東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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35話 姫の暇潰し

 

「最近ここよく来るなぁ」

 

現在、僕はアリスに頼まれ、異変を起こした人達がいる迷いの竹林へ足を踏み入れていた。

ふむ、ここら辺はもう見慣れた感があるね。迷ったり落とし穴に嵌められたり拘束されたりと半月の間で結構ここでの思い出がある。

おかしいな?まだ指で数えるほどしか行ってないのにどれも僕の嫌な思い出トップ10に入るよ……

 

 

「おっと忘れてた。歩いてたらまた迷子になるな」

 

 

この前はほんと忘れてた。飛んで竹林の上を飛べば万事解決だったのにそれを忘れて歩いたせいで迷って、何故か兎を追いかけ回したりしてたからね。しかも追いかけたとき僕飛んでたし……まあ、お陰といっちゃなんだけど

てゐに会ったんだけどね。

と、どうでも良いことを考えつつ飛んで竹林の上空へと移動する。

 

 

「うわぁ……結構広いな。こりゃ迷うわ」

 

 

改めて竹林の広さに驚愕する。

太陽の畑より広いな。あそこにはまだ入ったことないけど……

 

 

「さて、と。それじゃあ早速探すか」

 

 

中々広いけどほぼ同じような風景だ。その中に開けた場所を探せばたぶん見つかるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~1時間後~

 

 

「竹林なめてた……」

 

 

どうしよう……見つかんない。開けた場所を探したけどどこも竹が曲がったりして隙間を埋めてるせいか全然開いてる場所がない。はぁ、また異変を起こしてもらえれば僕の危機察知能力で場所を特定できるんだけど……いや、それは嫌だな。切実にやってほしくない。

 

ていうかよく霊夢達見つけることができたよね。もはや秘境の域だよ。

 

 

「はあ、疲れた。いったん降りよう……」

 

 

溜め息を漏らしながら竹林の中に入っていく。

なんで態々竹林の中に入るのかと言えば、やはり安らげるからだ。

ここは涼しいし笹のすれ合う音とかなんか風情が感じられるし良いところなんだよねぇ。何気に気に入ってる。

 

 

「よっと」 

 

 

そして漸く着地する。よし、時間もまだ余裕があるし一休みしよう。

 

 

「はあ~っ!」ドサッ

 

 

変な声を出しつつ、背筋を伸ばして大の字になりながら寝転ぶ。倒れたときの衝撃は笹がクッションになっていたのであまりこない。ちょっと汚いけど……

 

ちょっとばかしこの景色を楽しもうかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた、そこで寝るの好きなの?汚いのに」

 

「……てゐか」

 

 

景色を眺めてちょっと時間が過ぎた頃、てゐが現れた。

 

 

「いや、やっぱりここは良いところだよね」ノソッ

 

 

取り敢えず話すのに寝っ転がってるのは失礼なので起き上がる。

 

 

「まあ、確かにここは良いところだよ。隠れ蓑にはもってこいだし」

 

「んで、なんでここにてゐがいんの?」

 

「その質問をそのままあんたに返すよ。まずここはあたしの支配下だからね」

 

 

支配下なのかどうかはわからないけどてゐの家は迷いの竹林の中にあるしいるのは当然か。

 

 

「んー、僕はちょっとおつかいを頼まれてね」

 

「おつかい?また筍掘りでもすんの?するならお金よこしな」

 

「いや、筍掘りではない。薬を買いに」

 

「あ?薬といえばししょーのとこだけどまだ販売はしてないよ」

 

 

え、ししょー?ちょっと待って。

 

 

「も、もしかしてその師匠って今回異変を起こした人?」

 

「あん?そうだけど。……え?あんた知らなかったの?」

 

「う、うん……」

 

 

やっぱり、そんな感じがしたんだよなぁ。そういえば博麗神社の階段でもししょーとか言ってたな……

 

 

「んじゃ、案内頼めるかな?」

 

「別に良いよー。」

 

 

やった!思わぬところで案内人を見つけることができた!やっぱりあれだね。急がば回れとはこの事だね!

 

 

「はい」

 

「ん、なに?」

 

「案内賃」

 

「え?!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 

「ついた。ここだよ」

 

「うわ、結構大きいね」

 

 

てゐにぼったくりと言わざるをえないほどの金額を取られた後、漸く目的地に着くことができた。

この時間ざっと10分。……ふぅ、あまりにもあっさり着いたな。高級煎餅分取られただけはあるね!……まあ、何回か罠に引っ掛かりそうになったけど……

 

 

 

「ただいまー」

 

と、門を開けててゐが入っていく。

 

「お邪魔します」

 

 

僕もてゐにつられて門を潜る。

 

……うわぁ、中は白玉楼程ではないが大きな庭が広がっており、所々に兎がうろついている。そして目の先には立派な家が建っていた。

 

 

「てゐ!あんたさっきはよくも!!……て貴方は……」

 

「あ、鈴仙」

 

 

そしててゐの後に続いてその家に入ろうとしたときに玄関の奥の方から鈴仙が走ってきた。なんだかてゐに怒ってるようだけど……

 

 

「ちょうど良かった。鈴仙、後はよろしくねー(今捕まったらヤバイ!)」

 

「は?なにいってんのよ!?」

 

 

そういっててゐは玄関に入ろうとしていた足を反対に回しそのままさっき潜った門の先へ走り去っていった。

 

 

「あいつ……次会ったら竹に吊るしてやる……」

 

 

