Zちゃんのくすぐり攻撃で起こされ、博士は食堂にて皆の分の朝食を
作り、皆と一緒に食べていた。
「かぁ~っ!美味しい!博士の作るご飯最高~!」
右手に箸、左手にご飯の入った茶碗を持ってがっつくZちゃん。
今日作った朝食はご飯に味噌汁、焼き魚といった定番メニューだった
がZちゃんには絶賛だった。
博士は小さい頃から家事は自分でやっていたので家事スキルが高く、料
理もお手の物なのだ。
「Zちゃん……食べながら喋るのはマナー違反だよ」
蒼いロングヘアーにZちゃんと似たような服装をしているのはグレート
マジンガーなるグレちゃん。
いついかなる時も携帯ゲーム機を所持している極度のゲーマーで、密か
にではあるがZちゃんに好意を持っている。
「そうよZちゃんさん。お行儀の悪い子にはお姉さんからのおしおきが
あるわよ。うふふっ」
そう言って黒い笑みを浮かべているのはグレンダイザーなるグレ
ンダさん。
色素の薄い金のロングヘアーにZちゃんやグレちゃんと似たような服装
をしている。
ロボットガールズの中では最年長でどこの国なのかは不明だが、噂に
よれば未知の国から来たという説もあるらしい。
「いいんだよグレンダさん。俺は自分の作った料理を美味しそうに
食べてくれるのが嬉しいから」
「そ~そ~やっぱご飯は美味しく食べないと!」
「もぉ……博士は甘いんだから……。あまり甘やかすと将来ロクな大人に
ならないわよ?」
「大丈夫、Zちゃんがロクでもないのは今に始まったことじゃないから」
「たしかに……いつも地下帝国の奴等が攻めてきては町を無差別に破壊
してるし……」
「しょ、しょうがないじゃん!あいつ等がちょこまか攻撃避けるのがい
けないんだよ!それにほら、何かを得るためには相応の犠牲が必要って
いうか……」
「それでもできるだけ被害は最小限に抑えないと。戦う度にこっちに
寄せられる被害届けが尋常じゃないし……」
「うぅ……あ、そういえば今日は光子力普及のためのビラ配りだっ
たっけな~!」
話題を逸らすためにZちゃんは視線を彷徨わせながら言う。
「ああ、そうだよ。だから皆にはコンパニオンに格好をしてもらって研
究所の前でビラ配りをしてもらう。後からバイトの子達も来るから」
「バイトの子って誰?」
「いや……何か名前は会うまで名乗れないらしくて……けどアルバイト経
験はあるらしいから採用した。お金に困ってるらしかったから」
「身元不明の人を採用したの……?さすがに人がよすぎるんじゃ……」
「実際こっちはいつも人手不足だし。人では増えるに越したことない
だろ?まあ、皆はいつものように仕事してくれればいいから」
「「「は~い(分かりました)」」」
ロボットガールズZはそれぞれ返事をし、時間になってコンパニオンの
格好に着替えて研究所の前でビラ、子供には風船配りを始めた。
―――――
「光子力研究所で~す!よろしくお願いしま~す!」
三人が愛想良くビラと風船配りを始めていく。
しかし三人の今までの行いもあってか、客はあまり来ない。
「お客さん……全然来ないわね……」
「皆が町を壊しまくるからイメージダウンしてるんだよ。ほら、グレ
ちゃんもゲームやってないでちゃんと宣伝して!これは仕事が終わる
まで没収!」
そう言って博士はグレちゃんから携帯ゲーム機を取り上げる。
「ああ……まだレベル上げの途中だったのに……」
「仕事してる最中にゲームなんてやってるんじゃありません!ちゃん
と仕事しないとお小遣いあげませんよ!」
「お母さんみたいなこと言って……それにやる気を出そうにもお客さん
全然来ないし……」
「それに博士の言ってたバイトの子達も来ないわね。約束の時間は
とっくに過ぎてるのに……」
「ね~博士~バイトの子ホントに来んの~?」
「もうすぐ来るはずだよ。でももし来なかったら困るな……こっちは
研究所を任されてる身だし……」
本来の管理者である弓先生がいつも研究所を留守にしているため、現在
博士が研究所の管理を行っている。
管理はしっかりするようにと弓先生から言われているので、こういうこ
とがあっては弓先生に知れた時にどやされかねないのだ。
「じゃあ、来たら遅刻した罰としておしおきしてあげないとね。痛いの
と恥ずかしいの……どっちがいいかしら~?うふふ」
グレンダさんがまたもや黒い笑みを浮かべながらドス黒いオーラを
