注意。今回オリキャラしかでません。
「それでは。来週またもやここ、人里でプリズムリバー公演ライブが決定したことを祝して……第32回プリズムリバー三姉妹誰が一番可愛いか決める会を始める!!!」
「「「おおー!!」」」
「お、おー……」
あー、なんで僕こんなところにいるんだろう……
~~30分前~~
「おい!聞いたかトオル!!」
「え、なに茂?」
人里を散歩していると鼻息を荒くした僕の友人の茂と出会した。ちょっと鼻息荒くしている辺りかなり興奮しているようだ。……嫌だなぁ、この状態の茂と会うの。絶対にろくなことがない。
「来週プリズムリバー三姉妹の公演ライブがまた人里であるんだよ!」
「あ、そうなんだ」
そういえば茂、プリズムリバー三姉妹のファンクラブに入ってたね。すっかり忘れてたよ。
「なんだよ、もっと喜んでも良いんじゃないか?」
「いや、だってねぇ……」
プリズムリバー三姉妹の演奏が凄いってのは聞いたことがあるけど、僕自身はその演奏を聴いたことがないからなぁ。はっきりいってどれぐらい凄いのかがわからない。
「はあ、そういえばこの前の演奏お前聴きそびれたって言ってたな。ならその反応なのもしょうがない」
どうやら茂も分かってくれているようだ。
「んじゃ、これから好きになっていけば良いんじゃないか?」
「え?」
「ほら、トオルが聴いたことがないのなら今度のライブを聴いて好きになれよ!そうだ!それがいい!」
「……んまぁ、聴いてみたい気もするけど」
でもどうしようかなぁ……ライブって言ってもどうせ夜からだろうし。夜になると中々危険なんだよな、人里の外って。
まあ、僕の能力の関係上襲われそうになっても大丈夫だけどね。
「よし!決まりだ!それじゃあライブのある日は俺ん家に泊まってけよ。夜は危険だしな」
僕の心配していることをことごとく解消しにかかる茂さん。やっぱり、割りと長い付き合いのせいかそこら辺は分かってくれているね。それはそれで少し嬉しい。
「うーん、わかった。その日は僕も行くことにするよ。」
ちょっと聴いてみたかったしまあいいか。取り敢えず霊夢に言わないとね。
「よっしゃ!それでこそ俺の親友だ!やっぱりノリが良い!」
「ははは、ありがとね。……それじゃあそろそろここから離れない?道のど真ん中で茂が大声出してるせいで通行人の方々からの視線が痛いんだ」
「お、そうだったか。それは失敬。場所を移そうぜ」
茂って良いやつなんだけどこういうところがなぁ……
そう思いつつ僕と茂は止めていた足を動かし始めた。
______________________
~団子屋~
場所を移した僕と茂は団子屋に来た。そしてそこにはいつも顔を会わせている道義さんがいた。道義さんと仕事場以外で会うなんて珍しいな。
「あ、道義さん。こんにちは」
「お、トオル……と茂隊員!」
「え!?」
「お久しぶりです!道義隊長!」
え、なんか今の会話の間で衝撃の事実を聴いてしまった気がするんだけど……
「あ、言い忘れてたな。この方がプリズムリバーファンクラブ会長の道義さんだ!」
「うん、でしょうね」
まじかぁ、まさか身近な人がこんな下らないクラブのトップだったとは……
「これは偶然か、はたまた必然か。それにしても君らは運が良い」
なんか口調がおかしい道義さん。
「実は今日、この団子屋で幹部の皆で会合があるのだ。」
「ま、マジっすか!!」
「おお、大マジだ。これも何かの縁、今回の会合に君らも混ぜてあげよう!」
「え!?良いんですか!!よっしゃー!!!」
なんか話がトントン拍子で話が進んでいってる……ちょっとまってよ、僕……
「あの、道義さん。僕、プリズムリバーファンクラブに入ってないんですけど」
「ん?そうだったっけ?まあ、いいや。今日からトオルもファンクラブ会員な。これなら文句ないだろ」
「えぇ!?そんな簡単に決めちゃって良いんですか!?」
「よかったなトオル!これでお前も俺と同じステージに上がってこれたぞ!」
そ、そんなステージ嫌だ!!
