東方姉弟録~もし霊夢が姉だったら~   作:エゾ末

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ガッチガチのバトル回です。


65話 普通の魔砲使い

 

 

 ____黄昏時。

 

 

 幻想郷を紅く染め、陽炎により歪んだ夕焼けが一日の終りを告げている。

 

 本を返却しに行くだけの筈が、帰路へとつく頃にはこんな時間にまでなってしまった。

 

 映姫と大事な話をしていた気がするが、内容の殆どはもう思い出せない。

 恐らく、透明人間のことについてだったのだろう。でなければ、忘れっぽい私だとしても話の大半を思い出せないレベルで忘れるのは明らかにおかしいのだから。

 

 

「……」

 

 

 境内へと続く石段を一段、また一段と踏み上がっていく。

 

 私が唯一憶えているのは、()()()()()()()()()()

 正直出来る気がしない。

 これまで何となく使ってきた自身の才能を、今更覚醒させろと言われたって、一体どうすればいいのか皆目検討もつかないのだから。

 

 

「はあ……」

 

 

 紫から渡された資料すらまだ目を通していない。

 明日にでも紫の資料を基に目撃情報のあった場所にでも襲撃しようかしら。

 そしたらパッと覚醒するかも。私、天才だし。

 

 

「よお、待ってたぜ。紅い巫女さんや」

 

「あんた、そんなとこに座ったらバチが当た_____」

 

 

 石段を上り終え、真っ先に目視できたのは、神社の賽銭箱の上に腰掛けていた魔理沙であった。

 いつもの衣装姿ではあったものの、何故か服はボロボロ、ご自慢の帽子は鍔が所々切れていた。

 

 また誰かにやられたのかと思ったが、様子が違う。

 姿で判断出来たが、今の魔理沙はいつもの魔理沙ではない。

 霊力……いや、魔力と言うべきか。明らかに質が違う。

 なんて重厚で威圧的な、まるで本気を出した紫を彷彿とさせるような、所謂圧倒的強者のオーラを放っていた。

 いや、それよりも_____

 

 

「私の神社が!?!」

 

「あっ、これか? 全部萃香がやった」

 

「あんの馬鹿鬼が!」

 

 

 神社の壁やら柱やらが尽く傷が付いており、障子等の建具や石畳は、この場で起きたであろう戦闘に耐えきれず破壊されている。

 ていうか私の住む母屋はもう半壊してる始末。魔理沙がちょっと変わった程度では覆らないほどの衝撃の光景が私の眼に映し出されたのだ。

 到底許されるはずがない。

 今日私はどこで寝ればいいのよ!? 

 

 

「明日になったら直すとか言ってだぜ。今日はまあ、人里の宿でも探すんだな」

 

「……魔理沙、あんたも関与してるでしょ」

 

「関与してるかは知らんが、ここで萃香と戦ったのは私だな」

 

「あんたにも責任があるじゃない!」

 

 

 幾ら萃香が年中酔っ払いだとしても、間違えて幻想郷の境を管理する神社を破壊するとは思えない。

 絶対に戦闘した相手がいると踏んでいたが、犯人は目の前にいたようだ。

 

 よし、手始めに魔理沙を退治してやるわ。

 

 

「待て待て待て、戦闘をしていたのは本当だが、壊したのは萃香だぜ? 本当だから、魔理沙ちゃん嘘付かない」

 

「嘘だろうが本当だろうが、神聖な神社内で暴れた不届き者共はもれなく皆成敗しなければならないって規則で決まってるの」

 

「どの規則だよそれ」

 

「私が今決めた」

 

「規則ってのは自己だけの判断で決めるもんじゃないぜ?」

 

「うるさい! ここでは私がルールよ!」

 

「わー、独裁者!」

 

 

 なんか私が悪いように言ってるけど、境内で暴れた不届き者を成敗するのは至極真っ当なことじゃない。

 喧嘩両成敗ってやつよ。

 

 

「んま、いっか。元々私は霊夢、お前と戦うためにここに帰ってきたんだからな」

 

「帰ってきた? ずっとここにいたわけじゃないのね」

 

