今回も宜しくです!(-人-)
あれは、まだ春の陽射しが気持ちいい位の日の事だったと思う。
あの日は大体の学生は学校で勉強していた。つまり、平日だった。しかし、俺も学生だったがその日は学校には居なかった。俺はその日の三日前から沖縄に住んでいた親戚の葬式に参列する為にこの街を離れていた。たまに遊びに行くと、よくお小遣いをくれたり、自分が知らない知識などを教えてくれる俺にとっての兄貴の様な存在の人だった。その人は車が走っている道路に飛び出していった男の子を追いかけて、突き押して庇って死んだ。後にその男の子が、飛び出した理由がお婆さんから鞄をひったくり、逃げる過程だった事を知った時には、葬儀に参列していたその男の子を力いっぱい殴ってしまった。それ程に、俺はあの人の事を兄貴の様に慕っていたんだ。
人は簡単にすぐ死ぬ。あの人は必ずその言葉を別れる前に呪文のように、忘れるなよ?って言葉を付けて言う。
その言葉の意味をとても良く、単純に、簡単に、理解させられた出来事だった。
それから、俺は葬儀を終えて火葬まで見た後にその人、いや、叔父さんの家に行った。叔父さんは独身だった。だから遺品とかは家族が引き取る事になるのだが、その遺品の一部、叔父さんが大事にしていた『コレクション』を俺に引き取って欲しいとの事だった。叔父さんは俗に言う『ミリオタ』と呼ばれる部類の人だった。そして、その叔父さんを慕っていた俺も、同じ部類の人間である。だから、その叔父さんの遺品を、叔父さんの『ナイフコレクション』を俺が引き取った。ミリオタなのに何故ナイフ?叔父さんの言い分は確か、『「ナイフ等の刃物類こそが最も、見付からず、どこでも扱えて、持っていても違和感なく、生き物を殺す事のできる武器である」』とのことだ。そんな叔父さんに感化された俺も当然刃物好きだったりする。だから、例のコレクションを譲ってもらえた時は哀しみながらも、不謹慎だったが、つい、歓喜してしまった。
葬儀を終えてから二日間は沖縄で、親戚に会ったりと色々と忙しかった。そして葬儀から三日後に俺はあの街に帰宅した。そう、『あの街』に。
「ふぁあ、久々の巡ヶ丘市か。何故か感慨深く感じるな。」
俺は帰って来たばっかで疲れていた。まあ、若干浮かれてもいたけどね。それはどうでもいい事だな。
とりあえず、両親について行きそのまま帰ることにする。本当は学校にでも行ってクラスメイトに帰ってきたと挨拶にでも行くつもりだったけど、両親にそれは明日でも出来る。と言われたから今日は大人しく帰ることにする。
現在の時刻は12:05
それから、十五分から二十分くらいで家には着いた。両親には、疲れたから少し眠ると言ってすぐに家の二階の奥側にある自分の部屋に行った。
現在の時刻は12:40
何時間かたった頃、俺は何かが衝突でもしたかのような物音で起こされた。何かあったのだろうか。まずは、一階に降りるか。俺は重たい足を動かして部屋から出て、二階の階段より一階へと降りる。
一階は、やけに静かだった。だが、一つだけ、やたらと妙な音が響いていた。この静寂の中では明らかに異音である音、粗食音。まるで、誰かが生肉でもクッテイルカノヨウナ…………。
「ラックか?いつもなら、肉類はパーティーとかの時ぐらいだけなのに。」
今から思えば、あの時の俺は大分ノーテンキだったのだと思う。もし、あの時が寝起きや、叔父さんが死んだ後とかじゃなかったら、俺は絶対にあの時の不自然さに気が付いていた。もしくは、いつもと違う事くらいは察する事が出来ていただろう。出来ていたところで何も変わりはしなかっただろうがな。
俺は音の聞こえる方向に足を進める。この時、俺は少し不用心に進み過ぎた。だからこそ、『とてもよく観てしまった』
これが俺が最初の『ディナー』を見た瞬間だった。
それは、その光景は母親と父親が仲良く『食事』をしているモノだった。
母親と父親が仲良く『ラック』の腹を食い漁っていた。もちろん、その光景を目の当りにしまった俺は吐いたさ。俺はミリオタではあるが、別にグロ耐性が強いわけではない。というか『アレ』を初めて目の当りにして吐かない奴はそうそういないと思う。まあ、あの場でイキナリ吐いてしまったのは、今から思えば一番の間違いだったと分かるんだけどな。
だって、
「ア゙ア゙ア?」
「オォォ」
奴らに気付かれたのだから。
奴らは俺を見ると、ラックを食べるのをやめて立ち上がって俺に近付いて来た。そう。
俺を『ディナー』にする為に、息子を食糧とみなして襲って来た。
現在の時刻は16:37
そっからは、あまり良く覚えていない。
気が付いたら、母親と父親の頭には叔父さんから貰った自慢のコレクションが突き刺さっていたのだけは鮮明に覚えてるんだけどな。
それから、十五分掛けて立ち直った俺はまずコイツらが何なのかを考えた。五分程じっくり考えたが、何度考えてもこれは映画とかでよく見る『ゾンビ』だとしか分からなかった。どっかの会社がウィルスでも撒いたのだろうかね?