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という流れが冒頭に至るまでの流れだ。ほぼ成り行きでファンクラブの会員にされてしまった僕。なんで顔も知らない人達のファンにならなくちゃいけないんだ。
「やっぱリリカはいいっすよねー」
「まあ、確かにリリカは我がファンクラブの中でもトップの人気だが、俺はメルランだな!」
「おいおい会長、ルナサを忘れてもらっちゃあ困るぜ!」
あれからかれこれ一時間がたつ。
はあ、帰りたい。全くもって興味がない。……でも気になるワードが出てきたな。そういえばちょっと前に秘密の場所で偶然会った娘もルナサって名前だったぁ。あれ以来会ってなかったから忘れかけてたよ。あの姉妹仲直り出来ただろうか……
「ところでトオル、お前は誰が一番良いと思う?」
うわ、急に僕に振ってくるな茂。僕がプリズムリバー三姉妹のこと知らないの知ってるでしょ……
「(なんでこんなところに男の敵がいんだよ)」
「(こいつんとこにもファンクラブいるだろうが、それで我慢しとけや)」
「(祟ってやる)」
うわぁ、なんか皆黙って僕の方をみてる。……くっ、どうすれば……茂め、後で覚えてろよ……
「ルナサ……かな?」
と、前に会った子と同じ名前の人を言ってみる。
「「「…………」」」
あれ、なんで皆黙ったままなの?まさかこれやっちゃったパターンなの?
「トオル、お前……」
「な、なに……?」
茂が声のトーンを低くして僕に話しかける。ちょ、恐いからトーン低くするのやめて……
「お前……やっぱりルナサもいいよな!」
「え?」
「ああ!確かにルナサも最高だ!」
「まさかトオルもルナさんの魅力に気づいていたとは……」
「ちょっとトオルの事誤解してたぜ!すけこましの男の敵と思ってたが……ルナサの魅力をわかってるのなら話は別だ!」
な、なんだろう。一気にこの場のムードが晴れ上がった気がする。今の僕の発言、間違ってなかったって事かな?
「それじゃあトオル。お前ルナサの何処が好きなんだ?」
茂ぅぅ!!いい加減にしてくれ!なんでいちいち余計なことを聞いてくるんだ!僕がプリズムリバー姉妹の事知らないの知ってるくせに……まさかわざとなのか?わざと僕を陥れるようなこといってるのか?
それだったら許さん、親友だろうが拳骨は避けられない。
そう思い皆にわからないように軽く茂を睨む。
すると_____
「どうなんだ?」ワクワク
こ、こいつ……本気で言ってる!僕を陥れるためじゃなく純粋に質問しているんだ!……つまり僕がプリズムリバーを知らないってことを忘れてる、完全に。……茂、テンション上がると周りが見えなくなるからぁ。たぶんそれが理由で忘れてるんだろう。……なるほど、質の悪い奴だ。
さて、この状況をどう切り抜けるか。皆僕に注目している。濁ったふうに言っても聞き直されるだけで終わってしまうし、適当なことを言って的外れなことを言ってしまったら洒落にならない。
誉め言葉かつ的を射たことを言わなきゃさっきまでの雰囲気から一変、嫌な雰囲気になってしまう。
だけどね、僕がこのくらいのことで狼狽えて、言葉が詰まることはない。僕は『ありとあらゆるものを避ける』ことが出来るんだ。その名を名付けた紫姐さんの名誉の為にもこんな危機、簡単に切り抜けて見せる!!
「うーん、僕って口で説明するのが下手だからさ。なにか写真かなんかないかな?」
そう、写真の開示を求める。しかもごく自然にだ。このとき、いきなり写真を見せてと言うと本当は知らないんじゃないかと不信に思われる可能性があるので、前置きに『口で説明するのが下手』と言うことによりその不信を和らげる。
そして、写真についてだけど……これを持っているのかは賭けだ。幻想郷にはカメラというものはかなり少ない。僕が知ってるなかでも森近さんの家に壊れかけのが一台あるぐらいしか知らない。
これだけ聞くと無謀な賭けだ。……しかし、僕はこの賭けをした。理由は1つ、このファンクラブの皆の信仰度が異常だったからだ。最初、僕が話題に乗ることができず、ただただ聞き手に回ることしか出来なかったとき、『ルナサ』という人の名前はちょっとしか出なかった。殆どが『リリカ』という人の話題で持ちきりだ。しかし、僕が『ルナサ』が良いと言うと、皆それに便乗した。つまりこのファンクラブは皆プリズムリバー三姉妹全員のことが好きってことだ。
それに会員であり、その中でも幹部以上が集まる会合。いくらカメラが幻想郷のなかにほんの少ししかないからといっても誰か1枚かは持っているはずだ。
何度もいうがこれは僕の賭け、深くいうならばこのプリズムリバーファンクラブの信仰度に賭けたんだ。
だからお願い……誰か写真を持ってて!
「お、良いぜ。俺のを見せてやる」
やった!!流石は会長の道義さん!やっぱり持ってた。
そして道義さんが懐から取り出した何枚かある写真の1枚を台の上に置く。……なんだ、結構持ってたのか。
そう思いつつ台の上に置かれた写真を見てみる。そこには_____
「え、これって……ルナサですか?」
「は?当たり前だろ。なに自分の好きな人の顔聞き返してくるんだよ。」
いや、そりゃあ聞き返すでしょ。
_____だって写真に写ってるの、この前秘密の場所で会った子と同じだもん。
次回へ続く。