放っている。
ドSモードになったグレンダさんからのおしおきの恐ろしさは皆よく
知っているのでバイトの子達には同情せざるをえない。
「まあまあ、その内来るだろうから。皆は呼びかけに専念して。これ
は地味だけど光子力を普及させるためだから」
「ふっふっふっふっふ……ふははははははははははははははははは!!」
博士が言い終わると、どこからともなく女性の高笑いが聞こえてきた。
四人は声がした東の方向にある柱のほうにに振り返ると、そこには
見知った人物達がいた。
「あ~!あんた達は!」
「地下帝国!」
「いかにも!あの戦いの後、地味なバイト生活に明け暮れ、地下帝
国は不死鳥の如く蘇ったのだ!!」
彼女、あしゅら男爵は姿が右半分が女性、左半分が男性(しかし身体
自体は女性)で、全身をローブで包み、銀色の杖を持っている地下帝
国の指揮官だ。
「ああ、バイトをしていたからあの戦いの後ずっと現れなかったのね」
「今日こそお前達を倒す!この世界を地下帝国のものにするために!」
「やっつけてやるナノ!ね~」
蒼い髪をポニーテールにし、二つの刃を付けた帽子を被って全身を下
半身の露出度が高い衣装をしているガラダK7と緑を基調にした帽子と
衣装、両手には機械獣を象った人形をはめているダブラスM2はそれぞ
れ言うと、三人は”とうっ!”という掛け声で柱から飛び降りる。
しかし三人同時に飛んだせいで上手く着地できずに地面に転ん
でしまった。
「ぷぷっ、ダサッ。着地失敗してるし」
着地に失敗した地下帝国をグレちゃんが口に右手を添えて笑う。
「もしかしてバイトの子達って地下帝国の奴等だったのか……?」
「何かアニメでもこういうシチュエーションなかったっけ?」
「グレンダさん、それ完全にメタ発言……」
「うぅ……人をバカにして~!ええい!行くのだガラダK7!ダブラ
スM2!今日こそこの光子力研究所の光子力を我が物とするのだ!」
「了解ナノ!え~い!」
ダブラスM2が両手の人形の口からビームを発射する。
そのビームを足元から発射され、煙が生じて四人はむせてしまう。
「けほっ!けほっ!丁度いい!脚が全然来なくて退屈してたとこだし。
久しぶりにぶっ飛ばしてやる!行くよ皆!」
「だからそういう体育会系のノリは苦手なんだけど……」
「くれぐれも町に被害を出さないようにね?」
「はいはい分かってるよ!無敵の力はあたしのために!正義の心は二
の次三の次!パイルダー・オン!」
そう言って、Zちゃんは取り出したパイルダー型の変身アイテムを頭
に装着する。
するとZちゃんはコンパニオンの服からマジンガーZを象った戦闘スー
ツに姿を変えた。
「マジンガァアアアアアアアアアアアアアアアァァ!ゼェエエェエ
エェエェット!」
変身を終えると、そう叫びながらポーズを取る。
「く~!やっぱ変身はこうじゃないと!さあ!二人も早く変身して!」
「え~……またアレやるの……?アレ結構恥ずかしいのに……」
「まあまあ、付き合ってあげましょう。こういうのはお約束みたいな
ものだし。友と誓ったこの平和!ただ一輪の花のために!シュート・
イン!」
「僕は涙を流さない。容赦ないから、無慈悲だから。ファイヤー・オン」
グレンダさんがスペイサー、グレちゃんはブレーンコンドルを取り出
してZちゃんと同じように頭に装着して変身を完了する。
「グレンダイザー!」
「グレートマジンガー」
「じゃあ、いっくよ~!我等!」
「「「ロボットガールズチームZ!」」」
それぞれそう言って決めポーズを取るが、三人のテンションの差があま
りにも違いすぎるため、全然声が重なっていない。
「決めるならちゃんと息合わせろよ!」
「よし、カッコよく決まったところで戦闘開始!」
「いや、全然決まってなかったから!戦隊ものだったらNGものだよ!」
「私達は戦隊じゃない!ロボットガールズだから!」
「まあ、別にいいけどさ。三人がそれでいいなら……」
「地獄の特訓によってパワーアップした我等の力を見るがいい!
行け!ガラダK7!ダブラスM2!ロボットガールズZを根絶やしに
してやるのだ!」
「カッコいいこと言っておいて他力本願かよ!!」
こうして、今日もロボットガールズZと地下帝国との戦いの火蓋が
切って落とされた。
果たして勝利はどちらの手に……?って言わなくても分かりますよね~。