、わかった。」

 

 

と、慧音先生は持っていた湯飲み茶碗を台の上に置いてから立ち上がり、襖を開けて何処かへいってしまった……たぶん友達のところだろう。

 

 

 

 

「僕はその間に朝ご飯を作ろうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~5分後~

 

 

「すまない。どうやら帰ったようだ。中に入ったら布団が畳まれていた」

 

「そうなんですか……よかった。危うく3人分作るところでしたよ」

 

 

んー……慧音先生の友達に会ってみたかったなぁ。少し残念。

 

 

「それじゃあ私も手伝おうか?」

 

「いえ、大丈夫ですよ。慧音先生は居間でくつろいでいてください」

 

「いや、私だけ暇を持て余すのはちょっとな。」

 

「いや、ほんとに大丈夫ですって」

 

「いやいや、任せっきりなのはなんだか歯痒いんだ。だから手伝わせてくれ」

 

「いやいやいや、慧音先生は宴会の片付けまでしてくれたんです。それだけで充分ですよ」

 

「人からの厚意は素直に甘えるべきだ。さあ、手伝わせなさい」

 

「慧音先生こそ僕からの厚意に甘えてくださいよ」

 

 

「ぐぬぬ……」

 

「うぬぬ……」

 

 

「トオル、君は昨日宴会の時に1度も酒を飲まずひたすら裏方に徹していたじゃないか!それなら寧ろ私がご飯を作るべきだ。だからトオルこそ居間で休んでいなさい!」

 

「慧音先生こそ一昨日の異変で一晩中人里を守っていたそうじゃないですか!それに昨日の片付けも合わせると殆どゆっくりする時間なんて無かったでしょ!それなのに朝食まで作らせるなんて……僕にはできません!」

 

「それをいうならトオルだって異変の間中鬼から追いかけまわされ________」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから僕と慧音先生はどちらが朝食を作るのかという口論を10分ほど続けた。

 

結果は二人で朝ご飯を作るという最初に慧音先生が提案したことで口論は幕を下ろすことに。

 

はあ、今日一番の無駄な時間だったなぁ

 

 

「あ、この味噌汁美味しい」

 

「お、ほんとだ」




今回は短めに終わります。
本当は妹紅も出そうと思ってたんですが……
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