「そこまでですわ!」
ズオ――オオオオォォォォォォォォォォォォォンッ!
降り注ぐ圧倒的な光芒が、エイトの視界を真っ白に染め上げた。咄嗟にブレーキをかけて直撃は避けたが、両腕のビームランスがシールド代わりになっていなければ、撃墜か、その寸前のレベルでの大破は免れなかっただろう。
「カンザキさん――あなた、やりすぎていましてよ」
じわじわと視界が戻ると、目の前には直径が百メートルにはなろうかという巨大なクレーターが抉られており――そしてその上空には、トールギスⅢをベースにしたらしい中世の騎士然としたガンプラが、F108とドゥルガーとを、見下ろしていた。
「あなたのその行動、他の誰が見逃しても――このわたくしと、レディ・トールギスが見逃しませんわ。生徒会風紀委員長の名にかけて」
大鳥居高校三年一組、風紀委員長、ヤマダ・アンジェリカ。容姿端麗、成績優秀、武芸百般、文武両道、才色兼備。学校中に知らぬ者はいない、超高校級の帰国子女だ。
特定の部活動には所属していないとタカヤが言っていたが、なぜここに、こんなタイミングで。エイトの疑問を代弁するかのように、サチが口を開いた。
「何のつもりだよー、ヤマダちゃんさー」
「親しみを込めて、アンジェとお呼びくださいな。カンザキさん」
おそらくはあのビームを受け止めたのであろう、ゴッドフィンガーからぶすぶすと黒煙をあげるドゥルガーが、じろりと上空のレディ・トールギスを見上げた。サチの感情を表しているのか、ドゥルガーの髪の毛は今にも爆発しそうに燃えている。
「じゃあそれでいいからよー、アンジェちゃん。何の用なのさー」
「武力介入ですわ、カンザキさん。このバトルを止める理由が、わたくしにはありましてよ」
「あっひゃっひゃ……あたしのバトルに介入するなんてー、いい度胸だねー。ソレスタルなんたら気取りかよ風紀委員ごときがさーっ!」
ウォォォンッ! あくまでも悠然と、余裕の様子で見下ろしてくるレディ・トールギスに、ドゥルガーが吼えた。同時、例の風切音――不可視の攻撃が撃ち放たれる、が、しかし、
「そこまでだ、サチ」
金色のゴッドフィンガーが、それを掴んだ。
「ダイ……ちゃん……」
「そこまでにしておけ、サチ」
見えない攻撃――無色透明のビームリボンを掴んだのは、ゴッドガンダムをベースにした、一体のガンプラだった。言い聞かせるようなダイの落ち着いた声色に、ドゥルガーの逆立った髪の毛がすっとおさまり、バーサーカーモードが解除されていく。
それと同時にバトルが強制終了され、行き場を失ったプラフスキー粒子がはらはらと、光の粒となって散っていく。コクピット表示が消えてみれば、エイトのすぐ横にはアンジェリカが、サチのすぐ横にはダイが立っているという状態だった。
サチはすっかり意気消沈した様子でうつむき、上目づかいにダイを見上げる。
「ダイちゃん……なんで、止めるのさー……?」
「すまなかった、サチ。お前の気持ちに気づかず」
「えっ……えっ、えぇっ?」
予想外のダイの言葉に、ぱっと、サチの頬に赤みがさす。
「俺の隣に立つのは自分だと言っていたな。嬉しいぞ、サチ」
「あ、あれっ、そんなに大きな声で言ったっけ? あ、あひゃ、ひゃっひゃ……うぅぅ……」
「俺も、お前に隣にいてほしい」
「――――っ!?」
サチの顔が耳まで真っ赤に茹で上がり、声にならない叫びがのど元まで出かかった。さっきまでの狂戦士っぷりが嘘のように、しおらしく指先をもじもじとさせている。
「そ、それってさー……つまりー、今までのー、幼なじみとかじゃなくてー、そのぅー……」
「サチ。聞いてくれ……」
ダイの大きな掌が、サチの小さな肩をがっしりと掴む。サチは一瞬びくっと震えるが、期待のこもったうるんだ瞳で、ゆっくりとダイを見上げる。
そして、ダイの口から出た言葉は――
「地区予選、三人目はなしでエントリーするぞ」
「……………………へ?」