「ちょっと紅魔館にな」

 

 

 戦うため、ねぇ。

 私は一向に構わない、というかむしろ私から仕掛ける気でいたけど。

 言動はいつも通りではあるが、今の魔理沙からは隙が一切と断言できるほど見当たらない。

 少しでも隙を見せたら封魔針の一つでも脳天に投げ込んでやろうと画策していたけれど、あの様子では針の無駄使いに終わりそうね。

 

 

「因みに、理由を聞いても?」

 

「ああ、いいぜ。ここで萃香とドンパチした後、萃香から紅魔館で透明人間の目撃情報があるってんで行ってみたんだ。結果は誰も憶えてなくて無駄足になったけどな」

 

「てことはその無駄足食らった鬱憤晴らしに、よりにもよってこの私に勝負を挑んできたってこと?」

 

「いんや、無駄足には無駄足だったんだが、占いをしてもらったんだよ、パチュリーにさ」

 

「あんたが占い? あんなスピリチュアルなこと信じてるの?」

 

「おいおい、仮にも巫女のお前がそんな事言うなよ。これでも的中率は高いんだぜ? 私が紅魔館に来ることがそれでバレて待ち伏せされてたからな」

 

 

 萃香の誤情報に踊らされた挙げ句占いという名のパチュリーの口車に乗せられるなんて。一応知り合いとして情けないわ。

 

 

「それで出たんだよ。『博麗の巫女と戦え』って」

 

「……はあ、そんなことで態々壊した神社まで戻ってきたと」

 

「その通り! 脳みそ詰まってるな霊夢!」

 

 

 犯人は現場に戻るとはよく言ったものね。

 あまりにもアホらしくて此方の怒りが冷めてきたわ。

 でもまあ、魔理沙と萃香に神社を復旧させるためにも一度痛い目に合わせないといけないのは変わらない。

 

 

「他人の言う事をほいほい頷くような脳みそカラカラな魔理沙には悪いけど、今日は機嫌が悪いの。速攻で終わらせるから覚悟なさい」

 

「そうこなくっちゃな! 霊夢! 今日の私は一味も二味も違うぜ!」

 

「知ってる」

 

 

 魔理沙がいつもと違うのなんて、身近で見てきたんだから直ぐに分かったわよ。

 

 だからこそ一抹の不安がある。

 通常通りの魔理沙には勝率は高かったが、ノッている魔理沙は正直手がつけられない。

 しかも今の状態はこれまでの比ではない。

 

 ……いや、敗けることを想定するのは私らしくない。

 さっさと勝って神社の修繕をやらせる。今はそれだけ考えて勝負に挑むことにしよう。

 

 

「ルールはいつも通りでいいわよね」

 

「いいぜ。スペルカードの枚数は5枚」

 

「被弾は1回まで」

 

「喰らいボムはなし」

 

「先にスペルカードが切れるか2回被弾した方の敗け」

 

「勝てば人生の勝利者」

 

「敗ければどこまでいっても負け犬___で、良かったよな?」

 

「ええ、完璧よ」

 

 

 本来の弾幕ごっこのスペルカード数は5枚程度の量ではない。

 これは面倒くさがりの私と早期決着が好きな魔理沙の独自のルール。

 攻撃用と回避用の計5枚のスペルカードで勝敗を決する。

 喰らいボム然り被弾数然り、本来の弾幕ごっこと少しルールに相違があるが、このやり方がお互いにやりやすく、今日まで続いた独自のルールだ。

 

 さて、弾幕ごっこのおさらいはこのくらいで良いでしょう。

 

 要は相手のスペル発動中は避けるか此方も応戦して、自分のスペル発動中は相手に弾を当てる努力をする。それ以外は適当に御札と封魔針投げまくるだけの単純明快なごっこ遊びってわけ。

 

 簡単でしょ? 

