アンドリュー・ギルバート・ミルズは今日も待つ妻の為に戦う 作:蛯名 恵比寿
オフ会の待ち合わせ場所を離れてから俺は近くの喫茶店に入った。せっかく遠出したんだ、ランチでも食べて買い物でもしていこう。
俺はハンバーガーと珈琲を頼み席についた。こういう喫茶店のハンバーガーはファーストフード店なんかと比べて味も良くボリューミーだ。黒人である俺の身体はデカく、それに比例してか腹もすぐ減る。実に燃費が悪い。
運ばれてきたバーガーを頬張りながら改めて先程のことを思い返す。
あのままオフ会に合流しておけばどうなっていただろう、と。
嗚呼、絶対楽しかっただろうなぁ。変な意地張らずに行けばよかったなぁ。
まぁ今更そんなことを思ったところでもう遅いわけだが。もう彼等は合流を果たし、ギルドリーダーのブレンソンが予約してある店へ移動している。
そして俺はその行き先を知らない。まぁ連絡をとって教えてもらえば分かるのだが、そこまでして行くべきかと一歩踏み出せない。
後悔先に立たず。俺は深いため息と共にバーガーの最後の一欠片を口に放り込み、珈琲を飲み干した。
「さて、本屋にでも寄って帰るとするか。」
俺は重い腰を上げ、会計を済ませると喫茶店を出た。ちなみにハンバーガーも珈琲も凄く美味しかった。また来よう。
本屋へと向かう途中、俺はまた待ち合わせ場所の銅像の前を通った。案の定そこには既にギルドのメンバーはいなかった。
……おいおいおいおい、どんだけ引きずってるんだよオレは!デカイ図体が聞いて呆れるな。─ドスッ─……ん?
そんなことを思って歩いていると腹部に軽い衝撃があった。おっと、誰かにぶつかってしまったか。
「いてて……ごめんなさい、よそ見してて。わっ、おっきい外人さんだ!ソ…ソーリー!」
そこには俺の胸元ほどの背丈をした小さなレディが立っていた。歳は二十歳くらいだろうか。肩まで伸びたストレートヘアの黒髪にキリッとつり上がった目が印象的だった。
「…………。あ、いや日本語で大丈夫だ。こちらこそすまない。怪我はないか?」
「はい、大丈夫です!実はこの辺りの土地勘が全然なくて、ついうろうろしちゃってて。あの……この辺詳しかったりします?テラーズカフェってお店なんですけど。」
残念ながら俺もこの辺りは何回かしか来たことがなく役に立てそうにな……ん?テラーズカフェ……そういえば今から行く予定の本屋の向かいにそんな名前の店があったような。うん、たぶんあそこだろう。
「心当たりならあるが。俺も近くに用がある。何なら途中まで一緒に行こうか?」
「わっ!助かります!それじゃ早速行きましょ、行きましょ!あ、ワタシ佐崎 瑠璃って言います!」
彼女は喜び、その小さな手のひらは俺のデカい手を優しく包んだ。
「俺は、アンドリュー・ギルバート・ミルズだ。10分程の道のりだがよろしくな、佐崎さん。」
これがのちに俺の妻になる女性とのファーストコンタクトであった。
随分と間が空いてしまいスイマセン!
頑張って更新していきます!ウス!