「うむ。考えたのだが、俺とサチだけで十分戦えるだろう。むしろ、今から新しくメンバーを加えても、十分に連携訓練ができるとも思えん。実はさっき、他の三年生からの了解は取りつけたところでな。ほかの三年生は、三年生だけでもう一つチームを組んでエントリーすると」
「……い、言いたいことってー……そ、それー……?」
「うむ、そうだ。俺とサチは最高の幼なじみ、連携に抜かりはない。二年前とはガンプラの出来も段違いだ。高校最後の大会、きっと勝てる。いや、勝つぞサチ! 力をかしてく」
「ダイちゃんのっ、バカああああああああああああああああああああああああああああああ!」
ばっちーん。サチは強烈な平手打ちを一つ、まるでマンガのように涙を流しながら部室から飛び出していった。頬に真っ赤な手形をつけたダイは、何が何だかまるでわかっていない様子で、慌ててサチを追いかけていった。
「おい、どうしたサチ! 大会に出たかったのではないのか!」
そして後に残されるのはあっけにとられた表情のエイトとタカヤと、こめかみにぴくぴくと血管を浮かせ、苛立ちまくっているアンジェリカの三人だった。
「……わたくし、下校時間を過ぎていると、言いに来ただけなのですけれど」
「あ、はい……そういえば、他の人たち、いませんね」
「センパイ、風紀委員のお仕事、お疲れ様ッス!」
「いったい何なんですの、この茶番は……」
アンジェリカは、はぁっと深いため息を一つ。ぐったりと肩を落としたのも一瞬、メガネの位置をちゃきっと直し、背筋を伸ばして風紀委員長としての威厳を一瞬で取り戻した。
「部室棟を施錠しますわ。先生方の巡回時間までに、校舎から出てくださるかしら」
「了解ッス!」
「はい」
調子よく敬礼などするタカヤを尻目に、エイトはF108の外れたパーツを拾い集めた。バトルシステムの上あちこちに散らばっているパーツの数々が、ノーベルガンダム・ドゥルガーの攻撃の激しさを物語っている。ダメージレベルBでなければ、F108はちょっとやそっとの修理では効かない状態にされていただろう。
「あら、そのガンプラは……」
エイトのF108を見て、アンジェリカが小さく声をあげた。
「赤いF91……そう、あなたが……」
「……先輩。僕のガンプラが、何か」
「うふふ。いいえ、なんでもありませんわ。アカツキさん――さあ、鍵を閉めますわよ」
聞き返すエイトに、アンジェリカは意味深な笑みを投げかけるだけだった。
◆◆◆◇◆◆◆
「――ということが、あったんです」
「ほう、そうだったのか。大変だったね、エイト君」
今日のGBOでの待ち合わせ場所は、プトレマイオスのブリーフィングルームだった。原作アニメではスメラギ・李・ノリエガが戦術予報をしていた大型ディスプレイの前で、連邦系ノーマルスーツ姿のエイトと、赤いドレスのナノカのアバターが会話をしていた。
「しかし、あの副部長――〝
「あ、ありがとう、ございます……」
笑顔を表示するアバターの向こうにナノカの微笑みを想像して、エイトの声が少し上ずる。
「けッ。いいねェ、フツーの高校生ってやつはよォ。ヒマしてやがらァ」
そしてなぜか、エイトとナノカの間に割り込むように、床に胡坐をかいて座り込んでいる黒いジオン系ノーマルスーツのアバター。
「その部長と副部長って野郎はよォ、どこのラブコメの主人公だってェ話だろ」
口調にも表情にも、不機嫌さを全く隠そうとしないビス丸であった。長身でスタイルのいい美人のアバターのはずだが、胡坐をかいて頬杖をつく姿がとてもよく似合ってしまう。
「はは……確かに、ですね。しかしまあ、部長は良くも悪くもガンプラバカですから」
「はっはっは。エイト君、言うね。まさかキミが部長をバカ扱いとは」
「えっ、いや、その」
ナノカは鷹揚に笑いながら、エイトの頭をぽんぽんと叩いた。リアルでもそうだが、このアバターでも、ナノカのほうが数センチばかり背が高い――と、
