アンドリュー・ギルバート・ミルズは今日も待つ妻の為に戦う   作:蛯名 恵比寿

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俺は考えた。

如何にして今回のオフ会を無事にやり過ごすのかを。

あの状況での不参加は流石に難しい。かといって半年間世話になったギルドを急に抜けるのも気が引ける。

 

そこで思いついたのが、『参加当日に急遽用事が入ってしまい行けなくなった』作戦だ。

これならば、かなり自然にオフ会に欠席が出来る。そして後日残念そうに振舞えば問題はないだろう。

もしかしたら予約していた店のキャンセル代を払わなければならないかもしれないが、そのくらいは安いものだ。

俺はこの現状が気に入っているんだ。それを維持する為の費用と考えれば全くもって構わない。

 

次の日、俺はギルド内のチャットにてオフ会の参加を表明した。

その時にギルドのリーダーやメンバー達が喜んでくれていたのを見て、俺は少し胸の奥が痛くなった。

 

 

月日が流れるのは早いもので、オフ会当日の朝を迎えた。

後は『すみません!家庭の事情で急遽行けなくなってしまいました!皆さんに会いたかったのですが残念です!本日は不参加でお願いします。』とでも書いたメールをリーダーに送ればミッションコンプリートだ。

だが問題があった…。この1ヶ月の間に、俺のなかでオフ会に対する憧れや興味が出てきたのである。

皆が俺に興味を示したように、俺もギルドメンバーがいったいどんな人達なのか気になってしまうようになったのだ。

まだ短い間だが、共に闘ってきた仲間たちだ。気になるのはしょうがない。

 

そこで俺は不参加のメールを出すと共に、待ち合わせの場所に行き遠目からオフ会メンバーを確認するだけして帰ることに決めた。

 

「ははっ……我ながら小心者すぎるだろ…」

 

自分自身を罵りながら外出の支度をする。

念のためにと用意していた伊達メガネと帽子だが余りの似合わなさに落胆しつつ、結局いつも通りの服装で出掛けていった。

 

 

さて、待ち合わせの場所に着いたのはいいがこう人が多いと探すのも一苦労だな。

待ち合わせは13時にこの犬の銅像前に集合だった筈だ。確かその後にリーダーが予約している店に行くんだったな。

しばらく辺りをうろついていると1人の男性が『Iron Bond』と書かれた紙を持っているのを見つけた。そして周りには数人の人集り。あの集団だな。

俺は待ち合わせを装いながらさり気なく近くに行くと聞き耳をたてた。話していたのはちょうど俺の話だった。

 

「そういえば今朝エギルからメールが来てて、急用が入って参加出来なくなったんだってさ」

 

「ええー!!マジっす!?すげー楽しみだったのにーうわぁ…テンションさがるわー!」

 

「アンタ、エギルのこと憧れてたもんね。確かにエギルの前衛なら、私も弓使いとして安心して後方支援が出来てたよ」

 

どうやらあの「Iron Bond」の紙を持った茶髪の男がリーダーのブレンソン。

そして話を聞くからに、高校生くらいの坊主頭の方が同じ斧使いのコータ。隣の長身の女性が弓使いのレイテだろう。

他のメンバーも話を横から聞いていると、皆知っている馴染みのメンバー達であった。

 

この輪の中に俺も入りたかった。「どうも、エギルです!」なんて軽い自己紹介をしながらゲームの話で盛り上がりたかった。

しかし、もしこの外見で引かれたら。もし気まずい雰囲気になったら。そんな『もし』が頭の中を蠢いていて俺の足を止める。

 

だから俺はこのままで満足をして、その場を立ち去ることにした……。

 

 

 

 

 




更新が遅くなってしまい申しわけないです!ちょっと旅行に行ってましたー
皆様の感想や評価、とても嬉しかったです!ホントありがとうございましたー!今後もどうぞ宜しくお願いしますw

今回エギルたちが集まった場所は有名なあの某ワンちゃんの銅像前ですね!
さて、次回はいよいよエギルにある出会いが!?

では次回もお楽しみくださいませ。

蛯名 恵比寿
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