東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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4話 紅い霧にて霊夢帰還

 

 

「ふう、ひと休みしようかな」

 

 

 現在僕は霊夢と魔理沙を見送った後、茶の間でくつろぎながら読書を嗜んでいる。

 

 

「おっと、蝋燭が尽きそうだな。替えは……はぁ、物置から取りに行かないと」

 

 

 なんで僕が態々、蝋燭を必要としない縁側で読まないのかは外を見ればわかる。

 

 

「やっぱりまだ紅い……早くなんとかしてほしいもんだ」

 

 

 外が紅い霧で不気味だからだ。そして今、霊夢と魔理沙はこの原因を突き止めに行っている。無事でいればいいけど…………

 そう思いつつ納屋に向かってると神社の入り口から声が聞こえてきた。

 

 

「やあ、通君。久しぶり」

 

「あれ、森近さん、ひさしぶりです」

 

 

 その声の主は霖林堂の店主の森近さんだった。片手に小包を抱えている。

 

 

「道中妖精が飛び回ってたと思うんですが、大丈夫だったんですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ。誰も通らないようなルートから来たから」

 

「へぇ……あ、どうぞ上がってください。お茶だしますよ」

 

「お気遣いありがとう。……いや、そんなことより霊夢はいるかい?」

 

「霊夢はこの異変の解決に行きましたよ」

 

「え?もう行ったの?てっきりまだ行ってないかと思って忠告しに来たんだけど」

 

「大丈夫です!僕の高級煎餅と引き換えに行かせましたから!」

 

 

 と、ちょっと涙目になる。

 

 

「…………君も苦労しているんだね。良かったらこの饅頭食べるかい?」

 

「え?いいんですか!」

 

「ああ、元々霊夢を行かせるための交渉材料として持ってきたものだからね」

 

「やっぱり霊夢を釣るのは食べ物ですよね!」

 

「姉に対して酷いこと言うなぁ…………まあ、あながち間違ってないんだけどね」

 

 

 ははは!楽しみが出来た!早速蝋燭を取りに行ってからお茶の準備しないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

「ん、この味は『おんわ』の饅頭ですね!彼処美味しいんですよね」

 

「お?よくわかったね。僕、彼処は贔屓にしてるんだよ」

 

「この白餡子入りのなんてモチモチとしていて噛めば噛むほど味が出てくる感覚がなんとも……」

 

「どう作られているのか気になるな」 

 

「はは、流石に店の味を教えるような事はしないと思いますよ」

 

「なに、ちょっとした研究欲が疼いただけさ」

 

「そうですか」    

 

 

 と、一息つくためにお茶を啜る。

 

 

「はあ、なんで姉弟なのにこうも性格が違うんだろうね。弟がしっかりしすぎている」

 

「姉がだらしないからですよ」

 

「それは言えているな」

 

「まあ、逆に霊夢がしっかりしている姿なんて想像出来ませんしね」

 

「もし霊夢がしっかりしていたら通君も少し性格が変わっていたかもしれないね」

 

「例えばどんなふうにですか?」

 

「うーん、そうだな。例えば何事にも無関心でいつも人のうちに勝手に入っては好き勝手する、とか」

 

「霊夢じゃないですか」

 

「はは、バレたか」

 

 

 僕が霊夢みたいな性格か…………うん、あり得ないな。

 

 

 その後森近さんと人里の事や外の世界の事についての議論などで話に花を咲かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、時間もいい具合だし僕もそろそろおいとましようかな」

 

「あ、帰りますか?それじゃあ玄関まで送ります」

 

「ああ、ありがとう」

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、また今度」

 

「はい、また」

 

 

 そういって森近さんは帰っていった。

 ふう、今日はなにかと有意義だった。

 森近さんの持論を聞かされるのは中々楽しい。なんとなくでやっていたことに疑問を持ち、その行動の元を推測し、何故そのような行動を取るのか、単純に考えているようで実は真相心理ではまた別のことを考えているのかもしれない、と色々な推測を立て、議論していく。僕にはついていくことのできない世界だけど、聞いてるだけだと中々楽しいもんだ。聞いただけでも頭が良くなったような気がするし。

 

 

「よし、それじゃあ証拠隠滅しなきゃな」

 

 

 まあ、森近さんのことはおいといて、霊夢達が帰ってくる前に森近さんの持ってきた饅頭の包み紙を処理しないとね!