次はとにかく外を見る事にした。というわけで、母親と父親の頭から『叔父さんのコレクション』(両方ともハンティングナイフ)を抜き取り、玄関の扉を開ける。
外は、まあ、予想通りと言おうかなんと言うか。一言でまとめるなら・・・・・・・。
「マジかよ…………!」
ホントにその一言に尽きる。右側の道はパトカー と自動車が衝突しており、通ることができなさそうだった。しかも炎上してたし。かといって左側の道は数人のゾンビ共が多分警察官だったろう女性を貪り食っていた。俺はなるべく音がしない様に扉を閉めた。
どうするか。外の光景を見て思い浮かんだのはそれだった。とりあえずこの家からは出なければいけない。このままだと、さっきのパトカーから燃え移って家が焼けるかも知れないから。この時俺の頭の中は軽いパニック状態になっており、消化するなんてことは思い付かなかった。思い付いても、あれを消火器だけで消せるかは微妙だったけど。かといって街から出ようにも右側の道が塞がってるとなると此処からは中々遠回りしなければならないし、それにこの現象がどんな規模で起きてるのかすら想像が付かない。ならどうする。
「とりま、避難セットでも纏めるか!」
長く考えていてもしょうがない。俺は荷物を纏める事にした。
「まずは、叔父さんのナイフコレクションは絶対だろ。あ、スーツケースは邪魔だからナイフケースだけで持ってこ。んで、次はライターとか、携帯の充電器。後着替えもだな。それと持ち食糧もな」
確認するかのように呟きながらリュックに詰め込んでいく。そうでもしないと何か忘れそうで怖い。
「これくらいか?あ、学ラン着込んでいこうかな。こういうのって、噛まれたら感染とかよくあるからな。学ラン着込んでいれば気休めにはなるだろ。一応、学ランの下から防弾チョッキ(モドキ)も着けとくか。何があるかわからんし」
何やかんやで気が付いたらリュックには荷物が入らなくなった。別に重いものとかは入れてないから重さは問題ないんだけど、少し邪魔だなこれ。荷物をまとめ終えると、俺は最後の挨拶をする。
もちろん玄関で。
「お父さん、お母さん。今までこんな俺を育ててくれてありがとうございました。俺はこんなとこで死ぬつもりはサラサラ無い。だから、上?かどうかは知らないけど、其処から俺の事を見守ってほしい。あ!ついでにラックもな。んじゃ、行ってきます!」
これで挨拶も済んだ。後はこの扉を開けて外に出るだけ。幸い、まだ五時半くらいだし此処から最も近く設備がしっかりしている所。『学校』には普通に行けば六時くらいには着くはず。最悪七時には着かないとな。夜になると危険度増すし。さ、行くか。
俺は扉を開ける。
俺自身の運命が掛かっている扉を。
外はさっきとそんなに違いはなかった。強いて言うなら、奴らが食事を終えてトロトロ此方へ向かっているという事ぐらいだ。
「いや、最初からピンチじゃねえか……orz」
まあ、その時はどうしたかっていうとだな、あー、その、ゾンビの間を死ぬ気で走り抜きました。いやぁーホントに怖かったなあれ。
そっからしばらく学校寄りに道を歩いていたら、妙なガスマスク集団を見つけた。なんか通る気がしなかったから居なくなるまで脇道に隠れてみていたのだが…………。
バリーンッ!!!!
