升の10倍=斗
升の100倍=石
因みに一升は大体約1.8リットルです。
「ねぇ、酒屋のところは私が行くから財布貸してくれない?」
「ん?まあ、別にいいけど。何升ぐらい買ってくるの?」
「1升じゃてんで足りないわ。1石くらい買ってくるわ」
「……死ぬよ?いろんな意味で」
「冗談よ、冗談だからその財布を貸して」
「……ちょっと待って、3升分のお金だけ入れておくよ」
「え~、ケチ」
「安酒の分だけにしてもいいんだよ?」
何故か宴会用に材料の買い出しに行こうとしたら霊夢がついてくると言い出した。いつもは面倒くさがって行こうとしなかったのになんでた?っと思っていたけど、やっぱりこれが目的だったか。霊夢お酒大好きだからなぁ……
「言うけどこの宴会終わったらいっときの間ご飯減らすからね」
「え?なんでよ!」
「この前の夕飯といい、最近出費が多かったからだよ」
「霖之助さんとこで変なガラクタをお小遣いで買うからこうなるのよ」
「あー、確かに。今思うとやっちゃったなぁって感じてるよ」
どんなのを買ったかと言うとなんか横に長くて変な形をした物で所々にボタンがついている。森近さんが言うには『こんとろーらー』という名前らしい。……よくわかんないな。
「ということで食事を減らすことは却下よ」
「あ!でも霊夢だってこの前自分のお小遣いを使わないでご飯用のお金を勝手に使って定食屋にいたじゃないか!」
「ぐっ……あ、あれはトオルが昼ご飯作らなかったからでしょ!」
「その日僕は人里に用があったんだよ!」
鈴奈庵でどんな本を読もうか選ぶ用事がね!!本を選ぶときが至福のひとときと感じている僕にとってはこれは大事な用事だ。
「はあ、まあいいわ。ご飯の量を減らすことは良しとしましょう。まあ、トオルの分のご飯をもらうけど」
「はい?!」
何を言ってるんだこの巫女は!
このあと帰り道にみっちりと霊夢と議論した結果、貯金の少しを崩していつも通りの食事を取ることになった。
…………どんだけご飯を減らされるのが嫌なんだよ……
~博麗神社前~
「この階段長いんだよなぁ……」
「じゃあ私は先に行ってるわ。もう暗いし皆来ちゃってる可能性があるし」
「まさかあそこまでねばって来るとは思わなかったからね」
そう、霊夢と夕飯についての議論をしていたらいつの間にか日が暮れていたんだ。
「それじゃあ持てる荷物は持ってあげるからあとの残りは自分で持ってのぼってよ」
「空飛べるっていいなぁ」
「トオルも出来るわよ」
「それ、前にも言ってた。もう諦めたよ」
前に霊夢から同じことを言われ、それでその気になった僕は一度、下が川になっている崖から飛び降りたことがあるんだ。……あれは本当に危なかった。そして無謀だったな。
「よし、この階段はいつものぼって来てるんだ。もう慣れた」
さっさと行って宴会用の料理を作らなければ!
~境内~
「はあ、はあ……やっぱり慣れてるからって……別に余裕な訳じゃないよね」
いつもはほぼ手ぶらで登り降りしているのでいざ荷物を持っていこうとするとなかなかきつい。
「ん?なにこいつ、食糧?」
「お嬢様、人間全てを食糧扱いするのは……」
「え……誰?」
階段をのぼりきったすぐ先に小さな女の子とメイド服をきた女の人がいた。メイドがいるってことはこの前の異変の元凶の人達(?)かな。
「あ、トオル!やっときたか。遅いぜ」
「ああ、うん魔理沙。まさかこの二人がこの前の……」
「ああ、そうだ。このちっちゃいのがレミリア「誰が小さいよ!」で、そこのメイド服着てる奴が咲夜って言うんだ」
「あ、そうなんだ。______んーと、トオルっていいます。よろしく」
「トオル?…………ああ、霊夢が言ってた弟ってのはこいつの事だったのね。まあいいわ、私の名前はレミリア・スカーレット。吸血鬼よ」
「え、吸血鬼!?」
「くく、吸血鬼と聞いて恐れいったか!」
「いや、僕が想像してたのと全然違ったなぁって思って……てっきり2メートルを越えた大男かと思ってた」
「ギャハハハハ!レミリアと真反対じゃないか!!」
「な!!……この、馬鹿にしたわね!」
と、レプリカから物凄い威圧がかかってきた。え?なに?!