 

 

 

 

「なにを隠滅させようって」

 

「……え?」

 

 

 あれ?気のせいかな。後ろから聞き覚えのある声が聞こえるんだけど……

 後ろからってことはつまり、声の主は玄関からではなく、縁側から入ってきた可能性が高い。

 玄関からではなく縁側から家に入るの人は限られている。その代表が魔理沙と霊夢。

 そして今の声からして導き出される人物は___

 

 

   ____________霊夢だ。

 

 

「この箱は何?」

 

 

 うわぁー!!しかも隠そうとしたやつばっちり確保されてるよ!?

 

 

「これは『おんわ』の箱よね。しかも全部捨て柄しかない」

 

「……それは……」

 

「まさか私と魔理沙が頑張って異変を解決している中、呑気に饅頭を食べてたの」

 

「あ、うん。……と」

 

 

 言い訳しようにも思うように声がでない。

 

 

「酷いぜ、こんなにボロボロになるまで頑張ったのに!」

 

 

 うわぁ、魔理沙もいたよ。

 

 

「いい加減こっちを向きなさい」

 

「ひゃい!」

 

 

 いけない、思わず噛んでしまった。

 

 

「なにか一言…………いえ、二言あるわよね?」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「二言目」

 

「今日の夕飯は豪勢にします……」

 

「やったぜ!」

 

 

 なんでそこで魔理沙が喜ぶんだ……

 

 

「三言目」

 

「え?三言目?」

 

「宴会を?」

 

「宴会?!」

 

「宴会をしま?」

 

「す?」

 

「それでよし。今度異変を起こした奴らと宴会するから」

 

「えぇぇ?!」

 

「つべこべ言わずご飯作りなさい!もう夜よ!」

 

「え?……ほんとだ」

 

 外を見てみれば辺りに紅い霧がなくなり夜空が広がっていた。

 

「どんだけぼーとしてたんだよ……取り敢えず沢山作ってくれ。」

 

「あれ?魔理沙。後ろに持ってる風呂敷はなに?」

 

「戦利品だ」

 

「あ、ああ、そうなの……」 

 

 

 友達がしちゃいけないことをやらかしたような気がしたけど僕は知りません、本当に。

 

 

「んじゃ、やるかぁ……」

 

「早く頼むなぁー」

 

「5分以内ね」

 

「無理」

 

 

 5分て……霊夢、そういうのを鬼畜って言うんだよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ~食後~

 

 

「食った食ったぁ~」

 

「……それで、異変を起こしたのってどんなやつらだったの?」

 

「ざっと言うなら門番、引きこもり魔法使い、メイド、吸血鬼だな」

 

 

 なにそのビックリ集団?!

 

 

「なかなか強かったわ。まあ、勝ったけど」

 

「霊夢はあれ、強いからなぁ」

 

「おいおい、私だって強いぜ!」

 

「まあ、まずあんなに霊弾撃てる時点でおかしいけどね」

 

 

 しかも目が痛くなるし。僕には到底無理だね。

 

 

「トオルは撃てないのか?」

 

「かろうじて何発か撃てるぐらいだよ」

 

「なんでトオル、私と同じぐらい霊力あるのにそんなに操作が下手なのかしらね」

 

「う~ん。たぶん修行すればなんとかなると思うんだけど……」

 

「私はしてないわよ」

 

「それは霊夢だけでしょうが」

 

「トオルに同感だぜ」

 

 

 まず霊夢が修行している所なんて見たことがないよ。でも僕もあまりする気はしないな。

 まず休みが週に2日しかないし、休みの日は読書とかゆっくりしたいし……

 

 

「ま、兎に角、明日宴会の日時を聞きに行くけどトオルも来る?」

 

「いや、明日はたぶん仕事があるから無理だね」

 

「そう、ならいいわ」

 

「じゃあ、明日に向けて寝るか!」

 

「あ、魔理沙、ここで泊まるのはいいけど僕の布団を使わないでね」

 

「それは酷いぜ……」

 

「ちゃんと来客用(ほぼ魔理沙用)の布団買ってきたから」

 

「おお!用意周到だな!」

 

 

 

 ふぅ、まあ、取り敢えず霊夢と魔理沙が無事に帰って何よりだ。

 

 

 あと吸血鬼ってどんな感じなんだろうか。もしかして2メートルを越える大男だったりして?!

 まあ、襲われなければいいや。

 

 

 兎に角、明日の仕事のために早く寝なきゃな!

 




今回でた『おんわ』という饅頭屋ですが本当は名前をつける気は無かったんですが何かと出てきそうだったので名前をつけることにしました。
今後も甘味処なども名前をつけることになると思います。
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