【凍結中】戦姫絶唱シンフォギアー惑いし者ー   作:マンセット

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4話 鼓動

「いっけねぇ、今日がCD発売だってのに!」

 

 

今俺は焦っている、風鳴のCDは本日発売なのだがここ最近バイトが

重なり、授業中に居眠りをしてしまったのだ。

その結果指導室送りとなり、放課後を過ぎた現在まで教師からお叱りの

言葉を頂いていたのだ。

 

恐らく今日、この日が立花の覚醒の日であろうと当たりをつけ、少し遠い

リディアン付近のCDショップに予約を入れたのだ。

幸いそこは初回特典などが付く店舗の中で付近では一番近く、遠出しても

怪しまれにくい。

 

後はタイミングだが…、そんな事を考えながら先を進んで行くと視界の先に

炭の小山がぽつぽつと見え始めた。

 

 

「これは当たり…か?」

 

 

普段なら見当たる人影もおらず、あるのは不自然な炭の小山ばかり。

そんなことを考えると、視界の端にノイズが姿を現した。

 

 

「さっそくお出ましだな!」

 

 

ノイズがこちらに気づく前に、悪態をつきつつ聖詠を口ずさんだ。

 

 

              ~♪~♪~♪~♪~

 

 

新たな歌はこれから戦う決意の歌、そして同時に日常を守りたい思いの歌

そして、その日常が崩れないかの不安の歌…その3つが折り重なる想いの歌だった。

あっという間に変身は終わり、俺はシンフォギアを纏う。

変身が終わると同時に俺はその姿を変えた。

 

               [幻影]

 

これによって高校生の少年だった姿は、2年前より少し育った高校~大学生くらいに

見える女性の姿へとかわっていった。

 

 

「よし、これでも食らいやがれ!」

 

 

俺は一番近くのノイズに対しレーザーを放ち、一撃でその身を炭へと返した。

はぐれだったのか、それ以上ノイズが現れる事が無かったので浮遊して付近の

ノイズを探すことにする。

 

 

「あんまり長居はしたくないが…、あそこか!」

 

 

ある程度高度を取ると視界に、俺のいる場所とは別方向に向かう不自然なノイズ

の集団が映った。

もしかしたら、立花を追うために集まってるノイズ集団の1つかも知れない。

そんな事を思いながら、俺は現場へと急行した。

 

 

 

 

 

私は今、迫りくるノイズから逃げている。

私だけじゃない、私の背中には幼い子もいる。

ノイズから逃げ続け、私達は工場の屋上までやってきてしまった。

私も少女も、もう限界だ。

 

 

「死んじゃうの・・・?」

 

 

少女がこぼした言葉に私は首を横に振って否定したが、視界の先には何時の間に

回り込んだのだろう、ノイズの集団がそこにはあった。

 

 

「お姉ちゃん…」

 

 

私と少女は迫りくる恐怖に身を寄せ合った。

絶望できな状況だが、私に出来る事が、出来る事がきっとあるはずだ…!

そんな状況で私の口から自然とあの言葉が出てきた。

 

 

「生きるのを諦めないで!」

 

 

そして、無我夢中になった私は…歌を歌った。

 

 

              ~♪~♪~♪~♪~

 

 

 

 

 

ノイズが出現して少し経つが、広域に反応が出ている為俺達は

親玉の位置を特定できずにいた。

また、例の正体不明である天音遥のシンフォギアのアウフヴァッヘン波形も

一時検知されている。

こちらの方は現在反応が無いが、ノイズの方はうすぐ特定できるだろう。

 

 

「反応絞り込みました、位置特定!」

 

「ノイズとは異なる高質量エネルギー検知!」

 

「波形を照合、急いで!」

 

「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形」

 

「ガングニールだとぉ!?」

 

 

今、俺の目には信じられない事が起こっている。

ノイズの位置が特定できたと思ったら、その場に失われたはずの聖遺物

ガングニールの反応が現れたのだ。

いったい何が起こっているんだ…。

 

 

 

 

 

 

 

「新たなる適合者・・?」

 

「だが、いったいどうして」

 

 

(そんな、だってそれは奏での…。なんで奏のガングニールの反応が)

 

今、私の心は大きく揺さぶられている。

ノイズの反応が現れ、天音遥の反応も出てきて、後は位置を特定するだけだと思って

いたら、あろうことか奏の使うガングニールの反応が検知されたのだ。

 

奏は間違いなく今だ病室で眠りについてるはずだ。

なら、あの反応はなんだ?

どうして壊れたはずのガングニールが出てくる?

誰が使っている?

もしあの反応が本当にガングニールだとして、なんで奏はまだ眠ったままでいる?