「お嬢様!考えてみてください。このトオルという人間が会いもしていないお嬢様を2メートルを越えた大男と例えました」
「え?ええ、そうよ」
「つまり吸血鬼という存在がそれぐらい強大だと知らしめられているという証拠ではありませんか?」
「あ、確かにそうだわ!」
と、さっきまで出していた威圧が嘘だったかのように消えた。……ふぅ、危なかった……
「まあいいわ、行くわよ、咲夜」
「承知しました。」
そういってレプリカとメイドの咲夜は神社の奥の方へ行った。
「ふぅ、急に威圧してくるなんて、レミリアの奴、短気すぎるぜ」
「咲夜って人、僕らを助けてくれたのかなぁ」
「いや、たぶんここで血を流されるのは面倒だとか考えてんだろ」
「………………それにしても怖かったぁ。まあ、崖を飛び降りた時よりかは無かったけどね」
「おいおい、それは初耳だぜ…………何やってんだトオル」
さて、取り敢えず料理に取りかからなくちゃ。
~台所にて~
「よし、出来た。じゃあ僕も行こうかな」
「あら、出来たのね。それじゃあ持っていくからもっと作ってちょうだい」
「え、何で?人数的に二桁も越えてなかったはずじゃ……」
「なんかこの前の異変に関わった奴ら全員来ちゃったのよ。氷の妖精とか常闇の妖怪とか」
「え、常闇の妖怪!?なにそのかっこ良さそうな妖怪!」
「見た目は幼女よ」
「なんだ……」
「どんな想像してたのよ……まあ、兎に角よろしくね」
「はあ……わかったよ」
どれぐらい作ればいいのかわからないけど取り敢えず買ってきた分を全部使えばいいかな?
~5分後~
「ねぇ」
「ん、霊夢?……てっうわ!?」
作業に取りかかろうとしたら後ろから急に声がしたから振り向いてみると目の前にさっき会ったメイドの人がいた。おもわずのけぞってしまったよ……
「ん~と確か咲夜さん?」
「咲夜でいいわ。それより頼みたいことがあるんだけど」
「ん、なに?」
「お嬢様が貴方の料理を気に入ったの。教えてくれないかしら」
「え?これ普通の和食料理だよ」
「私のレパートリーは全部洋食なのよ」
「あー、そうか。まあ、別に教えてもいいけど霊夢の方が上手いよ?」
「あら、そう?でも教えてくれそうにないわよ」
「教えてはもらえるんじゃない?たぶん真似できないとおもうけど」
「それはどうしてかしら?」
「全部“勘″でやってるらしいからね」
「……そういうことね」
霊夢の真似をすると大抵変な食べ物(?)になる。煮物が真っ黒などろどろな液体になったりとか。
「教えてもいいけど僕、料理のレパートリーあんまり多くはないよ?人里に行ってから聞いた方がいいとおもうけど」
「聞きにいくのが面倒だわ。それにもう教えてくれる人が見つかったのならそれでいいの。あとは自分でなんとかできるし」
「あ、そうですか」
「それじゃあまた後日ここへ来るわ。そのときはよろしく」
そういって咲夜は台所を出ようとした。
「あ、土曜と日曜以外昼間僕ここいないから」
「奇遇ね、私も休みなんて殆どないから。」
「それじゃあどうやって来るんだよ……」
「ふふっ、ちょっと時間を弄れば簡単よ」
「え?」
「まあ、その辺は気にしないでちょうだい。それじゃあ今度こそ行くわ」
「あ!ちょっとまって!」
「…………今度はなにかしら……」
嫌そうな顔をされちゃったよ。まあ、それでも言わなくちゃいけないことがあるから仕方ない。
「さっきの、庇ってくれてありがとう、咲夜」
「………………どういたしまして」
そういって咲夜は台所を出ていった。
うん、ちゃんとお礼言えたね!
そのあと僕も少ししてから宴会に参加した。
うん、見事に人外ばかりだった。しかも皆女。正直少し居づらかった。
それでも、まあ、結構楽しめた。
…………酔ったレプリカに血を吸われそうになったこと以外はね。
トオルはレミリアの名前をレプリカと勘違いしています。