シリカ編です、ではどうぞ
ここは三十五層、迷いの森と言われてるダンジョン。
今この迷いの森で五匹のモンスター─『ドランクエイプ』─に襲われてる青い小竜をつれた少女がいた。
少女の名前はシリカ、SAO初のビーストテイマーだ。
稀にアクティブなモンスターが友好的に接してくることがある。
その際にモンスターにあった餌を与えることで仲間にする。これができた者をビーストテイマーという。
本来ならシリカ一人でこのダンジョンは突破できない。
なら何故一人でいるのか、シリカはパーティーでこのダンジョンに入ったがアイテムの分配についてパーティーメンバーの一人、ロザリアと喧嘩してしまったのだ。
ロザリアは「あんたにはそのトカゲが回復してくれるから回復アイテムはいらないでしょ」といい、それにキレたシリカは「あなただって前衛に出ないから回復アイテムはいらないでしょう!?」と言ってしまった。
そこからも口論が続き、結果頭に血が上ったシリカはパーティーを抜けてしまった。
シリカはドランクエイプと戦っているうちに回復アイテムがきれてしまった。
その隙をつきドランクエイプはシリカを持っている棍棒で吹っ飛ばした。
シリカの体力ゲージは赤に突入した。ドランクエイプはとどめをさすためにシリカに棍棒を振り下ろした。
だがその攻撃はとどくことはなかった。何故ならシリカがテイムしたモンスター『フェザーリドラ』─ピナ─がアルゴリズムから離れた行動、主人を攻撃からかばったのだ。
迷いの森では上位にはいる強さを持つ攻撃をくらえばステータスの低いテイムモンスターでは耐えられない。
ピナは一枚の羽を残して死んだ。
シリカはその羽を持ち、近づいてきた影を見上げた。そこには次こそはとどめをさすために棍棒を振り上げたドランクエイプがいた。
だが、今度は振り下ろすことも出来なかった。五匹のうち三匹が細切りにされ、残りの二匹は首が斬られ、爆散した。
シリカが唖然としているとドランクエイプを倒したのであろう二人がいた。
二人は黒のコートでフードを被り、一人は片手剣を左右の手に一つずつ持ち、もう一人は大きな鎌を持っていた。
「すまない、君の友達を助けられなかった...」
その言葉でピナが死んでしまったことを認識したシリカは泣き出してしまった。
「すいません、そのアイテムに名前はありますか?」
黒のコートを着た人物(どちらかは分からない)はそう言ってきた。
シリカは羽をタップした。アイテムの名前は『ピナの心』と書いてあり、またしても泣き出してしまった。
「ちょ、泣くな、そのアイテムが心のうちはまだ蘇生出来る可能性がある」
「ほんとですか!?」
その言葉にシリカは飛びついた。
いきなりのことに驚きつつも説明を始めた。
「えぇ、確か四十七層の思い出の丘にテイムしたモンスターを蘇生させるアイテムが見つかったようです」
喜んだシリカだが、階層が分かった瞬間目に見えて落ち込んでしまった。
「依頼料金をもらえれば俺達が行ってきていいんだけど、そのアイテムはテイムして本人が行かないと入手出来ないらしいんだよなぁ...」
「...いえ、情報をくれてありがとうございます。
今は無理でもレベルを上げればいつかきっと...「残念ながら三日経つと心から形見に変化して蘇生出来なくなるらしいです」そんな...」
シリカのレベルは三十九、三日では絶対に四十七層まで行けない。
シリカがあきらめかけていると
「そうでした。キリト、確か僕らが装備しない武具がありましたよね?」
「...なるほどな」
シリカの目の前にトレード画面が現れた。どれも見たことがない装備だ。
「これを装備して、レベルを底上げして俺らがついて行けば四十七層に行くことが出来るはずだ」
「...どうして、そこまでしてくれるんですか?...」
シリカは警戒心をたてた。うまい話には裏がある、これはこのゲームの常識だ。
キリトと呼ばれた人物は一度口を開きかけたが言いにくいのか、すぐに口を閉じた。
「...笑わないって約束するんだったら言う」
「笑いません」
「君が...妹に似てたから...」
予想しなかった返答にシリカは一瞬ポカーンとしたが、その返答が面白くて笑ってしまった。
もう一人もクックックッと笑っている。
「ああ、くそ、だから言いたくなかったんだよっ。
ぶっ飛ばすぞ、キリハっ」
「やれるものならやってみなさいよ」
今度は目の前で喧嘩を始める二人をみてシリカは今度こそ毒気を抜かれた。
─悪い人達じゃないんだ─
シリカは立ち上がり
「初めまして、シリカと言います。
助けてくれてありがとうございました」
シリカは君があの?と言う反応を期待したが、二人は普通に挨拶をしてきた。
「キリハです、よろしくお願いしますね」
「キリトだ、よろしくな」
今回は二回に分けることになりました
ではまた次に