「んだァッ! と・に・か・く!」
エイトをぽんぽんするナノカの手を振り払うように、ビス丸が勢いよく立ち上がり、ギザギザの犬歯をむき出しにして叫んだ。
「おい赤姫ェ! そろそろ、オレサマたちをわざわざ呼びつけた理由を聞かせろやァ! そ、それからクソエイト!」
「は、はい。何ですか?」
「で、デレデレしてんじゃねェぞ! 赤姫に!」
びしっとエイトを指さして威圧してくるわりには、なぜか視線を合わせてくれない。エイトはビス丸に嫌われたのかと少し残念に思い、素直に「すみません」と頭を下げた。
「わ、わかりゃァいいんだよ。べ、別に、頭ぽんぽんするぐらいだったら、その……お、オレサマだって、なァ……」
「おやおや、どうしたんだいビス子。そんなにエイト君から視線をそらしてもじもじとキミらしくない。どこのラブコメの主人公だい? はっはっは」
「だっ、黙れ赤姫ェェェェ! いいからてめェはさっさと要件を説明しろやァァァァッ!」
「メールを送っているよ。ほら、エイト君はもう読んでいるだろう」
「んなっ!?」
見れば、エイトはすでに空中に浮かんだ半透明のウィンドウに目を落とし、ナノカからのメールを読んでいた。集中している様子だ。となると、さっきの自分のセリフは聞かれていないのか――ビス丸は怒ったような残念なような複雑な表情を浮かべていたが、あきらめたようにフンと鼻を鳴らして、ウィンドウを開いた。
「――さて、見てくれたね。それが今度の目標だよ」
「GBO運営本部主催定期大会〝レギオンズ・ネスト〟……ですか」
「エイトのレベルアップを急いだのは、コイツのためかァ」
――レギオンズ・ネスト。GBOに数ある交戦規定の中でも、オンライン対戦の特長を最大限に生かしたバトルの一つだ。三機一組のチームが一つのフィールドに十重に二十重に入り乱れ、最後の一チームになるまで戦い続ける。しかも今大会では、そのフィールドが八つ同時に展開されるということで、かなり大規模なバトルロイヤル形式ということになる。メールに添付されているエントリーシートを見ると、参加資格は、レベル4以上。
「二週に一度の定期大会――エイト君もそろそろ、実績を作ってもいい頃合だよ」
「……はい!」
エイトの返事に、思わず力がこもる。
先のサチとの戦いで、アンジェリカによる武力介入がなければ負けていたのは自分だったとわかっている。だからこそ、強くなりたい。強くなれば、もっとGBOを楽しめる――ナノカといっしょに。それがエイトのモチベーションだった。そこに、ナノカの真の目的がどうとかいうような打算はなく、エイトの気持ちは実に純粋で、単純だった。
「ご一緒させてもらいます、ナノカ先輩」
「ふふ。期待しているよ、エイト君。あと、私のことはナノさんと呼ぶんだよ」
「は、はい、ナノさん。……あとビス子さんも、お願いしますね」
「ケッ。ついでかよオレサマは。まァいいさ、エントリーしてやらァ」
悪態をつきながらも、どこか嬉しそうにビス丸が言い、そして右手をばっと差し出した。
「チーム戦だろ。円陣、イッとこうぜ?」
にやりと笑い、視線で「手を重ねろ」と言ってくる。
「やれやれ、大会は明日だよ。……でもまあ、こういうのも悪くないね」
ナノカは呆れたような顔をしながらも、やはり何か嬉しそうな顔をして、ビス丸の手に自分の手を重ねた。
「失礼、します」
アバターとはいえ、女性の手に触れることになる。ナノさんの手に……中学は帰宅部だったエイトはあまり円陣などには慣れておらず、少し気後れしながら手を差し出した。
「んだァ、エイト。ビビってんのかァ? オレサマたちはチームだぜ!」
「
「……はい! お願いしますっ!」
吹っ切るように叫び、重ね合ったナノカとビス丸の手を、がっしりと上から握る。三人はお互いそれぞれに、アイコンタクト。軽く頷き合って、重ねた掌に視線を集中した。不思議と気分が高揚する。エイトは自分の胸が高鳴るのを感じていた。
