東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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今回は霊夢とトオル回です。
なんかこれまでよりもほのぼのにできた感じがします。



37話 整地と掃除

 

 仕事が休みの日。僕は大抵、家でのんびり本を読んで過ごすか、図書館で本を読んで過ごすか、鈴奈庵で本を読んで過ごすかで時間を費やす。

 

 ……うん、殆ど本を読んで過ごしてるね、僕。

 

まあ、そんな感じで過ごしている僕だけど勿論それ以外にもしていることだってある。

 

例えば今、僕は外にいる。図書館や人里に行くわけでない。ある作業をするために出ているんだ。

 

 

それは神社のことも関連しており、結構大事な作業。

 

 

 

 ____そう、神社まで続く道路の整地だ。

 

 

「はあ、やっぱりまだ10月だから暑いな……」

 

 

永琳さん達のいる永遠亭に訪問してから半月が経つ。つまり10月の中旬。その半月という月日の間で暑さはほんの少しは和らいだけど、まだまだ暑さは残っている。……去年アリスから作ってもらったコートの出番はまだなさそうだ。

 

 ……そんなことはどうでもいいとして現在僕は麦わら帽子と軍手、そして長靴と長袖長ズボン、凄く暑い格好の中、草むしりをしている最中だ。

 

 

「ほんと頑張るわよねぇ」

 

 

と、いつもはサボっていた霊夢が珍しく手伝ってくれながらそう呟く。

 

 

「実際これは霊夢……というより博麗神社にたまぁ~~っに来る参拝客のためにやってることなんだからね。普通は霊夢がするべきなんだよ?」

 

「まあ、そうだけど……」

 

 

そう、最近はほんの少しだけど参拝客が来るようになっている。どうやら霊夢の異変解決の功績が関係しているらしい。……まあ、その理由もあってか参拝客というよりお礼しに来てる人が殆どなんだけどね……

 

 

 

「暑いわ……」

 

「もう……口ばっかり動かさないで手を動そうよ。まず暑い暑いって言ってるから暑いんだよ。心頭滅却すれば火もまた涼しって言うだろ?」

 

「トオル、あんたそんな根性論言うのね」

 

「って魔理沙がこの前燃えた自分家の前でそう言って飛び込んでいったよ」

 

「うわ、あいつなにやったのよ」

 

「なんか魔法の実験で失敗して火事になったらしいよ。運悪くその時僕も居合わせちゃったけど」

 

 

あのときは危なかった。魔理沙にパチュリーさんの本を返してもらうように頼みに行ったら、玄関をノックしようとした瞬間に大爆発が起きてそのまま炎上し始めたからね。結果、僕も消火作業を手伝わされたりパチュリーさんの本に焦げがついたりと散々な目にあったし。結局あのとき本取り忘れたなぁ____

 

 

「…………って駄目じゃん!今作業中なのになに前のことに思い更けってるんだ!霊夢、さっさと作業に戻るよ」

 

「……いや、あんたが勝手に言い始めたことじゃない」

 

 

そうだっけ?……まあいいや。取り敢えず草取りの続きをしなきゃな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~~昼頃~~

 

 

「ねぇ、もうそろそろお昼にしない?あとお風呂に入りたいわ」

 

「そうだね……」

 

 

確かにお腹も空いたし肌に服がくっつくぐらい汗びっしょりだ。

霊夢の言う通り今日の作業はこれぐらいにしとこうか。

 

 

「んじゃ、帰ろ。霊夢が昼ご飯作ってね、僕がその間にお風呂沸かすから」

 

「う~ん、トオルが全部やってくれない?」

 

「全部放棄して人里行くよ?僕」

 

「仕方ないわね、昼ご飯作ってあげようじゃないの」

 

 

よし、取り敢えず僕が昼ご飯作る必要はなくなったね。

 

そんなことを思いつつ博麗神社から進んで整地してきた道を見てみる。

うん、結構進んだなぁ……

ついこの前までは岩やら雑草で溢れかえってたのに随分と綺麗になったもんだ。もう少しで完全に人里までの道が完成するね!

