転生して主人公の姉になりました。SAO編   作:フリーメア

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今回で終わらせようとしたらかなり長くなってしまったので二つに分けることにしました。
和葉「前回の後書きに次は短いと言っていましたよね?」
うん、予想以上に長くなっちゃってね。予想では二千字位だったのに六千字を超えたって言うね...

ではどうぞ


カラクリ

 キリハとキリトは屋根ではなく道を通って宿屋に戻っていた。途中ヨルコが消えたところで立ち止まり、ダガーを拾った。

 

「アホか!無茶すんなよ!」

 

 部屋に入り即座に怒られた二人である。がこれぐらいでは二人が反省するはずもない。アスカはため息をつきながら先ほどのことを聞いた。

 

「で、どうなったんだ?」

 

 キリトは首を横にをふった。

 

「駄目だ、テレポートで逃げられた。顔も声も、男か女かもわからなかった。まぁ、あれがグリムロックなら男だろうけどな」

 

「違う」

 

 キリトの言葉を否定したのはシュミットだった。アスカはまゆを細めた。

 

「何が違うって言うんだよ」

 

 シュミットはいっそう深く顔を俯けながら、呻いた。

 

「グリムロックはもっと背が高かった。それに...あのフードつきローブは黄金林檎(GA)のリーダーのものだ。彼女は街を歩くときいつもあの地味な格好をしていた。そうだ、あの時指輪を売りに行くときだってあの格好だったんだ!

あれは...さっきのあれは彼女だ...あは、はははは、そうだよな、幽霊なら圏内とか関係なく殺せるよな。そうだ、いっそここのボスも倒してもらえばいいんだ。最初からHPが無きゃ死なないんだから」

 

 狂ったように笑うシュミットにキリハは先ほど拾った短剣を放り投げた。シュミットは一瞬黙り、短剣を見て小さく悲鳴を上げた。

 

「さて、薄情者だとか言われるのを承知で言います。約束通り、グリムロック氏が行っていたレストランの名前を教えて下さい」

 

 シュミットは目を見開く。今この状況で聞くのか、と思ったのだろう。

 

「今の状況だからこそ聞くんです。あなたが知っているその情報が今のところ唯一の手がかりですからね」

 

 そう言ってキリハはシュミットの前に紙とペンを置いた。

 

「ついでに他の《黄金林檎》のメンバーも教えて下さい。後で生死を確認しに行くので」

 

 

 

 羊皮紙に書き終わったシュミットは、「しばらくフィールドに出ることは出来そうに無い」「DDAの本部まで送ってくれ」と二つのことを言った。それを臆病者と笑うことを三人はしなかった。自分の知り合いが二人も圏内で殺されているのだ、無理もない。

 シュミットを本部まで送った後、いきなりキリハが爆弾発言をした。

 

「今回の圏内事件、誰も死んでいません」

 

「「は?」」

 

 その言葉に二人はフリーズした。そんな二人に構わずキリハは続ける。

 

「まずカインズ氏がポリゴンとなったとき、あれは死亡エフェクトではなく装備の耐久値がなくなったときのエフェクトです」

 

「え、いや、ちょっとまて。じゃあ、何でカインズさんは消えたんだ?装備の耐久値がなくなっただけじゃプレーヤーは消えないだろ」

 

 戸惑いながらもアスカはキリハにそう言った。

 

「カインズ氏自身が消えたのは、防具の耐久値がゼロになった瞬間に《転移》したんですよ。もちろん最低限の声で」

 

 もっとも、気づいたのはヨルコさんが消えてからですけどね、と付け加えた。キリハの言葉にキリトは納得の表情をした。

 

「なるほど、確かにそれなら限りなく死亡エフェクトに近いものになるな。てことはヨルコさんも同じトリックか。

でも昨日カインズの生死を確認しに行ったとき確かに死んでたじゃないか」

 

 キリハは首を横に振った。

 

「違います。死亡していたのは《Kains(カインズ)》であって《Caynz(カインズ)》ではないんです」

 

「ヨルコさんはカインズと読める他の綴りを俺達に教えていたのか。

ん?待てよ?まさかと思うがあの時に偶然このアインクラッドでそのカインズさんが死んだわけじゃないよな?」

 

「そんなわけないでしょう。確かにKの方のカインズさんが死んだ日時は四月の二十二日でしたが、それは去年のことです」

 

「そこが《計画》の出発点、てことか?」

 

 キリトの言葉にキリハは頷いた。

 

「恐らくヨルコさん達の目的は《指輪事件》の犯人を知ることでしょう。そしてヨルコさん達が疑っていた人物は、シュミット氏。

彼は《黄金林檎》の解散後、トップギルドである《青竜連合》に加入しました。二人は、シュミット氏が入れたのは指輪のコルで装備を強化したから、と思ったのでしょう」

 

「和葉がそう言ってるってことは、シュミットさんは犯人じゃないってことか?」

 

「姉さんの言うとおり、あいつは犯人じゃないと思う。あいつからは《レッド》の気配が微塵も感じられなかった。

なにかしら指輪事件と関わりはあると思うけどな」

 

 このゲーム内における殺人者、つまりレッドプレーヤーは一般のプレーヤーより逸脱した雰囲気を纏っている。それは当然と言えるだろう。何故ならレッドプレーヤー達は『このデスゲームが永続すればいい』『ここから出られなくてもいい』と思っている者が集まっている。プレーヤーを殺す、すなわち攻略の邪魔をしているのと同じだからだ。

 

「今シュミット氏の精神は極限まで追い詰められています。シュミット氏が行くとすれば...」

 

「グリセルダさんの墓、か?」

 

「だろうな。恐らくそこでヨルコさんとカインズさんがシュミットさんを待っているんだろうな...」

 

 アスカはセリフの途中で顔をしかめた。

 

「?どうした?」

 

「いや、墓が圏外にあった場合、ヨルコさんとカインズさんがシュミットさんを殺さないかと思ってな...」

 

「それはないだろう」

 

 アスカの言葉をキリトは否定した。

 

「俺はまだヨルコさんとフレンド登録している。今いる場所は十九層のフィールドだな。恐らくここがグリセルダさんの墓なんだろ」

 

「そうか。それじゃあもう俺達に出来ることはないな。後は彼らに─」

 

「ちょっと待って下さい」

 

 アスカの言葉を遮ったのはキリハだった。

 

「僕達もそこへ行った方がいいでしょう」

 

「何でだ?」

 

「このSAOで結婚するとストレージが共通化するのは知っていますよね?」

 

 その言葉に二人は頷く。

 

「グリセルダさんはグリムロック氏と結婚していました。そして、結婚相手と死別した場合アイテムは全てストレージに入ります。

ここで疑問が生じます。グリセルダさんが死亡したとき、彼女が持っていたはずの指輪はどこにいったんでしょうか?」

 

「「!!」」

 

 二人は目を見開いた。

 それもそうだ。グリセルダが死んだ場合、指輪はグリムロックのストレージに入らないとおかしいのだ。なのにヨルコの話からはそんなことは聞いていない。

 これには二つ考えられる。一つはグリセルダが装備していたか、もうすでに売っていて手元になかった可能性。(この場合はグリムロックには手に入れられないからだ)そして、もう一つは─

 

「急ぎましょう。彼らが殺される前に」

 

─彼がグリセルダを殺し、指輪を奪った可能性。




変なところでちぎったかもしれない...

次は長いです
和葉「本当に?」
本当本当
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