「さァて。いくぜェ、レギオンズ・ネスト! 全弾ブチ撒けてェ、有象無象をブッ飛ばすぜェ!」
「後ろは私に任せて、キミたちは存分に突撃してくれ。それぞれの得意分野を生かそう。やってくれるね、エイト君。あとビス子も」
「はい。僕のガンダムで斬り抜けてみせます。がんばりましょう、ナノさん。あとビス子さんも」
「てめェらわざとやってんのか! ビス子じゃねェ! ったく……」
ビス丸は空いている手でばりばりと頭をかき、満足げにほほ笑んだ。
「んじゃァ、イくぜ! 明日のレギオンズ・ネスト、勝利のために!」
「……勝利のために」
「勝利の、ためにっ!」
三人の重ねた掌を、ぐいっと押し下げる。そして――
「出し切るぜェ! チーム……」
――そして、停止。三人が三人とも、凍ったように停止した。
「チーム……あー……えっと……なァ?」
気まずい視線、ビス丸からエイトへ。
「えっ。あ……あ、あはは……な、ナノさん?」
気まずい視線、エイトからナノカへ。
「…………うん。決めようか。チーム名」
空調完備のはずのプトレマイオスのラウンジに、肌寒い風がひょうと吹いた、気がした。
◆◆◆◇◆◆◆
エイトたちがチーム名を決める会議を始めたのよりも、少し遅い時間。GBOジャパンサーバ内、ラウンジナンバー十五番、バーカウンター。シャア・アズナブルがガルマ・ザビの死を揶揄し、「坊やだからさ」の名台詞を残したあのバーカウンターである。
「しっかし、あんなんでよかったんスか、センパイ」
仮想空間内なのだから気にすることもないのに、律儀に未成年用のオレンジジュースを飲む、若い男性のアバター。ガンダムマイスターの服装をしたその頭上に浮かぶネームプレートには、「モナカ」の文字――サナカ・タカヤのアバターである。
「あのまま副部長サンをやっつけちまえば、いい記事になったんスけどね」
「別にわたくし、選手権に出るつもりはありませんもの」
隣の席で、これもまたオレンジジュースを飲むアバターが、タカヤに答えた。その衣装は、真っ白なドレス。∀ガンダム劇中でロラン・セアックが女装するために使ったものの、色違いのようだ。ネームプレートには「アンジェ」とある。アンジェリカのアバターだ。
「あの場には、本当に風紀委員の仕事で行っただけ……でしたわ」
「……でした、ッスか?」
「ええ。でした、ですわ」
アンジェリカはオレンジジュースのグラスを傾け、意味深にほほ笑む。空になったグラスに、アンジェリカが何を言うでもないのに、再びオレンジジュースが注がれた。バーカウンターの中にいた、まるで執事のような黒服に身を固めたアバターである。褐色の肌に、白銀色の頭髪。年齢は成人に見えるが、このアバターこそ、まるでロラン・セアックのような外見だった。
「気が利きますわね。ありがとう、ラミア」
「いえ。恐悦至極にございます、お嬢様」
そう言って折り目正しく頭を下げる褐色肌のアバター、ラミア。顔つきは中性的だが、声は凛とした、女性らしい声だった。
「我ら〝
「今度のレギオンズ・ネストも、期待しているわ」
「はっ。必ずや、ご期待に沿いましょう」
「うふふ、頼むわよ。――話の途中だったわね、〝
アンジェリカはラミアにほほ笑みかけ、タカヤへと向き直る。〝
「そんなたいそうなモンじゃあないッスよ。〝
「おい」
どんっ。タカヤの目の前に、オレンジジュースのビンが乱暴に置かれた。剣呑な表情をあらわにしたラミアが、タカヤをじろりと睨み付ける。
「わきまえろ、野良犬が」
「なんスか、飼い犬さん?」
「リアルで知り合いだか知らんが、お嬢様に馴れ馴れしくするな。本来、次の定期大会も、我々さえいればお嬢様をお守りするには足りるのだぞ。報酬で動く野良犬ごときが……分をわきまえろ!」
「おー、怖いッスね、お姉さん。センパイ、保健所で猛犬注意の札もらってきたらどうッスか。この番犬、見境なく吠えすぎッスよ」
「きさま……っ!」