アイツら走ってきた車を前に飛び出して止めて、それから運転手を引きずり出して持っていた釘バットで徹底的に殴って殺し、車を奪って逃走しやがった。
人間のクズみたいな本性を垣間見たな。俺はその少し後から死体に道端に咲いていた花を添えて、すぐにその場を後にした。俺自身の精神が少し持ちそうになかったからな。
良い子の皆は人間不信とかなったりしたらダメだぜ?それで言う事聞かずにクローゼットの中で死んだ奴だっているんだから。これはタケシとの約束だからな。タケシが誰かは知らないけども。
それからは、人類解放団体とかいう、わけのわからない組織に勧誘されたり、海パンでバンダナだけの変なやたらと恰好いいオッサンにゾンビの集団から助けてもらったり、マンションの二階から狂ったように笑いながらライフルでゾンビを撃ち殺してる危ない女の人を見たりとか色々と遭ったけど、そこを掘り出してたら、長くなるので割愛する。
そして、なんとか学校に着いたのは六時半くらいだった。日が暮れているからさっさと校舎内に入りたかったんだけど…………。
「い、犬……だと………!」
学校の校門付近でドーベルマンのしかも、見た目でゾンビだと確信を持って言えるようなのが、三匹仲良く女生徒の死体を食っていた。うわ、あれどうしよう。そんな事を考えていたときだった。どうやら、俺に気付いたらしく一匹がまるで、感動の再会かのように走って突っ込んで来た。お、俺なんか食べても、お、美味しくなんかないんだからねっ!
そう言いながらフリスピーの要領でナイフを遠くに投げたのだが………
「・・・・・・・」フゥ
一瞬立ち止まったかと思いきや、呆れたわぁー。とでも言いたいのか、頭を掻きやがった。物凄くムカついた瞬間でもある。とはいえ、これで策がとくに思い付かないのもあるし、犬との距離は後一メートル圏内だ。ホントにどうしよう。後は適当にやって足掻くしか選択肢がなかった。だから突っ込んで来た犬の頭をしっかりと狙って、サッカーボールように………!
「ボールを相手のゴールにシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!」
蹴っ飛ばした。すると、まさかの頭がまるで、ボールのように他の二匹のドーベルマンがいる方向に飛んでいった。え〜、せめて別の場所に行けよorz
もちろんのこと、その二匹のドーベルマンが飛んできた頭にむしゃぶりついてくれるなんて事はないわけで、二匹共こっちに向かって突っ込んで来た。いやいや、俺なんかただのか弱い人間だからな。ドーベルマン二匹とか無茶振りだろ!マジ!!
「寄らば斬る、よらずとも斬る。近寄って斬る!」
そんな決めゼリフを言ってナイフを構える。上手く首元を斬れれば行けるかもしれない。さっきの奴もだったが、普通あんな簡単に首が飛ぶわけない。二次創作とかじゃあるまいし。だが、現実にあの犬ころの首は簡単に飛んだ。それを少し不思議に思い切断面を見ると、切れてる部分が緑色のように、腐っていた事が分かった。そしてコイツら二匹もよく見ると首元を緑色が覆っている。つまり腐っている訳だ。
そう、だから『このように』通常よりも軽い力で首を斬れるんではないかと考えたのである。
「やってみれば大概出来るもんだな。」
正直二匹同時にイケルとは思ってもいなかったけど、多分普通の犬と違いそこまで速度が無かったからかね。でもないと、『普通たる俺』には突っ込んで来る二匹のドーベルマンの首をほとんど同時に切るとかできないだろうからな。
「と、まあ、これで学校前はなんとか安全なわけだけども、運動場のほう凄いな。今日運動会でもやってたの?なら俺も参加したかったけど………」
俺も参加しに行こうかな?五体満足で帰ってこれる自身はないけど、
と、考えていたときだった。
「は?」
何故か運動場にいた大量のゾンビの殆どが此方に向かって行進してきたのだ。いや、確かに運動会は行進とかするけどさ、だからって校門前に、よりによって俺がいる方にしてくるとか、なに、なんなの?狙ってるの?えっマジか……。と、とりあえず、校門の上にでも登っとくかな。さすがに登ってこないと思うし。
「頼むから来るなよ〜。ホント」
そう考えてたのが良かったのか。俺が上に居たから気づかなかったのか、運動場のゾンビは十数匹程を残して殆どが何処かに行進して行った。
「なんだ?アイツら下校時間でも守ってんの?俺よか大層立派な精神をお持ちだな」
