【凍結中】戦姫絶唱シンフォギアー惑いし者ー   作:マンセット

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5話 決裂

まずい事になった。

狙われるのは想定してたが、政府から捕縛の指示は完全に想定の範囲外だ。

 

 

「やっぱ、ネフシュタンの鎧強奪に関わってると思われてるのか?」

 

 

現状、政府まで絡むとしたらそれぐらいしか思いつかない。

どちらにしてもこれは非常に厄介だ。

正体がばれる事を恐れて濡れ衣をきれられたのだ、たまったものではない。

 

物語が進めばその疑念も腫れるとは思うが、万が一フィーネが取引してた

米国に結び付けられたら目も当てられない。

何せ神獣鏡は米国にもあるのだ、しかも2期ではテロ活動にしっかりと

使われている。

更に原作では回避されたとはいえ、死刑の可能性もあったのだ。

楽観視するには危険すぎる。

 

杞憂だと思いたいが、現状が既に予想の斜め上の事態なのだ。

見通しの甘い保身を図って破滅するなんて笑い話にもならない。

 

 

「身の潔白を晴らす為、二課に投降も有りかもしれないが…」

 

 

しかし、今二課には櫻井了子ことフィーネが居る。

彼女が俺に対しどんな反応をするのか全く予想が出来ない以上、この選択肢は

最初から存在しない。

 

だが、本当にそれでいいのだろうか?

動かなければ破滅の未来が待っているのではないのか?

それとも初めから動かない方が良かったのか??

 

 

「何とか風鳴指令と一度話せないだろうか…」

 

 

付かず離れずの位置を維持したかかったが、大事になってる以上

一度あの指令と話してみるのもいいかもしれない。

どこまで信用されるかで、どこまで信用していいのかが分かるのだから。

それに、こうなった以上歩み寄らなければ何も変わらないのだから。

 

 

 

 

 

あの後、後ろからしがみついて来たガングニールを纏った少女を振り払い

叱りつけてから、その身柄を押さえつつ応援が来るのを待った。

幸い二課の人たちは直ぐに到着してくれたので、このままその少女を拘束して本部まで

同行させることが出来た。

 

本部では何故か歓迎会が行われたが、おじ様の考えなら仕方ない。

何度かこちらに話しかけようとしてきたがすべて無視した。

そうでもしないと、私の胸の底にたまったドロドロとした感情があふれ出してきそうだから。

 

歓迎会の後口止めと検査だけして彼女、立花響を帰路につかせた。

そして、私は再び奏の元にいる。

 

 

「奏、今日奏と同じガングニールを身に纏った少女に会ったよ」

 

 

結局、あのガングニールがなんなのか、本人すらわかっていないようだった。

櫻井女史が調べるみたいだが、どんな結果がでるのか。

もし奏がこの事実を知った場合どう思っただろうか?

 

あれ程努力して手に入れたのた力なのだ、まず喜びはしないだろう。

悲しむだろうか?

それとも怒るだろうか?

だってあれは…、ガングニールは奏のシンフォギアなんだから。

 

 

「奏、私どうすればいいんだろう?わかんないよ…」

 

 

今日は何とか抑えたが、次に会った時に私は自分を抑える自信が無い。

あのガングニールはなんなの?

 

奏は今も眠り続けてるのに、どうしてあの子はガングニールを使えるの?

抑えてないと、私はあの子に斬りかからない自信が無い。

この身は剣であると決めたはずなのに、私はこんなにも弱い。

だから、早く目をあけてよ…奏。

 

 

 

 

 

翌日、私は更に過酷な現実を突きつけられる。

櫻井女史が調べた結果、あのガングニールは間違いなく奏のもの…。

2年前のあのコンサートで欠けた欠片が、あの子の心臓付近に残って

いたから変身できたのだ。

 

だからとて、それで納得できるわけがない。

あれは奏のなんだ、奏のガングニールなんだ。

なのに何故、何故あんな少女が使えるというのだ。

何故、彼女が無事で奏は眠り続けてるんだ。

こんな現実おかしいじゃないか…。

 

気力を振り絞り部屋を退出し、私が一人で思考の迷路に彷徨っていると

彼女、立花響が姿を現した。

視界に入れるだけでも胸を苛まれるのに彼女は今、私になんて言った?