「いいかげんになさい」
飄々とした態度のタカヤにラミアが掴みかかりそうになったその時、アンジェリカの叱責が鋭く飛んだ。ラミアは一瞬で直立不動の姿勢に戻り、アンジェリカに頭を下げる。
「ラミア、客人に無礼を働いてはいけませんわ」
「はっ……し、しかし……」
「ラミア?」
「は、はっ、申し訳ありません、お嬢様」
アンジェリカの咎めるような視線に、ラミアはまるで叱られた子供のようにしょげかえる。アンジェリカは手振りでグラスを片付けるように指示し、ラミアはすごすごとそれに従ってカウンターの奥へと消えていった。その去り際に、タカヤに向けて負の感情を乗せに乗せた視線を投げつけて。
ニュータイプならざるタカヤは、それに気づかないのか無視しているのか、グラスに残ったオレンジジュースをストローでちゅーっと吸い上げて、空にした。
「……んで、センパイ。続きってなんスか」
「面白そうなものを、見つけましたの。あなたのお友達……アカツキ・エイトさんと言いましたわね」
「ええ、ああ……エイトが、どうかしたんスか?」
「お友達の使っていたガンプラ――赤いF91。最近話題の、スーパールーキーですわ」
言いながらアンジェリカは空中ウィンドウにGBO内のニュースアプリを起動させ、タカヤへとよこした。カウンターの上を滑ってきたウィンドウを拾い上げ、タカヤは記事に目を通す。
「へえ、レベル4到達最短記録更新。あの〝
タカヤは呆れながらも、口元のニヤリとした笑みを隠しきれない。三年生のアカサカ・ナノカがGBOエースプレイヤー〝赤姫〟というのは知っていたが、まさかあいつまで――
「先ほど、レギオンズ・ネストの組分けが発表されましたわ」
「運営、仕事早いッスね。プレイヤー獲得にやっきになってるって噂はマジらしいや」
「同じフィールドですわよ。彼らと、わたくしたちと」
「……へえ、そうッスか」
ウィンドウを操作し、タカヤはGBO運営公式ページを開いた。レギオンズ・ネストの対戦組分けが発表されている――その中に、あった。
第二十九回定期大会〝レギオンズ・ネスト〟、グループG。自分たちと同じグループに、その名前がある。
レベル7プレイヤー中最強、レベル8に最も近いと名高い
フィールド上の全てを吹き飛ばしながら進撃する壊し屋〝
GBO初ログインからわずか二週間でレベル4に達した
公式掲示板のほうを覗いてみれば、やはり話題はレギオンズ・ネストのことに集中していた。特に、エイトたちのチームについては、注目度が高いようだ。今までチームタグをつけたことがないと噂だった孤高のスナイパー・ナノの、初めてのチーム戦出場。しかもその相手が、フレンドリーファイアなど日常茶飯事の爆弾魔ビス丸だ。さらには、素性不明のルーキーまでチームメイトと来ている。話題にならないほうがおかしいぐらいだ。
「うふふ……悔しいですわね。わたくしたち――チーム・スノウホワイトだって、優勝候補ですのに」
「いいじゃあないッスか、センパイ。ちょうどライバルって感じッスよ。ほら、見てくださいよ、エイトたちのとこのチーム名――」
第二十九回GBO定期大会、レギオンズ・ネスト。
参加チーム総数、101チーム。出場ガンプラ数、約300機。
試合開始まで、あと、12時間。
第七話予告
《次回予告》
「新聞部一年エースにしてガンプラバトル部イチの事情通! サナカ・タカヤプレゼンツ! 大鳥居高校美少女名鑑!」
「うむ。聞こう」
「まずは〝
「うむ。そうか」
「続いて〝
「うむ。確かに、美しい女子たちが多いな」
「そーッスよね! ところでギンジョウ部長は、どなたが好みッスか?」
ガンダムビルドファイターズDR・第七話『レギオンズ・ネストⅡ』
「決まっている。サチだ」
「えっ。ろ、ロリッスか……?」
◆◆◆◇◆◆◆
次回、レギオンズ・ネスト開催です。
ビス子の明日はどっちだ!?
感想等いただければ幸いです。よろしくお願いします。