 

 

「ほっと」

 

 

 お賽銭箱から飛び降り、崩れた石畳の上に着地する魔理沙。

 私は袖から陰陽玉を2つ取り出し、霊力で対に展開する。

 この陰陽玉は無数の御札を収納し、霊力操作によって霊弾やらと一緒に射出される便利アイテム。いつの間にか私の傍にあったから使ってるけど、この陰陽玉の本当の持ち主は知らない。まあ、私の傍にあったんだから私の物ってことで使ってるけど。

 

 

「霊夢、私は常々思うんだ。圧倒的な理不尽ってやつに」

 

「……何が言いたいの」

 

「いやあ、なに。最初から()()()()お前に、お灸を据えてやろうと思っただけだ…………よっと!!」

 

「!!」

 

 

 箒を握りしめ、横薙ぎに振り払ったらと思った、その軌道上から星形の弾幕を展開する魔理沙。

 不意打ちとは相変わらず卑怯ね! 

 

 

「やってくるとは思ってたわよ」

 

 

 大小様々な星形の弾幕を至近距離で放たれはしたが、所詮はスペルカードにも満たない場繋ぎの弾幕。避けるのは造作もない。

 

 

 動きを最小限に、摺り足要領でほぼ動くことなく薄い弾幕を掻い潜る。

 

 しかし弾幕を放った本人である魔理沙の姿は既に消えていた。

 

 一体どこへ……! 

 

 

「ちっ、これもだめか!」

 

「子供騙しね!」

 

 

 箒に跨り、背後から既に突進を開始していた魔理沙の攻撃をコンマ数秒でバク転をして回避。避けざまに袖から取り出したお祓い棒を食らわせてやろうとしたが、流石の速さに諦めざるをえなかったわ。

 

 それに魔理沙のやつ、小癪にも星弾を撒き散らしながら突進しているせいで、バク転を数度繰り返し避けを強制させられた。

 

 

「折角の先手だ! 霊夢はいつまでも後手に回ってな___光撃『シュート・ザ・ムーン』!!」

 

 

 至る所から魔法陣が出現し、レーザーが放出され続ける魔理沙のスペルカード。

 私はすかさず空へと飛び、点でのフィールドへと移行する。

 

 魔法陣からのレーザーを避けつつ、私に向けて放たれる魔理沙の弾幕も避けなければならないが、私も黙ってる訳にはいかない。

 

 

「(いつもよりレーザーと弾幕の圧が……!)」

 

 

 レーザーを避けつつ陰陽玉を用いて魔理沙に向け御札の弾幕を放ってはいるが尽く星弾とレーザーに阻まれてしまう。

 私の弾幕は追尾弾であり、魔理沙の弾幕と比べて威力は低い。

 だが、一つとして私の弾幕が魔理沙まで届いていないのは異常だ。

 現に避ける素振りもなく私へと弾幕を張り続けているのが良い証拠だ。

 ……いや、そうか。私の弾幕は追尾弾であるがゆえ、魔理沙自身が動かなければ酷く単調な弾幕となる。

 だから質量を増やしつつ自身は動いていないのね。

 思わぬ対策法を練られたものだわ。

 

 

「どうした霊夢。反撃はその程度なのか?」

 

 

 煽って私のミスを誘おうったってそうはいかないわよ。

 あんたがこちらの対策をしているのならまた別の手を使えばいいだけの話。

 

 

「ふん!」

 

 

 陰陽玉と私の封魔針のハイブリッド弾幕。

 封魔針は貫通力があるため、スペルカードレベルの大弾以外には撃ち勝つことができる。

 

 今の魔理沙はノリに乗っている。単純に弾幕の層を厚くするだけの対策を取っているとは思えない。

 私の弾幕を通すだけならば封魔針のみか御札の追尾性能を切るだけでいいが、ここは敢えて同時に展開することにより、他に対策があったとしてもどちらかに集中せざるを得ない状況を作り出す。

 

 

「だから、その程度かって」

 

「なっ!?」

 

 

 レーザーの射出量が極端に増え、あまりの激しさに私は封魔針を出す手を止めてしまう。

 

 

「私が同時攻撃させる暇を与える訳無いだろうに」

 

「一瞬許したじゃないのよ!」

 

 

 相手に弾幕を張る集中力を阻害し、スペルガードの演出時間を稼ごうとしたが、どうにも成功できそうにないらしい。

 

 くっ、これ以上弾幕展開に集中されたら避けきれない!! 