この時の時刻は18:45
下校完了時刻十五分前だった。
俺はこの気を逃すのはないと思い。とにかく校舎内を目指して走った。ゾンビが殆どいないうえに、いても野球場の方や、サッカー場の方だったから運動場の真ん中を突っ切れば追われる心配はそこまで無かった。そこで、校舎内に入った俺は近くにあった保健室に駆け込み、中にいた保健室の先生(ゾンビ)に許可を貰い(物理)鍵を閉めた。この保健室には正面以外には窓もないため、正面の入口以外には気を使う必要はない。これで俺はなんとか目標を達成したわけだ。だが、これからどうすることか。この状況だと助けは絶望的な気がするし、かと言って街の外には徒歩では出れる気すらしない。このままだと暫らくは学校で生活する事になるかもしれない。少なくとも住宅街よりは安全だろうけど。いや、それでいいのか?ここならまず水には困らない。少なくとも水道はすぐに止まることはないから、毎日少しずつ貯めていけば大丈夫だ。食事とかは、乾パンとかの非常食を幾つか持ってるしこの量なら一週間程度は余裕でいける。節約すれば十日くらいは問題ない。それに、無くなったら少しずつ購買や職員室からも取れるし、栄養って意味なら保健室には確かビタミン剤とかもあった筈だ。後で探すかな。となると問題は…………。
「・・・・・・電気だよなぁ」
多分、ライフラインの中で最も早く止まるのは電気の供給だろう。一応、この学園はソーラーパネルがあるから一、二ヶ月くらいなら問題無いだろうが、それ以上いるなら、やっぱりこれも節電はしないといけないか。
「あー、これでニコ動とかとはおさらばだな。電気の無駄遣いはできねぇし」
もし、生き残りがいるならそいつ、もしくはそいつらの分も考えとかないといけないし、電気の使用はかなり最低限にするか。携帯の充電も今日やれば暫らくは無理だな、これだと。
「使うとしたら、熱い風呂に入る時と、携帯の充電をする時と、ご飯を食べる時とかにポットを使う時とかか?夜は八時前には電気は消したいからな」
あ、明日にはどっかからカセットコンロと鍋取ってこないとな。購買部にあった気はするけど、そうでもしないとインスタント類は調理できねぇからな。まあ、湯沸かし器と何故か電子レンジはあるからインスタントラーメンとかは、問題無いが。いや、電子レンジは使うのは不味いか?消費電力的に。ま、考えるのは今はこれくらいか。当分は学校で生活するって事で。おっ、これなんかサバイバルって感じでイイな!
「おろ?そういや、俺確かそんな風な部活の申請出してたよな。」
よくよく思い出すと、確か『サバイバルゲーム部』の申請を去年だして、速攻で拒否された気がする。あの進路指導のハゲのオッサン。考える事すらせずに拒否ってくれたからな。
「・・・・・なら、今作るか?」
今は部活動の担当の先生もいない。いや、さっき運動場にいたな。後から許可(物理)を貰いに行くか。あの先生割りと面白かったからまあまあ好きだったんだが…。とりま!なら、部活動の名前決めるか。どんな名前にするかな。例えば……。
「『学校生存部』、『学校バトル部』、いやいや『学園戦争部』も有りかもしれない!」
そんな感じに迷走する事2時間………。
「サバゲーどこいったよ………」
気がついたら『学校キャンピング部』とかいうサバゲー要素が殆ど消えた部活になっていた。おいおい、ゲームももちろん。キャンピングって、サバイバル感(命懸け)が薄れてるじゃねぇか。いや、確かに気楽に楽しくとか考えたけども。これはな………。
「なら、部活の名前に直接サバゲーを入れてみるか?例えば『学校サバイバルゲーム部』とか、いやそれなら違うか。だから『学園サバイバルゲーム部』!!」
こうして、俺はこの学校に初のサバイバルゲーム部を立ち上げた。いつまで続くかはわからないけど、とりあえずこの時々を少しでも楽しみながら過ごしていけることを願って。
現在の時刻は20:50
基本的に部活動は昼間にしよう。
『学園サバイバルゲーム部』
活動時間5:00~17:00の間
特別活動時は20:00~不定時
活動内容学園での『リアル』なサバイバルゲームの体験やいざと言う時に生き残れるサバイバル術の習得etc……他にも楽しいイベントも予定!
男女関係無く大歓迎!!
入部の方は朝の七時から九時の間、もしくは十七時から二十時の間に保健室に
部長:藍本 遙
次回は多分これよりも大分短くなると思います。
次回もどうぞ宜しくです!