一緒に戦えればいい?彼女は今そういったのか?

 

 

「ふざけないで!」

 

「え…?」

 

「何故貴女と私が一緒に戦わないといけないの!奏のガングニールを着けた貴女と!」

 

「で、でも…」

 

「そのギアは奏の物よ!私は共に戦うなんて受け入れられない、貴女がガングニール

を持つなんて認めない!認められる筈がない!!」

 

 

私は胸の内に潜む心を抑えきれなかった。

いや、抑えたくなかった。

彼女が私に言った事は、私にはとても耐えきれる事じゃなかった。

 

私を気持ちを一身に受けた彼女は返答に窮したようだ。

次はどんな耳障りな言葉で私の気持ちを乱すのかと思ったが、それはノイズ出現の

警報で妨げられる。

 

 

 

 

 

急ぎ発令所に行くと、丁度ノイズの位置を特定している最中だった。

程なくして発令所でノイズの位置を特定されたが、ノイズの位置は思ってた以上に近い。

だけど私は戦うだけだ。

 

 

「迎え撃ちます!」

 

 

私は一言断ってから現場に急行した。

 

 

 

 

 

現場には、まるで意志があるかのように一か所に多数のノイズが蠢いていた。

そして私の姿を確認するとみるみる混ざり合い…、1体の大型ノイズへとその姿を変貌させた。

だが、その程度で怯む私ではない。

 

              ~♪~♪~♪~♪~

 

私はシンフォギアを身に纏い蛙のような大型ノイズに斬りかかる。

だが、ノイズは体に着けた羽飾りのような小型のノイズを射出し、私を迎え撃ってきた。

それを難なく迎撃し、必殺の一撃を入れようと力を込めた瞬間。

 

 

「翼さん!」

 

 

彼女が姿を現し、ノイズに対して一撃を入れたのだ。

私は乱れる心を抑え必殺の一撃を入れる為飛び上り、そして態勢を崩した相手

に対して解き放った。

 

           [蒼ノ一閃]

 

放たれた一撃は見事、敵を一刀両断し撃破する。

付近のノイズは一掃できたが、私にはまだやらねばならぬ事があるようだ。

あれ程拒絶したにも関わらず彼女、立花響はまだ私と共に戦おうなどという戯言を口にした。

なら望み道理、戦って上げるしかないじゃない…!

 

 

「そうね、貴女と私戦いましょうか」

 

「えっと、そういう意味じゃなくて…」

 

 

彼女はまだ何か戯言を口にしているようだが関係ない、私は彼女に対し

攻撃する為飛び上り、まだ彼女に一度しか見せてない一撃を放った。

 

           [天ノ逆鱗]

 

刀を巨大化させ、狙いもつけずに彼女に頭上に放ったが…結果としてそれは防がれた。

彼女にではない。

おじ様が乱入してきたのだ。

 

結果として私は吹き飛ばされおじ様に叱られる事となったが、そんな事どうでもよくなる

一言を彼女は口にした。

 

 

「私、奏さんの分まで頑張って代わりになってみせます!」

 

 

奏の分も頑張る?

代わりになるですって?

私は再び激情を抑えきれずに彼女を叩き、私の気持ちをぶつけた。

 

 

「奏の…、奏の代わりなんているものか!奏は奏だ!!貴女が奏を語るんじゃない!!!」

 

 

私はこの言葉を残しこの場を立ち去った。

奏は目を覚まさないだけで死んでなんていない。

なのに、何故あのような事が言えるのか。

 

だから私は絶対に彼女を許さない、他の誰かが許したって風鳴翼は絶対に許しはしない。

 

 

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