 

 

「霊夢も出せよ! スペルカードを!」

 

「言われなくても、分かってるわよ!」

 

 

 魔理沙に促される形となってしまったのは癪だが、これ以上は被弾のリスクが高過ぎる。

 1回しか被弾が出来ない関係上ここで無理をするわけにもいなかい。

 

 

「夢符『封魔陣』!!」

 

 

 私を中心に高密度の弾幕を展開する。

 先程私が対策で出した御札と封魔針のハイブリッド弾の完全上位互換であるこの弾幕であれば、魔理沙のスペルカードにも対抗できる_____

 

 

「破れた策で挑むのは往生際ってのが悪いんだぜ」

 

「なん、で……!」

 

 

 そんな私の腹積もりも虚しく、魔理沙のレーザーが私の弾幕を貫通していた。

 

 星弾には私の弾幕が打ち勝ってはいるが、メインであるレーザーの対処が出来ていない。

 

 つまり、撃ち負けている。

 いつもの魔理沙のレーザーなら物量で相殺出来ていた筈なのに。

 

 

「(技のスペックも上がってるってことね……)」

 

 

 撃ち負けはしたが、少し厄介だった星弾の対処はできた。封魔陣は追尾弾を切っていることにより威力も上がっているため、多少魔理沙に私の弾幕が届いている。

 おかげで少しだけレーザーの回避が楽になったわ。

 

 だが、スペルカードまで切って回避が少し楽になる程度にしかならないのは想定外だ。なんならあっちのスペルを破壊する勢いで放ったのに……

 

 

「(時間切れか)」

 

 

 そして漸く魔理沙のスペルカードが焼き切れる。

 撃ち負けはしたがまだ私の封魔陣は展開中だ。このまま押し切ってやるわ! 

 

 

「どうした霊夢! なんかいつもより弾幕が隙間だらけだぜ! もしかして手加減してくれてるのか?」

 

「んなわけ無いでしょ!」

 

 

 魔理沙の避け方は言ってしまえば荒削り。スピードとパワーを重視するあまり自身の速さで弾に自爆していくこともしばしばあった。

 危なっかしいという印象であったが、今の魔理沙はそういった印象とは全く異なる、速さを保ちつつ着実に私の弾幕を掻い潜っている。

 まるで何重にも連なる針の穴を一発で通していくような、力強くも繊細な避け方だ。

 

 

「……」

 

「取り敢えず、ファーストフェイズは私が優勢て感じだな」

 

 

 私の封魔陣の演出時間も終え、お互い一つのスペルカードを使い終えたことになる。

 完全に魔理沙のペースになってしまっている。

 このままでは何れ呑み込まれる。

 

 流れを変えるしかない。次のスペルでは魔理沙の弾幕には避けに徹する。

 下手に撃ち合って先程のようなデジャヴを味わうくらいなら____

 

 

「(だからなんで撃ち負ける前提なのよ! 私!)」

 

 

 思考が敗けを想定した考えに支配されてしまっている。

 火力が私よりあるのは既知の話。それならば相手の弾幕が私に届かないようにすればいいだけよ! 

 

 

「夢境『二重大結界』!!」

 

「待ってたぜ! 恋符『マスタースパーク』!」

 

 

 魔理沙と私の周りに二重の結界を展開し、無数の弾幕を其々の結界へと張り続ける。

 この結界は物理的な防御壁となるうえ、私の霊力の乗った弾幕のみ、結界に着弾した際に別の結界へとワープする特殊性能を有する。

 

 それに対し魔理沙は自身のミニ八卦炉にスペルカードを貼り付け、魔力を充填。

 私の結界を真っ向から壊すつもりらしい。

 

 だけど、博麗の巫女の結界を甘く見ない方がいいわよ。

 

 

「流石に、かったいな!」

 

 

 魔理沙の火力の代名詞を持ってしても、私の結界の一つすら崩す事はできない。

 