うわ、鈴仙の目が怖い。てゐ、お前一体なにやったんだ……

 

 

「んで、貴方は何しに来たの?」

 

 

と、てゐの姿が見えなくなって程なく、漸く鈴仙がこちらに目をやり、質問をしてきた。

 

 

「あ、うん。てゐの師匠って人に酔いに効く薬を売って貰おうかと」

 

「え?そんなに昨日飲んだの?」

 

「いや、友達がさ。僕はそのおつかい」

 

「ああ、ね。たぶん薬は師匠がくださると思うわよ」

 

 

此方よ、と言いながら鈴仙は歩いていく。

 

「あ、まって。まだ靴脱いでない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~移動中~

 

 

「やっぱり効かない……」

 

「ん?なにかいった?」

 

「いや、なんでもないわよ」

 

 

そうかな?なんかはぐらかしているような気がするけど……

まあいいか。

 

 

『ああー、暇!因幡ー!いないのー?私の相手しなさい!』

 

 

「ん?なんかあっちの部屋から声が聞こえるんだけど……」

 

「はぁ……気のせいよ。まずは師匠の所に送る……」

 

「聞こえてんのよ。なに、私を無視しようとしてんのよ」

 

「え……姫!?」

 

え、なに?急に鈴仙の後ろからさっきと同じ声が聞こえてきたんだけど……

そう思い、鈴仙の後ろを見てみる。

 

 

「うわ、すごい美人」

 

 

そこには大和撫子完敗の美女がいた。顔負けじゃない、完敗だ。それぐらいに美しい。

 

 

「あれ?お客さん?」

 

「はい、なので今師匠の所へ連れていこうかと」

 

「あ、トオルって言います」

 

 

取り敢えず自己紹介をしておく。

 

 

「ふーん……あ、私は蓬莱山輝夜よ」

 

「ということで姫、暇潰しの相手は少々お待ちください」

 

「いえ、もういいわ。……トオル、貴方、私の相手をしなさい」

 

「え?」

 

 

なんだか嫌な予感……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

 

 

 ~部屋の一室~

 

 

「さて、なにをしましょうか」

 

「いや、僕薬を貰いに来たんですけど……」

 

「そう……それならこうしましょう。私を満足させたら薬を譲ってあげるわ」

 

「ええぇ!?」

 

 

な、なんてこった。僕に人を笑わせるセンスなんて一欠片もないのに……これはめんどくさいことになったぞ。

 

 

「うーん……なにをするか」

 

 

と、なにをしようか考えてみる。

ふむ、果たしてどんなものがあるのか。僕の昔あった珍事件について話すか。それとも娯楽道具で遊ぶか……よく見ればこの部屋、結構色々な物がある。将棋盤やらトランプ、ウノなんかもある。

 

 

「ほらほら、黙ってないでなにかしなさい。早くしないと日が暮れるわよ」

 

「わかってますよ」

 

 

取り敢えず思い付く限りなにか試すか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~30分後~

 

 

「はははは!な、なにそれっ、ぷふ……人間風船、人間風船て!もう駄目!、笑いが、止まらない!」

 

「え、そんなに面白かったですか?」

 

 

僕の体験談を話したら思いの外好評だった。

何を話したかって言うと、霊力操作が出来なかったときレミリアから人間風船と評してきたことと、仕事場で大和さんが皿を割った数が週間ランキングで新記録を叩き出したことだ。

よく他人事でこんなに笑えるなぁ……

 

 

「あ、そういえば霊夢と魔理沙が急に僕の部屋に入って春画を見つけ出そうとしてきた話とかあったな」

 

 

「も、もうやめて!少し……少し休ませて!」

 

「いやいや、まだまだいきますよ。森近さんっていう外の道具を取り扱ってる人がいるんだけどその人が……」

 

「やめてー!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、久しぶりにこんなに笑ったわ……」

 

「うん。……ていうかよくこんな顔も知らない人の話で笑えますね」

 

「そりゃ笑えるわよ。何年生きてると思ってるの?他人事だろうがそれを自分の想像に当てはめれば充分に笑えるのよ……あ、思い出したらまた笑いが……ぷふっ」

 

「まあ、これで満足したでしょ。薬を譲ってください」

 

 

ここで無駄足食ってる時間は無いんだ。早くしないとアリスから愚痴を言われる。

 

 

「え?何をいってるの?これからが本番よ。……因幡ー!ちょっと来てー!」

 

『はーい』 

 

「え、何をするんですか?」

 

「何って……ほら」

 

 

と、輝夜さんが右手に持ったものを此方に見せてくる。

 

「これは……トランプ?」

 

「そうよ。これからみんなで大富豪大会を始めるわ!」

 

「ええぇ!?約束と違う!」

 

「いいえ、違わないわ。まだ私は満足なんてしていない!!」

 

「え、ちょっと……」

 

 

これ、まだ続くの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから何時なのか感覚が無くなるほどトランプに興じた。夜になって夕飯時になったにも関わらず続けた。うん、輝夜さんは全然平気そうだったけど僕はかなりきついです。鈴仙となんかボロボロになっていたてゐもどこかしらつらそうだし。……あ、もう駄目、落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ、貴方達なにやってるの」

 

「あ、永琳」

 

「師匠……」

 

「兎に角、さっさと片付けなさ……あら、この子は?」

 

「永琳の客よ。ちょっと遊んだら使い物にならなくなった」

 

「私の客?……そう、輝夜に捕まるなんて不運ね」

 

「あら、幸運の間違いじゃなくて?」

 

 

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