まあ、元々昔はここの道があったようだからそこまで苦にはならなかったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~博麗神社・居間~

 

 

「はあ、暑い。折角お風呂に入ったのにもう汗をかいてきたわ」

 

「仕方ないよ、風が全く吹かないんだから」

 

「風が吹いても生暖かいからあまり涼しくない」

 

「……確かにね」

 

 

お風呂に入り、昼ご飯を食べた現在。僕は打ち水を、霊夢は暑い暑いと言いながら熱いお茶を啜っている。

 

 

「ここにチルノが来てくれればなぁ」

 

 

「あ、そうね。あいつの身体、年中ひんやりしてるし」

 

 

ん、霊夢はチルノの肌に触ったことあるのかな?僕はチルノとの戦いの後、いつも握手をしてるからひんやりしてるのわかるけど。

 

 

 

「そういえば紅魔館のある霧の湖にあの氷精ってよくいるのよね?」

 

「なに、捕まえに行くの?霧の湖まで行くのならそのままあそこに留まった方がいいよ、彼処も年中肌寒いし」

 

「ああ、移動することをすっかり忘れていたわ。それ込みだったらここでぐだってた方がましだわ」

 

 

やはり面倒くさがりな僕の姉。ここから霧の湖まで空を飛べばそう距離はないのに面倒がるとは……

 

 

 

「そうだ!霊夢、物置小屋からタライ持ってきてよ!

冷水を足に浸かせば少しでも涼めるかも!」

 

「良い考えね。でもその肝となる冷水はどこにあるのかしら?」

 

「…………ない」

 

「……」

 

 

くぅ、良いアイディアだと思ったんだけどなぁ……

そんなことを思いつつ打ち水を終え、霊夢の隣に座る。

 

 

 

 

 

 

  ミーンミンミンミーン

 

 

「蝉が鳴いてるね」

 

「もう10月の半ばなのにねぇ」

 

 

 

 ブワァ~…

 

 

「暑い日ってさ、遠くをよくみると歪んで見えるよね」

 

「暑いから仕方ないわよ」

 

 

 

 …………

 

 

「もしかしてこんなに暑いのって誰かが異変を起こしたからじゃ……」

 

「トオル、暑さのせいでついに頭がおかしくなったの?そんなわけないじゃない。あと半月もすれば涼しくなるわよ」

 

 

そうかなぁ、いつもこのぐらいの時期ってもう涼しくなってたような気がするんだけど。

 

 

 

 

「そういえば今日、魔理沙来ないね」

 

「どうせまた魔法の研究でもしてんでしょ」

 

「それもあるかも。魔理沙、ああ見えて結構努力家だし。どこかの姉と違って」

 

「私は別に修行しなくても強いから大丈夫よ」

 

 

ほらでた、天才の暴言。僕の心に突き刺さったよ今の言葉。

 

 

「それにしても久しぶりね。こうして二人っきりなのも」

 

「そうだっけ?」

 

「最近トオルってよく何処かに行くでしょ。」

 

「ああ、確かに」

 

 

確かに最近はよく出掛けてる。

 

 

「まあ、弟が元気に動いてるのも姉としては嬉しいことなんだけどね」

 

「な、なに霊夢。急にらしくないこといって……」

 

 

まさか僕をおだてて今日の夕飯増やしてくるってせがんでくる気か!

 

 

「全然そんなこと思ってないわ」

 

「!?」

 

「あんたの顔をみていればどう考えてるのかぐらい分かるわよ」

 

 

ま、まじですか……そんなに顔に出てるのかな、僕……今度から気を付けよ。

 

 

 

「話は戻すけど、トオル。折角二人なんだし久しぶりにあれしてあげようか?」

 

「あれ?……あれってなんだっけ?」

 

「ほら、あれよ、あれ」

 

 

と、霊夢が指をなにかを持つように手を構え、くいっくいっと動かす。

 

 

「あー、あれか」

 

「思い出した?」

 

「うん。……でも恥ずかしいよ、もうしてもらうような歳じゃないし」

 

「良いじゃない。二人なんだし」

 

「うーん……」

 

 

この歳になってあれをやってもらうのかぁ……

 

 

「……まあ、いいか。それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」

 

「よし。ほら、さっさとそこの横になりなさい。今持ってくるから」

 

「うん……」

 

 

そう言って霊夢は居間の奥の方へ歩いていった。

んじゃ、僕は縁側に横になって待つとするか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、くすぐったい」

 

「ふーん、結構溜まってるじゃない。これはやりがいがあるわね」

 

「もっと優しくしてよ」

 

「わかってるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~博麗神社の近くの茂み~

 

 

 パシャッ

 

「ふぅ、なにやらいかがわしい話をしてると思えば……なんだ、ただの耳掃除じゃないですか。少し損した気分ですね……」

 

 

うー、どうしよう。早くネタを見つけないと原稿が……

 

 

「でも意外な写真が取れましたね。

これ、使いようによっては……良いですね……」

 

 

ふふ、損した気分と言いましたが前言撤回。得した気分ですね!

 

 

 

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