 

様々な想いがぐしゃぐしゃにかき混ぜられつつ、私は現場へと急行した。

 

 

 

 

 

 

「え、え、なんで?私どうなっちゃったの??」

 

 

気が付くと私は、その姿を大きく変えていた。

制服だったはずの姿は、まるで戦隊ものにでてくる人みたいになっていた。

 

 

「お姉ちゃんかっこいい~」

 

 

少女の声で私は現実に意識を呼び戻された。

姿形なんて関係ない、今分かってる事は私がこの子を助けなきゃいけないと言う事だけだ。

私は少女の手を握り抱え、そして…光が降り注いだ。

 

 

「え?」

 

 

私が間抜けな声を上げてる間に、次々と貫かれるノイズの集団。

光の元を辿るとそこには、黒と紫の暗い色の姿をした少女が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

「知ってるとはいえ、気分がいいもんじゃないな」

 

 

俺は[幻日]を展開しつつ、ノイズ集団に近づき立花と少女が追われてるのを確認して、立花

の覚醒の時を待っていたのだ。

そうしなければならなかったとはいえ、何も知らない少女達を長時間見殺しにしてたのだ。

これで気分が良ければそいつはどうかしている。

 

 

「そこの2人、大丈夫か?」

 

「え?えっと…。はい、大丈夫です」

 

「そうか、それはよかった。まだ敵はいるんだ、気を抜くなよ」

 

「は、はい!」

 

 

覚醒を確認しだい[幻日]を解いて攻撃させて貰ったが、本来は立花1人でも風鳴が来るまで

持ちこたえるのは可能だろう。

だが、それでは俺の気がすまなかった。

自己満足だろうと、手出ししないわけにはいかない。

 

 

「こんな場所で無節操にばら撒けないか…、なら!」

 

 

           [混迷]

 

そこそこ数は居るが、工場で狙いの甘い[残光]なんて使った日には立花たちも危害が及ぶと

判断し、俺は手数より精度を取る事にした。

俺のレーザー攻撃によって次々と消える雑魚達、だが。

 

 

「ち、でか物まで出てきたか。動けるならその子を連れて離れろ!」

 

「はい!」

 

 

俺は現状、大型と雑魚の両方を相手にできない。

2年前の芋虫みたいな奴は脆かったが、新しく姿を現した巨人みたいな奴が脆い保証はない。

その為、立花に退避を促がしたのだが…。

 

ブルルルルルル…!

 

 

「え?」

 

 

ブゥン……ドカーン!!

 

立花の退避した先からタイミングよく風鳴のバイクが現れ、そのままバイクは大型ノイズに特攻。

派手な爆発を見せたが、風鳴は無事。

 

              ~♪~♪~♪~♪~

 

そして、落ちながら変身して見せた。

 

 

「知ってはいたが、実際見ると随分派手な登場だな…。さて、俺はどうする?」

 

 

風鳴が来た以上長居は無用だが、立花は初めての変身なのだ。

もう少し様子を見た方がいいかもしれない。

 

 

 

 

 

「貴女はここでその子を守ってなさい」

 

 

現場に着くとそこには、空に浮かぶ謎のシンフォギア使い天音遥と幼い少女を抱えつつ

呆けた顔をした、奏と同じガングニールを身に纏う少女がいた。

2人とも、聞きたいことは山ほどあるが、今はノイズが優先。

呆けた顔をした少女に一方的に待機するよう告げると、私はノイズに対し駆け出していた。

 

           [蒼ノ一閃]

 

私の必殺の一撃に蹴散らされるノイズ達、私は手を緩めることなく次の攻撃を放った。

 

           [千ノ落涙]

 

空より降り注ぐ剣が残るノイズの群れを一掃する。

残るは巨人型のノイズだが、上空で攻撃の手を休めてた天音遥が再び攻撃し

その手数で始末していった。

 

 

「これで終幕か」

 

「いいえ、まだ貴女が残ってるわ」

 

「一般人も居るのにやり合う気なのか?」

 

「貴女には政府から重要参考人として捕縛するよう指示が出ている、防人として逃がすわけにはいかない」

 

 

天音遥はそういわれると明らかに動揺した。

どうやらそこまで大事になっていると予想してなかったようだ。

だが、ネフシュタンの鎧の手掛かりかも知れぬ存在。

その隙を見逃す私ではない。

 

           [蒼ノ一閃]

 

不意をうって放った必殺の一撃は、直前に気づいた少女に間一髪回避される。

だが急な回避は体制を大きく崩し、そこに追撃する次の技を放とうとしたのだが…。

 

 

「翼さん、やめてください!相手は人間なんですよ!!」

 

「なっ!離しなさい!!」

 

 

突然背中からガングニールを纏った少女がしがみついて来た。

そのせいで私は追撃する絶好のチャンスを失い、そして。

 

天音遥は、あの時と同じように空へと消えていった。

 

 

 

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