 でも、私の弾幕も魔砲の軌道上だと消し飛んで有効打を与えられそうにないのは面倒だわ。

 攻撃は最大の防御とはよく言うけど、魔理沙のは極端過ぎる。

 でもまあ、軌道上は駄目でも、側面からの弾幕はどうしようもないでしょ。

 

 

「うわっ! 危な!」

 

 

 スペルカードの弾幕とは別に追尾弾を織り交ぜて魔理沙に追撃をかける。

 結界ごとに軌道が変わる不規則な弾幕に追尾弾付き。幾ら私でも避けるのに骨が折れる代物であることは明らかね。

 

 

「何のこれしき!」

 

 

 ミニ八卦炉を横に振り払い、私の弾幕を一掃する魔理沙。だが、そんなものは一時的な物に他ならない。

 マスタースパークは高火力だが魔力を大量に消費する関係上そう長くは持続できない。スペルカードで魔力を底増ししているとはいえ、振り払い続けるのは不可能よ。

 

 

「諦めて被弾しなさいな!」

 

「お前より先に被弾してたまるか!」

 

 

 魔理沙は振り払いを止め、再度結界を試みる。

 無駄無駄、これまで魔理沙が私の結界を破った事はないじゃない。

 幾ら上がり調子だとしても、無理なものは無理なのよ。諦めて避けに徹しなさい。

 

 

 

 ピキッ

 

 

 

「えっ」

 

 

 一つ目の結界に、微かにだが亀裂が入る。

 まさか、まさかよね。

 ちょっとフラグが立ちそうなことは思ってしまったが、本当にそんな事があるの? 

 

 

「(これくらいの亀裂があればいけるな)衝撃に備えろよ、霊夢!」

 

 

 亀裂はほんの少しのもの。

 まだ数発なら耐えられる。その前に魔理沙のスペルカードは終わる筈。

 少し焦りはしたが、このスペカ勝負は私の勝ちよ! 

 

 

「おらあぁ!!!」

 

 

 私の弾幕を避けざまに魔理沙が放った魔砲は、先程のものとは打って変わってか細いレーザーであった。だが、的確に亀裂の放った箇所を狙っている。

 マスタースパークを温存して通常弾で割る方向性にシフトした? いや、マスタースパークレベルの攻撃でないと私の結界はびくともしないのは魔理沙も分かっている筈。何を考えて……

 

 

「(まさか!!)」

 

 

 私の不安は的中した。

 あのレーザーは紛れもなく、マスタースパークだ。

 範囲を狭め、貫通力を底上げしているのだ。

 

 一つ目の結界へと着弾したマスタースパークは、まるでそこに障害物がなかったかのように貫通していく。

 

 

「もう一つは、突破させるもんか!!」

 

 

 追尾弾を放つのを止め、最後の砦である結界に全力で霊力を送り込む。この砦を突破させるわけにはいかない! 

 

 そして、程なくして魔理沙のマスタースパークは二つ目の結界に着弾した。

 

 

「うおりゃああ!!」

 

「敗けてたまるか!!!」

 

 

 着弾地点からは魔砲と火花が飛び散り、結界にヒビの入る嫌な音が響き渡る。

 一つ目の結界は既に崩壊している。

 

 

 

「(途切れない! さっさと撃ち終わりなさいよ!)」

 

「(意識が飛びそうだ___だが、撃ち止めるわけにゃいかないぜ!!)」

 

 

 撃ち終わりに弾幕を再展開し、魔理沙の顔面に一発重いのをかましてやる! 

 だからもう少し、もう少しだけ持って!! 

 

 

 ビキッビキッビキッビキッビギッ______バギッ

 

 

 しかし、私の願いは結界とともに無惨にも砕け散った。

 

 私の結界が、破られた。

 

 私の結界術を持ってしても、今の魔理沙は止められないというの……? 

 

 

「まずは一つ、だな」

 

 

 貫通力を高めたマスタースパークは、最後の結界を貫き、真っ直ぐ私の元へと突き進む。

 

 結界が破られることを想定していなかった私は反応が遅れていた。

 

 

 

 駄目だ、避けられない。

 

 

 

 _____そして無慈悲に、私は魔理沙の魔砲に呑み込まれた。

 

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